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K 6955 : 2017
附属書C
(参考)
発生した二酸化炭素の量を求める方法の例
C.1 DIC測定による二酸化炭素定量
発生した二酸化炭素は,水酸化ナトリウム水溶液に吸収され,灰化することなしにDOC分析機器など
を用いて,溶存無機炭素(DIC)として定量する。
蒸留水又は脱イオン水を用いて0.05 mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を調製する。二酸化炭素発生量を
計算するとき,この溶液のDIC測定値を空試験の値とする。試験フラスコに,各々100 mlの水酸化ナトリ
ウム水溶液が入った2本の二酸化炭素吸収瓶を直列につなぐ。空気中の二酸化炭素が水酸化ナトリウム水
溶液に入らないように,最後の二酸化炭素吸収瓶の出口には小さなサイフォンをセットする。二酸化炭素
測定日には,試験フラスコの次にある二酸化炭素吸収瓶を取り外し,DIC測定のために十分なサンプルを
採取する。その瓶を第二の二酸化炭素吸収瓶と取り替え,新たに調製した水酸化ナトリウム水溶液の入っ
た二酸化炭素吸収瓶を追加する。最終日には,試験溶液を酸性化後,両方の二酸化炭素吸収瓶のDICを測
定する。
発生した二酸化炭素は,式(C.1)によって算出する。
(DT DB ) .367
(CO 2 ) (C.1)
10
ここに, (CO2) T : 二酸化炭素発生量(mg)
DT : 試験の水酸化ナトリウム水溶液のDIC測定値(mg/L)
DB : 空試験の水酸化ナトリウム水溶液のDIC測定値(mg/L)
3.67 : 二酸化炭素(44)分子量と炭素(12)原子量との比
10 : 100 mlの水酸化ナトリウム水溶液に対する補正係数
C.2 水酸化バリウム溶液を用いる滴定方法
発生した二酸化炭素は,水酸化バリウム[Ba(OH)2]と反応し炭酸バリウム(BaCO3)として沈殿する[式
(C.2)参照]。発生した二酸化炭素量は,残存する水酸化バリウム量を塩酸(HCl)で滴定することによって
決定する[式(C.3)参照]。
CO2+Ba(OH)2 → BaCO3+H2O (C.2)
Ba(OH)2+2HCl → BaCl2+2H2O (C.3)
Ba(OH)2・8H2Oの4.0 gを蒸留水又は脱イオン水に溶解し,1 000 mlとすることによって0.012 5 mol/L水
溶液を得る。試験期間中同一試薬を用いることができるよう,十分な量(例えば,5 L)を調製することが
望ましい。固形物をフィルタでろ過し,標準塩酸溶液を用いて適定し,正確な濃度を決定しておく。空気
中の二酸化炭素の吸収を防ぎ,透明な溶液としておくためにシールして保管する。指示薬としてフェノー
ルフタレインを用いるか又は自動滴定装置で終点を決定する。
1 mol/Lの塩酸(36.5 g/L)の50 mlを蒸留水又は脱イオン水で1 000 mlとし,0.05 mol/L溶液を得る。
試験開始時,3本の吸収瓶それぞれに水酸化バリウム水溶液100 mlを正確に分け入れる。試験材料の性
質と量とに応じて,吸収させる液量は変更する。滴定のため定期的に試験フラスコに最も近い瓶を取り外
す。この操作は,例えば,最初の吸収瓶が濁り,かつ,2番目の吸収瓶には炭酸バリウムの沈殿が観察さ
れる前に,必要に応じて取り替える。滴定は,試験開始時は1日おきに行い,それから定常期に達したと
――――― [JIS K 6955 pdf 16] ―――――
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きは5日ごとに行う。吸収瓶を取り外した後は,空気中の二酸化炭素が入るのを防ぐために,速やかに栓
で封鎖する。残りの二つの瓶を一つずつ試験フラスコ側に近づけ,一連の装置の最後には新鮮な水酸化バ
リウム溶液で満たした新しい吸収瓶を設置する。特に試験期間が長い場合には,その溶液の正確な濃度を
決定しておく。試験材料,対照材料,空試験,阻害対照及び植種源だけの対照を含む全てのフラスコは,
正確に同じ方法で取り扱う。
吸収瓶を取り外した後は,水酸化バリウム溶液を23本に分けて塩酸で滴定する。使用した塩酸の量を
記録しておく。
吸収瓶に捕集された二酸化炭素量は,式(C.4)によって算出する。
2cB VB0 VBt
m VA cA 22 (C.4)
cA VBz
ここに, m : 吸収瓶に捕集された二酸化炭素量(mg)
cA : 塩酸の正確な濃度(mol/L)
cB : 水酸化バリウム水溶液の正確な濃度(mol/L)
VB0 : 試験開始時における水酸化バリウム水溶液の体積(ml)
VBt : 時間t時点での,滴定前の水酸化バリウム水溶液の体積
(ml)
VBz : 滴定に使用した水酸化バリウム水溶液の体積(ml)
VA : 滴定に使用した塩酸の体積(ml)
22 : 二酸化炭素の分子量の半分の値
次の条件が満たされる場合には,式(C.5)を用いる。
− 水酸化バリウム水溶液の体積は,吸収前後で正確に100 mlである。
− 全ての溶液を滴定に使用(VB0=VBt=VBz)
− 水酸化バリウム水溶液の濃度cBは正確に0.012 5 mol/L
− 塩酸の濃度cAは,正確に0.05 mol/L
m 1.1 (50 VA ) (C.5)
――――― [JIS K 6955 pdf 17] ―――――
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附属書D
(参考)
理論的酸素要求量(ThOD)
D.1 ThODの計算
ユニット分子量Mrをもつ物質CcHhClclNnSsPpNanaOoの理論的酸素要求量は,元素組成が既知か,又は元
