JIS K 7192:1999 プラスチック―エチレン・酢酸ビニル樹脂(EVAC)―酢酸ビニル含有量の測定方法 | ページ 2

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K 7192 : 1999 (ISO 8985 : 1998)
3.2.5 結果の表示
3.2.5.1 酢酸ビニル含有量w (VAC) は質量パーセントで表され,次の式で与えられる。
.0086 09 V3V4 C2 100
W VAC
m
ここに, V3 : 空試験に使われた,標準塩酸溶液の容量 (ml)
V4 : 測定に使われた,標準塩酸溶液の容量 (ml)
C2 : 滴定に用いられた標準塩酸溶液の実際の濃度 (mol/l)
m : 試料の質量 (g) (3.2.4.1.1参照)
3.2.5.2 2回測定する。もし結果が1%以上違っていたらこれらを捨て,再測定する。2回の測定値の算術
平均値を報告する。
3.2.6 試験報告 試験報告には次の事項を含める。
a) この規格と使用した測定方法。
b) 試料の特定に必要なすべての事項。
c) 3.2.5.2で表示された結果。
3.3 基準試験法3 : 酸素測定
3.3.1 原理 酸素測定は有機元素分析の古典的方法を用いて行う。
次のような方法が利用できる。
方法 反応 検出方法 試料 測定 検出限界 絶対分散
% %
3.3.3.1熱分解及び再酸化 電量分析 ミクロ 絶対法 0.2 (0.02)
3.3.3.2熱分解 IR吸収 ミクロ 相対法 0.03 10
(相対分散)
3.3.3.3熱分解及び再酸化 重量分析 マクロ 絶対法 0.05 0.05
3.3.2 装置 次の要求を満たす装置なら(市販品でなくとも)使用可能である。
検出限界 : 0.2%
分散 : 0.2%(絶対分散)又は酸素が1%未満なら10%(相対分散)
3.3.3.1 酸滴定電量分析法
3.3.3.1.1 原理 微量分析用の試料をヘリウム又は窒素雰囲気中で1070℃で熱分解して,発生した熱分解
ガスを1120℃に加熱された非晶質炭素を装着したオーブンに通すと酸素が一酸化炭素に変わる。
同時に発生する酸成分は,ソーダライムと過塩素酸マグネシウムの混合物に吸収される。
一酸化炭素は250℃のCuOを通過することによって再酸化され,二酸化炭素になる。それを電量分析で
定量する。
3.3.3.1.2 二酸化炭素の電量分析法 次の式に従って,二酸化炭素が約5%(質量/体積)の過塩素酸バリ
ウム溶液を入れた電量セルの陰極側で吸収される。
CO2+H2O+Ba++→BaCO3+2H+
発生した水素イオンは,次の式に従って電量計によって電気的に生成された水酸イオンによって中和さ
れる。
2H2O+2e−→H2+2OH−
電量計によって供給される電気量は,溶液のpH変化を検出する一対の銀/塩化銀ガラス電極によって制
御され,二酸化炭素の量は供給された電気量から計算される。

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3.3.3.1.3 分析 電量法は絶対測定法であるが,分析の特殊性から3.3.5に従って校正とばらつきの評価を
実施する必要がある。
装置の“感度係数”は
m0
F0 .008 29
Q RQ
O
であり,その時酸素のパーセントは
.00829 QX QO 100
y
m
となる。
ここで, Qo : 空試験(すなわち空容器で実施した分析)における電気量
QR : 酸素mo (mg) を含む質量m (mg) の標準物質を分析して得
られる電気量
QX : 質量m (mg) の未知物質の分析で得られる電気量
0.082 9 : 上記の条件での1クローン当たりの酸素量 (mg)
3.3.3.2 赤外吸収による測定
3.3.3.2.1 原理 試料は不活性ガス(窒素又はアルゴン)中で熱分解される。生成ガスは1120℃のカーボ
ン上で還元される。すべての酸素は二酸化炭素に変化し,(適当なフィルタで分光された)単波長の赤外線
が通過する測定セルに導入される。
二酸化炭素による赤外線の吸収により光線強度が弱くなったり,セルの中で温度や圧力が増加したりす
る。それを光電管や圧力センサーによって電気信号として取り出す。それを窒素やアルゴンだけを通して
得られる参照値と比較する。電気信号の大きさはガス中の二酸化炭素の量に比例し,したがって試料中の
酸素の量に比例する。
3.3.3.2.2 装置
・赤外検出器を備えた元素分析計
・1mgまで量れる化学はかり
・熱分解に適したるつぼ
3.3.3.2.3 試薬 試薬は各試験方法と装置に特有なものであり,“有機微量分析用”の品質が要求される。
3.3.3.2.4 手順 詳細な手順は,各装置に特有なものであるが,次のような取扱い上の注意が必要である。
・るつぼ挟みでるつぼを取り扱うこと
・試料を量るときはスパチュラを用いること
・正しい校正操作を行うこと(3.3.5参照)
3.3.3.2.5 計算 酸素濃度は未知試料の分析で得られた入力信号を標準試料の分析から得られる比例係数
と比較することによって測定する。結果は質量パーセントで表す。
3.3.3.3 重量分析による測定
3.3.3.3.1 原理 試料をアルゴン雰囲気下で1100℃で熱分解し,生成する一酸化炭素を五酸化ヨウ素によ
って酸化する。
二酸化炭素を適当な支持体上に保持した酸化ナトリウムを含む吸収体を通過させる。吸収体はあらかじ
めひょう(秤)量しておく。吸収体の質量増加が試料中の酸素含有量に比例する。
反応は以下のように表される。
I2O5+5CO→5CO2+I2
CO2+Na2O→Na2CO3

