JIS K 6955:2017 プラスチック―呼吸計を用いた酸素消費量又は発生した二酸化炭素量の測定による土壌中でのプラスチックの好気的究極生分解度の求め方 | ページ 3

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9 計算及び結果の表示

9.1 計算

9.1.1  酸素消費量からの生分解度百分率
適切なタイプの呼吸計に対して,製造業者から与えられた方法を使用して,それぞれのフラスコごとに
酸素消費量を測定する。生分解度百分率Dtは,式(1)によって算出する。
Bt BBt
Dt (1)
T Od
ここに, Dt : 時間tの生分解度百分率(%)
Bt : 時間tの試験材料を含むフラスコFTの試験土壌1キログ
ラム当たりのBOD値(mg/kg)。酸素消費量測定値(mg)
を試験土壌量(kg)で除することによって計算する
BBt : 時間tの試験土壌1キログラム当たりの空試験FBのBOD
値(mg/kg)
ρT : フラスコFTの試験材料の濃度。試験土壌1キログラム当
たりの試験材料の質量(g/kg)
Od : 試験材料1グラム当たりのThOD値(mg/g)
同様な方法で対照材料FCの生分解度百分率を算出する。非生物的分解確認フラスコFS,及び阻害確認
フラスコFIの試験をしているときは生分解していないことを確認する。ThODの計算は,附属書Dを参照。
9.1.2 二酸化炭素発生量からの生分解度百分率
9.1.2.1 試験材料の理論的二酸化炭素発生量
ミリグラムで表された理論的二酸化炭素発生量ThCO2は,式(2)によって算出する。
44
TCO2 m wC (2)
12
ここに, TCO 2 : 試験材料の理論的二酸化炭素発生量ThCO2(mg)
m : 試験系中に導かれた試験材料の質量(mg)
wC : 化学式から求める,又は元素分析から計算される試験
材料の炭素含有量。質量分率として表される
44及び12 : それぞれ二酸化炭素の分子量及び炭素の原子量
同じ方法で対照材料の理論的二酸化炭素発生量並びにフラスコFI中の試験材料及び対照材料の混合物の
理論的二酸化炭素発生量を計算する。
9.1.2.2 生分解度百分率
それぞれの測定間隔ごとに,発生した二酸化炭素量から試験フラスコFTに対する生分解度百分率Dtは,
式(3)によって算出する。
mT mB
Dt 100 (3)
TCO 2
ここに, Dt : 試験のスタートから時間tの生分解度百分率(%)
ΣmT : 試験のスタートから時間tの間に試験フラスコFT中に発
生した二酸化炭素の質量(mg)
ΣmB : 試験のスタートから時間tの間に空試験フラスコFB中に
発生した二酸化炭素の質量(mg)
TCO 2 : 試験材料の理論的二酸化炭素発生量ThCO2(mg)
同様に,土壌活性確認フラスコFC中の対照材料の生分解度百分率を算出する。

――――― [JIS K 6955 pdf 11] ―――――

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9.2 結果の表示及び解釈

  測定したBOD値又は二酸化炭素発生量,及び生分解度百分率は,測定した時間ごとに表を作って表示
する。それぞれのフラスコごとに,時間の関数としたBOD曲線又は二酸化炭素発生量曲線,及び時間の
関数とした生分解度百分率曲線をプロットする。3個2) のフラスコ間で結果が類似している場合には,平
均曲線をプロットしてもよい。
生分解度曲線の定常期の平均値から測定した最大の生分解度は,その試験材料の生分解度の特性を表す。
試験材料のぬれ能力及び形状は,得られた結果に影響を及ぼす可能性がある。異なる試験材料の結果と
比較する場合,このことを考慮に入れることが望ましい。
低い生分解性を示す試験結果を解釈するために,試験材料の毒性に関する情報を得ておくのがよい。
注2) 対応国際規格では“2個”と記載されているが,これは誤りである。

10 結果の正当性

  試験は,以下のa) 及びb) の条件を満たす場合に適合とみなす。
a) 対照材料の生分解度百分率が,定常期又は試験終了時に60 %以上である。
b) 定常期又は試験終了時に,3個のブランクのBOD値又は二酸化炭素発生量を求める。この平均値と3
個のブランクのそれぞれの値との差が20 %以内である。
これらの判定基準が満たされない場合は,他の予調整又は予暴露された土壌を用いて再試験する。

