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Q 14044 : 2010 (ISO 14044 : 2006)
目的及び調査範囲の設定
データ収集の準備
データの収集シートの改正 データの収集シート
データ収集
収集されたデータ
データの妥当性確認
妥当性確認されたデータ
データの単位プロセスへの関連付け 再利用及びリサイ
クルを含む配分
単位プロセスごとに
妥当性確認されたデータ
データの機能単位への関連付け
機能単位ごとに
妥当性確認されたデータ
データの集約
要求された追加的なデータ
計算されたインベントリ
又は単位プロセス
システム境界の精査
完成したインベントリ
図1−単純化したインベントリ分析のための手順
4.3.3 データ計算
4.3.3.1 一般
すべての計算の手順は,明確に文書化するとともに設定された前提条件は明確に記述し,かつ,説明し
なければならない。調査を通じて同じ計算の手続を一貫して用いることが望ましい。
生産に関する基本フローを決定するとき,消費される様々な種類の資源を反映させるために,可能な場
合には,実際の生産構成を使用することが望ましい。例えば,電力の生産及び供給については,電源構成,
並びに燃料燃焼,変換,送電及び配電損失の効率を考慮しなければならない。
可燃物(例えば,石油,ガス又は石炭)に関するインプット及びアウトプットは,それぞれの発熱量を
かけることによって,エネルギーのインプット又はアウトプットに変換できる。ここで,高位発熱量又は
低位発熱量のいずれを用いたかを報告しなければならない。
データの計算には,幾つかの実施の手順が必要である。これは,4.3.3.24.3.3.4及び4.3.4において規定
している。
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4.3.3.2 データの妥当性確認
意図された用途についてのデータ品質要件が満たされたという証拠を確認し,かつ,提供するために,
データ収集のプロセスで,データを妥当性確認しなければならない。
妥当性確認には,例えば,物質収支,エネルギー収支の確認,及び/又は排出係数の比較分析を含んで
もよい。各単位プロセスは,質量及びエネルギーの保存の法則に従うため,物質収支及びエネルギー収支
は,単位プロセスの記述の妥当性に関する有用な検証を提供する。こうした妥当性確認の手順から明らか
に異常なデータが発見された場合には,4.2.3.5のデータ選択に適合する代替のデータが必要となる。
4.3.3.3 データの単位プロセス及び機能単位への関連付け
それぞれの単位プロセスに対して,適切なフローを決定しなければならない。単位プロセスの定量的な
インプット及びアウトプットを,このフローと関係付けて計算しなければならない。
フロー図及び単位プロセス間のフローに基づいて,すべての単位プロセスのフローは基準フローに関連
している。計算によって,システムのすべてのインプット及びアウトプットが機能単位に関連付けられる
ことが望ましい。
製品システムにおいてインプット及びアウトプットを集約しているときには注意することが望ましい。
集約のレベルは,調査の目的と整合しなければならない。同等の物質及び類似の環境影響に関連するデー
タ以外を集約すべきでない。さらに,詳細な集約の規則が求められる場合は,調査の目的及び調査範囲の
設定の段階でそれらを説明するか,又は以後の影響評価の段階にゆだねることが望ましい。
4.3.3.4 システム境界の精査
LCAの反復的な性質を考慮して,評価にどのデータを含めるかは,4.2.3.3に概説した初期の分析を検証
しながら,その重要性を決める感度分析に基づかなければならない。初期のシステム境界を,調査範囲を
設定するときに設定したカットオフ基準に従って,適切に変更しなければならない。この精査のプロセス
及び感度分析の結果を,文書化しなければならない。
感度分析によって,次のいずれかの結果を得る場合がある。
− 感度分析によって重要性がないことが見出された場合,該当するライフサイクルの段階又は単位プロ
セスの除外
− 調査結果に対して重要な影響を及ぼさないインプット及びアウトプットの除外
− 感度分析で重要性が示された新しい単位プロセス,インプット及びアウトプットの追加
この分析によって,以後のデータの取扱いは,LCAの目的に対して重要であると判定されたインプット
及びアウトプットデータに限定できる。
4.3.4 配分
4.3.4.1 一般
インプット及びアウトプットは,明確に記述された手順に従ってそれぞれの製品に配分されなければな
らず,また,これらの手順は,配分の手順とともに文書化し,かつ,説明しなければならない。
単位プロセスの配分されたインプット及びアウトプットの合計は,配分する前のその単位プロセスのイ
ンプット及びアウトプットに等しくなければならない。
幾つかの代替的な配分の手順が適用可能と考えられる場合には,選択されたアプローチからのかい(乖)
離がもたらす結果を示すために感度分析をしなければならない。
4.3.4.2 配分の手順
調査は,他の製品システムと共有されるプロセスを特定し,かつ,次の段階的な手順に従って取り扱わ
なければならない。
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注記 正式には,ステップ1は,配分の手順の一部ではない。
