JIS Q 14065:2011 温室効果ガス―認定又は他の承認形式で使用するための温室効果ガスに関する妥当性確認及び検証を行う機関に対する要求事項 | ページ 5

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Q 14065 : 2011 (ISO 14065 : 2007)
f) 異議申立てに関する決定が,異議申立者に対する差別的行動につながらないことを確実にする。

10 苦情

  妥当性確認又は検証機関は,次の事項を行わなければならない。
a) 苦情を管理し,評価し,必要な是正処置を行い,かつ,決定を下すための文書化されたプロセスをも
つ。
b) 要請に応じて,苦情処理プロセスの概要を公にアクセス可能にする。
c) 苦情処理プロセスの全ての段階の全ての決定に対して責任を負う。
d) 苦情申立者及び苦情の内容について機密を保護する。
e) 苦情を受領したときには,苦情について妥当性確認又は検証機関が責任を負う妥当性確認又は検証活
動に関連するものかどうかを確認する。
f) 苦情処理プロセスにおいて,その苦情に関係する者と異なる要員を起用する。
g) 苦情申立者に対し,苦情の受領,苦情処理プロセス及びそのプロセスに従事する者を通知し,かつ,
結果の報告及び可能なときはいつでも,正式な通知を提供する。
注記 JIS Q 10002 は,苦情処理の指針を提供している。

11 特別妥当性確認又は検証

  妥当性確認又は検証機関が,苦情,又は妥当性確認若しくは検証の声明書の発行後に検出された事実に
対応して,短期の予告で,以前に妥当性確認又は検証を実施したGHGに関する主張の妥当性確認又は検
証を行う必要がある場合,妥当性確認又は検証機関は,次の事項を行わなければならない。
a) 依頼者,責任当事者又はその双方に,特別妥当性確認又は検証が行われる条件を,事前に通知する。
b) 責任当事者が妥当性確認又は検証チームの構成に反対する機会がない場合,妥当性確認又は検証チー
ムメンバーの任命に一層の注意を払う。

12 マネジメントシステム

  妥当性確認又は検証機関は,この規格の要求事項の順守を支援及び実証することを可能となるように,
次の要素を含む文書化されたマネジメントシステムを確立し,実施し,かつ,維持しなければならない。
a) マネジメントシステムの方針
b) 文書管理
c) 記録の管理
d) 内部監査
e) 是正処置
f) 予防処置
g) マネジメントレビュー
文書化されたマネジメントシステムは,関係する記録の維持を含まなければならない。
注記 この箇条は,マネジメントシステムの認証又は承認の必要性を意味するものではない。

――――― [JIS Q 14065 pdf 21] ―――――

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Q 14065 : 2011 (ISO 14065 : 2007)
附属書A
(参考)
この規格とJIS Q 14064-1JIS Q 14064-3との関係
A.1 この規格とJIS Q 14064規格群との関係を,図A.1に示す。
利害関係者
信頼性
JIS Q 14065に基づく認定機関又は他の承認手段
妥当性確認又は 妥当性確認又は妥当性確認又は
検証機関1,2
検証機関1 検証機関2
若しくはn
GHGプロジェクトの 組織によるGHG
影響領域 の管理領域
第1段階 JIS Q 14064-3に基
づく妥当性確認
JIS Q 14064-2に
基づくプロジェクト

