JIS Q 17011:2018 適合性評価―適合性評価機関の認定を行う機関に対する要求事項 | ページ 3

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Q 17011 : 2018 (ISO/IEC 17011 : 2017)
4.4.4 認定プロセスに影響を与える可能性のある認定機関の全ての要員及び委員会は,客観性をもって活
動しなければならず,また,公平性を損なうおそれのある不当な,商業的,財務的及びその他の圧力を受
けないようにしなければならない。認定機関は,利害抵触が起こり得る場合はいつでも,それを開示する
ことを全ての要員及び委員会メンバーに要求しなければならない。
4.4.5 認定機関は,公平性を確保するために,利害関係者が効果的に関与できる機会を提供するためのプ
ロセスを文書化し,実施しなければならない。認定機関は,利害関係者の関与において,単一の利害関係
者が支配力をもつことなく,均衡のとれた代表構成となることを確実にしなければならない。
4.4.6 認定機関は,他との関係又はその要員の他との関係をもつことから生じるいかなる利害抵触をも含
む,その活動に起因する公平性に対するリスクを,継続的に特定し,分析し,評価し,対応し,監視し,
文書化するためのプロセスをもたなければならない。このプロセスには,透明性及び一般社会の認識を含
む公平性に影響する事項について助言する,4.4.5に記載した適切な利害関係者の特定及びこれらの利害関
係者との協議を含めなければならない。
注記1 認定機関の公平性に対するリスクの発生源としては,所有,統治,マネジメント,要員,共
有資源,財務,契約,外部委託,教育・訓練,マーケティング,及び販売手数料の支払又は
新規顧客の紹介に関するその他の誘引条件が挙げられる。
注記2 利害関係者との協議を行う一つの方法に,委員会の使用がある。
4.4.7 公平性のリスクが特定された場合,認定機関は,どのようにそれらのリスクを排除又は最小化する
かを文書化及び実証し,また,残留リスクを文書化しなければならない。この実証は,認定機関の中から
生じるか,又は認定機関以外の人,機関若しくは組織の活動から生じるかを問わず,特定された全ての潜
在的リスクを網羅しなければならない。
4.4.8 トップマネジメントは,容認可能な水準にあるかどうかを決定するために,全ての残留リスクをレ
ビューしなければならない。
4.4.9 公平性に対する容認できないリスクが特定され,そのリスクを容認できるレベルまで低減できない
場合は,認定を提供してはならない。
4.4.10 認定機関の方針,プロセス及び手順は,差別的であってはならず,また,差別的でない方法で適用
されなければならない。認定機関は,その方針及び規則に規定する認定活動の範囲内で,認定を依頼する
全ての申請者がサービスを利用できるようにしなければならない。サービスの利用は,申請した適合性評
価機関の規模又は特定の協会若しくは団体の会員であることを条件としてはならず,また,既に認定した
適合性評価機関の数を認定の条件としてはならない。
注記 認定機関が,不正行為,情報の改ざん又は認定の要求事項の意図的な違反に関する立証済みの
証拠を理由として,適合性評価機関へのサービスを拒否した場合には,差別的とはみなされな
い。
4.4.11 認定機関及び同じ法人のいかなる部分も,公平性に影響を与える次のようなサービスを申し出たり,
提供したりしてはならない。
a) 認定の対象となる適合性評価活動。これには,試験,校正,検査,認証(マネジメントシステム,要
員,製品・プロセス・サービス),技能試験の提供,標準物質の生産,妥当性確認及び検証があるが,
この限りではない。
b) コンサルタント業務
4.4.12 認定機関が,コンサルタント業務を申し出る機関,又は4.4.11 a)において挙げられた適合性評価活
動を行う機関と関係がある場合,認定機関は,次の事項をもたなければならない。

