JIS L 1099:2012 繊維製品の透湿度試験方法 | ページ 6

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る。
なお,測定部上面に直接接する水蒸気分圧(pm)は,この上面の温度での飽和水蒸気圧5 620 Paと
仮定することができる。
Tm,Ta,va及びFの値の設定値からのずれは,いずれもB.4で規定する範囲内とする。また,Tm,
Ta,F及びHの測定値が定常状態に至るまで,値の記録は行わない。
c) 装置固有の水蒸気透過抵抗(Ret0)は,式(B.2)によって求める。
( pm pa ) A
Ret0 (B.2)
H He
ここで,ΔHeは補正係数であり,附属書BBに規定する方法で求める。
B.6.1.3 装置間の照合確認
装置間のクロスチェックは,あらかじめ計測された温熱抵抗測定用の試料,例えば熱伝導性が分かった
試料を用いて行うことができる。
B.6.1.4 装置定数の確認
装置固有の定数であるRct0及びRet0は,定期的に確認する。
なお,確認されたぶれの程度が許容を超えている場合には(B.7参照),調整が必要となる。
Rct0及びRet0に変化が起こる要因としては,試料上面を通る空気の流速(va)の変化がある。したがって,
この流速は,B.4.3に規定する方法によって定期的に確認する。
試料の上面を通る空気の流速のぶれは,試料上面にある表層空気の抵抗値に影響する。したがって,試
験の結果にも影響を与える。
B.6.2 測定部への試料の装着
測定部への試料の装着は,次による。
a) 空気の流れの向きに対し,適切な試料の向きを定める。また,その内容を試験報告書に記載する。
試料は測定部を覆うように平たん(坦)に置く。その際,装置の側面は,装置に向き合う位置の測
定者と向かい側の位置にくる。試料が複層から成る場合は,実際にその試料を人が着用するのと同じ
重ね方で取り付ける。また,試料全体を平たん(坦)にするため,水蒸気不透過性の接着用テープ又
は軽い金属製の枠を用いてもよい。試料上面の毛羽立ちやしわ,試料と測定部との隙間及び複層の試
料の場合の各層の隙間は,それらがもともとの素材固有のものでない場合は,取り除く。
b) 試料は,伸び又は負荷をかけず,また,試料が複層の場合は,その層間にて隙間がない状態で測定を
行う。ただし,伸び,負荷をかけるか,又は層間に隙間がある状態で試験を行った場合は,その内容
を試験報告書に記載する。
c) 試料の厚さが3 mm以上ある場合は,測定部の高さを下げ,試料の上面が測定台と同一平面となるよ
うにする。
B.6.3 温熱抵抗Rctの測定
温熱抵抗Rctの測定は,次による。
a) 測定部の温度(Tm)を35 ℃,空気の温度(Ta)を20 ℃及び相対湿度(F)を65 %に設定する。また,
空気の流速(va)は1 m/sとする。これらの設定値のずれは,B.4に規定する範囲内とする。空気流の
温度(Ta),相対湿度(F)及び流速(va)を異なる条件で試験を行った場合は,その結果へ影響も含
めて試験報告書に記載する。
試料を測定部に据えた後,Tm,Ta,F及びHの測定値が定常状態になるまで測定は行わない。
b) 温熱抵抗(Rct)は,式(B.3)で求める。

――――― [JIS L 1099 pdf 26] ―――――

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(Tm Ta ) A
Rct (B.3)
Rct 0
(H Hc )
ここで,用いられる記号及び単位は,表B.1で定義されている。試験対象となる素材の温熱抵抗(Rct)
は,個々の測定結果の平均値で表す。
B.6.4 水蒸気透過抵抗Retの測定
水蒸気透過抵抗Retの測定は,次による。
a) 水蒸気透過抵抗の測定は,B.6.1.2によって,測定部の上面に対して水蒸気透過性があり,液状の水が
不透過であるセロファン膜で被覆する。
b) 測定部の温度(Tm)及び空気の温度(Ta)をいずれも35 ℃に,空気の相対湿度(F)を40 %に設定
する。また,空気の流速(va)を1 m/sに設定する。これらの設定値のずれは,B.4に規定する範囲内
とする。これらの等温状態の温度設定は,試料の内部で水蒸気の凝縮を発生させないためのものとす
る。相対湿度(F)及び流速(va)が異なる条件で試験を行ってもよい。その場合は,用いられた試験
条件とこの規格で定める試験条件とは異なる条件で試験を行ったことによって結果がどのように影響
を受けるか,という記述をも含めて試験報告書に記載する。
仮に,空気流の温度(Ta)が変化すれば,等温状態が維持できなくなり,したがって,この規格の
適用要件を満たしていない。試料を測定部に据えた後は,Tm,Ta,F及びHの測定値が定常状態にな
るまで値の記録は行わない。
c) 水蒸気透過抵抗(Ret)は,式(B.4)によって求める。
( pm pa ) A
Ret Ret0 (B.4)
H He
ここで用いられる記号及び単位は,表B.1で定義されている。試験対象となる素材の水蒸気透過抵抗Ret
は,個々の測定結果の平均値で表す。
B.7 結果の精度
B.7.1 結果の再現性(同一装置)
温熱抵抗(Rct)は,繰り返し試験をして得られた値がいずれも50×10−3 m2・K/W以下のとき,単層の素
材の場合では,その誤差の範囲は3.0×10−3 m2・K/Wの範囲となることが分かっている。また,50×
10−3 m2・K/Wを超えるようなフォーム材などのケースでは,7 %程度の誤差が生じることが分かっている。
水蒸気透過抵抗(Ret)は,繰り返し試験をして得られた値がいずれも10 m2・Pa/W以下であれば,単層
の素材の場合,その誤差の範囲は0.3 m2・Pa/Wの範囲となることが分かっている。また,10 m2・Pa/Wを超
えるようなフォーム材などのケースでは,7 %程度の誤差が生じることが分かっている。
B.7.2 結果の再現性(異なる装置間)
3 mm,6 mm及び12 mmの異なる厚さのフォーム材を,4か所の試験所で試験評価を行った結果,Rctに
ついては標準偏差値で6.5×10−3 m2・K/W,Retについては,標準偏差値で0.67 m2・Pa/Wのばらつきが認め
られた。
B.8 試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載する。
a) 規格番号
b) 試験に供された素材に関する詳細な記述

