JIS K 6899-3:2002 プラスチック―記号及び略語―第3部:可塑剤

JIS K 6899-3:2002 規格概要

この規格 K6899-3は、略語を作成するため,可塑剤に関連する用語の構成要素に対する一定の方式による記号の付け方を規定。一般に用語の確立された略語だけを含む。

JISK6899-3 規格全文情報

規格番号
JIS K6899-3 
規格名称
プラスチック―記号及び略語―第3部 : 可塑剤
規格名称英語訳
Plastics -- Symbols and abbreviated terms -- Part 3:Plasticizers
制定年月日
2002年2月20日
最新改正日
2016年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 1043-3:1996(IDT)
国際規格分類

ICS

01.040.83, 83.040.30
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
プラスチック II(材料) 2021
改訂:履歴
2002-02-20 制定日, 2006-10-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS K 6899-3:2002 PDF [8]
K 6899-3 : 2002 (ISO 1043-3 : 1996)

まえがき

  この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本プラスチック工業連盟 (JPIF) /財団法
人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,日本工業
標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
制定に当たっては,日本工業規格(日本産業規格)と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格(日本産業規格)の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 1043-3 : 1996 (Plastics−Symbol and
abbreviated terms−Part 3 : Plasticizers) を基礎として用いた。
JIS K 6899-3には,次に示す附属書がある。
附属書A(規定) 略語の個々の構成要素の記号のリスト

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS K 6899-3 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
K 6899-3 : 2002
(ISO 1043-3 : 1996)

プラスチック−記号及び略語−第3部 : 可塑剤

Plastics−Symbols and abbreviated terms−Part 3 : Plasticizers

序文 この規格は,1996年に第2版として発行されたISO 1043-3 : 1996 (Plastics−Symbols and abbreviated
terms−Part 3 : Plasticizers) を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業
規格である。
1. 適用範囲
1.1 この規格は略語を作成するため,可塑剤に関連する用語の構成要素に対する一定の方式による記号
の付け方を規定する。この規格は,一般に用語の確立された略語だけを含む。
1.2 この規格は一つの可塑剤に対し複数の略語が生まれるのを防ぐことを目的とする。これら記号は,
主に出版物その他の文書中の化学名に対する略語を形成するための簡便記法となることを目的とする。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 1043-3 : 1996 Plastics−Symbols and abbreviatcd terms−Part 3 : Plasticizers (IDT)
2. 記号及び略語の使用
2.1 本体中に略語が最初に現れる場合は括弧にくくり,かつ,その前に化学名を完全な形で書く。
2.2 記号には大文字だけを使用する。
2.3 表は略語,慣用名,使用し得る場合はIUPAC1)の対応する名称及びCAS-RN2)を含む。IUPAC名又は
CAS-RNが不確実若しくはあいまいさのため使用し得ない場合は,これを本体中に示す。
この規格で示された慣用化学名,又はIUPAC名は略語を定める際に参照するものとする。
備考 ゴム及びプラスチック工業で使用する場合は,多くの可塑剤は“商業用”又は“工業用”銘柄
であり,必ずしも純粋の物質ではないことに留意すべきである。
2.4 略語の個々の構成要素の記号を附属書Aに示す。
2.5 この規格では可塑剤の混合物は考慮しない。
2.6 他に示さない限り,アルキル基はn-アルキル基であり,フタル酸エステルはo-フタル酸のエステル
である。
1) 国際純正応用化学連合
2) ケミカルアブストラクトサービス登録番号