――――― [JIS Q 17011 pdf 11] ―――――

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Q 17011 : 2018 (ISO/IEC 17011 : 2017)
a) 異なるトップマネジメント(5.7参照)。
b) 認定の意思決定プロセスを実行する異なる要員(箇条5参照)。
c) 明らかに異なる名称,ロゴ及びシンボル。
d) 全ての認定活動の結果へのいかなる影響も予防する効果的なメカニズム。
4.4.13 認定機関は,その活動を,コンサルタント業務又は公平性に対する容認できないリスクを与えるよ
うなその他のサービスと関連付けて提示してはならない。特定の要員又はコンサルタント業務を利用すれ
ば,認定がより簡単に,容易に,迅速に,又は廉価になると示唆するようなことを述べたり,暗示したり
してはならない。
注記 認定機関は,例えば,次のような公平性に対するリスクとはみなされない業務を行うことがで
きる。
− 教育・訓練,オリエンテーション又は教育講座の手配,及び講師としての参加。ただし,
これらの講座が,誰でも自由に入手できる一般情報の提供だけに限定されていることを条
件とする。つまり,適合性評価機関の活動に関して,当該機関に固有の解決策を提示でき
ない。
− 審査における価値の付加。例えば,固有の解決策の提示を含まない,審査中に明らかにな
った改善の機会の明示。
− 認定プロセスの開発についての他の認定機関への助言。
− 関連する適合性評価規格の要求事項を含む,認定要求事項についてのスキームオーナへの
助言。

4.5 財務及び債務

4.5.1  認定機関は,記録及び/又は文書によって実証された,活動の運営に必要な財源をもたなければな
らない。認定機関は,その収入源について記述したものをもたなければならない。
4.5.2 認定機関は,その活動に起因するリスクを評価し,その活動に起因する債務を担保するための備え
をもたなければならない。

4.6 認定スキームの確立

4.6.1  認定機関は,認定スキームを開発又は導入しなければならない。認定機関は,関連する規格及び/
又は他の規準文書を参照して,その認定スキームのための規則及びプロセスを文書化しなければならない。
4.6.2 認定機関は,使用する手引,適用に関する文書又は規準文書が,必要な力量をもつ委員会又は要員
によって,適切な利害関係者の参加を得て開発されることを確実にしなければならない。これらの文書は,
関連する規格及び/又は他の規準文書の要求事項に反してはならず,また,いかなる要求事項も除外して
はならない。
注記1 適用に関する文書又は手引であって国際的な文書が利用できる場合は,それらを用いること
ができる。
注記2 認定機関は,適用に関する文書,手引,規準文書を導入及び/又は開発することができ,そ
れらの開発に参加することができる。
4.6.3 認定機関は,認定を目的として,適合性評価スキーム並びに規格の適切性を判断するための方針及
び文書化した手順をもたなければならない。
4.6.4 認定機関は,認定スキームを開発し,拡大するためのプロセスを確立し,文書化し,実施し,維持
しなければならない。次の事項を考慮しなければならない。
a) 認定スキームの立ち上げ又は拡大の実現可能性

――――― [JIS Q 17011 pdf 12] ―――――

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b) 現有の能力及び資源の分析
c) 専門家の活用及び採用
d) 適用文書又は手引の必要性
e) 認定機関の要員の教育・訓練
f) 実施又は移行措置
g) 利害関係者の見解
4.6.5 認定機関は,認定スキームの一部又は全てを取りやめる前に,少なくとも次の事項を検討しなけれ
ばならない。
a) 利害関係者の見解
b) 契約上の義務
c) 移行措置
d) 取りやめに関する外部とのコミュニケーション
e) 認定機関によって発行された情報

