JIS L 1940-1:2019 繊維製品―アゾ色素由来の特定芳香族アミンの定量方法―第1部:繊維の抽出及び非抽出による特定アゾ色素の使用の検出 | ページ 6

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L 1940-1 : 2019 (ISO 14362-1 : 2017)
を念頭に置く。二つ以上の芳香族環系をもつアミンもまた異性体をもつが,これはまれであり,通常は分
離は容易である。試験所は正しい結果を保証する義務がある。
C.2.1.2 アゾ色素以外の他の原因による偽陽性の結果
C.2.1.2.1 GC注入口の高温による偽陽性の結果
アミンNo.12,No.18及びNo.21は,色素中のアミド結合,アミンNo.9及びNo.19は,ポリウレタンプ
レポリマーが,GC注入口の高温によって分解することで偽陽性の結果を与えることがある。非GC法に
よる定量的な確認が必要である。
C.2.1.2.2 化学的手順から生成された偽陽性の結果
アミンNo.9,No.15,No.16及びNo.19は,ポリウレタン,架橋剤及びその他の物質のような他の供給源
によって,偽陽性の結果を与えることがある。
アゾ結合の有無を区別する簡単な手順は,亜ジチオン酸ナトリウム水溶液の代わりに水で再処理するこ
とである。結果が還元分解によって得られた結果に相当する場合,アミンはアゾ着色剤以外の別の供給源
に由来する。必要に応じて,一例として,次の説明を行うことができる。
“アミン”(アミンの名称)は,この規格に規定する手順に従って,mg/kg単位の結果で検出された。し
かし,還元剤を用いずに実施した場合も同様の結果が得られた。したがって,アミンは,アゾ着色剤以外
の供給源に由来する。アミンを生成するアゾ色素(表1)は使用されていない。
C.2.1.2.3 着色剤による偽陽性の結果
アミンNo.1,No.4及びNo.8は,これらのアミンを含有しないアゾ結合をもついくつかの着色剤から,
亜ジチオン酸塩による還元分解中に間接的に生成することがある。これらの色素とアミンを放出するアゾ
色素(表1)との明確な区別はできない。
試験試料中に禁止されたアゾ色素が存在しないことは,色素構造の情報に基づく証拠(例えば,染色又
は染料製造業者からのトレーサビリティ記録)によって証明しなければならない。
必要に応じて,一例として,次の説明をすることができる。
検出されたアミン(アミンの名称)の他の供給源は,報告された結果に影響を与えるが,その起源は試
験所では分析的に証明することができない。
4-アミノビフェニル,2-ナフチルアミン,4-メトキシ-m-フェニレンジアミン : 特定アミン(表1)の使
用は,追加情報,例えば,使用されている染料の化学構造が分からない限り,明言はできない。
注記 4-アミノビフェニル,2-ナフチルアミン : 試料を採取した製品は,アゾ基によらない当該アミ
ン類を含む構造の色素で染色されている可能性がある。
4-メトキシ-m-フェニレンジアミン : 試料を採取した製品は,既成の4-メトキシ-m-フェニレンジアミン
ではなく2-アミノ-4-ニトロアニソールを構造にもつアゾ色素で染色されている可能性がある。
そのアゾ色素は,分析の過程でまず2-アミノ-4-ニトロアニソールを放出し,更に4-メトキシ-m-フェニ
レンジアミンを生成すると考えられる。

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附属書D
(参考)
各種繊維に使用される色素の説明表
表D.1−色素の説明表
色素の分類 染料 顔料
塩基性 酸性染 クロム 金属錯 直接染 分散染 アゾ染 硫化染 バット 反応染
染料 料 染料 体 料 料 料 料a) 染料a) 料
天然繊維
動物 羊毛 XX XX XX (X) X X
繊維 絹 (X) XX X X (X) (X) (X) X X
植物 綿
繊維 ヘンプ
亜麻(フラ
ックス)
カポック XX XX XX XX XX X
サイザル
ラミー
黄麻(ジュ
ート)
合成繊維
ポリエステル XX X
ナイロン XX X XX (X) X X X X X
トリアセテート XX X
アセテート・
XX XX (X) (X) (X) X X
ジアセテート
アクリル XX (X) (X) X
レーヨン XX XX X XX XX X
塩化ビニル X X
X : 使用
(X) : 特別な場合に使用
XX : 通常使用
注a) アゾ色素ではないもの。
分散染料だけが染料抽出(10.1)に関係する。試験片を沸騰したキシレンで20分間抽出することによっ
て,分散染料が存在するかどうかを見分ける。抽出溶剤が着色した場合は,分散染料が使用されている可
能性がある。

