JIS K 6920-1:2018 プラスチック―ポリアミド(PA)成形用及び押出用材料―第1部:呼び方のシステム及び仕様表記の基礎 | ページ 2

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表1−データブロック1のポリアミド材料の化学構造を示す記号
記号 名称及び化学構造
脂肪族 単一モノマー
PA x xはモノマーの炭素数を示すポリアミド
例 PA 6 : ポリアミド6 ε-カプロラクタムからのホモポリマー
PA 11 : ポリアミド11 11-アミノウンデカン酸からのホモポリマー(附属書A参照)
脂肪族 二つのモノマー ジアミン/ジカルボン酸
PA xy ポリアミド
− xはジアミンの炭素数を示す。
− yはジカルボン酸の炭素数を示す(附属書A参照)。
例 PA 46 : ポリアミド46 テトラメチレンジアミン及びアジピン酸からのホモポリマー
PA 612 : ポリアミド612 ヘキサメチレンジアミン及びドデカン二酸からのホモポリマー
半芳香族 二つのモノマー (芳香族)ジアミン/(芳香族)ジカルボン酸
PA xy ポリアミド
− xはジアミンの炭素数,又はジアミンの記号を示す。
− yはジカルボン酸の炭素数,又はジカルボン酸の記号を示す(附属書A参照)。
例 PA 4T : ポリアミド4T テトラメチレンジアミン及びテレフタル酸からのホモポリマー
PA MXD6 : ポリアミドMXD6 m-キシリレンジアミン及びアジピン酸からのホモポリマー
表2−データブロック1の共重合ポリアミド材料の化学構造を示す記号(例)
記号a) 名称及び化学構造b)
PA 66/610 ヘキサメチレンジアミン,アジピン酸及びセバシン酸からの共重合ポリアミド
PA 6/12 ε-カプロラクタム及びラウロラクタムからの共重合ポリアミド
PA 6/66/PACM6 ε-カプロラクタム,ヘキサメチレンジアミン,ビス(p-アミノシクロヘキシル)メタン及びアジピ
ン酸からの三元共重合ポリアミド
PA 46/6 テトラメチレンジアミン,アジピン酸及びε-カプロラクタムからの共重合ポリアミド
PA 4T/6T テトラメチレンジアミン,ヘキサメチレンジアミン及びテレフタル酸からの共重合ポリアミド
PA 6T/XT ヘキサメチレンジアミン,規定なしのジアミン及びテレフタル酸からの共重合ポリアミド
PA 6T/66 ヘキサメチレンジアミン,テレフタル酸及びアジピン酸からの共重合ポリアミド
PA 6T/6I ヘキサメチレンジアミン,テレフタル酸及びイソフタル酸からの共重合ポリアミド
PA 6T/6I/66 ヘキサメチレンジアミン,テレフタル酸,イソフタル酸及びアジピン酸からの三元共重合ポリアミ

PA 66/6I ヘキサメチレンジアミン,アジピン酸及びイソフタル酸からの共重合ポリアミド
PA NDT/INDT 1,6-ジアミノ-2,2,4-トリメチルヘキサン,1,6-ジアミノ-2,4,4-トリメチルヘキサン及びテレフタル酸
からなる共重合ポリアミド
PA 12/IPDI ラウロラクタム,イソホロンジアミン及びイソフタル酸からの共重合ポリアミド
次の三つの呼び方は,組成比の表示を含む(附属書A参照)。
質量分率90 % ヘキサメチレンジアミン,アジピン酸及び質量分率10 %
PA 66/6 (90/10) 攀 カプロラクタムから
の共重合ポリアミド
質量分率80 %
PA 6/66 (80/20) 攀 カプロラクタム,質量分率20 % ヘキサメチレンジアミン及びアジピン酸から
の共重合ポリアミド
質量分率80 % ヘキサメチレンジアミン,アジピン酸及び質量分率20 %
PA 66/6 (80/20) 攀 カプロラクタムから
の共重合ポリアミド
注a) ポリマー鎖の繰返し単位において,ジカルボン酸成分でのテレフタル酸及び/又はイソフタル酸比率が55モ
ル%以上の半結晶性のポリアミドは,ポリフタルアミド(PPA)としてもよい(ASTM D5336参照)。
b) 他のモノマーの組合せも可能である。
表1及び表2の材料及び/又は他のポリマー(JIS K 6899-1参照)から作るポリマーブレンド又はアロ
イの場合は,主構成成分を含むベースポリマーの略号を最初に表示し,その後,質量比の大きい方から小