11 試験報告

  試験報告には,次の事項を含まなければならない。
a) この規格の番号
b) 試験材料及び対照材料を同定するのに必要な全ての情報 : 名前,化学組成,化学式(分かる範囲で),
ThOD,ThCO2(計算方法を含む。),形状,外観,試験に使用したサンプルの量及び濃度並びに添加剤
濃度(分かる範囲で)を含む。
c) 試験材料の履歴[未使用か(顆)粒,加工最終プラスチック製品又は古い試料],前処理が行われたら,
前処理の条件の詳細。
d) 土壌に関する完全な情報 : 出所,採取日,特性,試験に使用した量,貯蔵条件,予暴露の操作及び詳
細を含む。
e) 主な試験条件 : 使用した試験材料の量,培養温度及び培養期間を含む。
f) 使用した分析技術 : 呼吸計の原理及び二酸化炭素量の測定方法を含む。
g) 他の実施した操作の全て : 試験中の試験混合物への水分添加,試験材料の分析結果及び試験終了時の
水分含量を含む試験混合物の分析結果を含む。
h) 試験材料及び対照材料に関して得られた全ての試験結果(表及びグラフ形式で) : 測定された累積BOD
又は二酸化炭素発生量,生分解度百分率及び時間に対するこれらの変数の曲線を含む。
i) 誘導期,分解期,分解の最高レベルの期間及び全体の試験期間。
さらに,任意の試験として実施,又は測定した場合の試験報告には,次のことを記載する。
j) 試験材料の残留量又は残留量から計算される生分解度百分率。
k) 土壌中の微生物のコロニー形成単位(cfu/g)。
l) 試験期間の延長中に微生物を再接種又は栄養不足を回避するために用いた方法の詳細。
m) 入手可能な試験材料の全ての情報及び毒性作用を避けるために試験試料濃度を減らした場合の使用

――――― [JIS K 6955 pdf 12] ―――――

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量。
n) 他の関連データの全て(例えば,試料の初期分子量,未分解プラスチック材料の分子量)。
o) 指定された試験方法からのあらゆる逸脱。

――――― [JIS K 6955 pdf 13] ―――――

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附属書A
(参考)
圧力測定型閉鎖呼吸計の原理
上部空間に二酸化炭素吸収剤を装備した試験フラスコ(図A.1の1),電気分解形の酸素発生装置(図
A.1の8),圧力計(図A.1の6),外部のモニタ(図A.1の4)及び記録装置(図A.1の5)(プリンタ,プ
ロッタ又はコンピュータ)で構成する圧力測定型閉鎖呼吸計(図A.1)を,温度管理した環境(例えば,
湯せんなどを用いて)に設置する。試験フラスコには,容器容量のほぼ1/3まで試験混合物を入れる。生
分解が起こると,微生物は,酸素を消費し二酸化炭素を発生する。この二酸化炭素は,全て二酸化炭素吸
収剤に吸収され,試験フラスコ内の圧力が低下する。圧力低下は,圧力計によって検知され,その度に電
気分解形の酸素生成が開始される。初期圧力に回復すると電気分解が停止する。酸素消費量に比例して使
用された電気量は,連続測定され,記録計にmg/Lの単位でBODが,酸素消費量として記録される。
1 試験フラスコ
2 試験混合物
3 二酸化炭素吸収剤
4 モニタ
5 プリンタ,プロッタ又はコンピュータ
6 圧力計
7 温度自動調節された囲い
8 酸素発生装置
図A.1−圧力測定型閉鎖呼吸計の概要図

――――― [JIS K 6955 pdf 14] ―――――

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附属書B
(参考)
発生した二酸化炭素の量を測定する装置の例
試験装置の各容器は,図B.1に示すように,ガスを透過しない管によって直列につなぐ。一定の低圧で
二酸化炭素を除去した空気で試験装置を数ml/minで通気する。空気流量を調べるために,空気量を泡の数
で判断するか,又は適切なガス流量調節計(図B.1の2)を使用する。二酸化炭素を含まない合成空気,
又は圧縮した空気を使用する。後者の場合,空気を乾燥ソーダ石灰の入った瓶(図B.1の3)に通すか,
又は少なくとも2本の例えば,10 mol/Lの水酸化カリウム水溶液500 mlのガス洗浄瓶を通すことによって
二酸化炭素を除去する。例えば,0.012 5 mol/Lの水酸化バリウム100 mlが入った追加の瓶及び空瓶は,濁
りによって空気中の二酸化炭素を確認するため又は,試験フラスコへの液体の流入を防ぐために使用する
ことができる。必要ならば,試験土壌からの水分蒸発を避ける目的で空気を加湿するために試験フラスコ
(図B.1の5)の前へ加湿器(図B.1の4)を挿入してもよい。例えば,飽和したりん酸ナトリウム水溶液
のような一定加湿水溶液に,空気をバブリングすることでできる。附属書Cに記載するように,生分解が
起これば,試験フラスコ内で二酸化炭素が発生し,次の吸収瓶(図B.1の6)で吸収される。
試験土壌(試験フラスコ図B.1の5)の湿度,好気条件,及び空気流量の調整を保持する必要がある。
1 空気入口
2 ガス流量調節計
3 空気中二酸化炭素吸収瓶
4 加湿器
5 試験フラスコ
6 発生二酸化炭素吸収瓶
図B.1−発生二酸化炭素量を測定する装置の概略図

――――― [JIS K 6955 pdf 15] ―――――

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JIS K 6955:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 17556:2012(MOD)

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