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Q 14001 : 2015 (ISO 14001 : 2015)
3) 著しい環境側面
4) リスク及び機会
c) 環境目標が達成された程度
d) 次に示す傾向を含めた,組織の環境パフォーマンスに関する情報
1) 不適合及び是正処置
2) 監視及び測定の結果
3) 順守義務を満たすこと
4) 監査結果
e) 資源の妥当性
f) 苦情を含む,利害関係者からの関連するコミュニケーション
g) 継続的改善の機会
マネジメントレビューからのアウトプットには,次の事項を含めなければならない。
− 環境マネジメントシステムが,引き続き,適切,妥当かつ有効であることに関する結論
− 継続的改善の機会に関する決定
− 資源を含む,環境マネジメントシステムの変更の必要性に関する決定
− 必要な場合には,環境目標が達成されていない場合の処置
− 必要な場合には,他の事業プロセスへの環境マネジメントシステムの統合を改善するための機会
− 組織の戦略的な方向性に関する示唆
組織は,マネジメントレビューの結果の証拠として,文書化した情報を保持しなければならない。
10 改善
10.1 一般
組織は,環境マネジメントシステムの意図した成果を達成するために,改善の機会(9.1,9.2及び9.3
参照)を決定し,必要な取組みを実施しなければならない。
10.2 不適合及び是正処置
不適合が発生した場合,組織は,次の事項を行わなければならない。
a) その不適合に対処し,該当する場合には,必ず,次の事項を行う。
1) その不適合を管理し,修正するための処置をとる。
2) 有害な環境影響の緩和を含め,その不適合によって起こった結果に対処する。
b) その不適合が再発又は他のところで発生しないようにするため,次の事項によって,その不適合の原
因を除去するための処置をとる必要性を評価する。
1) その不適合をレビューする。
2) その不適合の原因を明確にする。
3) 類似の不適合の有無,又はそれが発生する可能性を明確にする。
c) 必要な処置を実施する。
d) とった是正処置の有効性をレビューする。
e) 必要な場合には,環境マネジメントシステムの変更を行う。
是正処置は,環境影響も含め,検出された不適合のもつ影響の著しさに応じたものでなければならない。
組織は,次に示す事項の証拠として,文書化した情報を保持しなければならない。
− 不適合の性質及びそれに対してとった処置
――――― [JIS Q 14001 pdf 21] ―――――
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Q 14001 : 2015 (ISO 14001 : 2015)
− 是正処置の結果
10.3 継続的改善
組織は,環境パフォーマンスを向上させるために,環境マネジメントシステムの適切性,妥当性及び有
効性を継続的に改善しなければならない。
――――― [JIS Q 14001 pdf 22] ―――――
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Q 14001 : 2015 (ISO 14001 : 2015)
附属書A
(参考)
この規格の利用の手引
A.1 一般
この附属書に記載する説明は,この規格に規定する要求事項の誤った解釈を防ぐことを意図している。
この情報は,この規格の要求事項と対応し整合しているが,要求事項に対して追加,削除,又は何らの変
更を行うことも意図していない。
この規格の要求事項は,システム又は包括的な観点から見る必要がある。利用者は,この規格の特定の
文又は箇条を他の箇条と切り離して読まないほうがよい。箇条によっては,その箇条の要求事項と他の箇
条の要求事項との間に相互関係があるものもある。例えば,組織は,環境方針におけるコミットメントと
他の箇条で規定された要求事項との関係を理解する必要がある。
変更のマネジメントは,組織が継続して環境マネジメントシステムの意図した成果を達成できることを
確実にする,環境マネジメントシステムの維持の重要な部分である。変更のマネジメントは,次を含むこ
の規格の様々な要求事項において規定されている。
− 環境マネジメントシステムの維持(4.4参照)
− 環境側面(6.1.2参照)
− 内部コミュニケーション(7.4.2参照)
− 運用管理(8.1参照)
− 内部監査プログラム(9.2.2参照)
− マネジメントレビュー(9.3参照)
変更のマネジメントの一環として,組織は,計画した変更及び計画していない変更について,それらの
変更による意図しない結果が環境マネジメントシステムの意図した成果に好ましくない影響を与えないこ
とを確実にするために,取り組むことが望ましい。変更の例には,次の事項が含まれる。
− 製品,プロセス,運用,設備又は施設への,計画した変更