――――― [JIS L 1099 pdf 27] ―――――

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c) .6.2で規定された試料の準備に関する記述
d) 試料から採取した試験片の数,それぞれの試料に対してなされた試験数
e) 試験環境条件
f) 温熱抵抗の平均値及び/又は水蒸気透過抵抗の平均値
g) この附属書と異なる条件が採られた場合のその内容
h) 試験年月日

――――― [JIS L 1099 pdf 28] ―――――

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附属書BA
(規定)
素材の組織がルーズなものか又は厚さが不均一な試験片の装着方法
この附属書は,1993年に第1版として発行されたISO 11092のAnnex Aを基に,技術的内容を変更する
ことなく規定したものである。
BA.1 キルティング,寝袋のような素材の組織がルーズなものか又は厚さが不均一な試料から,試験片を
3枚採取する。もし採取できないときは,試験報告書に試験片の数を記載する。縫い止められて,厚さが
不均一になっているキルティング又は寝袋のような複合素材は,少なくとも2枚の試験片を,それぞれ温
熱抵抗及び水蒸気透過抵抗の測定用に準備する。
BA.2 これらの試験片は枠内に装着する。この枠の厚さは,自然な状態に置かれた試験片の厚さとほぼ同
じとする。温熱抵抗(Rct)を測定するため,この枠の内寸は,少なくともl mm+2b mmとする(図B.1
及び図B.2参照)。
水蒸気透過抵抗(Ret)を測定するために,この枠の内寸は,測定部の孔の開いたプレートの寸法と同じ
でなければならない。
BA.3 2枚の試験片を選択する。その一つは,その試験片の中心部に可能な限り最大のキルティング数が
あるものであり,もう一つは,それが最小とする。

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附属書BB
(規定)
熱供給量補正値の測定
この附属書は,1993年に第1版として発行されたISO 11092のAnnex Bを基に,技術的内容を変更する
ことなく規定したものである。
BB.1 温熱抵抗及び水蒸気透過抵抗の測定を通して,測定部及び温熱ガードの温度は,同温となるように
する。B.4.1及びB.4.2で規定されている許容誤差は,実際には測定部と温熱ガードとの僅かな温度差に原
因している。そのような場合は,測定部に供給される熱供給量と試験片を透過する熱流速とは一致しない。
このため,温熱抵抗又は水蒸気透過抵抗の測定における熱供給量の補正値ΔHc又はΔHeがそれぞれ適用さ
れる。
BB.2 熱供給補正値(ΔHc)は,測定部と温熱ガードとの間の温度差に関係し,次の式(BB.1)による。
ΔHc (Tm Ts ) (BB.1)
ここに, α : 近似線の傾き
Tm : 測定部の温度
Ts : 温熱ガードの温度
近似線の傾きαは,次による。
測定部と温熱ガードとは断熱材によって覆われている(例えば,厚さ40 mmの発砲体)。空気の温度は,
20 ℃,測定部の温度は35 ℃に保たれている。また,温熱ガードの温度は,温度制御器によって常に34 ℃
36 ℃の間で0.2 ℃単位で制御される。それぞれが定常状態に達した後,測定部に供給される熱供給量を
測定する。熱供給量の回帰直線に対し,測定部と温熱ガードとの温度差から,近似線の傾きαが求められ
る。
BB.3 熱供給補正値(ΔHe)は,式(BB.2)による。
ΔHe (Tm Ts ) (BB.2)
ここに, β : 近似線の傾き
Tm : 測定部の温度
Ts : 温熱ガードの温度
近似線の傾きβは,次による。
測定部は,B.6.1.2に規定する液体の水を通さないセロファン膜で覆われ,水供給装置によって,水が供
給される。測定部及び温熱ガードは,液体の水を通さない素材(例えばポリエチレンテレフタレートフィ
ルム)及び断熱素材(例えば,厚さ40 mmの発砲体)によって覆われている。空気の温度は35 ℃,湿度
40 % RHに保たれ,温熱ガードは35 ℃に保たれている。
測定部の温度は,温熱ガードとともに0.2 ℃の単位で温められている。測定部への熱供給量は,それぞ
れが定常状態に達した後に測定する。熱供給量の回帰直線に対し,測定部と温熱ガードとの温度差から,
近似線の傾きβが求められる。
BB.4 熱供給補正値の近似線の傾きα及びβは,装置を変更又は修理した時は,必ず確認する。

――――― [JIS L 1099 pdf 30] ―――――

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JIS L 1099:2012の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 11092:1993(MOD)
  • ISO 15496:2004(MOD)

JIS L 1099:2012の国際規格 ICS 分類一覧

JIS L 1099:2012の関連規格と引用規格一覧