JIS K 7109:1986 プラスチックの寸法許容差の決め方 | ページ 2

6
K 7109-1986
差因子の水準を選ぶ。誤差因子を別の多元配置又は直交配列表に割り付ける。
手順4 制御因子と誤差因子を組み合わせた実験計画によって実験を行う。
手順5 誤差因子を割り付けた多元配置又は直交配列表について分散分析を行い,SN比を求める。
手順6 SN比を特性値として,制御因子を割り付けた多元配置又は直交配列表について各水準ごとの
SN比の和を求め,分散分析を行う。
手順7 効果の大きいと認められる制御因子についてSN比の一番大きい組合せが最適成形条件とな
る。
手順8 最適成形条件における加工能力を求め,改善前の加工能力と比較検討する。
例 : 現状の加工能力が低いため,成形条件を変えて最適条件を求め加工能力の向上を図る実験。
手順1 加工能力の向上に役立つと思われる制御因子として,金型温度,樹脂温度,射出速度,
冷却時間を選んだ。
手順2 各制御因子の水準を次のように選んだ。
附属書1表1 因子と水準
水準 1 2 3
制御因子
A : 金型温度 (℃) 60 80 100
B : 樹脂温度 (℃) 190 205 220
C : 射出速度 (mm/s) 12 24 36
D : 冷却時間 (s) 5 15 25
手順3, 4 制御因子をL9の直交配列表に割り付けて加工実験を行い,立ち上がりの10ショット
ごとに試料を採取し,プラスチック部品の外径を測定した。ここでは,ショット間の
ばらつきを誤差因子とした。得られたデータは,次のとおりである。
附属書1表2 各条件におけるデータ
単位 mm
因子 A B C D y1 y2 y3 y4
No.
1 1 1 1 1 39.010 39.028 39.042 39.063
2 1 2 2 2 39.150 39.161 39.170 39.180
3 1 3 3 3 39.202 39.242 39.249 39.261
4 2 1 2 3 39.020 39.030 39.058 39.066
5 2 2 3 1 39.161 39.181 39.194 39.219
6 2 3 1 2 39.135 39.140 39.145 39.162
7 3 1 3 2 39.086 39.098 39.100 39.108
8 3 2 1 3 39.040 39.056 39.060 39.075
9 3 3 2 1 39.136 39.141 39.152 39.155
手順5 No.1No.9のデータをそれぞれ分散分析し,SN比 dB) を求める。No.1の計算例は
次のようになる。
2 2 2 2
ST y1 y2 y3 y4
39.010 239.0282 39.042 239.0632
6 095.160 617
( y1 y2 y3 y4 ) 2
Sm
n

――――― [JIS K 7109 pdf 6] ―――――

                                                                                              7
K 7109-1986
(39.010 39.028 39.042 39.063) 2
4
6 095.159112
Se ST Sm
6 095.160 6176 095.159112
.0001 505
e
Ve
1
.0001 505
4 1
.0000 501 6
r (有効除数) 4
1
(Sm Ve)
r
Ve
1
6( 095.159112.0000 501)6
4
.0000 5016
3 037 858
(dB) 10 log
10 log 3 037 858
648. (dB)
同様にしてNo.9までの計算を行う。
附属書1表3 分散分析の結果及びSN比
No. ST Sm Ve dB)
1 6 095.160 617 6 095.159 112 0.000 501 6 64.8
2 6 135.667 721 6 135.667 230 0.000 163 6 69.7
3 6 158.641 490 6 158.639 529 0.000 653 7 63.7
4 6 097.581 020 6 097.579 569 0.000 483 7 65.0
5 6 143.034 279 6 143.032 506 0.000 590 9 64.1
6 6 129.481 094 6 129.480 681 0.000 137 7 70.5
7 6 114.614 664 6 114.614 416 0.000 082 7 72.7
8 6 102.031 961 6 102.031 340 0.000 206 9 68.7
9 6 129.637 506 6 129.637 264 0.000 080 7 72.8
手順6 SN比 dB) を特性値として分散分析を行う。附属書1表2の因子の組合せを用いて
求めた,各制御因子及び水準ごとのSN比の和は,次のようになる。
附属書1表4 各水準ごとのSN比の和
単位 dB
水準 1 2 3 計
制御因子
A : 金型温度 198.2 199.6 214.2 612.0
B : 樹脂温度 202.5 202.5 207.0 612.0
C : 射出速度 204.0 207.5 200.5 612.0
D : 冷却時間 201.7 212.9 197.4 612.0

