JIS M 8311:1997 規格概要
この規格 M8311は、チタン鉱石中のチタン定量方法について規定。
JISM8311 規格全文情報
- 規格番号
- JIS M8311
- 規格名称
- チタン鉱石中のチタン定量方法
- 規格名称英語訳
- Method for determination of titanium in titanium ores
- 制定年月日
- 1956年4月10日
- 最新改正日
- 2016年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 73.060.99
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 金属分析 II 2019
- 改訂:履歴
- 1956-04-10 制定日, 1959-04-09 確認日, 1961-08-01 改正日, 1964-08-01 確認日, 1967-11-01 改正日, 1970-12-01 確認日, 1973-11-01 確認日, 1976-10-01 確認日, 1979-10-01 確認日, 1984-11-01 確認日, 1990-07-01 確認日, 1995-12-01 確認日, 1997-07-20 改正日, 2001-12-20 確認日, 2006-09-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
- ページ
- JIS M 8311:1997 PDF [5]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
M 8311-1997
チタン鉱石中のチタン定量方法
Method for determination of titanium in titanium ores
1. 適用範囲 この規格は,チタン鉱石中のチタン定量方法について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS H 4040 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS M 8301 チタン鉱石の分析方法通則
2. 一般事項 分析に共通の一般事項は,JIS M 8301による。
3. 定量方法 チタンの定量方法は,アルミニウム還元鉄 (III) 滴定法による。この方法は,チタン含有
率10% (m/m) 以上59% (m/m) 以下の試料に適用する。
4. アルミニウム還元鉄 (III) 滴定法
4.1 要旨 試料を融解剤で融解し,融成物を水及び硫酸で溶解する。塩酸を加えた後,アルミニウムを
加えてチタンをチタン (III) に還元し,チオシアン酸カリウムを指示薬として鉄 (III) 標準溶液で滴定する。
4.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸
(2) 硫酸 (1+1)
(3) ほう酸
(4) 水酸化カリウム
(5) 炭酸ナトリウム(無水)
(6) 融解合剤A[炭酸ナトリウム(無水)1,過酸化ナトリウム2]
(7) 融解合剤B(水酸化ナトリウム1,過酸化ナトリウム2)
(8) 炭酸水素ナトリウム溶液(飽和,約110g/l)
(9) アルミニウム JIS H 4040に規定する合金番号1200のアルミニウムの棒又は線を1個の質量が約1g
となるようにはかり取り,使用前に塩酸 (1+5) を用いてその表面を洗浄したもの。
(10) 過酸化水素水 (1+9)
(11) 0.05mol/l鉄 (III) 標準溶液 調製及び標定は,次のいずれかによる。
(a) 塩化鉄 (III) 六水和物13.5gをはかり取り,ビーカーに移し入れ,塩酸 (1+10) 100mlを加え,加熱
して溶解し,常温まで冷却した後,水を用いて1 000mlの全量フラスコに移し入れ,水で標線まで
薄める。この溶液のファクターは,次の方法で求める。
この溶液から正確に25mlを還元装置の三角フラスコ (500ml) に分取し,以下4.5.2(2)の手順に従
――――― [JIS M 8311 pdf 1] ―――――
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M 8311-1997
って操作した後,直ちに二酸化炭素を通じながら,硫酸マンガン混合溶液(1)25mlを加え,0.01mol/l
マンガン酸カリウム標準溶液(2)を用いて滴定し,溶液が微紅色を呈した点を終点とする。次の式で
ファクターを求める。
V1 F1
F
V2
ここに, F : 0.05mol/l鉄 (III) 標準溶液のファクター
F1 : 0.01mol/l過マンガン酸カリウム標準溶液のファクター