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さい方へ順番に他の構成成分を続けて表示する。構成成分の間は,プラス記号で分離し,その符合の前後
にはスペースを置かない。
例 ポリアミド12とポリプロピレンとの混合物は,“PA 12+PP”とする。

3.3 データブロック2

  データブロック2の位置1には,1桁目に充材及び/又は強化材の種類を1桁のコードで表示し,2
桁目にその物理的形状を2番目のコードで表示する。それらのコードは,表3に示す。このコードに続い
て,空白なしでその質量含有率を3,4桁目に2桁の数字で表示する。
数種の物質及び/若しくは異なる形状の混合物を表す場合,“+”の記号を使ってコードをつなぎ,その
全体を括弧でくくることによって,又は“+”の記号を使ってコードをつなぎ,その全体を括弧でくくり
全フィラー質量含有率を続けることによって表示する。例えば,25 %ガラス繊維 (GF) と10 %ミネラル粉
末 (MD) との混合物は,(GF25+MD10) 又は (GF+MD)35と表示する。
注記 マーキングのためには,コードをつなぎ括弧の外側に全フィラー質量含有率を続けることが望
ましい。
表3−データブロック2で使用する充材及び強化材のコード
コード 物質(1桁目) 形状(2桁目)
B ボロン ボール,ビーズ,球
C カーボンa) −
D − 粉末,ドライブレンド
F − 繊維
G ガラス か粒,粉砕物
H − ウイスカー
K 炭酸カルシウム −
M ミネラルa) −
ME 金属b) −
S 有機物,合成物 −
T タルク −
X 規定なし 規定なし
Z その他a) その他a)
注a) これらの物質は,例えば,化学記号又は関連規格に定められた略号で詳しく表示してもよい。
b) 金属の場合,その含有率の後に化学記号(大文字)によって金属の種類を表示する。例えば,
スチールウイスカーは,“MH05FE”と表示してもよい。
強化材のコードから空白で離した位置2に,難燃剤配合又は難燃性を,略号“FR”と表示し,空白なし
で続けた括弧内に,難燃剤の種類をJIS K 6899-4に規定された2桁のコードで表示する。
難燃剤コードから,又は難燃剤コードがない場合は強化材のコードから,空白で離した位置3に,リサ
イクルの宣言を括弧内のコード“(R)”によって表示する。コード“(R)”に続けて,空白なしで質量含有
率を括弧内に示してもよい。例えば,名目上70 %のリサイクル材と30 %のバージン材とで構成される樹
脂をベースとした20 %ガラス繊維強化のPA 66は,“JIS K 6920(ISO 16396)-PA 66,GF20 (R70)”と表示する。

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3.4 データブロック3

  データブロック3には,位置1に用途及び/又は加工方法についての情報を,位置28に重要な性質,
添加剤及び着色剤についての情報を,表4に示すコード(文字)を用いて表示する。位置28の情報があ
り,位置1の情報がない場合には,位置1にコード“X”(表示なし)を挿入する。
表4−データブロック3に使用するコード
コード 位置1 位置28
A − 加工安定性
B ブロー成形用 ブロッキング防止性
C − 着色
C1 − 透明着色
C2 − 不透明着色
D − 粉末
D1 − ドライブレンド性
E 押出用 発泡性
E1 パイプ押出用 −
E2 異形押出用 −
E3 シート押出用 −
E4 チューブ押出用 −
F フィルム,薄肉シート押出用 特殊燃焼性
F1 − 不燃性
F2 − 難燃性
F3 − 可燃性
G 一般用 か粒
G1 − ペレット
H コーティング用 熱老化安定性
H1 パウダーコーティング用 放射線安定性
K ケーブル,ワイヤーコーティング用 −
L モノフィラメント押出用 耐光又は耐候性
L1 − 耐UV性
M 成形用 −
M1 射出成形用 −
N − 自然色(非着色品)
O1 − めっき性
O2 − レーザープリント
P − −
R 回転成形用 離型性
S 焼結用 潤滑性
T テープ製造用 透明
T1 − 半透明
T2 − 不透明
T3 − UV透過性
T4 − 光散乱性
W − 耐加水分解性
X 規定なし −
Z − 帯電防止性

