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Q 14044 : 2010 (ISO 14044 : 2006)
A.5 LCIのデータの収集シートの例
単位プロセスの名称: 報告現場名:
大気への排出a) 単位 量 サンプリングの手順の説明
(必要ならば,シートを添付する。)
水への放出b) 単位 量 サンプリングの手順の説明
(必要ならば,シートを添付する。)
土壌への放出c) 単位 量 サンプリングの手順の説明
(必要ならば,シートを添付する。)
その他のリリースd) 単位 量 サンプリングの手順の説明
(必要ならば,シートを添付する。)
計算,データ収集,サンプリング,又は単位プロセスの機能に関する記述からの変動について,特に記すべきこと
があれば,すべて記述する(必要ならば,追加のシートを添付する。)。
注a) 例えば,無機物 : Cl2,CO,CO2,ばいじん/粒子状物質,F2,H2S,H2SO4,HCl,HF,N2O,NH3,NOx,
SOx;及び有機物 : 炭化水素,PCB,ダイオキシン,フェノール;金属類 : Hg,Pb,Cr,Fe,Zn,Ni。
b) 例えば, : BOD,COD,酸類H+,Cl2,CN2−,洗剤/油,溶解有機物,F−,Feイオン,Hgイオン,炭化水
素類,Na+,NH4+,NO3−,有機塩素,その他金属,その他の窒素化合物,フェノール類,りん酸塩,SO42−,
懸濁物質。
c) 例えば,鉱物廃棄物,産業廃棄物,都市ごみ,有毒性廃棄物(このデータの領域に含まれる化合物を列記す
る。)
d) 例えば,騒音,放射線,振動,悪臭,廃熱。
――――― [JIS Q 14044 pdf 36] ―――――
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Q 14044 : 2010 (ISO 14044 : 2006)
附属書B
(参考)
ライフサイクル解釈の例
B.1 一般
この附属書の目的は,どのようにライフサイクル解釈を実施するかを利用者が理解するのを支援するた
めに,LCA又はLCI調査の解釈の段階にある要素の例を示すことにある。
B.2 重要な事項の特定に関する例
B.2.1 要素の特定化(4.5.2参照)は,要素の評価(4.5.3参照)との反復によって実施される。要素の特
定化は,情報の特定及び体系化並びにそれに続くあらゆる重要な事項の決定から成り立っている。利用可
能なデータ及び情報の体系化は,目的及び調査範囲の設定,LCI,並びに(実施される場合は)LCIAの段
階と関連させながら行われる反復プロセスである。この情報の体系化は,LCI又はLCIAのいずれかで既
に完了していることがあり,これらの初期の段階の結果の概要を提供することを目的としている。これに
よって,結論を導いて提言を行うこと,及び重要で環境に関連した事項を決定することを容易にする。体
系化の手順に基づいて,その後のすべての決定は,各種の分析の技法を使用して実施される。
B.2.2 調査の目的及び調査範囲によって,様々な体系化のアプローチが有用となる可能性がある。その中
でも,次の考え得る体系化のアプローチの利用を推奨する。
a) 個々のライフサイクルの段階へ区分する。例えば,物質の生産,調査対象の製品の製造,使用,リサ
イクル及び廃棄物処理(表B.1参照)
b) プロセスの群別に区分する。例えば,輸送,エネルギー供給(表B.4参照)
c) 管理の影響の度合いによるプロセスの区分。例えば,変化及び改善が管理できる自社プロセス,並び
に国のエネルギー政策,供給者に特有な境界条件のような,外部の責任によって設定されるプロセス
(表B.5参照)
d) 個別の単位プロセスに区分する。これは,最も解決の可能性がある。
この体系化の手順の結果は,二次元マトリックスとして提示してもよい。例えば,上記した区分基準が
“列”となり,インベントリのインプット及びアウトプット又は個々の結果として得られた領域指標が“行”
となる。より詳細な検討のために,個々の影響領域の別に体系化の手順を行うことも可能である。
重要な事項の決定は,体系化された情報に基づいて実施される。
B.2.3 個々のインベントリデータに関係するデータは,目的及び調査範囲の設定の中であらかじめ決定す
ることができ,又はインベントリ分析又は環境マネジメントシステム若しくは企業の環境方針のような他
の情報源から入手してもよい。幾つかの可能な方法が存在する。調査の目的及び調査範囲,並びに必要と
される詳細の程度によって,次に示す方法の利用を推奨する。
a) 寄与度分析 全体の結果に対するライフサイクルの段階(表B.2及び表B.8参照)又はプロセス群(表
B.4参照)の寄与度を,例えば,合計に占める百分率で表すことによって調べる。
b) 重要度分析 統計学的な手法又はその他の技法によって,定量的又は定性的な順位付け(例えば,ABC
