JIS K 7244-4:1999 プラスチック―動的機械特性の試験方法―第4部:引張振動―非共振法 | ページ 2

                                                                                              5
K 7244-4 : 1999 (ISO 6721-4 : 1994)
ka,k 試験片の複素剛性の測定値,補正値 (N/m)
E'a,E' 見掛けの引張貯蔵弾性率,補正引張貯蔵弾性率 (Pa)
E" 引張損失弾性率 (Pa)
tan 懿 tan 見掛けの引張損失係数,補正引張損失係数
kF 力変換器の剛性 (N/m)
mF 力変換器と試験片間の負荷機構部の質量 (kg)
k∞ クランプがつかみ得る最大の断面積をもつ金属試験片にて測定した剛性(備考5.
による。) (N/m)
この金属試験片は,試験されるポリマー試験片の少なくとも100倍以上の剛性を
もつこと。
備考5. k∞の大きさによって,負荷機構部の剛性の概算値が求められる。この負荷機構部とは,試験
片と直列に接続したばねに相当する。この値から装置コンプライアンス補正が推論できる
(10.2.3参照)。
10.2 引張貯蔵弾性率,E'の計算
引張貯蔵弾性率E'aの概算値は,(1)式で求まる。
FA La kaLa
Ea cosEa cos Ea (1)
SA bd bd
10.2.1 試験片共振の回避
(1)式は駆動周波数が,試験片の基本縦共振周波数fsに近くなると無効となる。試験片の基本縦共振周波
数の概算値は,(2)式で求められる。
2/1
1 Ea
fs (2)
2La
ここで, 爰潛 度 (kg/m3)
次に示す周波数では,式(1)での誤差が大きくなる。
2/1
0.02 E
f≧ (3)
La
よって,動的特性の算出には,式(3)の周波数より低いものに限定すべきである。
10.2.2 変換器共振の補正
周波数が十分に高い場合は,与えた変形によって力変換器が励起され共振する。共振周波数fFは,式(4)
で求まる。
2/1
1 kF
fF (4)
2 mF
変換器の出力は,次に示す周波数では誤差が大きくなる。
f>0.1fF (5)
力変換器と支持される質量mFの共振周波数fFは,試験片を装着せずにクランプをたたいたときの変換
器出力の固有周波数を記録することによって直接求めることができる。
変換器共振を補正した試験片の剛性は,(6)式によって,より良い概算値を求めることができる。

――――― [JIS K 7244-4 pdf 6] ―――――

6
K 7244-4 : 1999 (ISO 6721-4 : 1994)
2
4 mF f 2 f2
k ka 1 ka 1 (6)
kF f 2F
力変換器の選定に当たっては,式(4),(5)を用いて,その共振周波数が力測定に対して補正を要さない範
囲のものを選ぶことを推奨する。
10.2.3 装置コンプライアンスの補正
kaが0.02k∞より大きい場合,試験装置のコンプライアンスは無視できない大きさとなり,測定変位は試
験片の変位と大きく異なる。そこで,次の補正をしなくてはならない。
ka cos Ea ka / k
kcos E (7)
1 cos
2 ka / k Ea
ここで 式(10)で求まる。式(7)で求まるkcos 1)式のkacos 湎 わりに用い,より正確なE
の概算値を求める。
備考6. 変位計がクランプ間距離の変化を測定するように配置されている場合,又は伸び計が試験片
に取り付けられている場合は,コンプライアンス補正は必要ではない。
10.2.4 長さ補正
式(1)の試験片の長さにクランプ間距離の測定値Laを用いる場合は,クランプ内及びクランプ付近の試験
片のゆがみを無視する。有効長さがLa+lとなるようにLaに補正を行い,lとLaとは独立のものであると
仮定すると式(1)から次のようになる。
k La l
E cos Ea (8)
bd
ここでは(7)式を用いて必要箇所に,装置コンプライアンス補正を用いている。長さ補正値lは一連の異
なったクランプ間距離Laでの試験片剛性の測定値kから求めることができる。式(8)を用いて1/ (kcos 愀
対Laを図式化すると,1/ (kcos 愀 0の切片よりlを,傾きよりE'を求めることができる。
備考7. l値は,試験片の断面積及び温度によって変化する。l値が動的弾性率の大きな変化の要因と
なる場合は注意する。
8. 動的ひずみが試験片に取り付けた伸び計で測定されるときは,長さ補正の推論は必要ない。
10.3 引張損失係数tan 算
引張損失係数の概算値は,tan
kaが0.02k∞以上の場合,負荷部のコンプライアンスは位相角測定の精度に影響を与える。損失係数は,
次の式で求めることができる。
tan Ea
tanE (9)
ka
1
k cos Ea
備考9. 負荷部のコンプライアンス要因がボルト接合部から発生しているようであれば,測定位相角
此 の影響がでることもある。結果的に起こる誤差はka/k∞の割合で大きくなる。この
誤差の要因は,クランプ間距離の変化が測定できるように変位計を設置したり,試験片に伸
び計を取り付けることによって回避できる。
10.4 引張損失弾性率の計算
損失弾性率E"は,(10)式で求める。
E"=E'tan (10)