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3.3.3.3.2 装置 装置を図1に示す。
図1 質量分析装置
装置各部の説明
A アルゴン供給部,圧力調整器付き
B 水銀弁
C 接触型オーブン,適当な支持体に保持した白金を含む非多孔性の磁製燃焼管付き
D アルゴンを用いる乾燥及び不純物除去装置。適当な支持体上に無水過塩素酸マグネシウムMg (ClO4)2
と酸化ナトリウムを含み,グラスウール(直径25mm,長さ約100mmの管に詰まっている。)で分離
されており,留め具でオーブンと連結されている。
E 電気オーブン又は抵抗オーブン,炭化けい素製又は金属製で燃焼管を1350℃まで昇温可能なこと。
F 熱電対,オーブン温度測定用。熱電対の先端は鞘で保護されており,燃焼管の外表面に接触している
こと。そして,管の内側の温度と温度計の指示との相関があらかじめ取られていること。
G 耐熱性の管(試験温度では非多孔性),内径2030mm,長さ650mm以上でその末端は燃焼中に昇温
しないこと。
H 耐火皿,あらかじめアルゴン中で950℃で2時間焼いたもの。
I クオーツウールの詰め物,ガスフィルタとして。
M 吸収装置,発生する水蒸気を吸収するための無水過塩素酸マグネシウムを含む。
N 吸収装置,発生する二酸化炭素を吸収するための適当な支持体に保持した酸化ナトリウムを含む。
O カラム,五酸化ヨウ素を含む。
P 流量計
3.3.3.3.3 試薬
・無水過塩素酸マグネシウム
・適当な支持体に保持した酸化ナトリウム
・ヨウ素
3.3.3.3.4 手順 はじめに,耐火皿をアルゴン雰囲気下で約950℃で2時間加熱した後に,デシケーター
に入れる。オーブン温度を1100℃に,アルゴン流量を20l/hに調節する。
酸化ナトリウム吸収装置を5分間パージし,装置を取り外し,5分後に室温で0.1mgの精度でひょう量
する。
約1gの試料(0.1mgまでひょう量する。)を耐火皿に量り取り,耐火皿をオーブンに入れる。
30分間熱分解を行う。それからガスの供給を止め,吸収装置の出入り口を閉め,吸収装置を外し,10
分後に室温でひょう量する。