a) ステップ1 可能な場合は,次のいずれかによって配分を回避することが望ましい。
1) 配分対象の単位プロセスを二つ以上の数の小プロセスに細分割して,これらの小プロセスに関連す
るインプット及びアウトプットのデータを収集する。
2) 4.2.3.3の要求事項を考慮して,共製品に関連する追加機能を含めるよう製品システムを拡大する。
b) ステップ2 配分が回避できない場合,システムのインプット及びアウトプットを,異なる製品又は
機能の間でそれらの間に内在する物理的な関係を反映する方法で分割して配分することが望ましい。
すなわち,そのシステムによって提供される製品又は機能の量的な変化に伴って,インプット及びア
ウトプットが変化するような方法であることが望ましい。
c) ステップ3 物理的な関係だけを配分の根拠として使用できない場合,インプット及びアウトプット
は,製品と機能との間でその他の関係を反映する方法によって,配分することが望ましい。例えば,
環境上のインプット及びアウトプットのデータは,共製品の間で,製品の経済価値に比例させて配分
してよい。
アウトプットは,部分的に共製品であり,かつ,部分的に廃棄物である場合がある。その場合,インプ
ット及びアウトプットは,共製品の部分に対してだけ配分しなければならないから,共製品と廃棄物との
間の比率を特定することが必要である。
配分の手順は,対象のシステムの類似のインプット及びアウトプットに対して,統一的に適用しなけれ
ばならない。例えば,システムから流出する使用可能な製品(例えば,中間製品又は使用済みの製品)に
対して配分が行われるとき,配分の手順は,システムに流入する製品に使用される配分の手順と同様の手
順を適用しなければならない。
インベントリは,インプットとアウトプットとの間の物質収支に基づくものである。したがって,配分
の手順は,そのような基本的なインプット/アウトプット関係及び特性をできる限り近づけることが望ま
しい。
4.3.4.3 再使用及びリサイクルのための配分の手順
注記 幾つかの国及び地域において,リサイクルには,再使用,物質の再生及びエネルギーとしての
回収が含まれる。
4.3.4.3.1 4.3.4.1及び4.3.4.2の配分の原則及び配分の手順は,再使用及びリサイクルの場合にも適用する。
物質の固有の特性の変化を,考慮しなければならない。さらに,特に元の製品システムとそれに引き続
く製品システムとの間にある再生プロセスについては,4.3.4.2に示された配分の手順に従っていることを
確認して,システム境界を特定し,かつ,説明しなければならない。
4.3.4.3.2 しかし,これらの場合には,次の理由によって詳細な説明の追加が必要となる。
− 再使用及びリサイクル(コンポスト化,エネルギー回収,及びその他の再使用/リサイクルとみなせ
る処理だけでなく)は,原材料の抽出及び処理,並びに製品の最終処分に対する単位プロセスに関連
したインプット及びアウトプットが,一つ以上の製品システムによって共有されることを意味する場
合がある。
− 再使用及びリサイクルは,以後の利用のときに物質の固有の特性を変化させる場合がある。
− 再生プロセスに関するシステム境界を設定するときには,特別な注意を払うことが望ましい。
4.3.4.3.3 再使用及びリサイクルに対しては,幾つかの配分の手順が適用できる。この幾つかの手順の適
用を図2で概念的に示し,いかにして上記の制約に対応できるかを説明するために,次のように区分する。
a) 閉ループ形の配分の手順は,閉ループ形の製品システムに対して適用される。また,再使用された物
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質の固有の特性に変化がない場合には,この手順は開ループ形の製品システムにも適用できる。その
場合,二次材料の使用が原(一次)材料の使用と置き替わるため,配分の必要がなくなる。しかし,
適用可能な開ループ形の製品システムにおける原材料の最初の使用は,b)に概説する開ループ形の配
分の手順に従う場合がある。
b) 開ループ形の配分の手順は,物質が他の製品システムに再使用され,かつ,その物質の固有の特性が
変化を受けるような開ループ形の製品システムに適用される。
4.3.4.3.4 4.3.4.3に述べた対象となる単位プロセスに対する配分の手順には,配分のための基本として,
次のいずれかをできるだけ順番に従って使用することが望ましい。
− 物理的な特性(例えば,質量)
− 経済価値(例えば,一次材料の市場価値と関連しているスクラップ材料又はリサイクルされた物質の
市場価値)
− リサイクルされた物質の以後の使用回数(ISO/TR 14049参照)
製品システムの技術的な記述 リサイクルのための配分の手順
製品システムからの物質が,
同じ製品システムにおいて 閉ループ 閉
リサイクルされている。
物質は,固有の特性を変えること
なくリサイクルされている。
開 ループ
製品システムからの物質が,
異なる製品システムにおいて
リサイクルされている。 リサイクルされた物質は,固有の
ループ 開ループ 特性に対する変化を受ける。
図2−製品システムの技術的な記述とリサイクルのための配分の手順との違い
4.4 ライフサイクル影響評価(LCIA)
4.4.1 一般