――――― [JIS K 6899-3 pdf 2] ―――――

2
K 6899-3 : 2002 (ISO 1043-3 : 1996)
2.7 ノルマル (n-) 直鎖アルコールを示す場合,略語中に何ら記号は使用しない。分岐した(イソ)アル
コールは,1個の例外を除き付加記号を使用する。すなわち,(例えば,DOA及びDOP中の)2-エチルヘ
キシルに対する記号Oの世界的な使用によって,この規格での使用を認め,(DNOP中のように)n-オク
チル基はNOとした。この二重の使用方法のため,2.1によった規定の規則の適用が非常に重要である。
2.8 記号Iはイソ-分岐した基を示す(例えば,DIOP)。しかし,フタル酸ジ-n-トリデシルは可塑剤とし
て使用されないため,時にDTDPがDITDPに代わり使用される。DTDPが使用される際には2.1に規定さ
れた規則の適用が非常に重要である。
2.9 同一のアルコールのジエステルに基づく可塑剤の略語の最初の記号はDである。
2.10 可塑剤の略語では“りん酸エステル”に対する文字Fに代わり文字Pを使用してもよい。
2.11 分岐した基を示す“イソ”の名称をもつ数種の可塑剤は数種の異性体からなってもよい。この理由
から,単一のIUPAC名によってこれらの可塑剤各個の詳細な化学組成を記述することはできない。
2.12 2種以上のアルコールのエステルからなる数種の可塑剤は数字及びローマ字を組み合わせたコード
によって識別されており,例えば,711Aはアジピン酸ヘプチルノニルウンデシル (HNUA) に対する代替
の慣用名である。第1の数字は可塑剤中の最も短いアルキル基の炭素数,第2及び第3の数字は最も長い
アルキル基の炭素数を表す。そこで,7はヘプチル,11はウンデシルを示す。コードの最終のローマ字は
アジピン酸エステルを表すA,又はフタル酸エステルを示すPのいずれかである。
3. 用語一覧表
略語 一般名 対応IUPAC名 CAS
登録番号
ASE アルキルスルホン酸エステル 未知
アルカンスルホン酸エステル又はアルカンス
ルホン酸アルキル
BAR o-アセチルリシノール酸ブチル (R) 12-アセトキシオレイン酸ブチル 140-04-5
BBP フタル酸ベンジルブチル 一般名と同一 85-68-7
BCHP フタル酸ブチルシクロヘキシル 一般名と同一 84-64-0
BNP フタル酸ブチルノリル 一般名と同一 未知
BOA アジピン酸ベンジルオクチル アジピン酸ベンジル-2-エチルヘキシル 3089-55-2
BOP フタル酸ブチルオクチル フタル酸ブチル-2-エチルヘキシル 85-69-8
BST ステアリン酸ブチル 一般名と同一 123-95-5
DBA アジピン酸ジブチル 一般名と同一 105-99-7
DBEP フタル酸ジ(2-ブトキシエチル) 一般名と同一 117-83-9
DBF フマル酸ジブチル 一般名と同一 105-75-9
DBM マレイン酸ジブチル 一般名と同一 105-76-0
DBP フタル酸ジブチル 一般名と同一 84-74-2
DBS セバシン酸ジブチル 一般名と同一 109-43-3
DBZ アゼライン酸ジブチル 一般名と同一 2917-73-9
DCHP フタル酸ジシクロヘキシル 一般名と同一 84-61-7
DCP フタル酸ジカプリル フタル酸ビス(1-メチルヘプチル) 131-15-7
DDP フタル酸ジデシル 一般名と同一 84-77-5
DEGDB ジ安息香酸ジエチレングリコール ジ安息香酸オキシジエチレン 120-55-8
DEP フタル酸ジエチル 一般名と同一 84-66-2
DHP フタル酸ジヘプチル 一般名と同一 3648-21-3
DHXP フタル酸ジヘキシル 一般名と同一 84-75-3
DIBA アジピン酸ジイソブチル 一般名と同一 141-04-8
DIBM マレイン酸ジイソブチル 一般名と同一 14234-82-3

――――― [JIS K 6899-3 pdf 3] ―――――

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K 6899-3 : 2002 (ISO 1043-3 : 1996)
略語 一般名 対応IUPAC名 CAS
登録番号
DIBP フタル酸ジイソブチル 一般名と同一 84-69-5
DIDA アジピン酸ジイソデシル 2.11参照 27178-16-1
DIDP フタル酸ジイソデシル 2.11参照 26761-40-0
DIHP フタル酸ジイソヘプチル 2.11参照 41451-28-9
DIHXP フタル酸ジイソヘキシル 一般名と同一 71850-09-4
DINA アジピン酸ジイソノニル 2.11参照 33703-08-1
DINP フタル酸ジイソノニル 2.11参照 28553-12-0
DIOA アジピン酸ジイソオクチル 2.11参照 1330-86-5
DIOM マレイン酸ジイソオクチル 2.11参照 1330-76-3
DIOP フタル酸ジイソオクチル 2.11参照 27554-26-3
DIOS セバシン酸ジイソオクチル 2.11参照 27214-90-0
DIOZ アゼライン酸ジイソオクチル 2.11参照 26554-17-2
DIPP フタル酸ジイソペンチル 一般名と同一 605-50-5
DMEP フタル酸ジ(2-メチルオキシエチル)フタル酸ビス(2-メトキシエチル) 117-82-8
DMP フタル酸ジメチル 一般名と同一 131-11-3
DMS セバシン酸ジメチル 一般名と同一 106-79-6
DNF フマル酸ジノニル 一般名と同一 2787-63-5
DNM マレイン酸ジノニル 一般名と同一 2787-64-6
DNOP フタル酸ジ-n-オクチル フタル酸ジオクチル 117-84-0
DNP フタル酸ジノニル 一般名と同一 14103-61-8
DNS セバシン酸ジノニル 一般名と同一 4121-16-8
DOA アジピン酸ジオクチル3) アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)3) 103-23-1
DOIP イソフタル酸ジオクチル イソフタル酸ビス(2-エチルヘキシル) 137-89-2
DOP フタル酸ジオクチル フタル酸ビス(2-エチルヘキシル) 117-81-7
DOS セバシン酸ジオクチル セバシン酸ビス(2-エチルヘキシル) 122-62-3
DOTP テレフタル酸ジオクチル テレフタル酸ビス(2-エチルヘキシル) 6422-86-2
DOZ アゼライン酸ジオクチル アゼライン酸ビス(2-エチルヘキシル) 2064-80-4
DPCF りん酸ジフェニルクレジル オルトりん酸ジフェニルx-トリル 26444-49-5
ここにxはo, m, p又は混合物を示す
DPGDB 該当名なし
ジ安息香酸ジ-x-プロピレングリコール 未知
DPOF りん酸ジフェニルオクチル 1241-94-7
オルトりん酸-2-エチルヘキシルジフェニル
又はオルトりん酸オクチルフェニル
DPP フタル酸ジフェニル 一般名と同一 84-62-8
DTDP 2.11参照
フタル酸ジイソトリデシル(2.8参照) 27253-26-5
DUP フタル酸ジウンデシル 一般名と同一 3648-20-2
ELO エポキシ化あまに油 該当名なし 8016-11-3
ESO エポキシ化大豆油 該当名なし 8013-7-8
GTA 三りん酸グリセリン 一般名と同一 102-76-1
HNUA アジピン酸ヘプチルノニルウンデシル該当名なし 未知
(=711A)
HNUP フタル酸ヘプチルノニルウンデシル 該当名なし 68515-42-4
(=711P)
HXODA アジピン酸ヘキシルオクチルデシル 該当名なし 未知
(=610A)
HXODP フタル酸ヘキシルオクチルデシル 該当名なし 68515-51-5
(=610P)
NUA 該当名なし
アジピン酸ノニルウンデシル (=911A) 未知
NUP フタル酸ノニルウンデシル (=911P) 該当名なし 未知

