JIS K 7244-7:2007 プラスチック―動的機械特性の試験方法―第7部:ねじり振動―非共振法 | ページ 2

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K 7244-7 : 2007 (ISO 6721-7 : 1996, Amd.1 : 2007)
9.5 試験の実施 5.1.2に規定するような精度で測定できるトルク及び変位振幅を生じさせる駆動モータ
によって,試験片に動的トルクを加える。
備考 せん断ひずみが線形挙動の限界を越える場合,得られる動的特性は加えた変位の大きさに依存
する。この限界はポリマーの構造及び温度によって変化し,概して,ガラス状プラスチックで
は0.2 %ひずみの領域にこの限界がある。
線形挙動を示す動的ひずみの範囲は,一定周波数で動的変位の振幅を変化させることによっ
て求めることが可能である。この場合,力学的損失によって起こる温度上昇を抑制するために,
低周波数で行うのがよい。しかしながら,不均一なひずみがあると,非線形挙動の開始が不明
りょうになることに注意しておく必要がある。非線形挙動が検出された場合,動的ひずみの限
界を試験報告に記録しなければならない。
トルク及び変位の信号の振幅,その間の位相差及びそれらの周波数並びに試験温度を記録する。測定に
おいて周波数及び温度を変更する場合には,次の手順によるのがよい。最初に最も低い温度を選定し,そ
の温度を一定に保ち,周波数を増加させながら測定する。順次,高い温度に保ち,同様の測定を繰り返す
[JIS K 7244-1の9.4(温度依存性の測定)参照]。
ポリマーが中程度,又は高い損失を示すような(例えば,ガラス−ゴム転移領域)試験状態では,ポリ
マーから散逸したエネルギーがポリマーの温度を上昇させ,動的性質に相当な変化を与える可能性がある。
ひずみの振幅及び周波数の増加に伴い,温度は急激に上昇する。もし,データ処理装置が,最初の数周期
以内で,変換器から出力される信号を解析する能力があれば,温度の上昇の影響もできるだけ小さくでき
る。試験片の温度が引き続き上昇する場合,継続して行う同一条件の測定であっても,時間とともに測定
結果が変化する。したがって,そのような観測結果があれば,結果の表示及び説明において,注記するこ
とが必要である。

10. 結果の表示

10.1 記号
La クランプ間の試験片の長さ(m)
l 長さの補正項(m)
b 短冊形試験片の幅(m)
d 短冊形試験片の厚さ(m)
r 円柱状試験片の半径(m)
f 測定周波数(Hz)
A 動的角度変位の振幅測定値(rad)
TA 動的トルクの振幅測定値(N・m)
Ga G トルクと変位サイクルとの間の測定位相差,補正位相差(°)
Γ,Γ
a 試験片の複素ねじり剛性の測定値,補正値(N・m・rad1)
G a ,G 見掛けのせん断貯蔵弾性率,補正せん断貯蔵弾性率(Pa)
G せん断損失弾性率(Pa)
tan Ga tanG 嬰 損失係数,補正せん断損失係数
κ 試験片の単位長さ当たりの複素せん断弾性率に対する複素ねじり剛性の比によって決
まる形状因子(m4・rad1)
Ip 試験片の単位長さ当たりの断面積の断面二次極モーメント(m4)

――――― [JIS K 7244-7 pdf 6] ―――――

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Γ
T トルク検出器のねじり剛性(N・m・rad1)
IT トルク検出器と試験片との間の負荷機構部の慣性モーメント(kg・m2)
Γ 鋼鉄試験片の測定されたねじり剛性率(N・m・rad1)
この鋼鉄試験片は,測定されるポリマー試験片の少なくとも100倍以上の剛性をもつ
断面積及び長さのものとする。
備考 Γの大きさによって,負荷機構部のねじり剛性の概算値を求める。この負荷機構部とは試験
片と直列に接続したばねに相当し,装置のコンプライアンスを推算することで補正できる
(10.2.3参照)。
10.2 せん断貯蔵弾性率G' の計算 貯蔵弾性率G'aの近似値は,次の式によって算出する。
TA La La
Ga cosδGaΓa (1)
cosδGa
A κ κ
形状定数κは,次の式で計算する。
短冊形試験片
3
κ bd 1( .063d / b) bd<0.6 の場合
0<
3
κ bd3 0.843 6.0≦ d ≦ 1 の場合
3 1(+d2 / b2 ) b
円柱状試験片
π 4r
κ
2
10.2.1 試験片共振の回避 式 (1) は,駆動周波数が試験片の基本ねじり共振周波数 sfに近くなると使え
ない。試験片の基本ねじり共振周波数の概算値は,次の式によって求める。
1/ 2
1 κGa
fs (2)
2La Ip
ここで 爰 リマーの密度でkg/m3で与えられ,Ipは,次の式によって求める。
短冊形試験片
Ip bd ( b2 2
+d )
12
円柱状試験片
π r4
Ip
2
次に示す周波数では,式 (1) での誤差が大きくなる。
f≧ 0.08fs (3)
したがって,動的特性の算出は,式 (3) で得た値より低い周波数に限定する。