素分析によって決定することができれば,次の式によって算出することができる。
この計算は,炭素は二酸化炭素に,水素は水に,りんはP2O5に,硫黄は六価の酸化状態に,さらに,塩
素は塩化水素になることを暗に示している。N,P及びSの酸化は,分析によって確認する必要がある。
この計算では,窒素はアンモニウムとして放出される。
ThODは,試験材料1 g又は1 mg当たりのmg-酸素量として表示する。
16 2c 5.0 (hcl 3n) 3s 5.2 p 5.0na o
ThOD
Mr
D.2 例 ポリ- 戀 ヒドロキシ酪酸(PHB)
化学式1) 4H6O2 c=4,h=6,o=2,ユニット分子量Mr : 86
16 2( 4 5.0 6 )2
ThOD
86
ThOD=1.674 4 mg/mg PHB=1 674.4 mg/g PHB
注1) PHBは, 戀 ヒドロキシ酪酸モノマーからなる高分子である。重合(エステル形成)のために水
が除去される。したがって,PHBの最終的な分子式は,モノマーから(化学反応によって外れ
る)水1分子を差し引いたものに等しい。
D.3 例 ポリエチレン/でんぷん/グリセロールブレンド物
組成 化学式 ThOD 組成量 ThOD
(mg/g) (%) (mg/フラスコ) (mg/フラスコ)
ポリエチレン (C2H4) n 3 400 50 500 1 700
でんぷん (C6H10O5) n 1 190 40 400 476
グリセロール C3H8O3 1 200 10 100 120
ブレンド計 100 1 000 2 296
――――― [JIS K 6955 pdf 18] ―――――
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附属書E
(参考)
生分解性試験の終わりに,水に不溶性のプラスチック材料の残存量及び
その分子量を測定する例
生分解度試験の終わりに残っているプラスチック材料の量及び分子量を測定することが有効な場合があ
る。水と混和しない有機溶剤に可溶で,水に不溶なプラスチック材料を分析する場合には,次のような方
法又は他の適切な方法が使える。
a) 分液漏斗に試験混合物を移し,適切な有機溶剤を加え,生分解されないで残ったプラスチック材料を
抽出するために1020分間振とうする。水層から有機溶媒層を分離する。新しい溶媒を加え,この手
順を繰り返す。
b) 有機抽出物を混合して,乾燥するまで溶媒を蒸発させる。その固体サンプルは,適正な容量の適切な
溶媒に溶解する。
c) マイクロシリンジを使用して,サイズ排除のクロマトグラフ法のゲルを詰めたカラムを使った高速液
体クロマトグラフ(HPLC)に適正量を注入する。分析を開始し,クロマトグラムを記録する。
d) 検量線を使ってプラスチック材料の量を測定する。
e) 検量線を作成するには,同じプラスチック材料,又は類似の構造をもつ分子量が既知のプラスチック
材料を使用して,保持時間と分子量との関係(検量線)がクロマトグラムから得られる。これらの関
係を使って分子量を計算する。
試験後の残存プラスチック材料の絶対分子量は,Low Angle Laser Light Scattering(LALLS)及び
Differential Refractive Index(示差屈折率)を組み合わせた検知器をもったHPLCによっても測定すること
ができる。
――――― [JIS K 6955 pdf 19] ―――――
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附属書F
(参考)
長期試験の例
F.1 セルロース,小麦グルテン,亜麻繊維及びエニシダ繊維の土壌における生分解評価
参考文献[5]に記載の長期試験の例を,次に示す。
植種源 : 農業用土壌(500 g,<2 mm)
試験材料 : セルロース(5 g),小麦グルテン(5 g),亜麻繊維(2 g),エニシダ繊維(2 g)
試験期間 : セルロース : 2年,小麦グルテン,亜麻繊維,エニシダ繊維 : 1年
試験温度 : 20 ℃±2 ℃
結果 : (試験数2) : 表F.1及び図F.1を参照
表F.1−生分解度(試験例1)
試験項目 生分解度(%)
1年 2年
平均値 標準偏差 試験数1
セルロース 108.3 2.8 108.5
小麦グルテン 89.2 2.6 −
亜麻繊維 94.8 6.8 −
エニシダ繊維 91.8 5.6 −
X 試験期間(日)
Y 生分解度(%)
1 セルロース
2 小麦グルテン
3 亜麻繊維
4 エニシダ繊維
図F.1−セルロース,小麦グルテン,亜麻繊維及びエニシダ繊維の土壌における生分解評価
――――― [JIS K 6955 pdf 20] ―――――
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JIS K 6955:2017の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 17556:2012(MOD)
JIS K 6955:2017の国際規格 ICS 分類一覧
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.080 : プラスチック > 83.080.01 : プラスチック一般
JIS K 6955:2017の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK6953-2:2010
- プラスチック―制御されたコンポスト条件下の好気的究極生分解度の求め方―発生二酸化炭素量の測定による方法―第2部:実験室規模における発生二酸化炭素の質量測定方法
- JISZ8802:2011
- pH測定方法