分析)を行い,著しい又は重要な寄与を調査する(表B.3参照)。
c) 影響度分析 環境問題に影響する可能性を調査する(表B.5参照)。
d) 異常評価 これまでの経験に基づいて,予測値及び正常な結果からは通常あり得ない又は驚異的な差
――――― [JIS Q 14044 pdf 37] ―――――
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Q 14044 : 2010 (ISO 14044 : 2006)
異を観察する。これによって,後の点検を容易にし,かつ,改善評価を導く(表B.6参照)。
この決定の手順の結果も,マトリックスとして提示してもよい。マトリックスには,上記の差異基準が
“列”となり,インベントリのインプット及びアウトプット,又は結果として得られた領域指標の結果が
“行”となる。
より詳細な検討が可能となるように,目的及び調査範囲の設定から選択した特定のインベントリのイン
プット及びアウトプットについても,又は個々の影響領域についても,この手順を実施することも可能で
ある。この特定の手順において,データが変更又は再計算されることはない。唯一の修正は,百分率など
への換算である。
表B.1表B.8に,どのように体系化の手順が実施できるかの例を示す。例示された体系化の方法は,
LCIの結果及びLCIAを実施した場合には,その結果にも適している。
体系化の基準は,目的及び調査範囲の設定に関する特定の要求事項,又はLCI若しくはLCIAの知見の
いずれかに基づいている。
B.2.4 表B.1は,各種のライフサイクルの段階を表す単位プロセスの群ごとに,LCIのインプット及びア
ウトプットを体系化した例であり,表B.2に百分率で表されている。
表B.1−ライフサイクルの段階へのLCIのインプット及びアウトプットの体系化
単位 kg
LCIのインプット 物質の生産 製造プロセス 使用の段階 その他 合計
/アウトプット
無煙炭 1200 25 500 − 1725
CO2 4500 100 2000 150 6750
NOx 40 10 20 20 90
りん酸塩 2.5 25 0.5 − 28
AOX a) 0.05 0.5 0.01 0.05 0.61
都市廃棄物 15 150 2 5 172
その他 1500 − − 250 1750
注a) 吸着性有機ハロゲン化合物
表B.1のLCI結果の寄与度の分析では,様々なインプット及びアウトプットに対して最も寄与している
プロセス又はライフサイクルの段階を特定する。これに基づき,以降の評価では,それらの知見の意味及
び安定性を明らかにして記述することができ,結論及び提言の基礎となる。この評価は,定性的又は定量
的のいずれかであってよい。
表B.2−ライフサイクルの段階へのLCIインプット及びアウトプットの寄与度
単位 %
LCIのインプット 物質の生産 製造プロセス 使用の段階 その他 合計
/アウトプット
無煙炭 69.6 1.5 28.9 − 100
CO2 66.7 1.5 29.6 2.2 100
NOx 44.5 11.1 22.2 22.2 100
りん酸塩 8.9 89.3 1.8 − 100
AOX 8.2 82.0 1.6 8.22 100
都市廃棄物 8.7 87.2 1.2 2.9 100
その他 85.7 − − 14.3 100
――――― [JIS Q 14044 pdf 38] ―――――
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Q 14044 : 2010 (ISO 14044 : 2006)
さらに,これらの結果は,個別のランク付けの手順,又は目的及び調査範囲の設定で事前に設定した規
則のいずれかによって,ランク付けし,かつ,優先順位付けすることができる。表B.3に,次に示すラン
ク付け基準を使用したランク付けの手順の結果を示す。
A : 最も重要で重大な影響,すなわち,寄与度>50 %
B : 非常に重要で関連性のある影響,すなわち,25 %<寄与度<50 %
C : かなり重要で幾らかの影響,すなわち,10 %<寄与度<25 %
D : あまり重要でなく,わずかな影響,すなわち,2.5 %<寄与度<10 %
E : 重要ではなく無視してもよい影響,すなわち,寄与度<2.5 %
表B.3−ライフサイクルの段階へのLCIのインプット及びアウトプットのランク付け
LCIのインプット 物質の生産 製造プロセス 使用の段階 その他 合計
/アウトプット kg
無煙炭 A E B − 1725
CO2 A E B Ea) 6750
NOx B C C C 90
りん酸塩 D A E − 28
AOX D A E D 0.61
都市廃棄物 D A E D 172
その他 A − − C 1750