――――― [JIS K 7244-7 pdf 7] ―――――

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10.2.2 変換器共振の補正 周波数域が十分高い場合は,与えた変形によってトルク変換器が励起され共
振する。共振周波数fTは,次の式によって求める。
2/1
1 ΓT
fT (4)
2π IT
変換器の出力は,次に示す周波数では誤差が大きくなる。
f> 0.1fT (5)
トルク変換器及びそれに付属する部品の共振周波数fTは,試験片を装着せずにクランプにトルクの衝撃
を与え変換器出力の固有振動数を記録することによって直接求めることができる。
変換器共振を補正した試験片のねじり剛性は,次の式によって,更によい概算値を求めることが可能で
ある。
2 2
4 π IT f f2
Γ Γa1 Γa1 2

(pdf 一覧ページ番号 )

                                    ΓT            fT
トルク変換器の選択に当たっては,式 (4) 及び式 (5) を用いて,その共振周波数がトルクの測定に対して
補正を必要としない範囲のものを選ぶのがよい。
10.2.3 装置コンプライアンスの補正 Γaが0.02 Γより大きい場合,試験装置のねじりコンプライアンス
は無視できない大きさとなり,測定角度変位は試験片の角度変位と大きく異なる。したがって,次の補正
をしなければならない。
Γa / Γ
Γa cosδGa
Γ cosδG (7)
1 cosδGa
2 Γa / Γ
G潟 9) で求められる。式 (7) で求められる acos
ここで ΓcosG は式 (1) の Γ Ga の代わりに用い,より
精確な G a の概算値を求める。
備考 変位計が二つのクランプの角度変位を測定するように配置されている場合,コンプライアンス
補正は必要ない。
10.2.4 長さの補正 試験片の長さとして,式 (1) でクランプ間距離の測定値Laを用いた場合には,クラン
プ内の試験片の変形を無視し,また,短冊形試験片の場合には,試験片断面の偏心そりに基づきクランプ
に生じる束縛力を無視する。有効長さがLa+lとなるようにLaを補正することで,これらの二つの影響を
避けることができる。lとLaとは独立のものであると仮定すると,式 (1) から次のようになる。
La+l La+l
G Γ cos G Ga (8)
κ La
ここに Ga は,必要に応じて,見掛けの貯蔵弾性率に対して装置コンプライアンスで補正したものを使用
する。lの値は,クランプ間距離Laを変えて Ga を測定することで求めることができる。式 (8) を用いて,La
に対してLa / Ga をプロットすることで,LaG/a =0の切片からlを,傾きからG を求めることができる。
備考 lは,試験片の断面形状及び大きさによって変化し,動的弾性率が温度によって大きく変化する
場合には,温度によっても変化する。短冊形試験片では,lの値はクランプ内変形又はひずみ抑
制の影響のどちらが支配的かによって正又は負のいずれかになる。クランプデザイン及び他の
装置ファクターに依存する,b/dのある値においては,これらの影響はキャンセルされてゼロと
なる。

――――― [JIS K 7244-7 pdf 8] ―――――

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10.3 せん断損失係数 tanδの計算
G せん断損失係数の概算値は tan G
より大きい場合,負荷機構のコンプライアンスは位相角測定の精確さに影響を与える。損
Γaが0.02 Γ
失係数は,次の式で求めることができる。
tan δGa
tan δG (9)
1 cos
Γa / Γ Ga
備考 負荷機構のコンプライアンス要因がクランプ又はボルト締め付けの連結部から発生しているよ
うであれば,測定位相角δGaに摩擦の影響がでることもある。結果的に起こる誤差はΓa / Γの
割合で大きくなる。この誤差要因は,上下のクランプ間距離の変化が測定できるように変位計
を設置することによって回避できる。
10.4 せん断損失弾性率の計算 せん断損失弾性率G" は,式 (10) で求める。
G" G tan G (10)
10.5 温度の関数としてのデータの提供 JIS K 7244-1の9.4(温度依存性の測定)による。

11. 精度

 この試験法の精度は,試験室間のデータがないので不明である。精度は,そのデータを得た時
点で,次の改正で追加する。

12. 試験報告

 試験報告は,次の事項を含めなければならない。
a) 規格番号 : JIS K 7244-7
b) m) IS K 7244-1の12.(報告)による。
n) 短冊形試験片では Ad / La
,円柱状試験片では Ar/ Laによって得られる最大動的ひずみの概算の振
幅。

――――― [JIS K 7244-7 pdf 9] ―――――

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K 7244-7 : 2007 (ISO 6721-7 : 1996, Amd.1 : 2007)
a) b)
T トルク変換器 S 試験片 D 角度変位駆動部
C1,C2 クランプ R 角度変位変換器 Su 緩衝機構
備考 図1 a) において,角度変位駆動部Dとトルク変換器Tとは分離した構成。
図1 b) においては,一つの構成部品Dが角度変位駆動部とトルク変換器との両方の機能をもつ。
図 1 非共振強制ねじり振動法による動的せん断弾性率測定のための,適切な負荷機構の概略図
関連規格 JIS K 7244-10 プラスチック−動的機械特性の試験方法−第10部 : 平行平板振動レオメータ
による複素せん断粘度

JIS K 7244-7:2007の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 6721-7:1996(IDT)
  • ISO 6721-7:1996/Amd 1:2007(IDT)

JIS K 7244-7:2007の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 7244-7:2007の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称