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JIS K 6720-1:1999 規格概要
この規格 K6720-1は、熱可塑性材料塩化ビニル樹脂(PVC)の呼び方について規定。呼び方は,仕様表記の基礎として用いる。
JISK6720-1 規格全文情報
- 規格番号
- JIS K6720-1
- 規格名称
- プラスチック―塩化ビニルホモポリマー及びコポリマー(PVC)―第1部 : 呼び方のシステム及び仕様表記の基礎
- 規格名称英語訳
- Plastics -- Homopolymer and copolymer resins of vinyl chloride -- Part 1:Designation system and basis for specifications
- 制定年月日
- 1999年9月20日
- 最新改正日
- 2018年10月22日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 1060-1:1998(IDT)
- 国際規格分類
ICS
- 83.080.20
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- プラスチック II(材料) 2021
- 改訂:履歴
- 1999-09-20 制定日, 2003-11-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
- ページ
- JIS K 6720-1:1999 PDF [11]
K 6720-1 : 1999 (ISO 1060-1 : 1998)
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
今回の制定は,国際規格に整合させるために,ISO 1060-1 : 1998を基礎として用いた。
JIS K 6720-1 : 1999には,次に示す附属書がある。
附属書(規定) 塩化ビニル樹脂
参考 附属書は,従来の日本工業規格(日本産業規格)JIS K 6720 : 1977に一致しており,国際規格を日本工業規格(日本産業規格)に
導入するための経過措置として添付する。
JIS K 6720 (ISO 1060) は,一般名称を“プラスチック−塩化ビニルホモポリマー及びコポリマー
(PVC) ”として,次の各部によって構成する。
第1部 呼び方のシステム及び仕様表記の基礎
第2部 試験片の作り方及び諸性質の求め方
(pdf 一覧ページ番号 )
――――― [JIS K 6720-1 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
K 6720-1 : 1999
(ISO 1060-1 : 1998)
プラスチック−塩化ビニルホモポリマー及びコポリマー (PVC) −第1部 : 呼び方のシステム及び仕様表記の基礎
Plastics−Homopolymer and copolymer resins of vinyl chloride− Part 1 : Designation system and basis for specifications
序文 この規格は,1998年に第2版として発行されたISO 1060-1, Plastics−Homopolymer and copolymer
resins of vinyl chlorid−Part 1 : Designation system and basis for specificationsを元に,本体は,対応する国際規
格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)であるが,附属書には,従来,日本工
業規格で規定していた塩化ビニル樹脂の分類方法を規定した。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所及び附属書は,対応国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲
1.1 この規格は,熱可塑性材料塩化ビニル樹脂 (PVC) の呼び方について規定する。この呼び方は,仕様
表記の基礎として用いることができる。
1.2 塩化ビニル樹脂を,次の性質の適切なレベル及びポリマーの基本パラメータ,重合法並びに用途に
基づいて区分する。
a) 還元粘度
b) 見掛け密度
c) 目開き63 田 蜀
d) 室温における可塑剤吸収量(一般用樹脂及びブレンド用樹脂についてだけ適用する)
e) 標準配合ペーストの粘度及びレオロジー的性質(ペースト用樹脂についてだけ適用する)
1.3 この規格は,塩化ビニルホモポリマー及び塩化ビニルと他の1種又はそれ以上のモノマーとのコポ
リマー,ターポリマーなど,塩化ビニルを主成分とする粉末状樹脂に適用する。これらの樹脂は,少量の
非重合性物質(例えば,乳化剤,懸濁剤,触媒残さなど)及び重合工程で添加される他の物質を含んでい
てもよい。
1.4 この規格の呼び方では,同じ呼び方の材料が必ずしも同一の性能を示すとは限らない。したがって,
この呼び方は,特定の用途及び/又は加工方法に必要な材料を特定するものではない。この規格は,エン
ジニアリングデータ,性能データ又は加工条件に関する情報を提供するものでもない。そのような追加デ
ータが必要な場合は,この規格の第2部に規定する試験方法が適用できるならば,それによって求める。
1.5 特定の用途向けに樹脂を規定するため,又は成形加工を再現性があるものにするための要求事項を,
データブロック5として追加してもよい(3.の最初の段落参照)。
――――― [JIS K 6720-1 pdf 2] ―――――
2
K 6720-1 : 1999 (ISO 1060-1 : 1998)
1.6 塩化ビニル樹脂の分類については,規格本体又は附属書の規定による。2004年10月1日以降は,附
属書(規定)は適用しない。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 1060-1 : 1998, Plastics−Homopolymer and copolymer resins of vinyl chloride−Part 1 :
Designation system and basis for specifications
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。記載された発効年(又は発行年)の版だけが,この規格の規定を構成するものであって,その後の改
正版・追補には適用しない。
ISO 1043-1 : 1997, Plastics−Symbols and abbreviated terms−Part 1 : Basic polymers and their special
characteristics.