――――― [JIS K 7244-4 pdf 7] ―――――

                                                                                              7
K 7244-4 : 1999 (ISO 6721-4 : 1994)
10.5 温度の関数としてのデータの提供
JIS K 7244-1-1996 (ISO 6721-1 : 1994) の9.4による。
11. 精度
この試験法の精度は,試験室間のデータがないので不明である。精度は,そのデータが得られた時点で,
次の改訂に追加される。
12. 試験報告
試験報告は,次の事項を含むこと。
a) 規格番号 : JIS K 7244-4 (ISO 6721-4)。
b) m) IS K 7244-1-1996 (ISO 6721-1 : 1994) の12.による。
n) a/Laによって得られる動的ひずみの概算の振幅。
図1 引張非共振強制振動法による動的弾性率
測定のための,適切な装置構成の概要図

――――― [JIS K 7244-4 pdf 8] ―――――

8
K 7244-4 : 1999 (ISO 6721-4 : 1994)
JIS K 7244-4 原案作成委員会 構成表
氏名 所属 本委員会 分科会
(委員長) 中 山 和 郎 工業技術院物質工学工業技術研究所 ◎ ◎
宮 入 祐 夫 東京医科歯科大学医用器材研究所 ○ ○
宗 宮 詮 慶応義塾大学理工学部 ○
増 田 優 通商産業省基礎産業部 ○
岡 林 哲 夫 工業技術院標準部 ○
橋 本 繁 晴 財団法人日本規格協会 ○
小 林 政治郎 小林技術事務所 ○
松 島 哲 夫 松島塑材研究所 ○
小 牧 和 夫 通商産業省大阪工業技術研究所 ○
阿 部 聰 東京都立工業技術センター有機化学部 ○
馬 場 文 明 三菱電機株式会社材料デバイス研究所 ○
我 妻 誠 日本電信電話株式会社NTTグループ事業推進本 ○ ○

三 原 観 治 株式会社東洋精機製作所第一技術部 ○
増 瀬 英 雄 株式会社島津製作所試験計測事業部 ○
斉 藤 英 隆 株式会社エー・アンド・ディ開発技術センター ○ ○
川 村 好 宏 三菱樹脂株式会社平塚研究所 ○ ○
横 山 昭 三井石油化学工業株式会社サン分析センター材 ○ ○
料物性研究所
田 辺 久 光 三菱化学株式会社四日市総合研究所物性分析研 ○
究所
塚 原 浩 旭化成工業株式会社樹脂技術センター ○
田 中 耕 三 三井東圧化学株式会社総合研究所技術研究所 ○
金 沢 宏 之 住友化学工業株式会社メタアクリル・光学製品 ○
事業部
高 野 忠 夫 財団法人高分子素材センター試験・検査事業部 ○
石 田 勝 己 株式会社東洋精機製作所第一技術部 ○
市 村 裕 セイコー電子工業株式会社科学機器事業部 ○
野 村 亭 レオメトリックス・サイエンティフィク・エフ・ ○
イー株式会社
平 山 泰 生 株式会社リガク新事業部開発室 ○
桑 田 広 治 株式会社島津製作所試験計測事業部 ○
(事務局) 濱 島 俊 行 日本プラスチック工業連盟 ○ ○
樋 口 秀 臣 財団法人高分子素材センター ○ ○

JIS K 7244-4:1999の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 6721-4:1994(IDT)

JIS K 7244-4:1999の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 7244-4:1999の関連規格と引用規格一覧