5 組織構成に関する要求事項

5.1   認定機関は,公平性が確保されるように組織を編成及び運営しなければならない。
5.2 認定機関は,権限・責任系統を含む全体の組織構成を文書化しなければならない。
5.3 認定機関がより大きな組織の一部である場合は,その認定機関を特定しなければならない。
5.4 認定機関は,所有者がいる場合はその名前,認定機関を管理監督する者が別の場合にはその名前を
含む,その法的地位に関して記述したものをもたなければならない。
5.5 認定機関は認定の決定に対する権限及び責任をもたなければならず,認定の決定を他の組織又は人
の承認に委ねてはならない。
5.6 認定機関は,トップマネジメント及び認定プロセスに関与する認定機関の他の関係要員の義務,責
任及び権限を文書化しなければならない。
5.7 認定機関は,次のそれぞれに対して総合的な権限及び責任をもつトップマネジメントを特定しなけ
ればならない。
a) 認定機関の運営に関する方針の策定
b) 方針,プロセス及び手順の実施の監督
c) 認定機関の財務に対する監督
d) 認定を提供するスキームのための活動の開発又は採用
e) 認定に関する決定
f) 審査及び認定プロセスの実施
g) 苦情及び異議申立てに対する時宜を得た対応
h) 契約上の取決め
i) 適切な資源の供給
j) 必要に応じて,明確に規定された活動をトップマネジメントの代わりに行う委員会又は個人への権限
の委譲
k) 公平性の確保
5.8 認定機関は,認定プロセスに関与する委員会の委員の任命,委任事項及び運営についての公式な規
則をもち,参加する利害関係者を明確にしなければならない。

――――― [JIS Q 17011 pdf 13] ―――――

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6 資源に関する要求事項

6.1 要員の力量

6.1.1  一般
認定機関は,その要員が,認定スキーム並びに認定機関が活動する地域に関する適切な知識及び技能を
もつことを確実にするためのプロセスをもたなければならない。
6.1.2 力量の判断基準の決定
6.1.2.1 認定機関は,審査並びにその他の認定活動の管理及び実施に関与する要員の力量の判断基準を定
め文書化するための,文書化したプロセスをもたなければならない。それぞれの認定スキームの要求事項
に関して力量の判断基準を定め,認定活動を実行するために必要な知識及び技能を力量の判断基準に含め
なければならない。
6.1.2.2 認定機関は,審査チーム並びに文書のレビュー,審査報告書のレビュー及び認定に関する決定を
行う認定機関の要員が,次の知識を実証できることを確実にしなければならない。
− 審査の原則,実務及び技法
− マネジメントシステムの一般的な原則及びツール
6.1.2.3 認定機関は,審査チーム並びに申請のレビュー,審査チームメンバーの選定,文書のレビュー,
審査報告書のレビュー,認定に関する決定及び認定スキームの管理を行う認定機関の要員が,次の知識を
実証できることを確実にしなければならない。
− 認定機関の規則及びプロセス
− 認定及び認定スキームの要求事項,並びに関連する手引及び適用文書
− 適合性評価スキーム要求事項,適合性評価機関が使用するその他の手順及び方法
6.1.2.4 認定機関は,審査チーム並びに審査報告書のレビュー,認定に関する決定及び認定スキームの管
理を行う認定機関の要員が,リスクに基づく審査の原理に関する知識を実証できることを確実にしなけれ
ばならない。
6.1.2.5 認定機関は,審査チーム並びに文書のレビュー,審査報告書のレビュー,認定に関する決定及び
認定スキームの管理を行う認定機関の要員が,適合性評価活動に関係する一般的な規制要求事項の知識を
実証できることを確実にしなければならない。
6.1.2.6 認定機関は,審査チームが次の知識及び技能を実証できることを確実にしなければならない。
− 適合性評価機関のビジネス環境における実務及びプロセスに関する知識
− 適合性評価機関内の全ての階層と適切にやり取りするためのコミュニケーションスキル
− メモを取り,報告書を作成する技能
− 初回会議及び最終会議の技能
− インタビューの技能
− 審査管理の技能
6.1.2.7 認定機関は,文書のレビューを行う認定機関の要員がメモを取り,報告書を作成する技能を実証
できることを確実にしなければならない。
6.1.2.8 認定の決定を下すグループ又は個人は,適用される認定スキームに関する要求事項を理解し,適
切な場合は,審査チームの関連する勧告を含めた,審査の結果を評価する力量をもたなければならない。
注記 附属書Aは,6.1.2.26.1.2.8をまとめている。
6.1.2.9 特定の認定スキームに関して追加的な特定の力量基準が確立されている場合は,これらを適用し
なければならない。

