4
Q 14064-2 : 2011 (ISO 14064-2 : 2006)
附属書Aには,国連気候変動枠組み条約(UNFCCC),京都議定書のクリーン開発メカニズム(CDM)
又は共同実施(JI)メカニズムへの適合を望むプロジェクトの推進者向けに,追加の情報を掲載している。
箇条の中には,この規格の利用者に対し,どのアプローチが使用されたのか,又は下された判断は何か
について説明するように要求するものがある。説明には一般的に,次に示す事項の文書化が含まれる。
− そのアプローチはどのように使用されたか,又は判断はどのように下されたか。
− そのアプローチはなぜ選ばれたか,又は判断はなぜ下されたか。
箇条の中には,この規格の利用者に対し,どのアプローチが使用されたのか,又は下された判断は何か
について正当な根拠を示すように要求するものがある。正当な根拠には一般的に,次の文書化が含まれる。
− そのアプローチはどのように使用されたか,又は判断はどのように下されたか。
− そのアプローチはなぜ選ばれたか,又は判断はなぜ下されたか。
− 他のアプローチはなぜ選ばれなかったのか。
1 適用範囲
この規格は,プロジェクトにおけるGHGの排出量の削減又は吸収量の増加をもたらすことを意図した
活動の定量化,モニタリング及び報告のための原則並びに要求事項について規定し,かつ,手引を示す。
この規格には,GHGプロジェクトの計画,プロジェクト及びべースラインシナリオに適切なGHGの排出
源,吸収源及び貯蔵庫の特定及び選択,GHGプロジェクトのパフォーマンスのモニタリング,定量化,文
書化及び報告,並びにデータ品質の管理に関する要求事項を含む。
JIS Q 14064規格群は,いかなるGHGプログラムに対しても中立的である。何らかのGHGプログラム
を適用する場合,該当するGHGプログラムの要求事項は,JIS Q 14064規格群の要求事項に追加して適用
する。
注記1 JIS Q 14064規格群の要求事項を満たすことによって,組織又はGHGプロジェクトの推進者
がGHGプログラムの要求事項を順守できなくなる場合は,該当するGHGプログラムの要求
事項を優先する。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 14064-2:2006,Greenhouse gases−Part 2: Specification with guidance at the project level for
quantification, monitoring and reporting of greenhouse gas emission reductions or removal
enhancements(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”
ことを示す。
2 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
2.1
温室効果ガス,GHG(greenhouse gas)
自然起源か人為起源かを問わず,大気を構成する気体で,地球の表面,大気及び雲によって放射される
赤外線スペクトルのうち,特定波長の放射線を吸収及び放出するもの。
注記 GHGには,二酸化炭素(CO2),メタン(CH4),亜酸化窒素(N2O),ハイドロフルオロカーボ
ン(HFCs),パーフルオロカーボン(PFC)及び六ふっ化硫黄(SF6)が含まれる。
――――― [JIS Q 14064-2 pdf 6] ―――――
5
Q 14064-2 : 2011 (ISO 14064-2 : 2006)
2.2
温室効果ガス(GHG)の排出源(greenhouse gas source)
GHGを大気中に放出する物理的単位又はプロセス。
2.3
温室効果ガス(GHG)の吸収源(greenhouse gas sink)
大気中からGHGを吸収する物理的単位又はプロセス。
2.4
温室効果ガス(GHG)貯蔵庫(greenhouse gas reservoir)
生物圏,岩石圏若しくは水圏の物理的単位又は構成要素で,GHGの吸収源(2.3)によって大気中から
吸収されたGHG,又はGHGの排出源(2.2)から分離・回収されたGHGを貯蔵又は蓄積する能力がある
もの。
注記1 特定の時点でGHG貯蔵庫に含まれる炭素の質量の合計は,貯蔵庫の炭素ストックと呼ばれ
ることがある。
注記2 GHG貯蔵庫は,別のGHG貯蔵庫にGHGを移転できる。
注記3 GHG排出源から大気中に入る前にGHGを収集し,これをGHG貯蔵庫に貯蔵することを指
して,GHGの分離・回収及び貯蔵と呼ぶことがある。
2.5
温室効果ガス(GHG)の排出量(greenhouse gas emission)
特定の期間内に大気中に放出されたGHGの質量の合計。
2.6
温室効果ガス(GHG)の吸収量(greenhouse gas removal)
特定の期間内に大気中から吸収されたGHGの質量の合計。
2.7
温室効果ガス(GHG)の排出量の削減(greenhouse gas emission reduction)
ベースラインシナリオ(2.19)とプロジェクトとの間で計算されたGHGの排出量の減少。
2.8
