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Q 13315-1 : 2017 (ISO 13315-1 : 2012)
いずれの方法であっても,インベントリデータを取得する手法及び条件,並びに必要に応じて情報入手
先を,明確に書面に記録する。
4.4.4 影響領域指標
4.3に規定する環境影響に関する環境性能を具体的に表す影響領域指標には,環境影響の大きさを定性的
又は定量的に表すことのできる指標を採用する。
複数の指標を用いる場合は,それぞれの指標ごとに環境性能を評価してもよい。また,複数の指標を統
合して評価してもよい。
影響領域指標を算定するためのデータを取得する手法及び条件は,明記する。データの取得先も必要に
応じて明記する。
4.5 設計段階
図4に,構造物の環境設計の一般的なフローを示す。
コンクリート及びコンクリート構造物に要求される環境性能(以下,要求性能という。)は,クライアン
トブリーフに従うとともに,法及び規制を満足するよう設定し,適切な指標によって表示する。
一方,コンクリート構造物が実際に保有する環境性能(以下,保有性能という。)は,クライアントブリ
ーフを実現するために設定されたコンクリートの性能,及びコンクリート構造物の諸元に基づいて,4.4
に示された手法によって算定する。
上記の,要求性能と保有性能とを比較し,保有性能が要求性能を満足しているかどうかを照査・検証す
る。予想される保有性能が要求性能を満足する場合は,設計の詳細を文書化する。予想される保有性能が
要求性能を満足しない場合は,保有性能が要求性能を満足できるように,コンクリートの性能及び/又は
コンクリート構造物の諸元を修正する。また,予想される保有性能が要求性能を満足しない場合には,そ
の影響の評価を通じて,要求性能自体を変更してもよい。プロジェクトの達成が不可能と判断される場合
は,当該プロジェクトの中止を決定してもよい。
設計段階におけるコンクリートの性能及び/又はコンクリート構造物の諸元に関する詳細は,他の各段
階において極めて重要な情報となる。そのため,性能設定及び照査・検証に関連する全ての情報は,適切
に文書化し,保存する。
――――― [JIS Q 13315-1 pdf 11] ―――――
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環境的側面 事業着手 経済的側面
社会的側面
法・規制 クライアントブリーフ
設計
性能の推定
要求性能(S) 保有性能(R)
照査・検証
いいえ 再検討
(R)は(S)を満足するか 判断
はい 中止
文書化
図4−構造物の環境設計
コンクリート構造物の構造設計及び耐久設計は,環境設計と分離して行うとよい。また,コンクリート
構造物は,周辺と適切に調和し,魅力的な美的外観をもつように設計する。
4.6 製造・施工段階
コンクリートの製造段階,及びコンクリート構造物の施工段階においては,要求性能を確認又は設定し
た上で,製造計画及び施工計画を立案し,製造段階及び施工段階で生じる環境影響を算定する。算定は,
4.4による。
算定された性能が,要求性能を満足しているかどうかを確認する。算定は,4.4による。
コンクリートの製造,及びコンクリート構造物の施工は,それぞれの計画に従って実施する。製造・施
工の途中段階,及びその終了後には,実際に生じた環境影響を確認する。
その際,それらが要求性能を満足しない場合には,環境を改善するための対策を講じる。改善対策がと
られている間,及び対策後には,環境改善効果を確認し,要求性能を満足するまで,これらの一連の活動
を繰り返し行う。
コンクリートに関する環境影響は,構成材料の採取,採掘,製造,及びそれらのコンクリートプラント
への運搬の過程,並びにコンクリートの製造,及びその建設現場への運搬の過程を含めて算定する。補強
材についても,同様に算定する。
コンクリートの製造及び運搬においては,天然資源の使用量,エネルギー消費量,及び廃棄物の発生量
を減らすとともに,騒音・振動,ダスト,水質汚濁などの被害を最小にする。
コンクリート構造物の施工においては,資材の調達,足場の設置,型枠の組立て,配筋,コンクリート
の打込み及び養生,プレキャスト部材の組立てなどにおけるエネルギー消費量,及び廃棄物の発生量を減
らすとともに,騒音・振動,ダスト,大気汚染,水質汚濁及び土壌汚染の被害を最小化する。コンクリー
トの製造段階又はコンクリート構造物の施工段階に関わる全ての活動は,適切に文書化し,保存する。
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4.7 使用段階
コンクリート構造物の使用段階においては,環境設計で設定された要求性能が実際に得られているかど
うかを確認する。要求性能を満足していない場合には,適切な対策を講じる。構造物の環境性能が使用段
階の初期の要求性能を満足していた場合であっても,その運用に関する要求及び基準に変更があった場合,
又はメンテナンス及びレメディアルアクティビティによって構造物の環境性能に変化が生じた場合には,
環境性能が要求性能を満足しているかどうかを確認する必要がある。要求性能を満足していない場合には,
適切な対策を講じる。
注記 レメディアルアクティビティは,リペア,リハビリテーション,リファービシュメント,リニ
ューアル,リノベーション,コンバージョン,レトロフィッティング,補強,及び腐食性物質
からの保護に関する全てのアクティビティを含む。
メンテナンス及びレメディアルアクティビティにおいて,設計段階で設定されていない工事を実施する
場合には,工事計画を立案し,その工事計画において生じる環境影響を算定する。算定された環境影響に
ついては,新たに設定された要求性能を満足していることを確認する。算定は4.4による。工事は,要求
性能を満足する工事計画に従って実施する。工事中及び工事終了後には,実際に工事の結果として生じた