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吸収装置を再度取り付け,もう一度アルゴンを流し,5分後に前と同じように再度ひょう量する。吸収
装置の質量が二度のひょう量の間で0.5mg以上変化しなければ熱分解とガス吸収は十分に行われたと考え
てよい。
3.3.3.3.5 計算 酸素含有量yは質量パーセントで表され,以下の式で与えられる。
.0363 ma ma 100
y
m
ここで, m : 試験試料の質量 (g)
ma : 熱分解前の吸収装置の質量 (g)
ma : 熱分解後の吸収装置の質量 (g)
0.363 : 二酸化炭素の酸素への変換ファクター(一酸化炭素が酸化さ
れて二酸化炭素になるのは試料からの酸素原子ではなく,試
薬からの酸素原子の付加によって達成されることに注意。)
3.3.4 サンプリング
“ミクロ”法に適した試料量は約30mgである。
“マクロ”法に適した試料量は約3gである。
3.3.5 校正 微量分析法に共通の注意事項は次のとおりである。
校正は酸素含有量既知の分析試薬を用いて,未知試料と同じ手順で実施する。
推奨される試薬は :
%O2
コレステロール 4.14
ピラミドン 6.92
アセトアニリド 11.84
トリプトファン 15.68
正確な手順は分析のタイプにより若干の違いがあるが,必ず次の工程が含まれる。
・ 検出器の指示値と試料の酸素含有量との間の比例係数を求めるために,基準試料からの信号を処理す
ることにより分析計の分析パラメータを決定する校正工程。
・ 未知試料の分析から得られた信号と校正工程から得られた信号とを比較することにより,未知試料の
分析を行う分析工程。
分析工程中に比例係数が一定か否かを確認する必要がある。この確認は試料を5回測定するごとに
行う。
この係数の値は,相対誤差0.3%以上のばらつきを示してはいけない。
3.3.6 酢酸ビニル含有量の計算 yを共重合体の酸素のパーセントとし,3.3に記載された3種類の方法
のいずれかの方法で測定されたとすると酢酸ビニル含有量w (VAC) は質量パーセントで表され,次の式に
よって与えられる。
w (VAC) =2.688y

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3.3.7 試験報告 試験報告には,次の事項を含める。
a) 分析された試料を完全に特定するのに必要な事項
b) 使用した分析方法
c) 個々の結果とその平均値
d) 結果に影響したかもしれない現象と,この規格に規定されていない操作の詳細
e) 試験日
4. 対照試験法の例
4.1 赤外分光法
4.1.1 原理 酢酸ビニル含有量を,赤外分光法で測定する。この方法では厚さ50 ヰ
フィルムを用いて,2678cm−1のn (CH2) 吸収帯と3460cm−1の2n (CO) 吸収帯との吸光度比を測定する。
吸光度比を,3.で測定された酢酸ビニル含有量既知のEVAC基準試料を用いて作成された検量線を使って,
酢酸ビニル含有量に換算する。
赤外吸収帯を内部標準として使用するので,フィルムの正確な厚みを知る必要はない。
備考1. この方法は,VAC含有量が10% (m/m) 以上の試料に適している。
2. 200 騰 湘 ,3605cm−1の内部標準ピークを,2678cm−1のピークの代わりに
内部標準として使用してもよい。試料厚みが手動で測定できれば,この厚みを内部標準ピー
クの吸光度の代わりに使用してもよい。
3. この方法の欠点は安定剤や添加剤による妨害があり得ることである。しかし,他のCOピー
クが610cm−1,1020cm−1,1250cm−1及び1743cm−1にも存在し,これらをVAC含有量に適し
た試料厚みにすることによって,3460cm−1の代わりに使用することができる。
4.1.2 装置と材料 標準の実験装置に以下の装置と材料を加える;
4.1.2.1 分光光度計,波数範囲4000cm−1から600cm−1,分解能1cm−1
4.1.2.2 試験片ホルダー
4.1.2.3 ビームシャッター
4.1.2.4 熱プレス装置,少なくとも10MPaに加圧でき,150℃に加熱できる熱板を有すること。
4.1.2.5 EVAC基準試料,3.で述べた基準試験方法の一つでその酢酸ビニル含有量が測定されていること。
4.1.3 手順
4.1.3.1 フィルムの作製 約150℃の熱プレス装置(4.1.2.4)を使用して,一定厚みのフィルムを作製する。
VAC含有量が10%以下の場合は200 ヰ VAC含有量が10%を超える場合は50 ヰ
とする。
備考 成形を容易にし,EVACの金型へのくっつきを避けるために,薄いポリテトラフルオロエチレ
ン (PTFE) フィルムを用いてもよい。VAC含有量が20%未満の場合には,PTFEフィルムの代
わりにアルミニウムはく(箔)を使ってもよい。
4.1.3.2 測定
4.1.3.2.1 横座標(波数)を校正し,分光光度計(4.1.2.1)の100%透過のための吸光度ゼロを調節する。
4.1.3.2.2 4.1.3.1に従って作製したEVAC基準試料(4.1.2.5)のフィルムを試験片ホルダー(4.1.2.2)に入れ,
そのホルダーを分光光度計の測定ビーム中に置く。
4.1.3.2.3 対照光路側のシャッター(4.1.2.3)を用いてベースラインを調節する。
4.1.3.2.4 4000cm−1から2000cm−1までのスペクトルを記録する。

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規格名称