− スタッフの変更,又は請負者を含む外部提供者の変更
− 環境側面,環境影響及び関連する技術に関する新しい情報
− 順守義務の変化
A.2 構造及び用語の明確化
この規格の箇条の構造及び一部の用語は,他のマネジメントシステム規格との一致性を向上させるため
に,旧規格から変更している。しかし,この規格では,組織の環境マネジメントシステムの文書にこの規
格の箇条の構造又は用語を適用することは要求していない。組織が用いる用語をこの規格で用いている用
語に置き換えることも要求していない。組織は,“文書化した情報”ではなく,“記録”,“文書類”又は“プ
ロトコル”を用いるなど,それぞれの事業に適した用語を用いることを選択できる。
A.3 概念の明確化
箇条3に規定した用語及び定義のほかに,誤った解釈を防ぐために,幾つかの概念の説明を次に示す。
− この規格では,英語の“any”という言葉を用いる場合には,選定又は選択を意味している。
――――― [JIS Q 14001 pdf 23] ―――――
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Q 14001 : 2015 (ISO 14001 : 2015)
注記 JISでは,英語の“any”は,“どのような”又は“様々な”と訳しているほか,訳出してい
ない場合もある。
− “適切な”,“必要に応じて”など(appropriate)と,“適用される”,“適用できる”,“該当する場合に
は,必ず”など(applicable)との間には,互換性はない。前者は,適している(suitable)という意味
をもち,一定の自由度がある。後者は,関連する,又は適用することが可能である,という意味をも
ち,可能な場合には行う必要がある,という意味を含んでいる。
− “考慮する”(consider)という言葉は,その事項について考える必要があるが除外することができる,
という意味をもつ。他方,“考慮に入れる”(take into account)は,その事項について考える必要があ
り,かつ,除外できない,という意味をもつ。
− “継続的”(continual)とは,一定の期間にわたって続くことを意味しているが,途中に中断が入る[中
断なく続くことを意味する“連続的”(continuous)とは異なる。]。したがって,改善について言及す
る場合には,“継続的”という言葉を用いるのが適切である。
− この規格では,“影響”(effect)という言葉は,組織に対する変化の結果を表すために用いている。“環
境影響”(environmental impact)という表現は,特に,環境に対する変化の結果を意味している。
− “確実にする”及び“確保する”(ensure)という言葉は,責任を委譲することができるが,説明責任
については委譲できないことを意味する。
− この規格では,“利害関係者”(interested party)という用語を用いている。“ステークホルダー”
(stakeholder)という用語は,同じ概念を表す同義語である。
この規格では,幾つかの新しい用語を用いている。この規格の新規の利用者及び旧規格の利用者の双方
の助けとなるよう,これらの用語についての簡単な説明を次に示す。
− “順守義務”という表現は,旧規格で用いていた“法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事
項”という表現に置き換わるものである。この新しい表現の意味は,旧規格から変更していない。
− “文書化した情報”は,旧規格で用いていた“文書類”,“文書”及び“記録”という名詞に置き換わ
るものである。一般用語としての“文書化した情報”の意図と区別するため,この規格では,記録を
意味する場合には“···の証拠として,文書化した情報を保持する”という表現を用い,記録以外の文
書類を意味する場合には“文書化した情報を維持する”という表現を用いている。“···の証拠として”
という表現は,法的な証拠となる要求事項を満たすことの要求ではなく,保持する必要がある客観的
証拠を示すことだけを意図している。
− “外部提供者”という表現は,製品又はサービスを提供する外部供給者の組織(請負者を含む。)を意
味する。
− “特定する”(identify)から,“決定する”など(determine)に変更した意図は,標準化されたマネジ
メントシステムの用語と一致させるためである。“決定する”など(determine)という言葉は,知識を
もたらす発見のプロセスを意味している。その意味は,旧規格から変更していない。
− “意図した成果”(intended outcome)という表現は,組織が環境マネジメントシステムの実施によっ
て達成しようとするものである。最低限の意図した成果には,環境パフォーマンスの向上,順守義務
