JIS M 8010:2020 天然ガス計量方法

JIS M 8010:2020 規格概要

この規格 M8010は、オリフィス流量計,容積流量計,渦流量計又は超音波流量計を用い,天然に産するメタンを主成分とする可燃性天然ガス及びLNG気化ガスの燃料ガスを計量する方法について規定。

JISM8010 規格全文情報

規格番号
JIS M8010 
規格名称
天然ガス計量方法
規格名称英語訳
Measuring methods of quantity of natural gas
制定年月日
1963年4月1日
最新改正日
2020年1月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

75.180.30
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1963-04-01 制定日, 1967-01-01 確認日, 1968-03-01 改正日, 1972-01-01 確認日, 1975-01-01 確認日, 1977-08-01 改正日, 1980-06-01 確認日, 1985-10-01 確認日, 1993-07-01 改正日, 2002-05-20 確認日, 2006-10-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認日, 2020-01-20 改正
ページ
JIS M 8010:2020 PDF [105]
                                                                                   M 8010 : 2020

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 用語及び定義・・・・[1]
  •  4 記号・・・・[6]
  •  5 計量に用いる流量計・・・・[10]
  •  6 表示の方法・・・・[10]
  •  7 計量に関する一般事項・・・・[10]
  •  8 オリフィス流量計を用いる計量・・・・[14]
  •  9 容積流量計を用いる計量・・・・[30]
  •  10 渦流量計を用いる計量・・・・[33]
  •  11 超音波流量計を用いる計量・・・・[36]
  •  12 物性値・・・・[40]
  •  13 計量値の不確かさの概算・・・・[45]
  •  附属書A(規定)オリフィス板の前後に必要な直管長(整流装置を用いない場合)・・・・[48]
  •  附属書B(規定)オリフィス板の前後に必要な直管長[19管束管状式整流装置(1998)を用いる場合]・・・・[53]
  •  附属書C(規定)オリフィス板前後に必要となる直管長(ザンカ式整流板を用いる場合)・・・・[59]
  •  附属書D(参考)オリフィス流量計の流出係数・・・・[62]
  •  附属書E(参考)オリフィス流量計の膨張補正係数・・・・[73]
  •  附属書F(規定)体積分率からモル分率への換算・・・・[74]
  •  附属書G(規定)微量成分の割当・・・・[75]
  •  附属書H(規定)Z数表(2015)・・・・[76]
  •  附属書I(規定)Z数表(1993)・・・・[87]
  •  附属書J(規定)完全気体とみなしたアイゼントロピック指数・・・・[99]
  •  附属書K(規定)オリフィス板表面及びオリフィス配管内壁面の表面粗さ条件・・・・[101]
  •  附属書L(規定)空気の相対密度の概算値・・・・[103]

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――――― [JIS M 8010 pdf 1] ―――――

M 8010 : 2020

まえがき

  この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,天然ガス鉱業
会(JGA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を改正すべき
との申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格である。これ
によって,JIS M 8010:1993は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS M 8010 pdf 2] ―――――

                                       日本産業規格                             JIS
M 8010 : 2020

天然ガス計量方法

Measuring methods of quantity of natural gas

序文

  この規格は1963年に制定され,その後に4回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は1993年に
行われたが,各流量計及び物性値算出方法の最新技術に対応するために改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

1 適用範囲

  この規格は,オリフィス流量計,容積流量計,渦流量計又は超音波流量計を用い,天然に産するメタン
を主成分とする可燃性天然ガス及びLNG気化ガスの燃料ガス(以下,ガスという。)を計量する方法につ
いて規定する。
この規格は,ガスが熱的・成分的に安定で均質であり,計量を行う管路において,管路内を気相だけが
充満して定常的に流れる場合に適用できる。
警告 この規格の使用者は,一般的な試験操作に精通していることが望ましい。この規格は,安全に
関する全ての問題に対する処理を網羅していない。したがって,安全及び健康に関する適切な
基準の遵守,並びに全ての法規制に従うことは,この規格の使用者の責務である。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 2301 燃料ガス及び天然ガス−分析・試験方法
JIS Z 8762-1:2007 円形管路の絞り機構による流量測定方法−第1部 : 一般原理及び要求事項
JIS Z 8762-2:2007 円形管路の絞り機構による流量測定方法−第2部 : オリフィス板
ISO/IEC Guide 98-3:2008,Uncertainty of measurement−Part 3: Guide to the expression of uncertainty in
measurement (GUM:1995)

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
標準状態(normal condition)
温度0 ℃,絶対圧101.325 kPa,相対湿度0 %としたガスの状態。変数に添え字Nを用いることによっ
て,標準状態での値であることを表す。