注a) SO 14044:2006では“D”と記載されているが,正しくは“E”であるため,修正した。
表B.4には,考えられる別の体系化の選択肢を示すために,同じLCI事例が使用されている。この表は,
LCIのインプット及びアウトプットをいろいろなプロセスを群別に体系化した例を示している。
表B.4−プロセス群別に分類した体系化マトリックス
単位 kg
LCIのインプット/ エネルギー供給 輸送 その他 合計
アウトプット
無煙炭 1500 75 150 1725
CO2 5500 1000 250 6750
NOx 65 20 5 90
りん酸塩 5 10 13 28
AOX 0.01 − 0.6 0.61
都市廃棄物 10 120 42 172
その他 1000 250 500 1750
相対的な寄与度を決定したり,選択された基準へのランク付けを行うような他の技法は,表B.2及び表
B.3に示したものと同じ手順に従う。
B.2.5 表B.5は,影響力の度合いによってランク付けして単位プロセスを群別に体系化したLCIのインプ
ット及びアウトプットの例である。単位プロセスは,異なるLCIのインプット及びアウトプットに対応し
たプロセス群を代表している。ここでは,影響力の度合いは,次に示す。
A : 十分に管理でき,大きな改善が可能
B : 管理ができ,幾らかの改善が可能
――――― [JIS Q 14044 pdf 39] ―――――
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Q 14044 : 2010 (ISO 14044 : 2006)
C : 管理不可能
表B.5−プロセスを群別に分類したLCIのインプット及び
アウトプットに関する影響の度合いのランク付け
LCIのインプット 電源構成 現場でのエネ 輸送 その他 合計
/アウトプット ルギー構成 kg
無煙炭 C A B B 1725
CO2 C A B A 6750
NOx C A B C 90
りん酸塩 C B C A 28
AOX C B − A 0.61
都市廃棄物 C A C A 172
その他 C C C C 1750
B.2.6 表B.6は,異常及び予測外の結果に関して評価され,異なるLCIのインプット及びアウトプットに
対してプロセス群となる単位プロセス群別に体系化されたLCI結果の例を示している。異常及び予測外の
結果を,次の記号で示す。
: 予測外の結果,すなわち,寄与が高すぎるか,又は低すぎる。
# : 異常,すなわち,排出量が発生しないはずなのに排出量がある。
○ : 管理せず。
異常値は,計算又はデータ変換のときの誤りであることが多い。したがって,慎重に考慮することが望
ましい。LCI結果又はLCIA結果の点検は,結論を出す前に実施することが推奨される。
予測外の結果も,また,再調査し,かつ,点検することが望ましい。
表B.6−プロセス群のLCIのインプット及びアウトプットの異常及び予測外の結果のマーク付け
LCIのインプット 電源構成 現場でのエネ 輸送 その他 合計
/アウトプット ルギー供給 kg
無煙炭 ○ ○ ○ 1725
CO2 ○ ○ ○ 6750
NOx ○ ○ ○ ○ 90
りん酸塩 ○ ○ # ○ 28
AOX ○ ○ ○ ○ 0.61
都市廃棄物 ○ ○ 172
その他 ○ ○ ○ ○ 1750
B.2.7 表B.7の例は,LCIA結果に基づいて行うことができる体系化の手順を示している。この表は,単
位プロセスを群別に体系化された結果として得られた領域指標,及び地球温暖化係数(GWP100)を示して
いる。
表B.7から結果として得られた領域指標に対する特定物質の寄与を分析することによって,最も寄与の
大きいプロセス又はライフサイクルの段階が特定される。
――――― [JIS Q 14044 pdf 40] ―――――
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JIS Q 14044:2010の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 14044:2006(IDT)
JIS Q 14044:2010の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.020 : 環境保護 > 13.020.60 : 製品のライフサイクル
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.020 : 環境保護 > 13.020.10 : 環境マネジメント
JIS Q 14044:2010の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISQ14040:2010
- 環境マネジメント―ライフサイクルアセスメント―原則及び枠組み