参考 JIS K 6899 : 1992 プラスチック−記号−第1部 : 基本重合体(ポリマー)及びそれらの特
性が,このISO規格の1987年版と一致している。
JIS K 6720-2 : 1999, プラスチック−塩化ビニルホモポリマー及びコポリマー (PVC) −第2部 : 試験
片の作り方及び諸性質の求め方
備考 ISO 1060-2 : 1998, Plastics−Homopolymer and copolymer resins of vinyl chloride−Part 2 :
Preparation of test samples and determination of propertiesが,この規格と一致している。
3. 呼び方及び仕様表記のシステム 熱可塑性プラスチックの呼び方は,次の標準様式による。
呼び方
種類 識別項目ブロック
ブロック 規格番号 個別項目ブロック
ブロック
(記載任意) データ データ データ データ データ
ブロックブロック ブロックブロック ブロック
1 2 3 4 5
この呼び方は,記載任意な種類ブロック(熱可塑性プラスチックと記す)及び識別項目ブロックによっ
て構成し,さらに,識別項目ブロックは,規格番号ブロック及び個別項目ブロックによって構成する。
規格番号ブロックには,この規格の番号 “JIS K 6720-1” 及び括弧内に示した国際規格番号 “(ISO
1060-1)” の両者を記す。
あいまいな表示を避けるため,個別項目ブロックを,さらに次の五つのデータブロックに細分する。
データブロック1 : ISO 1043-1に従った記号PVCによる塩化ビニル樹脂の識別,並びに重合法及びポ
リマー組成に関する情報(3.1参照)。
データブロック2 : 用途(3.2参照)。
データブロック3 : 区分用の性質(3.3参照)。
データブロック4 : 充てん材又は強化材,及びそれらの公称含有率(この規格には適用しない)。
データブロック5 : 仕様表記の基礎にするために,追加情報を含む第5番目のデータブロックを加え
てもよい(3.4参照)。
個別項目ブロックの最初の文字は,ハイフンとする。それぞれのデータブロックは,互いにコンマで区
切る。
使わないデータブロックがある場合は,そのデータブロックを二つ続きの分離記号,すなわち,二つの
コンマ“,,”で表す。
――――― [JIS K 6720-1 pdf 3] ―――――
3
K 6720-1 : 1999 (ISO 1060-1 : 1998)
3.1 データブロック1 このデータブロックでは,ハイフンの後に,塩化ビニル系樹脂をISO 1043-1に
規定する記号,すなわち,塩化ビニルホモポリマーは記号 (PVC) ,コポリマー及びターポリマーは記号
(VC/.../...) で識別する。
コポリマー及びターポリマーについては,その後にスペースを入れ,百分率で表した塩化ビニル含有率
を2けたの数字で表示する。塩化ビニル含有率は,JIS K 6720-2 (ISO 1060-2) に従って求めた塩素含有率
から,次の式によって算出する。
[VC]=1.762 9×[Cl]
さらに,ハイフンを付けた後に,重合法を表1に規定した1文字のコードによって表す。
表1 データブロック1に用いる追加情報のコード
コード 定義
S 懸濁重合法 (Suspension polymerization)
E 乳化重合法 (Emulsion polymerization)
M 塊状重合法 (Mass polymerization, Bulk polymerization)
X 上記以外の重合法,又は微細懸濁重合法 (Microsuspension) などの中間的な重合法
3.2 データブロック2 このデータブロックでは,用途についての情報を表示する。用いるコード(文字)
を表2に示す。
表2 データブロック2に用いるコード