――――― [JIS M 8010 pdf 3] ―――――

2
M 8010 : 2020
3.2
基準状態(standard condition)
温度15.6 ℃,絶対圧101.325 kPa,相対湿度100 %としたガスの状態。変数に添え字Sを用いることに
よって,基準状態での値であることを表す。
基準状態における計量値は,次の式(1)又は式(2)を用い,標準状態における値を変換して求める。
qvS=1.075 9qvN (1)
VS=1.075 9VN (2)
ここに, qvS : 基準状態における体積流量[m3/h (Standard),m3/d (Standard)]
qvN : 標準状態における体積流量[m3/h (Normal),m3/d (Normal)]
VS : 基準状態における通過体積[m3 (Standard)]
VN : 標準状態における通過体積[m3 (Normal)]
3.3
測定状態(metering condition)
計量中における流量計の位置でのガスの状態。変数に添え字Mを用いることによって,測定状態での値
であることを表す。
3.4
オリフィス流量計(orifice flowmeter)
ガスが流れる配管にオリフィス板を取り付け,オリフィス板前後の圧力差を測定して流量を求める流量
計。
3.5
容積流量計(positive displacement flowmeter, PD flowmeter)
ガスが流れる配管に運動子をもつ計量室を取り付け,計量室を通過するガスが運動子を駆動することに
よって運動子に回転又は往復運動が発生し,その運動周期に依存して出力されるパルス信号の数を計数し
て流量を求める流量計。
3.6
渦流量計(vortex flowmeter)
ガスが流れる配管に渦発生体をもつ測定管を取り付け,測定管内を通過するガスの流れによって発生す
る渦の周波数又は周期を測定して流量を求める流量計。
3.7
超音波流量計(ultrasonic flowmeter)
ガスが流れる配管に超音波の送受信機をもつ測定管を取り付け,送信機から放射された超音波信号が受
信機に到達するまでの伝ぱ(播)時間を測定し,伝ぱ(播)時間がガスの流速に依存することを利用して
流量を求める流量計。
3.8
Kファクタ,KF(K-factor)
流量計がこれを通過するガスの流量に比例したパルスを出力する場合に用いる流量計に固有な定数。1 L
のガスが通過したときに流量計が発するパルス数として,次の式(3)で定義される。
In
KF (3)
VM
ここに, KF : Kファクタ(pulses/L)
In : 積算パルス数(pulses)

――――― [JIS M 8010 pdf 4] ―――――

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M 8010 : 2020
VM : 流量計を通過したガスの測定状態での通過体積(L)
3.9
オリフィス板(orifice plate)
オリフィス流量計の要素であり,オリフィス孔をもつ薄い平板。オリフィス孔を通ってガスが流れると
き,オリフィス板の前後に流量に依存した差圧が発生する。
3.10
オリフィス孔(orifice)
オリフィス板の中心にあけた流量を測定するための円形の孔。
3.11
オリフィス配管(measuring pipe of the orifice)
オリフィス板を取り付ける配管(直管)。
3.12
オリフィス配管径,D(internal diameter of the measuring pipe upstream of the orifice)
計量中におけるオリフィス配管の直径(内径)。計量中におけるオリフィス配管の温度を用い,オリフィ
ス配管径の測定値D0を温度補正した値とするが,温度補正が必要ない場合には測定値D0で代用する。
注記 ここに定義する“オリフィス配管径”は,JIS Z 8762-1:2007及びJIS Z 8762-2:2007において“管
内径”として用いるDに等しい。オリフィス配管径Dは流量の計算に用いるため,配管の呼び
内径ではないことに注意する。
3.13
オリフィス配管径の測定値,D0(measured value of the internal diameter of the measuring pipe upstream of the
orifice)
オリフィス配管内でオリフィス板の上流側の指定範囲におけるオリフィス配管直径の測定値(内径)。
8.2.4.2に従って測定し,直径測定中のオリフィス配管の温度TD0とともに用いる。
3.14
オリフィス孔径,d(diameter of the orifice)
計量中におけるオリフィス孔の直径。計量中におけるオリフィス板の温度を用い,オリフィス孔径の測
定値d0を温度補正した値とするが,温度補正が必要ない場合には測定値d0で代用する。
注記 ここに定義する“オリフィス孔径”は,JIS Z 8762-1:2007及びJIS Z 8762-2:2007において“絞
り孔径”として用いるdに等しい。
3.15
オリフィス孔径の測定値,d0(measured value of the diameter of the orifice)
オリフィス孔直径の測定値。直径測定中のオリフィス板の温度Td0とともに用いる。
3.16
オリフィス直径比,β(diameter ratio of the orifice)
オリフィス配管径に対するオリフィス孔径の比。次の式(4)で定義される。
d
β (4)
D
ここに, β : オリフィス直径比
d : 計量中におけるオリフィス孔径(m)
D : 計量中におけるオリフィス配管の直径(内径)(m)

――――― [JIS M 8010 pdf 5] ―――――

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JIS M 8010:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS M 8010:2020の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK2301:2011
燃料ガス及び天然ガス―分析・試験方法