環境影響を確認する。実際の環境影響が要求性能を満足しない場合は,環境改善のための対策を講じる。
改善対策の実施中及び実施後には,環境改善効果を確認し,要求性能が満足されるまでこれらの一連の活
動を繰り返し行う。
メンテナンス及びレメディアルアクティビティによって構造物の機能の全て又は一部が停止するような
場合には,それによってもたらされる環境影響を低減するような対策を講じる。例えば,道路構造物のリ
ペアの場合,それによって発生する通行止め及び交通渋滞の間の代替施設・設備によって生じる環境影響
について考慮する。
建築物の場合には,冷暖房の運転エネルギーも考慮する。
コンクリート構造物の使用段階に関係する全ての活動は,適切に文書化し,保存する。
4.8 最終段階
コンクリート構造物の解体の段階,コンクリート部材の再利用の段階,及び解体コンクリートのリサイ
クル又は最終処分の段階においては,これらの各段階又は全ての段階において,次の項目を設定又は確認
した後に,解体,再利用,リサイクル又は最終処分を実施する。
− 騒音・振動,ダスト及び廃棄物最終処分量に対する要求値
− 関連する活動の環境影響
− 環境影響が要求値以上か未満か
これらの活動が実施された後,その結果を検査し,問題がある場合は,適切な対策を講じる。各段階で
の活動,及びそれらの結果は,適切に文書化し,保存する。
コンクリート構造物の解体は,解体作業によって近隣に被害を及ぼさないように,また,発生する廃材
のリサイクルに困難を来さないように行う。また,最終処分における環境負荷が最小となるよう配慮する。
解体コンクリートのリサイクルにおいては,過大なエネルギーを必要とせず,大量の廃棄物を発生させ
ないような方法を用い,騒音・振動及びダストによる近隣被害を及ぼさないようにする。リサイクルされ
た材料及び製品は,その用途に適した性能をもつものとする。
解体コンクリート及び廃棄物の運搬は,運搬ルートの沿道に騒音・振動及びダストを発生させないよう
に行う。
解体コンクリートをリサイクルできない場合は,土壌汚染,水質汚濁及び景観破壊への対策が講じられ
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た最終処分場において処分する。廃棄物に除去できない有害物質が含まれている場合は,安全性が確保で
きる方法で適切に最終処分する。
コンクリート構造物及び部材は,安全性,環境影響,及びその他の関連する影響が適切に評価され,か
つ,容認できるとみなせる場合には,元の位置に残置してもよい。
4.9 ラベル及び宣言
コンクリート及びコンクリート構造物の環境影響評価の結果を用いて,環境ラベル及び環境宣言を行う
ことができる。
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附属書A
(参考)
コンクリート及びコンクリート構造物のライフサイクルにおいて考慮すべき段階及び環境影響要因
表A.1−コンクリート及びコンクリート構造物のライフサイクルにおいて考慮すべき段階及び環境影響要因
段階 区分 地球の気天然資源成層圏のオ 富栄養化
土地利用及び 酸性化 大気汚染 水質汚濁 土壌汚染 放射性物質 騒音・振動 環境影響の改
廃棄物発生
候変動 の使用 ゾン濃度 生息地改変 による汚染による影響 善策
長寿命化によ
る環境便益及
設
計 設計 び環境負荷軽
減の考慮,多
機能設計
化石燃料,
土地利用の変 産業副産物及
非金属鉱 NOx,SOx NOx ,
セメント CO2 NOx
化,生息地の SOx,PM 重金属 重金属 び廃棄物の使
物(石灰
改変 用
石)
NOx,SOx NOx ,
練混ぜ水 CO2 水 NOx SOx,PM
土地利用の変
骨材a)
非金属鉱 NOx,SOx NOx , ラドン-222 ダスト,ス 産業副産物の
構成材料 CO2 NOx
化,生息地の SOx,PM 重金属 重金属
物,水 ラッジ 使用
の製造 改変
NOx,SOx NOx , 産業副産物の
混和材 CO2 NOx SOx,PM 重金属 重金属 ラドン-222
製 使用
造 ノニルフ
ノニルフ
NOx,SOx NOx ,
・ 化学混和剤 CO2 NOx ェノール
ェノール
施 SOx,PM
Q1
誘導体 誘導体
工
化石燃料, NOx,SOx NOx , 鋼のリサイク
3
補強材b) CO2 NOx SOx,PM
3
鉄鉱石 ル
15
コンクリ
-
NOx,SOx NOx ,
1
ートの製 CO2 化石燃料 NOx SOx,PM スラッジ 騒音・振動
: 2
造
01
NOx,SOx NOx ,
型枠 CO2 鉄鉱石 NOx SOx,PM 廃棄物
7(
プレキャ
I
SO1
ストコン NOx,SOx NOx ,
締固め CO2 化石燃料 NOx SOx,PM 騒音・振動
クリート
3
の製造 水,化石燃 NOx,SOx NOx ,
3
養生 CO2 NOx SOx,PM 重金属 廃棄物
1
料
5-1 : 201
1
2
3
)
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JIS Q 13315-1:2017の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 13315-1:2012(IDT)
JIS Q 13315-1:2017の国際規格 ICS 分類一覧
- 91 : 建設材料及び建築物 > 91.100 : 建設材料 > 91.100.30 : コンクリート及びコンクリート製品
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.020 : 環境保護 > 13.020.10 : 環境マネジメント
JIS Q 13315-1:2017の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISQ14050:2012
- 環境マネジメント―用語