温室効果ガス(GHG)の吸収量の増加(greenhouse gas removal enhancement)
ベースラインシナリオ(2.19)とプロジェクトとの間で計算されたGHGの吸収量の増加。
2.9
温室効果ガス(GHG)の排出係数又は吸収係数(greenhouse gas emission or removal factor)
活動データをGHGの排出量又は吸収量に変換する係数。
注記 GHGの排出係数又は吸収係数は,酸化成分を含めることができる。
2.10
温室効果ガス(GHG)に関する主張(greenhouse gas assertion)
責任当事者が行う宣言又は事実に基づく客観的な声明書。
注記1 GHGに関する主張は,ある時点に対して提示してもよいし,ある期間に対して提示してもよ
い。
注記2 責任当事者が提示するGHGに関する主張は,明確に識別が可能で,かつ,妥当性確認を行
う者(2.27)又は検証を行う者(2.29)が適切な基準に照らして一貫した評価又は測定を行え
るものであることが望ましい。
――――― [JIS Q 14064-2 pdf 7] ―――――
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Q 14064-2 : 2011 (ISO 14064-2 : 2006)
注記3 GHGに関する主張は,GHG報告書(2.15)又はGHGプロジェクト(2.12)の計画書の形で
提示することができる。
2.11
温室効果ガス(GHG)情報システム(greenhouse gas information system)
GHGの情報を確立し,管理し,かつ,維持するための方針,プロセス及び手順。
2.12
温室効果ガス(GHG)プロジェクト(greenhouse gas project)
ベースラインシナリオ(2.19)において特定された状態を変更させるようなGHGの排出量の削減(2.7),
又は吸収量の増加(2.8)をもたらす活動
2.13
温室効果ガス(GHG)プロジェクト推進者(greenhouse gas project proponent)
GHGプロジェクト(2.12)において全般的な管理力及び責任をもつ個人又は組織。
2.14
温室効果ガス(GHG)プログラム(greenhouse gas programme)
組織又はGHGプロジェクト(2.12)の外部に位置付けられ,GHGの排出量,吸収量,排出量の削減(2.7)
又は吸収量の増加(2.8)を,登録,算定若しくは管理する,自主的若しくは強制的な,国際,国内若しく
は地方のシステム又はスキーム。
2.15
温室効果ガス(GHG)報告書(greenhouse gas report)
組織及びプロジェクトのGHG関連の情報を意図した利用者(2.22)に伝達することを意図した単一の文
書。
注記 GHG報告書には,GHGに関する主張(2.10)を含むことができる。
2.16
影響を受ける温室効果ガス(GHG)の排出源,吸収源又は貯蔵庫(affected greenhouse gas source, sink or
reservoir)
関連する製品若しくはサービスについての市場での需要又は供給の変化を通して,又は物理的な移動を
通して,プロジェクトの活動によって影響を受けるGHGの排出源,吸収源又は貯蔵庫。
注記1 関連するGHGの排出源,吸収源又は貯蔵庫は,GHGプロジェクトと物理的に結び付いてい
る一方で,影響を受けるGHGの排出源,吸収源又は貯蔵庫は,市場での需要及び供給の変
化によってだけ,GHGプロジェクトと結び付いている。
注記2 影響を受けるGHGの排出源,吸収源又は貯蔵庫は,一般的にプロジェクトのサイト以外の
ところにある。
注記3 影響を受けるGHGの排出源,吸収源又は貯蔵庫によってオフセットされるGHGの排出量の
削減又は吸収量の増加は,リーケージと呼ばれることが多い。
2.17
管理される温室効果ガス(GHG)の排出源,吸収源又は貯蔵庫(controlled greenhouse gas source, sink or
reservoir)
財務,方針,経営又はその他の手段によって,操業がプロジェクトの推進者(2.13)の指揮下及び影響
下にあるGHGの排出源,吸収源又は貯蔵庫。
注記 管理されるGHGの排出源,吸収源又は貯蔵庫は,一般的にプロジェクトのサイトにある。
――――― [JIS Q 14064-2 pdf 8] ―――――
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Q 14064-2 : 2011 (ISO 14064-2 : 2006)
2.18
関連する温室効果ガス(GHG)の排出源,吸収源又は貯蔵庫(related greenhouse gas source, sink or reservoir)
材料若しくはエネルギーのプロジェクトへの流入,プロジェクトからの流出,又はプロジェクト内部で
の流れを伴うGHGの排出源,吸収源若しくは貯蔵庫。
注記1 関連するGHGの排出源,吸収源又は貯蔵庫は,一般的に,プロジェクトの上流又は下流に
あり,かつ,プロジェクトのサイトの内部又は外部にあり得る。
注記2 関連するGHGの排出源,吸収源又は貯蔵庫には,プロジェクトの設計,構築及び廃止に関