の計画及び 張
JIS Q 14064-3に
ベースライン設計 妥当性確認声明書
基づく検証 JIS Q 14064-1に
基づく組織の
主 GHGインベント

リ及び
第2段階 管理システム
JIS Q 14064-3に
検証声明書
基づく検証
JIS Q 14064-2に
基づくプロジェクト


のモニタリング及
び報告 検証声明書
施設 1
第3段階 JIS Q 14064-3に
施設 2
基づく妥当性確認
JIS Q 14064-2に

基づくプロジェクト

のモニタリング及 施設 n
び報告 検証声明書
GHGに関する主張の意図した利用者
図A.1−JIS Q 14064-1JIS Q 14064-3との関係

――――― [JIS Q 14065 pdf 22] ―――――

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Q 14065 : 2011 (ISO 14065 : 2007)
附属書B
(参考)
公平性
B.1 概要
この附属書では,公平性に対するリスク及び保護について記載する。
B.2 公平性に対するリスク
妥当性確認を行う者及び検証を行う者の公平性に対するリスクとは,妥当性確認を行う者又は検証を行
う者が偏りのない意思決定を下す能力を損ない得る,又は損なうことが合理的に予想され得る,偏りを引
き起こす可能性をもつ要因である。リスクは,様々な種類の活動,関係,及びその他の状況によって引き
起こされる。妥当性確認又は検証機関は,引き起こされるリスクの種類を特定し,妥当性確認を行う者又
は検証を行う者の公平性に与えるこれらのリスクからの影響及び潜在的な影響を分析することが望ましい。
公平性に対するリスクには,例えば,次の事項が含まれる。
a) 収入源 : 依頼者がGHGに関する主張の妥当性確認又は検証の費用を支払うことから生じるリスク
b) 自己利益 : 個人又は機関が,自己の利益,例えば,自己に関わる財政的な利害関係のために行動する
ことから生じるリスク
c) 自己レビュー : 個人又は機関が,自らが行った業務をレビューすることから生じるリスク。妥当性確
認又は検証機関がコンサルティングを提供した依頼者の妥当性確認又は検証活動を自ら評価すること
は,自己レビューのリスクとなり得る。
d) 親密さ(又は信用) : 個人又は機関が,妥当性確認又は検証の証拠を求めることなしに,他の者と過度
に親密になっている又は信用していることから生じるリスクは,親密さのリスクである。
e) 威嚇 : 個人又は機関が,交代させられる又は上司に報告されるかもしれないというリスクなど,公然
と又は暗黙に,威圧されていると認識することから生じるリスク
B.3 公平性の保護措置
B.3.1 一般
妥当性確認又は検証機関は,公平性に対するリスクを低減又は排除するための保護措置を適切にもつこ
とが望ましい。保護措置には,禁止事項,制限,開示,方針,手順,実務,規格,規則,制度の取決め及
び環境条件を含んでもよい。これらの保護措置は,継続的な適用可能性を確保するために,定期的にレビ
ューすることが望ましい。公平性の管理に関する要求事項は,5.4に規定している。
妥当性確認及び検証が実施される環境に存在する保護措置の例には,次の事項が含まれる。
a) 妥当性確認又は検証機関,及び要員が,自らの評判に重きをおく。
b) 独立性に関する専門的規格及び規制要求事項への適合を評価する認定プログラム
c) 妥当性確認又は検証機関の委員会及び統治機構(例えば,役員会)による公平性の判断基準への適合
に関する全般的な監督
d) 妥当性確認又は検証プロセス及び要員の公平性を支援する妥当性確認又は検証機関の風土を含む,コ
ーポレートガバナンス以外の側面
e) 妥当性確認を行う者又は検証を行う者の行動を統治する規則,基準及び専門家としての行動規範

――――― [JIS Q 14065 pdf 23] ―――――

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Q 14065 : 2011 (ISO 14065 : 2007)
f) 認定機関及びその他による,制裁措置及びそのような措置の可能性の想起
g) 妥当性確認又は検証機関が直面する法的責任
B.3.2 一般的な保護措置の例
妥当性確認又は検証機関に,そのマネジメントシステムの一部として存在する保護措置の例には,次の
事項が含まれる。
a) 全ての要員の行動が妥当性確認又は検証の独立性を満たしていることを支援する,妥当性確認又は検
証機関における専門的環境及び風土を維持する。
b) 妥当性確認を行う者又は検証を行う者の公平性の維持に直接関係する方針,手順及びグッドプラクテ
ィス
c) 人事異動,内部監査,及び技術的問題の内部協議の要求事項に関係するような,その他の方針,手順
及びグッドプラクティス
d) 要員の採用,教育・訓練,昇進,公平性の重要性を重要視する雇用維持及び報酬の方針,手順及びグ
ッドプラクティス,妥当性確認又は検証機関の要員が直面する可能性のある様々な状況によってもた
らされる潜在的なリスク,並びにこれらのリスクを低減又は排除する保護措置を適切に検討した後に,
妥当性確認を行う者及び検証を行う者が特定の依頼者について自らの公平性を評価する必要性
B.3.3 保護措置の性質
保護措置を説明する別の方法として,その性質に基づく方法がある。例えば,次の事項を含む。
a) 予防的な保護措置 : 例えば,公平性の重要性を重要視する新規採用者に対する導入プログラム
b) 特定の状況で生じるリスクに関係する保護措置 : 例えば,妥当性確認を行う者又は検証を行う者の家
族と妥当性確認又は検証機関の依頼者との間の特定の雇用関係の禁止
c) 違反者を処罰することによって,他の保護措置の違反を防止する効果をもつ保護措置 : 例えば,認定
機関が直ちに認定を一時停止又は取り消すことを可能にする断固とした方針
B.3.4 制限的な保護措置
保護措置を説明する更に別の方法として,公平性に対するリスクとみなされる活動又は関係を制限する
程度に基づく方法がある。例えば,次の事項を含む。
a) 全面禁止 : 妥当性確認又は検証機関が妥当性確認を実施したGHGプロジェクトを同一の機関が検証
することの禁止[例えば,5.4.2 b)]
b) 程度又は形式を制限した活動又は関係の許可 : 要員が,GHGに関する主張の作成に参加した責任当事
者に対する妥当性確認又は検証に参加することの制限[例えば,5.4.2 e)]
c) リスクを排除若しくは低減する他の方針又は手順を要求したうえでの活動若しくは関係の許可 : 例え
ば,妥当性確認を行う者又は検証を行う者が,依頼者に特定の種類の教育・訓練を実施することの許