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6.1.3 力量管理
6.1.3.1 認定機関は,次の事項を行わなければならない。
a) 認定プロセスに関与する全ての要員の初期評価及び継続的監視のための文書化したプロセスを確立し,
実施する。
b) 認定機関の要員の力量を実証する上で,その評価方法が有効であることを確実にする。
c) 認定活動に従事する前に,認定プロセスのそれらの活動を実行する権限を要員に与える。
6.1.3.2 認定機関は,審査員の選定,教育・訓練及び正式な承認のための文書化したプロセスをもたなけ
ればならない。認定機関は,技術専門家を選定し,承認し,認定プロセスで使用される関連する要求事項
及び手順を理解させるための文書化したプロセスをもたなければならない。審査員の初期力量評価には,
審査において必要とされる知識及び技能を適用する能力の判断を含めなければならない。
注記 審査員を評価する一つの方法は,力量のある人材が,審査員が審査を行う場面を観察すること
である。
6.1.3.3 認定機関は,認定プロセスに関与する全ての要員が,その遂行する認定活動に対し力量をもって
いることを確実にするために,教育・訓練のニーズを特定し,特定の教育・訓練を受けられるようにしな
ければならない。
6.1.3.4 審査活動に関与する全ての要員の力量及びパフォーマンスを,要員の起用の頻度及びその遂行す
る認定活動に関連付けたリスクの程度に基づいて監視するための,文書化したプロセスがなければならな
い。特に,認定機関は,必要な是正処置をとるため,要員のパフォーマンスを考慮に入れて,要員の力量
をレビューし記録しなければならない。
6.1.3.5 認定機関は,その審査員が権限を与えられた各認定スキームを考慮し,個々の審査員を監視しな
ければならない。文書化した審査員の監視プロセスは,現地での評価,審査報告書のレビュー,及び要員,
適合性評価機関又は他の利害関係者からのフィードバックを組み合わせたものを含まなければならない。
6.1.3.6 認定機関は,定期的な間隔で,審査中にそれぞれの審査員を観察しなければならない。審査員が
継続して力量をもって業務を遂行していることを裏付ける十分な証拠がない限り,その頻度は,少なくと
も3年に1回としなければならない。間隔がこれを超える場合は,正当な理由を示さなければならない。

6.2 認定プロセスに関与する要員

6.2.1  認定機関は,全ての認定スキームに関して,認定機関の全ての認定活動を管理し,支援する,十分
な人数の力量をもった要員を利用できなければならない。
6.2.2 認定機関は,全ての要員に対し,要員が適用される方針を守り,認定機関が定めたプロセスを実施
することを要求する拘束力のある取決めをもたなければならない。その取決めは,秘密保持及び公平性に
関する側面に取り組まなければならず,公平性を損なう可能性のある,既存の,過去の,又は予見できる
あらゆる関係を認定機関に申し出ることを,全ての要員に要求するものでなければならない。
6.2.3 認定機関は,審査指示を与える一連の文書化した手順の最新版及び認定プロセスに関連する全ての
情報を,審査員並びに技術専門家が利用できるようにしなければならない。

6.3 要員の記録

  認定機関は,認定活動を管理又は実施する要員の資格,教育・訓練,力量,監視の結果,経験,職業上
の地位及び職業上の所属を含めた記録を保持しなければならない。

6.4 外部委託

6.4.1  認定機関は,通常,認定活動を自ら実施しなければならない。
6.4.2 認定の決定は,外部委託してはならない。認定の決定を行うために認定機関から任命された者は,

――――― [JIS Q 17011 pdf 15] ―――――

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JIS Q 17011:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 17011:2017(IDT)

JIS Q 17011:2018の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Q 17011:2018の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISQ17000:2005
適合性評価―用語及び一般原則