JIS Q 14001:2015 環境マネジメントシステム―要求事項及び利用の手引 | ページ 4

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Q 14001 : 2015 (ISO 14001 : 2015)
1) その取組みの環境マネジメントシステムプロセス(6.2,箇条7,箇条8及び9.1参照)又は他の事
業プロセスへの統合及び実施
2) その取組みの有効性の評価(9.1参照)
これらの取組みを計画するとき,組織は,技術上の選択肢,並びに財務上,運用上及び事業上の要求事
項を考慮しなければならない。

6.2 環境目標及びそれを達成するための計画策定

6.2.1  環境目標
組織は,組織の著しい環境側面及び関連する順守義務を考慮に入れ,かつ,リスク及び機会を考慮し,
関連する機能及び階層において,環境目標を確立しなければならない。
環境目標は,次の事項を満たさなければならない。
a) 環境方針と整合している。
b) (実行可能な場合)測定可能である。
c) 監視する。
d) 伝達する。
e) 必要に応じて,更新する。
組織は,環境目標に関する文書化した情報を維持しなければならない。
6.2.2 環境目標を達成するための取組みの計画策定
組織は,環境目標をどのように達成するかについて計画するとき,次の事項を決定しなければならない。
a) 実施事項
b) 必要な資源
c) 責任者
d) 達成期限
e) 結果の評価方法。これには,測定可能な環境目標の達成に向けた進捗を監視するための指標を含む
(9.1.1参照)。
組織は,環境目標を達成するための取組みを組織の事業プロセスにどのように統合するかについて,考
慮しなければならない。

7 支援

7.1 資源

  組織は,環境マネジメントシステムの確立,実施,維持及び継続的改善に必要な資源を決定し,提供し
なければならない。

7.2 力量

  組織は,次の事項を行わなければならない。
a) 組織の環境パフォーマンスに影響を与える業務,及び順守義務を満たす組織の能力に影響を与える業
務を組織の管理下で行う人(又は人々)に必要な力量を決定する。
b) 適切な教育,訓練又は経験に基づいて,それらの人々が力量を備えていることを確実にする。
c) 組織の環境側面及び環境マネジメントシステムに関する教育訓練のニーズを決定する。
d) 該当する場合には,必ず,必要な力量を身に付けるための処置をとり,とった処置の有効性を評価す
る。
注記 適用される処置には,例えば,現在雇用している人々に対する,教育訓練の提供,指導の実施,

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配置転換の実施などがあり,また,力量を備えた人々の雇用,そうした人々との契約締結など
もあり得る。
組織は,力量の証拠として,適切な文書化した情報を保持しなければならない。

7.3 認識

  組織は,組織の管理下で働く人々が次の事項に関して認識をもつことを確実にしなければならない。
a) 環境方針
b) 自分の業務に関係する著しい環境側面及びそれに伴う顕在する又は潜在的な環境影響
c) 環境パフォーマンスの向上によって得られる便益を含む,環境マネジメントシステムの有効性に対す
る自らの貢献
d) 組織の順守義務を満たさないことを含む,環境マネジメントシステム要求事項に適合しないことの意

7.4 コミュニケーション

7.4.1  一般
組織は,次の事項を含む,環境マネジメントシステムに関連する内部及び外部のコミュニケーションに
必要なプロセスを確立し,実施し,維持しなければならない。
a) コミュニケーションの内容
b) コミュニケーションの実施時期
c) コミュニケーションの対象者
d) コミュニケーションの方法
コミュニケーションプロセスを確立するとき,組織は,次の事項を行わなければならない。
− 順守義務を考慮に入れる。
− 伝達される環境情報が,環境マネジメントシステムにおいて作成される情報と整合し,信頼性がある
ことを確実にする。
組織は,環境マネジメントシステムについての関連するコミュニケーションに対応しなければならない。
組織は,必要に応じて,コミュニケーションの証拠として,文書化した情報を保持しなければならない。
7.4.2 内部コミュニケーション
組織は,次の事項を行わなければならない。
a) 必要に応じて,環境マネジメントシステムの変更を含め,環境マネジメントシステムに関連する情報
について,組織の種々の階層及び機能間で内部コミュニケーションを行う。
b) コミュニケーションプロセスが,組織の管理下で働く人々の継続的改善への寄与を可能にすることを
確実にする。
7.4.3 外部コミュニケーション
組織は,コミュニケーションプロセスによって確立したとおりに,かつ,順守義務による要求に従って,
環境マネジメントシステムに関連する情報について外部コミュニケーションを行わなければならない。