d) 妥当性確認を行う者及び検証を行う者が,活動又は関係に関する情報を,妥当性確認又は検証機関の
経営層に開示することを要求したうえでの,活動又は関係の許可 : 例えば,妥当性確認を行う者又は
検証を行う者と依頼者との全ての私的関係の性質,及びその関係から受領するあらゆる料金の妥当性
確認又は検証機関の経営層への開示
B.3.5 公平性のマネジメントに対する検討事項
妥当性確認又は検証機関が要員の公平性を評価する場合,次の事項について検討することもあり得る。
a) 妥当性確認又は検証の偏った判断となる,又はそうなることが合理的に予想される圧力及び他の要因。
これは,妥当性確認を行う者又は検証を行う者の公平性に対するリスクである。

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Q 14065 : 2011 (ISO 14065 : 2007)
b) それらの圧力及び他の要因の影響を低減又は排除する可能性がある保護措置
c) それらの圧力及び他の要因の重大さ,及び保護措置の有効性
d) 保護措置の有効性を検討した後,圧力及び他の要因が,公平な妥当性確認又は検証の決定を行う能力
を損なう又は損なうことが合理的に予想される水準に達する可能性
B.4 公平性に対するリスクの許容可能性の評価及び決定
妥当性確認又は検証機関は,公平性に対するリスクの種類及び大きさ,並びに保護措置の種類及び有効
性について検討することによって,公平性に対するリスクを評価することもあり得る。この基本原則は,
妥当性確認又は検証機関が,様々な活動,関係又は他の状況から生じる公平性に対するリスク水準の特定
及び評価を可能にするプロセスを意味している。
公平性に対するリスク水準は,“公平性に対するリスクなし”から“公平性に対するリスクが最大”まで
の直線上の一点として表すことができる。これによって,妥当性確認又は検証機関は,公平性に対するリ
スクが許容可能かどうかを評価することができる。リスクを許容できない場合,妥当性確認又は検証機関
は,公平性に対する追加の保護措置(禁止事項を含む。)又は保護措置の組合せのどれが,公平性に対する
リスクを許容できる水準に低減するかということを決定することもあり得る。公平性に対するリスク水準
の許容可能性を決定する一つの方法を,表B.1に示す。
表B.1−公平性に対するリスクの許容可能な水準の決定
公平性に対するリス 間接的な公平性に対 何らかの公平性に対 公平性に対する高い 公平性に対する最大
クなし : 客観性が損 するリスク : 客観性 するリスク : 客観性 リスク : 客観性が損 のリスク : 客観性が
なわれている可能性 が損なわれている可 が損なわれている可 なわれている可能性 事実上損なわれてい
がまずない 能性が低い 能性がある が高い る
妥当性確認又は検証 妥当性確認又は検証 妥当性確認又は検証 妥当性確認又は検証 サービスは提供でき
機関は,リスクを評 機関は,リスクを評 機関は,リスクを評 機関は,リスクを評 ない
価する適当なプロセ 価する適当なプロセ 価する適当なプロセ 価する適当なプロセ
スをもっている スをもっている スをもっている スをもっている
妥当性確認又は検証 妥当性確認又は検証 妥当性確認又は検証 サービスは提供でき
の客観性を実証する の客観性を実証する の客観性を実証する ない
提供したサービスの 提供したサービスの サービスは提供でき
結果について客観性 結果について客観性 ない
を実証する を実証する
サービスを提供した サービスは提供でき
グループ内の異なる ない
法人との明確な区別
を実証する
妥当性確認又は検証が行われる環境上,幾つかの要因の存在(例えば,妥当性確認又は検証機関は依頼
者から支払を受けている。)を考えると,公平性に対するリスクは完全に排除できるわけでは必ずしもなく,
そのため,妥当性確認又は検証機関は,常に,客観性を損なわせる一定のリスクを許容している。それに
もかかわらず,公平性に対するリスクに直面している状況においては,妥当性確認又は検証機関は,極め
て低いレベルの公平性に対するリスクだけを許容可能とみなすことが望ましい。
公平性に対するリスクの中には,妥当性確認又は検証機関の中の,一部の要員又はグループだけに影響

――――― [JIS Q 14065 pdf 25] ―――――

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JIS Q 14065:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 14065:2007(IDT)

JIS Q 14065:2011の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Q 14065:2011の関連規格と引用規格一覧