――――― [JIS K 7109 pdf 7] ―――――

8
K 7109-1986
2
(1 2 3 9)
CF
n
( 648.697. 637. 650. 641. 705. 727. 687. 72)8. 2
9
4166
2 2 2 2
ST ( 1 2 3 9) F
1077.
1 2 2 2
SA [( 1 2 3) ( 4 5 6) ( 7 8 9) CF
3
1
(1982. 21996. 22142. 2 )
CF
3
52.34
1 2 2 2
SB [( 1 4 7) (2 5 8) (3 6 9) ] CF
3
1
(2025. 22025. 22070. 2 )
CF
3
.450
1 2 2 2
SC [( 1 6 8) ( 2 4 9) (3 5 7) ] CF
3
1
(2040. 22075. 22005. 2 )
CF
3
.817
1 2 2 2
SD [( 1 5 9) (2 6 7) (3 4 8) ] CF
3
1
2129. 2
( 2017. 2 1974. 2 )
CF
3
42.69
附属書1表5 SN比 dB) の分散分析結果
因子 f S V
A : 金型温度 2 52.34 26.17
B : 樹脂温度 2 4.50 2.25
C : 射出速度 2 8.17 4.08
D : 冷却時間 2 42.69 21.34
計 8 107.70
手順7 附属書1表5の分散分析の結果から金型温度と冷却時間の効果が大きいことが分かる。
最適成形条件は,効果の大きかった因子の水準の中からSN比の値が最も大きいもの
を選んだ組合せである。附属書1表4から,金型温度Aでは第3水準の和214.2dB,
冷却時間Dでは第2水準の和212.9dBが最も大きな値である。この場合の成形条件は,
金型温度100℃,冷却時間15秒である。
手順8 最適成形条件におけるSN比 dB) の値は,金型温度Aの第3水準及び冷却時間Dの
第2水準の場合のSN比の平均値 3A及び Dを用いて次の式から推定する。
2

――――― [JIS K 7109 pdf 8] ―――――

                                                                                              9
K 7109-1986
(dB) (A3 ) (D2 )
A3 D2
2142. 2129. 6120.
3 3 9
74(4.dB)
この値を用いて次の式から標準偏差 限 39.100mmである。
m
(dB)
10 10
391.
744.
10 10
.0007 (5mm)
CPの値は,
.0027
Cp
3 .0007 5
2.1
となり,改善された加工能力は,求められた許容差に対して十分であると判定する。

――――― [JIS K 7109 pdf 9] ―――――

10
K 7109-1986
附属書2 寸法計測能力の検討及び改善方法
1. 適用範囲 プラスチックの寸法許容差に関連して,計測能力の検討及び改善を行う方法について規定
する。
2. 用語及び記号の意味 この附属書で用いる主な用語の意味及び記号は,本文によるほか次のとおりと
する。
(1) 計測コスト 対象となる計測器を用いて,定められた寸法を測定するのに要した時間と,計測担当者
の賃金単価との積。
(2) 計測器のコスト 計測器の価格に,償却までの期間と金利を考慮したもの。
(3) N比 信号パワーの雑音パワーに対する比。ここでは,信号パワーを計測対象の量の効果の大きさ,
雑音パワーを誤差因子の効果の大きさとする。
3. 計測の誤差と加工の誤差の比較 現状の計測の誤差を求めて加工の誤差と比較する。計測の誤差の占
める割合が大きい場合は,計測方法の改善についての検討を行うが,従来の知見では十分な効果が期待で
きない場合は,以下の手順によって改善を検討する。
4. 標準を計測した場合の計測のSN比を求める 計測器によって標準を測定した読み値から,以下の手
順でSN比を求める。
手順1 対象となる計測方法の標準の種類とその水準を決定する。
手順2 計測方法の誤差原因と考えられる誤差因子(1)を取り上げ,SN比を求めるための実験及び測定
を行い,附属書2表1のデータを得る。
注(1) 測定者,反復などがある。
附属書2表1 測定データ
標準 M1 M2 M3············Mk
反復
R1 y11 y12 y13············y1k
R2 y21 y22 y23············y2k
・ ・ ・ ・············・
・ ・ ・ ・············・
Rr0 yr01 yr02 yr03·········yr0k
計 y1 y2 y3·········yk
手順3 実験の結果について分散分析を行う。解析手順は以下のとおりである。
M1 M2 Mk
M
k
r r0 [(M1M) 2 (M2 M) 2 (Mk M) 2 ]
[(M1 M) 1 (M2 M ) 2 (Mk M ) k ]2
S
r

――――― [JIS K 7109 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS K 7102:1981の国際規格 ICS 分類一覧