V1 : 0.01mol/l過マンガン酸カリウム標準溶液の使用量 (ml)
V2 : 0.05mol/l塩化鉄 (III) 標準溶液の使用量 (ml)
注(1) 硫酸マンガン混合溶液のつくり方は,次による。
硫酸マンガン (II) 五水和物70gをはかり取りビーカーに移し入れ,水500mlを加え溶解させ
た後,濃硫酸125ml及び85%りん酸125mlを加え,水で1 000mlに薄める。
(2) 0.01mol/l過マンガン酸カリウム標準溶液の調製は,次による。
溶液の調製及び標定は,JIS K 8001の4.5(7)(0.02mol/l過マンガン酸カリウム溶液)による。
ただし,過マンガン酸カリウムは1.6gを,しゅう酸ナトリウムは0.12gをはかり取る。
(b) 硫酸アンモニウム鉄 (III) 12水24.1gをはかり取り,ビーカーに移し入れ,硫酸 (1+1) 20ml及び水
約300mlを加えて溶解し,常温まで冷却した後,水を用いて1 000mlの全量フラスコに移し入れ,
水で標線まで薄める。この溶液のファクターは,次の方法で求める。
この溶液から正確に25mlを還元装置の三角フラスコ (500ml) に分取し,以下4.5.2(2)の手順
に従って操作した後,直ちに二酸化炭素を通じながら,硫酸マンガン混合溶液(1)25mlを加えた
後,0.01mol/l過マンガン酸カリウム標準溶液(2)を用いて滴定し,溶液が微紅色を呈した点を終
点とする。次の式でファクターを求める。
V1 F1
F
V2
ここに, F : 0.05mol/l鉄 (III) 標準溶液のファクター
F1 : 0.01mol/l過マンガン酸カリウム標準溶液のファクター
V1 : 0.01mol/l過マンガン酸カリウム標準溶液の使用量 (ml)
V2 : 0.05mol/l硫酸アンモニウム鉄 (III) 標準溶液の分取量 (ml)
(12) チオシアン酸カリウム溶液 (200g/l)
4.3 装置及び器具
(1) 還元装置 三角フラスコ (500ml) に次のいずれかの附属器具を付けたもの。
(1.1) キャップ付きゴム栓(図1) キャップに炭酸水素ナトリウム溶液約50mlを入れて用いる。
(1.2) 広口瓶(図2) 炭酸水素ナトリウム溶液約50mlを入れた広口瓶 (200ml) をガラス管で三角フラ
スコと接続する。
――――― [JIS M 8311 pdf 2] ―――――
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M 8311-1997
図1 キャップ付きゴム栓
図2 広口瓶
4.4 試料はかり取り量 試料はかり取り量は,0.5gとする。
4.5 操作
4.5.1 試料の分解 試料の分解は,次の手順によって行う。
(1) 試料をはかり取り,融解合剤A [4.2(6) ] (3)5gを入れてあるニッケルるつぼ,アルミナるつぼ又はジル
コニウムるつぼに移し入れ,かき混ぜた後,約2gの炭酸ナトリウム(無水)を加えて試料の表面を覆
う。
(2) るつぼをふたで覆い,初めは低温で内容物が流動状になるまで穏やかに加熱し,徐々に温度を上げて
るつぼの底部が暗赤色の状態になるように保ち,るつぼをゆり動かしながら(4)約5分間加熱し,試料
を完全に融解する。
(3) 放冷後,融成物はるつぼと共にビーカー (300ml) に入れ温水約80mlを少量ずつ加え,融成物を溶か
す。硫酸 (1+1) 50mlを少量ずつ加え,更に硫酸 (1+1) 1020mlを加えた後,るつぼを水で洗いなが
ら取り出す。
(4) 過酸化水素水 (1+9) を不溶解物が溶けるまで滴加する(5)。加熱して穏やかに数分間煮沸し,透明な
――――― [JIS M 8311 pdf 3] ―――――
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溶液とする。常温まで冷却した後,水を用いて250mlの全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄め
る。
注(3) 融解合剤Aの代わりに融解合剤B [4.2(7) ] 又は水酸化カリウムとほう酸の混合物を用いること
ができる。水酸化カリウムとほう酸の混合物による場合は,水酸化カリウム5g及びほう酸2gを
るつぼに加えよくかき混ぜた後,加熱して水分を除去する。また,炭酸ナトリウム(無水)に
よる表面の被覆は行わない。
(4) 試料の分解を促進し,るつぼの部分的腐食を防ぐために,るつぼを絶えずゆり動かすのがよい。
(5) 通常12ml加えれば十分である。
4.5.2 滴定 滴定は,次の手順によって行う。
(1) 4.5.1(4)で得た溶液から,正確に100mlを還元装置の三角フラスコに分取する。