――――― [JIS K 6899-3 pdf 4] ―――――

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K 6899-3 : 2002 (ISO 1043-3 : 1996)
略語 一般名 対応IUPAC名 CAS
登録番号
ODA アジピン酸オクチルデシル アジピン酸デシルオクチル 110-29-2
ODP フタル酸オクチルデシル フタル酸デシルオクチル 68515-52-6
ODTM トリメリット酸-n-オクチルデシル 未知
ベンゼン-1,2, 4-トリカルボン酸水素デシルオ
クチル
PO 流動パラフィン 該当名なし 8012-95-1
PPA ポリ(アジピン酸プロピレン) 一般名と同一 未知
PPS ポリ(セバシン酸プロピレン) 該当名なし 未知
SOA 八酢酸スクロース 八酢酸スクロース 126-14-7
TBAC o-アセチルクエン酸トリブチル 一般名と同一 77-90-7
TBEP りん酸トリ(2-ブトキシエチル) 一般名と同一 78-51-3
TBP りん酸トリブチル オルトりん酸トリブチル 126-73-8
TCEF りん酸トリクロロエチル オルトりん酸トリス(2-クロロエチル) 6145-73-9
TCF りん酸トリクレジル オルトりん酸トリ-x-トリル 1330-78-5
ここにxはo, m, p又は混合物を示す
TDBPP オルトりん酸トリス(2, 3-ジブロモプロピル) 126-72-7
りん酸トリ(2, 3-ジブロモプロピル)
TDCPP オルトりん酸トリス(2, 3-ジクロロプロピル) 78'43-3
りん酸トリ(2, 3-ジクロロプロピル)
TEAC o-アセチルクエン酸トリエチル 一般名と同一 77-89-4
THFO オレイン酸テトラヒドロフルフリル 一般名と同一 5420-17-7
THTM トリメリット酸トリヘプチル ベンゼン-1,2, 4-トリカルボン酸トリヘプチル 1528-48-9
TIOTM トリメリット酸トリイソオクチル 27251-75-8
ベンゼン-1,2, 4-リカルボン酸トリス(6-メチル
ヘプチル)
TOF りん酸トリオクチル オルトりん酸トリス(2-エチルヘキシル)78-42-2
TOPM ピロメリット酸テトラオクチル 3126-80-5
ベンゼン-1,2, 4,5-テトラカルボン酸テトラキ
ス(2-エチルヘキシル)
TOTM トリメリット酸トリオクチル 89-04-3
ベンゼン-1,2, 4-トリカルボン酸トリス(2-エチ
ルヘキシル)
TPP りん酸トリフェニル オルトりん酸トリフェニル 115-86-6
TXF りん酸トリキシリル オルトりん酸トリ-x, y-キシリル 25155-23-1
ここにx及びyはo, m, p又は混合物を示す
備考 この文脈では“オクチル”及び“2-エチルヘキシル”は同義語である : DEHA及びDEHPはしばしば略語とし
て使用される。

――――― [JIS K 6899-3 pdf 5] ―――――

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