LCIAは,機能単位に基づく相対的なアプローチであるため,環境パフォーマンス評価,環境影響評価
及びリスクアセスメントのような他の技法とは異なる。LCIAには,これらの他の技法によって集められ
た情報を使用してもよい。
LCIAの段階は,LCA調査の目的及び調査範囲を達成するために注意深く計画しなければならない。
LCIAの段階は,省略及び不確かさの原因となり得る次の事項を考慮するためにLCAの他の段階との調
整が図られなければならない。
a) CIデータ及びLCI結果の品質が,調査の目的及び調査範囲の設定に従ってLCIAを実施するのに十
分であるかどうか。
b) システム境界及びデータカットオフの判断は,LCIAの結果として得られた指標を計算するために必
要なLCI結果の利用可能性を確実にするために十分に再レビューされているかどうか。
c) CIA結果の環境との関連性が,LCI機能単位での計算,システム全体の平均値計算,集計及び配分に
よって弱められているかどうか。
LCIAの段階には,異なった影響領域の結果として得られた指標を収集したものが含まれ,それらを一
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つにまとめたものが製品システムのLCIAプロフィールとなる。
LCIAは,必す(須)要素及び任意の要素から構成される。
4.4.2 ライフサイクル影響評価(LCIA)の必す(須)要素
4.4.2.1 一般
LCIAの段階には,次の必す(須)要素を含めなければならない。
− 影響領域,領域指標及び特性化モデルの選択
− 選択された影響領域へのLCI結果の割り振り(分類化)
− 結果として得られた領域指標の計算(特性化)
4.4.2.2 影響領域,領域指標及び特性化モデルの選択
4.4.2.2.1 影響領域及び領域指標及び特性化モデルをLCAにおいて選択した場合,関連する情報及び出典
を,参照しなければならない。このことは,新しい影響領域,領域指標又は特性化モデルを設定した場合
にも適用する。
注記 影響領域の例は,ISO/TR 14047において記述されている。
影響領域及び領域指標には,正確で,かつ説明的な名称を与えなければならない。
影響領域,領域指標及び特性化モデルの選択は,その妥当性が示されると同時に,LCAの目的及び調査
範囲に整合しなければならない。
影響領域の選択は,目的及び調査範囲を考慮した上で,調査対象の製品システムに関連した包括的な一
連の環境関連事項を反映しなければならない。
LCI結果を領域指標に関連付け,かつ,特性化係数の基礎を提供する,環境メカニズム及び特性化モデ
ルを記述しなければならない。
調査の目的及び調査範囲に照らし合わせて,領域指標を導き出すために使われる特性化モデルの適切性
を記述しなければならない。
LCAに含まれる質量及びエネルギーのフローのデータ以外のLCI結果(例えば,土地の利用)を特定し,
かつ,対応する領域指標との関係を明確にしなければならない。
ほとんどのLCA調査では,既存の影響領域,領域指標又は特性化モデルが選ばれる。ただし,LCAで
設定された目的及び調査範囲を満たすためには,既存の影響領域,領域指標又は特性化モデルでは不十分
であり,新たなものを設定しなければならない場合がある。新たな影響領域,領域指標又は特性化モデル
を設定する場合にも,この箇条における推奨事項を適用する。
環境メカニズムに基づく領域指標の概念を,図3に示す。図3は,例として“酸性化”の影響領域を示
す。それぞれの影響指標には,独自の環境メカニズムがある。
特性化モデルは,LCI結果,領域指標及び場合によっては,影響領域内エンドポイントの間の関係を記
述することで環境メカニズムを説明する。特性化モデルは,特性化係数を導き出すために用いる。環境メ
カニズムは,影響の特性化に関連する環境的なプロセスの総体である。
4.4.2.2.2 それぞれの影響領域について,LCIAの必要な構成部分は,次を含む。
− 影響領域内エンドポイントの特定
− 特定した影響領域内エンドポイントに対する領域指標の設定
− 選択した領域指標と特定した影響領域内エンドポイントとを考慮に入れ,影響領域に割り振ることが
できる適切なLCI結果の特定
− 特性化モデル及び特性化係数の特定
この手順は,適切なLCI結果の収集,割り振り及び特性化モデルの作成を円滑にする。また,このこと
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JIS Q 14044:2010の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 14044:2006(IDT)
JIS Q 14044:2010の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.020 : 環境保護 > 13.020.60 : 製品のライフサイクル
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.020 : 環境保護 > 13.020.10 : 環境マネジメント
JIS Q 14044:2010の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISQ14040:2010
- 環境マネジメント―ライフサイクルアセスメント―原則及び枠組み