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3.5 データブロック4

3.5.1  一般
データブロック4には,性質1及び性質2の範囲を3桁のコードで表示する(3.5.2及び3.5.3参照)。コ
ードの間には,ハイフンを入れる。
性質がその範囲の境界上にあるか,又はそれに近い場合,製造業者はその材料がいずれの範囲に入るか
を決める。その後,その材料の個々の試験値が,その範囲から外れても製造許容範囲にある場合には,そ
のコードを変える必要はない。
注記 粘度数及び引張弾性率のコードの全ての組合せのポリアミドが,現在入手できるとは限らない。
ポリアミド(PA)を,次の性質の適切なレベルに基づいて区分する。
a) 粘度数
b) 引張弾性率
c) 造核剤の有無
造核剤処方のされたポリアミドは,データブロック4の最後尾に文字“N”をつけて表示することがで
きる。
3.5.2 粘度数
粘度数は表5の溶媒を用い,JIS K 6933に従って測定しなければならない。
粘度数の値は,表5の3桁のコードで表現される範囲に割り当てる。
共重合ポリアミドに対して,質量分率96 %硫酸を溶媒として使用することが望ましい。ただし,共重合
ポリアミドによっては,m-クレゾール又はフェノール/1,1,2,2-テトラクロロエタン(質量比60/40)によ
く溶けるものもある。
表5の最後の欄に含まれていない共重合ポリアミドとホモポリアミドとの最適な溶媒に関する情報は,
それぞれの供給者から得るとよい。
表5−データブロック4の粘度数に使用するコード
コード 粘度数範囲 適用
溶媒 : 質量分率96 % 溶媒 : m-クレゾール 溶媒 : フェノール/
硫酸 1,1,2,2-テトラクロロ
エタン(質量比60/40)
S09 ≦90
S10 >90 to≦110
S12 >110 to≦130 PA 6,PA 66,PA 69,
S14 >130 to≦160 PA 610,PA 612,
S18 >160 to≦200 PA 613,PA MXD6
S22 >200 to≦240 及び
S27 >240 to≦290 共重合ポリアミド
S32 >290 to≦340
S34 >340
C11 ≦110
C12 >110 to≦130
PA 1010,PA 1012,
C14 >130 to≦150
PA 1212,PA 11,PA 12
C16 >150 to≦170
及び
C18 >170 to≦200
共重合ポリアミド
C22 >200 to≦240
C24 >240

――――― [JIS K 6920-1 pdf 9] ―――――

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表5−データブロック4の粘度数に使用するコード(続き)
コード 粘度数範囲 適用
溶媒 : 質量分率96 % 溶媒 : m-クレゾール 溶媒 : フェノール/
硫酸 1,1,2,2-テトラクロロ
エタン(質量比60/40)
P12 ≦120
PA 6T/66,PA 6I/66,
P13 >120 to≦140
PA 6I/6T,PA 6T/6I/66,
P15 >140 to≦160
PA 6T/6I,PA 10T,
P17 >160 to≦180
PA 6I/6T/66,PPA及び
P19 >180 to≦200
共重合ポリアミド
P20 >200
注記 溶媒として質量分率90 %ぎ酸で測定した粘度数は,次の式によって,質量分率96 %硫酸の粘度数に換算でき
る(JIS K 6933参照)。
PA 6 : ln y=0.416 1+0.927 6 ln x
PA 66 : ln y=0.454 1+0.926 1 ln x
PA 69 : ln y=0.463 4+0.909 5 ln x
PA 610 : ln y=0.982 3+0.793 2 ln x
ここに,
x : 質量分率90 %ぎ酸における粘度数
y : 質量分率96 %硫酸における粘度数
PA 612に対しては,m-クレゾールでの粘度数と質量分率96 %硫酸で測定された粘度数との間には,次の換算式を
適用する。
ln z=0.285 7+0.985 9 ln y
ここに,
y : 質量分率96 %硫酸における粘度数
z : m-クレゾールにおける粘度数
3.5.3 引張弾性率
引張弾性率は,JIS K 6920-2で規定した条件下で,JIS K 7161-1及びJIS K 7161-2に従って絶乾状態で
測定する。その引張弾性率の特性は,表6の3桁の数字コードで表示する。

――――― [JIS K 6920-1 pdf 10] ―――――

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JIS K 6920-1:2018の関連規格と引用規格一覧