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附属書E
(参考)
けい藻土を使用しない液−液抽出による手順
E.1 一般
この手順は,けい藻土カラム(8.5)を使用しない液−液抽出で,表1のアミンを検出する方法を記載す
る。表1に示すアミンが5 mg/kg100 mg/kg検出された場合は,けい藻土カラムを用いた液−液抽出法で
再分析しなければならない。
この附属書に記載の方法と同等の結果が得られる方法であれば,類似の検出方法を使用してもよい。
この手順で,相互に参照する手間を省くために,試料準備は箇条9による。
E.2 追加して使用する試薬
E.2.1 日々のアミン校正溶液
7.9.1に規定するアミンのストック溶液を適切な溶剤で希釈して,溶剤1 mL当たり各アミンがρ=6.0 μg
の濃度になるように調製する。
GC-MS(ガスクロマトグラフ−質量分析装置)分析の場合は,内部標準液(E.2.2.2)で希釈する。
E.2.2 定量用アミン校正溶液
濃度定量のためのアミン校正溶液は,適切な溶媒1 mL当たり各アミンが,0.8 μg20 μgの範囲に成る
ように調製する。
GC-MS分析の場合は,内部標準(E.2.2.2)で希釈する。
注記 校正のための適切な濃度は,それぞれの試験機関で選定するのがよい。
E.2.2.1 溶液中の内部標準(IS)
t-ブチルメチルエーテル(7.4)1 mL当たり内部標準(IS)ρ=10 μgとする。GC-MS分析の場合は,次
のいずれかの内部標準の一つを使用する。
− IS1 : ナフタレン-d8,CAS No.1146-65-2
− IS2 : 2,4,5-トリクロロアニリン,CAS No.636-30-6
− IS3 : アントラセン-d10,CAS No.1719-06-8
E.2.2.2 後半に溶出するアミンの内部標準液 : ベンジジン-d8,CAS番号 : 92890-63-6
E.2.2.1の溶液1mL当たりのベンジジン-d8は,ρ=5 μgとする。
ベンジジン-d8(CAS No.92890-63-6)は,GCクロマトグラム後半の妨害物質に対する適切な内部標準物
質である。
注記 確認分析をDAD(ダイオードアレイ検出器)又はTLC(薄層クロマトグラフ)で行う場合は,
ベンジジン-d8(CAS No.92890-63-6)は,ピークが重水素化されていないベンジジンと分離で
きないため,使用できない。
E.2.3 容量比40 %(w/w)の水酸化ナトリウム水溶液
E.2.4 塩化ナトリウム
E.3 追加の器具・装置
E.3.1 水平形振とう装置 1秒間に5回,振り幅20 mm50 mmで振動するもの。