7.5 文書化した情報

7.5.1  一般
組織の環境マネジメントシステムは,次の事項を含まなければならない。
a) この規格が要求する文書化した情報
b) 環境マネジメントシステムの有効性のために必要であると組織が決定した,文書化した情報
注記 環境マネジメントシステムのための文書化した情報の程度は,次のような理由によって,それ

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ぞれの組織で異なる場合がある。
− 組織の規模,並びに活動,プロセス,製品及びサービスの種類
− 順守義務を満たしていることを実証する必要性
− プロセス及びその相互作用の複雑さ
− 組織の管理下で働く人々の力量
7.5.2 作成及び更新
文書化した情報を作成及び更新する際,組織は,次の事項を確実にしなければならない。
a) 適切な識別及び記述(例えば,タイトル,日付,作成者,参照番号)
b) 適切な形式(例えば,言語,ソフトウェアの版,図表)及び媒体(例えば,紙,電子媒体)
c) 適切性及び妥当性に関する,適切なレビュー及び承認
7.5.3 文書化した情報の管理
環境マネジメントシステム及びこの規格で要求されている文書化した情報は,次の事項を確実にするた
めに,管理しなければならない。
a) 文書化した情報が,必要なときに,必要なところで,入手可能かつ利用に適した状態である。
b) 文書化した情報が十分に保護されている(例えば,機密性の喪失,不適切な使用及び完全性の喪失か
らの保護)。
文書化した情報の管理に当たって,組織は,該当する場合には,必ず,次の行動に取り組まなければな
らない。
− 配付,アクセス,検索及び利用
− 読みやすさが保たれることを含む,保管及び保存
− 変更の管理(例えば,版の管理)
− 保持及び廃棄
環境マネジメントシステムの計画及び運用のために組織が必要と決定した外部からの文書化した情報は,
必要に応じて識別し,管理しなければならない。
注記 アクセスとは,文書化した情報の閲覧だけの許可に関する決定,又は文書化した情報の閲覧及
び変更の許可及び権限に関する決定を意味し得る。

8 運用

8.1 運用の計画及び管理

  組織は,次に示す事項の実施によって,環境マネジメントシステム要求事項を満たすため,並びに6.1
及び6.2で特定した取組みを実施するために必要なプロセスを確立し,実施し,管理し,かつ,維持しな
ければならない。
− プロセスに関する運用基準の設定
− その運用基準に従った,プロセスの管理の実施
注記 管理は,工学的な管理及び手順を含み得る。管理は,優先順位(例えば,除去,代替,管理的
な対策)に従って実施されることもあり,また,個別に又は組み合わせて用いられることもあ
る。
組織は,計画した変更を管理し,意図しない変更によって生じた結果をレビューし,必要に応じて,有
害な影響を緩和する処置をとらなければならない。
組織は,外部委託したプロセスが管理されている又は影響を及ぼされていることを確実にしなければな

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らない。これらのプロセスに適用される,管理する又は影響を及ぼす方式及び程度は,環境マネジメント
システムの中で定めなければならない。
ライフサイクルの視点に従って,組織は,次の事項を行わなければならない。
a) 必要に応じて,ライフサイクルの各段階を考慮して,製品又はサービスの設計及び開発プロセスにお
いて,環境上の要求事項が取り組まれていることを確実にするために,管理を確立する。
b) 必要に応じて,製品及びサービスの調達に関する環境上の要求事項を決定する。
c) 請負者を含む外部提供者に対して,関連する環境上の要求事項を伝達する。
d) 製品及びサービスの輸送又は配送(提供),使用,使用後の処理及び最終処分に伴う潜在的な著しい環
境影響に関する情報を提供する必要性について考慮する。
組織は,プロセスが計画どおりに実施されたという確信をもつために必要な程度の,文書化した情報を
維持しなければならない。

