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K 8825 : 2020
6.6.2 溶媒自動濃縮法
溶媒自動濃縮法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次による。
1) ヘキサン この規格の品質を満たすもの。
2) γ-HCH標準液(4 ng/mL) 1,2,3,4,5,6-ヘキサクロロシクロヘキサン[γ-HCH,(γ-BHC)](質量分率
99 %以上)10.0 mgをはかりとり,全量フラスコ100 mLに入れ,ヘキサンを加えて溶かし,更にヘ
キサンを標線まで加えて混合し,その10 mLを,全量フラスコ100 mLに正確にとり,ヘキサンを
標線まで加えて混合する。この液2 mLを全量フラスコ100 mLに正確にとり,ヘキサンを標線まで
加えて混合する。その1 mLを全量フラスコ50 mLに正確にとり,ヘキサンを標線まで加えて混合
する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) マイクロシリンジ又は液体試料導入装置 5 Lが採取できるもの。
2) 溶媒自動濃縮装置 図2 a)に例を示す。
3) 試料容器 図2 b)に例を示す。
4) ガスクロマトグラフ 6.2 a) 1)による。
c) 分析条件 分析条件は,次による。
なお,別の分析条件でも同等の試験結果が得られることを確認した場合には,その条件を用いても
よい。
1) 検出器の種類 電子捕獲検出器
2) カラム充剤 粒径150 浄・シラン処理けい藻土を担体に用い,それにシリコ
ーン系固定相液体を2 %含浸させたもの,又はこれと同等の分離能をもつもの。
注記 酸洗浄・シラン処理けい藻土には,クロモソルブW,AW-DMCSなどがあり,シリコーン系
固定相液体にはOV-17,OV-1などがある。
3) カラム用管の内径及び長さ
・ 内径 2 mm4 mm
・ 長さ 2 m3 m
4) 設定温度
・ カラム槽 190 ℃210 ℃
・ 試料気化室 240 ℃260 ℃
・ 検出器槽 240 ℃260 ℃
5) キャリヤーガス
・ ガスの種類 高純度窒素
・ 流量 40 mL/min60 mL/min(γ-HCHの保持時間が2.5分になるように調節する。)
6) 試料溶液及びγ-HCH標準液(4 ng/mL)の注入量 5
d) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,溶媒自動濃縮装置の試料容器に対して可能な試料の量をはかりとり,それぞれ
の濃縮倍率を示す体積まで,30 ℃50 ℃で濃縮する。その試料容器にヘキサンを1 mLになるよう
に加える。
2) 試料溶液,γ-HCH標準液(4 ng/mL)それぞれ5 μLを,マイクロシリンジ又は液体試料導入装置を
用いてガスクロマトグラフに注入し,60分間のクロマトグラムを記録する。ただし,γ-HCH標準液
――――― [JIS K 8825 pdf 6] ―――――
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(4 ng/mL)の場合は,γ-HCHのピークが記録されるまででよい。
なお,あらかじめヘキサン及びγ-HCHの保持時間を確認しておく。
3) クロマトグラムのピーク高さは,JIS K 0114の11.2(ピーク高さの測定)によって,試料溶液のピ
ーク高さ(h1),γ-HCH標準液(4 ng/mL)のピーク高さ(h2)を測定する。
4) 測定結果は,試料溶液のピーク高さh1を,γ-HCH標準液(4 ng/mL)の保持時間の1/2から60分の
間に出現するγ-HCH標準液(4 ng/mL)のピーク高さ(h2)の1/2(=0.5×h2)と比較する。
e) 判定 試料溶液のピーク高さ(h1)が,γ-HCH標準液(4 ng/mL)のピーク高さ(h2)の1/2を超えな
いとき,“残留農薬・PCB試験適合性 : 試験適合(規格値)”とする。
a) 溶媒自動濃縮装置 b) 試料容器及び密閉型セルの構成
図2−溶媒自動濃縮装置の例
6.6.3 クデルナ・ダニッシュ濃縮法
クデルナ・ダニッシュ濃縮法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次による。
1) ヘキサン 6.6.2 a) 1)による。
2) γ-HCH標準液(4 ng/mL) 6.6.2 a) 2)による。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) マイクロシリンジ又は液体試料導入装置 6.6.2 b) 1)による。