コード 用途
P ペースト用樹脂 (Paste resins)
F ブレンド用樹脂 (Filler resins, Blending resins)
G 一般用樹脂 (General purpose resins),区分P及びFに属する樹脂を除く
3.3 データブロック3 このデータブロックでは,還元粘度を3文字のコード(3.3.1),見掛け密度を2文
字のコード(3.3.2),及び目開き63 田 地 ード(3.3.3)で示す。
一般用樹脂及びブレンド用樹脂については,室温における可塑剤吸収量を2文字のコード(3.3.4),ペー
スト用樹脂については,標準配合ペーストの粘度を,配合を表す1文字,せん断速度16s−1及び100s−1に
おける粘度を表す2個の2けたのコード,並びにレオロジー的性質を表す1文字(3.3.5)で示す。これらの
四つのコードを,互いにハイフンで区切って示す。
区分用の性質の値が,コード表の範囲の境界上にあるか,又はそれに近い場合,製造業者は,その樹脂
がどちらの範囲に入るかを決める。その後,その樹脂の個々の試験値が,その範囲を外れても,製造上の
ばらつきの範囲内であればコードを変える必要はない。
備考 区分用の性質のすべての組合せの樹脂が,現在入手できるとは限らない。
3.3.1 還元粘度 還元粘度は,JIS K 6720-2 (ISO 1060-2) に従って求めなければならない。
表3に規定するように,還元粘度を26の範囲に区分し,それぞれ3けたのコード番号で示す。
表3 データブロック3の還元
粘度に用いるコード
コード 還元粘度の範囲 ml/g
045 ≦47
050 47<≦52
055 52<≦57
060 57<≦62
065 62<≦67
070 67<≦72
――――― [JIS K 6720-1 pdf 4] ―――――
4
K 6720-1 : 1999 (ISO 1060-1 : 1998)
コード 還元粘度の範囲 ml/g
075 72<≦77
080 77<≦82
085 82<≦87
090 87<≦92
095 92<≦97
100 97<≦105
110 105<≦115
120 115<≦125
130 125<≦135
145 135<≦152
160 152<≦167
175 167<≦182
190 182<≦197
205 197<≦212
220 212<≦227
235 227<≦242
250 242<≦257
265 257<≦272
280 272<≦287
295 287<
XXX 溶解しないため,試験不可能
3.3.2 見掛け密度 見掛け密度は,JIS K 6720-2 (ISO 1060-2) に従って求めなければならない。
表4に規定するように,見掛け密度を12の範囲に区分し,それぞれ2けたのコード番号で示す。
表4 データブロック3の見掛け
密度に用いるコード
コード 見掛け密度の範囲 g/ml
30 ≦0.32
35 0.32<≦0.37
40 0.37<≦0.42
45 0.42<≦0.47
50 0.47<≦0.52
55 0.52<≦0.57
60 0.57<≦0.62
65 0.62<≦0.67
70 0.67<≦0.72
75 0.72<≦0.77
80 0.77<≦0.82
85 0.82<
3.3.3 63 田 蜀 田 JIS K 6720-2 (ISO 1060-2) に従って求めなければならない。
表5に規定するように,63 田 囲に区分し,それぞれ2けたのコード番号で示す。
表5 データブロック3の63 田
残率に用いるコード
コード 63 田 囲%
00 ≦1
03 1<≦5
12 5<≦20
30 20<≦40
――――― [JIS K 6720-1 pdf 5] ―――――
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