(2) 塩酸40mlを加えた後,水で液量を150mlとし,加熱して液温を約80℃としアルミニウム [4.2(9) ] 約
2gを加え,直ちに還元装置を組み立て,水素を激しく発生させる(6)。水素の発生が穏やかになりアル
ミニウムが完全に溶解し(7),溶液が透明な紫色になってから約10分間放冷した後(8)(9)流水中で液温が
約50℃以下になるまで冷却する(9)。
(3) 還元用附属器具を取り除き,直ちにチオシアン酸カリウム溶液10mlを加え,0.05mol/l鉄 (III) 標準溶
液 [4.2(11) ] を用いて滴定して(10),溶液が淡赤褐色に変わり,その色が約30秒残る点を終点とし,鉄
(III) 標準溶液の使用量を求める。
注(6) 発生した水素に引火しないよう,加熱の際注意すること。
(7) アルミニウムが残っているときは,穏やかに加熱して分解させる。
(8) 熱いうちに水冷すると三角フラスコ内が急に減圧され,フラスコが破裂したり,炭酸水素ナト
リウム溶液が急激に三角フラスコ中に逆流するので,必ず放冷した後,流水中で冷却する。
(9) 常に還元キャップ又は広口瓶のなかに炭酸水素ナトリウム溶液が残っているように,炭酸水素
ナトリウム溶液を追加する。
(10) 還元したチタンイオンが空気などで酸化されるのを防ぐため,還元用附属器具を取り外したら
直ちに滴定を行う。また,初めは滴定に必要とする量の約32の鉄 (III) 標準溶液を,三角フラス
コをふり混ぜないで加える。
4.6 空試験 試料を用いないで,4.5と同じ操作を試料と並行して行う。
4.7 計算
(1) 試料中のチタン含有率を,次の式によって算出する。
(V1 V2 ) .0002 395F 100
Ti
100
m
250
ここに, Ti : 試料中のチタン含有率 [% (m/m) ]
V1 : 4.5.2(3)で得た0.05mol/l鉄 (III) 標準溶液の使用量 (ml)
V2 : 4.6で得た0.05mol/l鉄 (III) 標準溶液の使用量 (ml)
F : 4.2(11)で求めた0.05mol/l鉄 (III) 標準溶液のファクター
m : 試料はかり取り量 (g)
0.002 395 : 0.05mol/l鉄 (III) 標準溶液1mlに相当するチタン量 (g)
(2) 試料中のチタン含有率を二酸化チタン含有率で表す場合は,次の式によって算出する。
TiO2=Ti×1.668
ここに, TiO2 : 試料中の二酸化チタン含有率 [% (m/m) ]
――――― [JIS M 8311 pdf 4] ―――――
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M 8311-1997
Ti : 4.7(1)で得た試料中のチタン含有率 [% (m/m) ]
JIS改正原案作成委員会 構成表(順不同)
氏名 所属
(委員長) 中 村 靖 株式会社ジャパンエナジー分析センター
藤 貫 正 日本磁気共鳴医学会
奥 谷 忠 雄 日本大学理工学部
天 野 徹 通商産業省工業技術院材料規格課
揖 斐 敏 夫 通商産業省資源エネルギー庁長官官房鉱業課
垂 水 裕 之 三菱商事株式会社
吉 岡 貞 治 テイカ株式会社
村 岡 和 芳 株式会社トーケムプロダクツ
西 島 芳 正 石原産業株式会社
河 合 哲 朗 日本酸化チタン工業会
福 本 寛 堺化学工業株式会社
金 築 四 郎 住友シチックス株式会社
藤 瀬 雅 嵩 チタン工業株式会社
服 部 兆 隆 東邦チタニウム株式会社
細 野 正 富士チタン工業株式会社
大 島 健 二 古河機械金属株式会社
JIS改正原案作成専門委員会 構成表(順不同)
氏名 所属
(委員長) 中 村 靖 株式会社ジャパンエナジー分析センター
吉 岡 貞 治 テイカ株式会社
村 岡 和 芳 株式会社トーケムプロダクツ
西 島 芳 正 石原産業株式会社
河 合 哲 朗 日本酸化チタン工業会
福 本 寛 堺化学工業株式会社
金 築 四 郎 住友シチックス株式会社
藤 瀬 雅 嵩 チタン工業株式会社
服 部 兆 隆 東邦チタニウム株式会社
細 野 正 富士チタン工業株式会社
西 原 英 樹 古河機械金属株式会社
JIS M 8311:1997の国際規格 ICS 分類一覧
- 73 : 鉱採及び鉱物 > 73.060 : 金属鉱物及びそれらの濃縮物 > 73.060.99 : その他の金属鉱石
JIS M 8311:1997の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISH4040:2015
- アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISM8301:1997
- チタン鉱石の分析方法通則