8.2 緊急事態への準備及び対応

  組織は,6.1.1で特定した潜在的な緊急事態への準備及び対応のために必要なプロセスを確立し,実施し,
維持しなければならない。
組織は,次の事項を行わなければならない。
a) 緊急事態からの有害な環境影響を防止又は緩和するための処置を計画することによって,対応を準備
する。
b) 顕在した緊急事態に対応する。
c) 緊急事態及びその潜在的な環境影響の大きさに応じて,緊急事態による結果を防止又は緩和するため
の処置をとる。
d) 実行可能な場合には,計画した対応処置を定期的にテストする。
e) 定期的に,また特に緊急事態の発生後又はテストの後には,プロセス及び計画した対応処置をレビュ
ーし,改訂する。
f) 必要に応じて,緊急事態への準備及び対応についての関連する情報及び教育訓練を,組織の管理下で
働く人々を含む関連する利害関係者に提供する。
組織は,プロセスが計画どおりに実施されるという確信をもつために必要な程度の,文書化した情報を
維持しなければならない。

9 パフォーマンス評価

9.1 監視,測定,分析及び評価

9.1.1  一般
組織は,環境パフォーマンスを監視し,測定し,分析し,評価しなければならない。
組織は,次の事項を決定しなければならない。
a) 監視及び測定が必要な対象
b) 該当する場合には,必ず,妥当な結果を確実にするための,監視,測定,分析及び評価の方法
c) 組織が環境パフォーマンスを評価するための基準及び適切な指標
d) 監視及び測定の実施時期
e) 監視及び測定の結果の,分析及び評価の時期
組織は,必要に応じて,校正された又は検証された監視機器及び測定機器が使用され,維持されている
ことを確実にしなければならない。

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Q 14001 : 2015 (ISO 14001 : 2015)
組織は,環境パフォーマンス及び環境マネジメントシステムの有効性を評価しなければならない。
組織は,コミュニケーションプロセスで特定したとおりに,かつ,順守義務による要求に従って,関連
する環境パフォーマンス情報について,内部と外部の双方のコミュニケーションを行わなければならない。
組織は,監視,測定,分析及び評価の結果の証拠として,適切な文書化した情報を保持しなければなら
ない。
9.1.2 順守評価
組織は,順守義務を満たしていることを評価するために必要なプロセスを確立し,実施し,維持しなけ
ればならない。
組織は,次の事項を行わなければならない。
a) 順守を評価する頻度を決定する。
b) 順守を評価し,必要な場合には,処置をとる。
c) 順守状況に関する知識及び理解を維持する。
組織は,順守評価の結果の証拠として,文書化した情報を保持しなければならない。

9.2 内部監査

9.2.1  一般
組織は,環境マネジメントシステムが次の状況にあるか否かに関する情報を提供するために,あらかじ
め定めた間隔で内部監査を実施しなければならない。
a) 次の事項に適合している。
1) 環境マネジメントシステムに関して,組織自体が規定した要求事項
2) この規格の要求事項
b) 有効に実施され,維持されている。
9.2.2 内部監査プログラム
組織は,内部監査の頻度,方法,責任,計画要求事項及び報告を含む,内部監査プログラムを確立し,
実施し,維持しなければならない。
内部監査プログラムを確立するとき,組織は,関連するプロセスの環境上の重要性,組織に影響を及ぼ
す変更及び前回までの監査の結果を考慮に入れなければならない。
組織は,次の事項を行わなければならない。
a) 各監査について,監査基準及び監査範囲を明確にする。
b) 監査プロセスの客観性及び公平性を確保するために,監査員を選定し,監査を実施する。
c) 監査の結果を関連する管理層に報告することを確実にする。
組織は,監査プログラムの実施及び監査結果の証拠として,文書化した情報を保持しなければならない。

9.3 マネジメントレビュー

  トップマネジメントは,組織の環境マネジメントシステムが,引き続き,適切,妥当かつ有効であるこ
とを確実にするために,あらかじめ定めた間隔で,環境マネジメントシステムをレビューしなければなら
ない。
マネジメントレビューは,次の事項を考慮しなければならない。
a) 前回までのマネジメントレビューの結果とった処置の状況
b) 次の事項の変化
1) 環境マネジメントシステムに関連する外部及び内部の課題
2) 順守義務を含む,利害関係者のニーズ及び期待

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