連する活動を含んでもよい。
2.19
ベースラインシナリオ(baseline scenario)
提案されたGHGプロジェクトがなかった場合に起きていたであろう状況を最もよく表す仮説的な基準
となるケース。
注記 ベースラインシナリオの時間軸は,GHGプロジェクト(2.12)の時間軸に一致する。
2.20
地球温暖化係数,GWP(global warming potential)
所定の期間において,それぞれのGHGの単位質量当たりの放射強制力の影響を,二酸化炭素の相当量
で記載する係数。
注記 気候変動に関する政府間パネル(以下,IPCCという。)が作成した地球温暖化係数(以下,GWP
という。)を,附属書Bに示す。
2.21
二酸化炭素換算量,CO2e(carbon dioxide equivalent)
GHGの放射強制力を二酸化炭素の相当量に換算した単位。
注記1 二酸化炭素換算量は,所定のGHGの質量にそのGWPを乗じて算定される。
注記2 IPCCが作成したGWPを,附属書Bに示す。
2.22
意図した利用者(intended user)
GHG関連の情報の報告書によって特定された個人又は組織で,当該情報に基づき判断を下す者。
注記 意図した利用者は,依頼者,責任当事者,GHGプログラムの運用者,規制当局,財界又はその
他の影響を受ける利害関係者(2.23)(例えば,地域社会,政府部局又は非政府組織)のいずれ
でもあり得る。
2.23
利害関係者(stakeholder)
GHGプロジェクト(2.12)の開発又は実施によって影響を受ける個人又は組織。
2.24
保証水準(level of assurance)
意図した利用者(2.22)が妥当性確認(2.26)又は検証(2.28)で要求する保証の程度。
注記1 保証水準は,妥当性確認を行う者又は検証を行う者が,何らかの重大な誤り,脱漏又は不実
表示があるか否かを判断するために,妥当性確認又は検証の計画に設定する詳細度の決定に
用いられる。
注記2 保証には,二つの水準(合理的又は限定的)があり,これによって,妥当性確認又は検証の
――――― [JIS Q 14064-2 pdf 9] ―――――
8
Q 14064-2 : 2011 (ISO 14064-2 : 2006)
声明書の文言が異なる。妥当性確認及び検証の声明書の例については,JIS Q 14064-3の
A.2.3.2を参照。
2.25
モニタリング(monitoring)
GHGの排出量及び吸収量,又はその他のGHG関連のデータについての継続的又は定期的なアセスメン
ト。
2.26
妥当性確認(validation)
GHGプロジェクト(2.12)の計画書におけるGHGに関する主張(2.10)を,合意された妥当性確認の
基準に照らして評価する体系的で,独立し,かつ,文書化されたプロセス。
注記1 第一者による妥当性確認のような場合,GHGのデータ及び情報の開発のための責任がないこ
とによって,独立性が実証できることがある。
注記2 GHGプロジェクトの計画書の内容については,この規格の5.2で規定されている。
注記3 “バリデーション”又は“有効化審査”ともいう。
2.27
妥当性確認を行う者(validator)
力量及び独立性を備え,妥当性確認の実施及びその結果の報告に対して責任を負う人又は人々。
注記1 この用語は,妥当性確認を行う機関を指すために用いることができる。
注記2 “バリデータ”ともいう。
2.28
検証(verification)
GHGに関する主張(2.10)を,合意された検証の判断基準に照らして評価する,体系的で,独立し,か
つ,文書化されたプロセス。
注記 第一者による検証のような場合には,GHGのデータ及び情報の開発のための責任がないことに
よって,独立性が実証できることがある。
2.29
検証を行う者(verifier)
力量及び独立性を備え,検証プロセスの実施及びその報告に対して責任を負う人又は人々。
注記 この用語は,検証を行う機関を指すために用いることができる。
2.30
不確かさ(uncertainty)
定量化の結果に関係するパラメータで,定量化の対象に合理的に当てはめることができる数値のばらつ
きを特徴付けるもの。
注記 通常,不確かさの情報には,数値のばらつき度合いの定量的な推計及びばらつきを起こす可能
性に関する定性的な説明が示される。
3 原則
3.1 一般
原則の適用は,GHG関連の情報が,正確かつ公正な報告であることを確実にする基礎となる。原則は,
この規格の要求事項の基本であり,かつ,適用を手引するものである。
――――― [JIS Q 14064-2 pdf 10] ―――――
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JIS Q 14064-2:2011の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 14064-2:2006(IDT)
JIS Q 14064-2:2011の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.020 : 環境保護 > 13.020.40 : 汚染,汚染制御及び保護