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K 6300-4 : 2018
附属書A
(規定)
活性化エネルギーの求め方
A.1 活性化エネルギーの求め方
反応速度の温度依存性は,アレニウスの式(A.1)で表すことができる。
Ea
k A exp (A.1)
RT
ここに, k : 反応速度定数
A : 反応の頻度係数
Ea : 活性化エネルギー
R : 気体定数
T : 反応温度
注記 式(A.1)は,多くの種類の反応への良好な適合性が知られており,加硫反応もその一つである。
式(A.1)の両辺の対数をとると式(A.2)が得られる。
Ea
RT
Ea Ea 1
ln k ln A ln e ln A ln A (A.2)
RT R T
すなわち,反応温度を変えて反応速度を測定すると,反応速度の対数(lnk)と反応温度の逆数(1/T)
との間には,直線関係が成り立ち,その傾き(−Ea/R)から活性化エネルギー(Ea)が求められる。
ゴムの加硫過程における反応速度としては,加硫試験機による加硫時間を使うことができる。したがっ
て,加硫温度を変えて加硫時間を測定し,加硫時間の対数を加硫温度の逆数に対してプロットし,その傾
きを気体定数(R)で除して活性化エネルギーを求める。加硫時間は,JIS K 6300-2によってを求めること
ができるが,JIS K 6300-2で求められるtc(90) は,誘導時間tc(10) を含むため,これを除いたtc(Δ80) を用
いる。詳細は,参考文献[2]を参照する。
――――― [JIS K 6300-4 pdf 11] ―――――
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K 6300-4 : 2018
附属書B
(参考)
熱拡散係数による温度曲線の求め方
B.1 熱拡散係数の求め方
昇温曲線T(t) から昇温不飽和度α(t) を求め,対数変換し,直線近似して勾配a及び切片bを求め,a,厚
さh及び幅Wからゴムの熱拡散係数χを算出する。
昇温曲線T(t) から昇温不飽和度α(t) を,式(B.1)によって求める(図B.1参照)
t T0 Tt T0 TS (B.1)
ここに, α(t) : 昇温不飽和度
T0 : 基準温度
TS : 試験開始時の温度
対数変換して直線近似式(B.2)によって勾配a及び切片bを求める。
ln t at b (B.2)
ここに, a : 勾配
b : 切片
a,h,Wadjからゴムの熱拡散係数χを,式(B.3)によって算出する。
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h a h Wadj (B.3)
ここに, χ : ゴムの熱拡散係数
h : 温度測定点のゴム厚さ
Wadj : 温度測定点のキャビティ幅の奥壁補正値
(Wの実寸30 mmの場合,Wadjは,表1−II型 : 21 mm,
表1−III型 : 24 mm)
B.2 気泡消滅限界点の温度曲線の求め方
切断面観察で気泡消滅限界距離LBを求め,厚さhBに換算し,χ,hB,T0,及びTSから気泡消滅限界位置
の昇温曲線T(t) を算出する。
式(B.4)又は式(B.5)によってLBをhBに換算する(図B.2参照)。
B II型) 6
h( LB 10 (B.4)
B III型) 6
h( 6 LB35 (B.5)
近似直線を式(B.6)によって算出する。
2
ln t ln 4 1 hB W hB (B.6)
昇温不飽和度α(t) を式(B.7)によって算出する。
2
t 4 exp 1 hB W hB xt (B.7)
昇温曲線T(t) を式(B.8)によって算出する。
Tt T0 t T0 TS (B.8)
――――― [JIS K 6300-4 pdf 12] ―――――
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K 6300-4 : 2018
昇温曲線
T0
T0−T()
t
T0−T
S
T(t(℃)
)
TS
時間(秒)
昇温不飽和度
b
a
l (
nα)
t
時間(秒)
図B.1−昇温曲線と昇温不飽和度との対比図
――――― [JIS K 6300-4 pdf 13] ―――――
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K 6300-4 : 2018
単位 mm
図B.2−LBからhBへの換算(表1−II型の例)
参考文献
[1] JIS C 1602 熱電対
[2] ゴム試験法(第3版),日本ゴム協会編,第3.6節 加硫度試験(7)加硫度試験と温度 P.131138
JIS K 6299:2012の国際規格 ICS 分類一覧
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