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E.3.2 遠心分離機 3 000 min−1以上のもの。
E.4 手順
E.4.1 試料の準備
合計質量が0.6 gになるように切断して試験片(9.1)を準備する。
E.4.2 キシレンによる分散染料の抽出
分散染料で染色された試料を8.1に規定する抽出装置に入れ,25 mL以上の沸騰したキシレン中で40分
間又は滴下溶媒が無色になるまで抽出する。その後,キシレン抽出液を室温まで冷却する。
キシレン抽出液を蒸発器中で45 ℃75 ℃の温度で少量の残さになるまで濃縮する。
染料を分散させるために,超音波浴を使ってメタノールを0.5 mLずつ2回に分けて加え,この残さを反
応容器に定量的に移し替える。最終体積を約1 mLとし,還元分解(E.4.4)に進む。
試験片が抽出後に完全に脱色されていない場合は,更に,新たな試験片をE.4.3に従って試験しなけれ
ばならない。
E.4.3 分散染料以外の色素で染色された繊維製品
繊維試料がケースA及び/又はケースB(9.4)の繊維だけを含有しているか,又は完全に脱色されてい
ない場合は,E.4.1及び9.1によって新たな試験片を準備し,新しい反応容器に直接入れる。
E.4.4 還元分解
70 ℃に予熱したくえん酸/水酸化ナトリウム緩衝液(7.5)8 mLを反応容器に加え,容器を密閉して激
しくかくはん(撹拌)し,70 ℃±2 ℃で,30分間±1分間反応させる。
次に,アゾ基の還元分解を行うために亜ジチオン酸ナトリウム水溶液(7.6)3 mLを反応容器に加え,
激しくかくはん(撹拌)して直ちに70 ℃±2 ℃で30分間±1分間保持する。
加熱終了後,2分間以内に室温(20 ℃25 ℃)まで冷却する。
E.4.5 アミン類の分離及び濃縮
反応液に水酸化ナトリウム水溶液(E.2.3)0.5 mL,塩化ナトリウム(E.2.4)7 g及び溶液中の内部標準
(E.2.2.1)3 mLを加え,水平形振とう装置(E.3.1)で15分間±1分間振とうする。
振とう後,完全に層が分離するように混合液を遠心分離器(E.3.2)にかけることが望ましい。
可能な場合には,濃縮せずに分離した上部相をアミンの分析に供する。
アミンの検出及び定量(E.4.6)のために,50 ℃を超えない温度でt-ブチルメチルエーテル抽出液を約1
mLになるまで濃縮する。このとき,乾固させてはならない。
必要によって,不活性ガスを弱く流して注意深く溶剤を除去し,別の溶剤に置換する(10.4参照)。
抽出物又は残さを直ちに適切な溶剤,例えば,アセトニトリル又はt-ブチルメチルエーテルの2 mLに溶
かし,遅滞なく分析する。
全分析を24時間以内に終えることができない場合は,試料を−18 ℃以下で保管する。
注記1 制御されていない条件の下で,溶媒の除去,すなわち,真空蒸発装置による濃縮及び乾固を
行った場合は,相当量のアミンが消失する可能性がある。
注記2 マトリクス効果によって,2,4-ジアミノトルエン及び2,4-ジアミノアニソールのような一部の
アミンは,その性質上安定性が非常に悪い場合がある。所定の操作が遅れるとアミン類が機
器分析時に検出できないことがある。
E.4.6 アミンの検出及び定量
アミンの検出は,8.8に規定するクロマトグラフによる方法を用いて行うことができる。表1に示すアミ

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ンのいずれかが5 mg/kg100 mg/kgの濃度で同定された場合は,箇条10に規定する方法を用いて試験片
を再分析する必要があり,アミン含有量を定量するためには少なくとも3点の検量線を作成する。
定量は,高速液体クロマトグラフ/ダイオードアレイ検出器(HPLC/DAD)又はガスクロマトグラフ/
質量選択検出器(GC/MS)による。GC-MS分析において,マトリックス効果又は未知の理由によって,
内部標準物質ベンジジン-d8(7.9.5)の回収率が予定値の30 %未満である場合,アミンが検出されなかっ
た可能性がある。その場合は,ガスクロマトグラム後半に溶出するアミン : No.2,No.9,No.10,No.11,
No.12,No.13,No.15,No.16及びNo.17についてHPLC分析を実施しなければならない(表1)。
E.4.7 確認手順
この手順を確認するために,亜ジチオン酸ナトリウム水溶液(7.6)の代わりにアミンのストック溶液
(7.9.1)60 μL又は反応容器中の各アミンが18 μgとなるより低い容量の溶液のいずれかの溶液に水2.0 mL
を加えて,8 mLのくえん酸塩/水酸化ナトリウム緩衝液(7.5)を含む反応容器(8.3)に添加する。
次に,E.4.5及びE.4.6に記載の操作を行う。
検体溶液が濃縮されていない場合,異なるアミンの回収率は一定の物理的平衡である。この場合,確認
手順は,各試験所の検証方法による。
アミンを濃縮する必要がある場合は,確認手順は試料のバッチごとに実施する。日々のアミン校正溶液
(E.2.1)に基づいて,この校正用標準を定量する。
アミンの回収率は,次の最低要求水準に適合しなければならない。
アミンNo.1No.4,No.7,No.9No.17及びNo.20No.21 : 70 %
アミンNo.8 : 20 %
アミンNo.18及びNo.19 : 50 %
アミンNo.5,No.6及びNo.22 : 表1の注a) 及び注b) を参照
アニリン : 70 %

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  • ISO 14362-1:2017(IDT)

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