を満たすこと,及び環境目標の達成が含まれる。組織は,それぞれの環境マネジメントシステムにつ
いて,追加の意図した成果を設定することができる。例えば,環境保護へのコミットメントと整合し
て,組織は,持続可能な開発に取り組むための意図した成果を確立してもよい。
− “組織の管理下で働く人(又は人々)”という表現は,組織で働く人々,及び組織が責任をもつ,組織
のために働く人々(例えば,請負者)を含む。この表現は,旧規格で用いていた“組織で働く又は組
――――― [JIS Q 14001 pdf 24] ―――――
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Q 14001 : 2015 (ISO 14001 : 2015)
織のために働く人”という表現に置き換わるものである。この新しい表現の意味は,旧規格から変更
していない。
− 旧規格で用いていた“目標”(target)の概念は,“環境目標”(environmental objective)の用語の中に包
含されている。
A.4 組織の状況
A.4.1 組織及びその状況の理解
4.1は,組織が自らの環境責任をマネジメントする方法に対して好ましい又は好ましくない影響を与える
可能性のある重要な課題についての,高いレベルでの,概念的な理解を提供することを意図している。課
題とは,組織にとって重要なトピック,討議及び議論のための問題,又は環境マネジメントシステムに関
して設定した意図した成果を達成する組織の能力に影響を与える,変化している周囲の状況である。
組織の状況に関連し得る内部及び外部の課題の例には,次の事項を含む。
a) 気候,大気の質,水質,土地利用,既存の汚染,天然資源の利用可能性及び生物多様性に関連した環
境状態で,組織の目的に影響を与える可能性のある,又は環境側面によって影響を受ける可能性のあ
るもの
b) 国際,国内,地方又は近隣地域を問わず,外部の文化,社会,政治,法律,規制,金融,技術,経済,
自然及び競争の状況
c) 組織の活動,製品及びサービス,戦略的な方向性,文化,能力(すなわち,人々,知識,プロセス及
びシステム)などの,組織の内部の特性又は状況
組織の状況の理解は,環境マネジメントシステムを確立し,実施し,維持し,継続的に改善するために
用いられる(4.4参照)。4.1で決定した内部及び外部の課題は,組織又は環境マネジメントシステムに対
するリスク及び機会をもたらし得る(6.1.16.1.3参照)。組織は,取り組み,マネジメントする必要があ
る(6.1.4,6.2,箇条7,箇条8及び9.1を参照。)リスク及び機会を決定する。
A.4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解
組織は,関連すると決定した内部及び外部の利害関係者から表明されたニーズ及び期待についての一般
的な(すなわち,詳細ではなく,高いレベルで)理解を得ることが期待されている。組織は,得たその知
識を,これらのニーズ及び期待の中から順守しなければならない又は順守することを選ぶもの,すなわち
組織の順守義務となるものを決定するときに,考慮することとなる(6.1.1参照)。
利害関係者が,環境パフォーマンスに関連する組織の決定又は活動に影響を受けると認識している場合
には,組織は,その利害関係者によって組織に知らされている又は開示されている,関連するニーズ及び
期待を考慮することとなる。
利害関係者の要求事項は,必ずしも組織の要求事項になるわけではない。利害関係者の要求事項の中に
は,政府又は裁判所の判決によって,法令,規制,許可及び認可の中に導入されていることで強制的にな
っているニーズ及び期待を反映しているものもある。組織は,利害関係者のその他の要求事項について,
自発的に合意又は採用することを決めてもよい(例えば,契約関係の締結,自発的取組みの合意)。組織が
採用したものは,組織の要求事項,すなわち,順守義務となり,環境マネジメントシステムを計画すると
きに考慮に入れることとなる(4.4参照)。より詳細なレベルでの順守義務の分析は,6.1.3で実施される。
A.4.3 環境マネジメントシステムの適用範囲の決定
環境マネジメントシステムの適用範囲の意図は,環境マネジメントシステムが適用される物理的及び組
織上の境界を明確にすることであり,特にその組織がより大きい組織の一部である場合にはそれが必要で
――――― [JIS Q 14001 pdf 25] ―――――
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JIS Q 13485:2018の国際規格 ICS 分類一覧
- 03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学. > 03.100 : 経営組織及び管理 > 03.100.70 : 管理システム