2) マントルヒーター 電熱線をガラス繊維製の布などで覆い,器具の形状に応じて密着する加熱器具。
3) ロータリーエバポレーター 減圧下でフラスコを加熱し,回転させて蒸発濃縮を行う装置。
4) クデルナ・ダニッシュ濃縮装置 例を図3に示す。
5) ガスクロマトグラフ 6.2 a) 1)による。
c) 分析条件 6.6.2 c)による。
――――― [JIS K 8825 pdf 7] ―――――
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d) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,表2の採取量の試料をはかりとり,蒸留フラスコ1)に入れ,クデルナ・ダニッ
シュ濃縮装置で減圧濃縮する。減圧濃縮は,マントルヒーターなどを用いて加熱するが,激しく沸
騰させてはならない。また,試料のほとんどが蒸発し,蒸留フラスコ内の試料が少量(10 mL以下)
になったときに,加熱を止める。濃縮された溶媒の入った受器を取り外し,ヘキサンを加えて1 mL
とし,試料溶液とする。受器に栓をし,よく振り混ぜる。
なお,濃縮倍率が確保できる場合,試料量及び最終の試料溶液量を変更してもよい。また,あら
かじめ試料をロータリーエバポレーターなどで濃縮して蒸留フラスコに入れてもよい。
注1) 試料の採取量に応じた容積の蒸留フラスコを用いる。
表2−種類及び試料の採取量
単位 mL
種類 濃縮300 濃縮1 000 濃縮3 000 濃縮5 000
試料の採取量 300 1 000 3 000 5 000
2) 試料溶液,γ-HCH標準液(4 ng/mL)それぞれ5 μLを,マイクロシリンジ又は液体試料導入装置を
用いてガスクロマトグラフに注入し,60分間のクロマトグラムを記録する。ただし,γ-HCH標準液
(4 ng/mL)の場合は,γ-HCHのピークが記録されるまででよい。
なお,あらかじめ,ヘキサン及びγ-HCHの保持時間を確認しておく。
3) クロマトグラムのピーク高さは,JIS K 0114の11.2(ピーク高さの測定)によって,試料溶液のピ
ーク高さ(h1),γ-HCH標準液(4 ng/mL)のピーク高さ(h2)を測定する。
4) 測定結果は,溶液試料のピーク高さh1を,γ-HCH標準液(4 ng/mL)の保持時間の1/2から60分の
間に出現するγ-HCH標準液(4 ng/mL)のピーク高さ(h2)の1/2(=0.5×h2)と比較する。
e) 判定 試料溶液のピーク高さ(h1)は,γ-HCH標準液(4 ng/mL)のピーク高さの(h2)の1/2を超え
ないとき,“残留農薬・PCB試験適合性 : 試験適合(規格値)”とする。
――――― [JIS K 8825 pdf 8] ―――――
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K 8825 : 2020
A : 蒸留フラスコ 500 mL2 000 mL
B : 濃縮物の受器 1 mL5 mL
C : 毛細管
D : 冷却器
E : トラップ
F : 留液だめ 500 mL2 000 mL
G : 共通すり合わせ
H : 水浴又はマントルヒーター
(ジャッキ式)
図3−クデルナ・ダニッシュ濃縮装置の例
7 容器
容器は,気密容器とする。
8 表示
容器には,次の事項を表示する。
a) この規格の番号
b) 名称“ヘキサン(残留農薬・PCB試験用)”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 化学式及び式量
e) 純度
f) 内容量
g) 製造番号
h) 製造業者名又はその略号
JIS K 8825:2020の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.020 : 環境保護 > 13.020.40 : 汚染,汚染制御及び保護
JIS K 8825:2020の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0061:2001
- 化学製品の密度及び比重測定方法
- JISK0067:1992
- 化学製品の減量及び残分試験方法
- JISK0068:2001
- 化学製品の水分測定方法
- JISK0114:2012
- ガスクロマトグラフィー通則
- JISK0117:2017
- 赤外分光分析通則
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則