JIS Q 45001:2018 労働安全衛生マネジメントシステム―要求事項及び利用の手引 | ページ 9

38
Q 45001 : 2018 (ISO 45001 : 2018)
d) 基準とは,組織がパフォーマンスを比較する際に使うことができる対象である。
1) 例としては,次の事項に照らしてのベンチマークが挙げられる。
i) 他の組織
ii) 標準及び規範
iii) 組織自体の規範及び目的
iv) 労働安全衛生統計
2) 基準を測定する際には,例えば,次のように指標を使用するのが一般的である。
i) その基準がインシデントの比較である場合,組織は,頻度,種類,重大度,又はインシデントの
件数を調査することを選択してもよい。次に,これらの基準のそれぞれの中で所定の数値を指標
とすることができる。
ii) その基準が是正処置の完了の比較である場合には,予定どおり完了した割合を指標とすることが
できる。
モニタリングには,必要な又は期待されるパフォーマンスレベルからの変動を特定するための状況の継
続的なチェック,監督,批判的観察,又は判断を含めることができる。モニタリングは,労働安全衛生マ
ネジメントシステム,プロセス,又は管理に適用することができる。例としては,面談の使用,文書化し
た情報のレビュー,及び実行した作業の観察が挙げられる。
一般に測定は,物体又は事象に対する数の割当てを伴う。これは定量的データの基本であり,一般に安
全性プログラム及び健康調査のパフォーマンス評価に付随する。例としては,校正された又は検証された
機器の使用による有害物質へのばく露の測定,又は危険源からの安全距離の算出が挙げられる。
分析は,関係,パターン及び傾向を明らかにするためにデータを調査するプロセスである。これは,デ
ータから結論を引き出すために,他の似たような組織からの情報を含めた統計的計算を使用することを意
味し得る。このプロセスは,ほとんどの場合,測定活動に関係する。
パフォーマンス評価は,労働安全衛生マネジメントシステムの確立された目標を達成することに関する,
評価対象の適切性,妥当性及び有効性を確定するために行われる活動である。
A.9.1.2 順守評価
順守評価の頻度及びタイミングは,要求事項の重要性,運用条件の変動,法的要求事項及びその他の要
求事項の変化,及び組織の過去のパフォーマンスによって異なることがある。組織は,順守状況に関する
知識及び理解を維持するために種々の方法を用いることができる。
A.9.2 内部監査
監査プログラムの程度は, 労働安全衛生マネジメントシステムの複雑さ及び成熟度に基づくことが望ま
しい。
組織は,内部監査人としての役割を,通常割り当てられた職務と切り離すプロセスを設けることによっ
て,内部監査の客観性及び公平性を確立することができる。組織は,この機能に関して外部の人を使うこ
ともできる。
A.9.3 マネジメントレビュー
マネジメントレビューに関連して使用される用語は,次のように理解することが望ましい。
a) “適切(性)”(suitability)とは,労働安全衛生マネジメントシステムが,組織,並びに組織の運用,
文化及び事業システムにどのように合っているかを意味している。
b) “妥当(性)”(adequacy)とは,労働安全衛生マネジメントシステムが,十分なレベルで実施されて
いるかどうかを意味している。

――――― [JIS Q 45001 pdf 41] ―――――

                                                                                             39
Q 45001 : 2018 (ISO 45001 : 2018)
c) “有効(性)”(effectiveness)とは,労働安全衛生マネジメントシステムが,意図した成果を達成して
いるかどうかを意味している。
9.3のa) g) に規定したマネジメントレビューの項目は,同時に全てを取り組む必要はない。組織は,
マネジメントレビューの項目に,いつ,どのように取り組むかを判断することが望ましい。
A.10 改善
A.10.1 一般
組織は,改善のための処置をとるときに,労働安全衛生パフォーマンスの分析及び評価からの結果,並
びに順守評価,内部監査及びマネジメントレビューからの結果を考慮することが望ましい。
改善の例には,是正処置,継続的改善,現状打破による変革,革新及び組織再編が含まれる。
A.10.2 インシデント,不適合及び是正処置
組織の要求事項に応じて,インシデントの調査及び不適合のレビューに関する別個のプロセスが存在し
てもよく,一つのプロセスとして組み合わせてもよい。
インシデント,不適合及び是正処置の例には次の事項を含み得るが,含む事項はこれらだけに限らない。
a) インシデント : 平坦な場所での転倒で負傷あり又は負傷なし;足の骨折;石綿(肺)症;難聴;労働
安全衛生リスクにつながり得る建物又は自動車の損害
b) 不適合 : 保護具が正しく機能しない;法的要求事項及びその他の要求事項を満たしていない;所定の
手順を守っていない
c) 是正処置 : (管理策の優先順位によって示されるとおり;8.1.2参照)危険源の除去;危険性の低い材
料への代替;設備又はツールの再設計又は変更;手順の策定;影響を受ける働く人の力量の向上;使
用頻度の変更;個人用保護具の使用
根本原因分析は,再発防止に向けた対策のためのインプットを得るために,何が起きたのか,どのよう
に,なぜ起きたのかを解析することによって,インシデント又は不適合に付随する,考えられる全ての要
因を調査することを意味している。
組織がインシデント又は不適合の根本原因を究明する際には,分析するインシデント又は不適合の性質
に適した方法を使用することが望ましい。根本原因の分析の焦点は,予防である。この分析は,コミュニ
ケーション,力量,疲労,設備又は手順に関連した要因を含め,複数の寄与する欠陥を明らかにすること
ができる。
是正処置の有効性のレビュー[10.2 f) 参照]は,実施された是正処置がどの程度の効果で根本原因を抑
制したかを調査する。
A.10.3 継続的改善
継続的改善の課題の例には次の事項を含むが,含む事項はこれらだけに限らない。
a) 新技術
b) 組織の内部及び外部の好事例
c) 利害関係者からの提案及び勧告
d) 労働安全衛生に関係する課題についての新しい知識及び理解
e) 新しい材料又は改良された材料
f) 働く人の能力又は力量の変化
g) より少ない資源によるパフォーマンス向上の達成(すなわち,簡素化,合理化など)

――――― [JIS Q 45001 pdf 42] ―――――

40
Q 45001 : 2018 (ISO 45001 : 2018)
参考文献
[1] JIS Q 9000 品質マネジメントシステム−基本及び用語
注記 対応国際規格 : ISO 9000:2015,Quality management systems−Fundamentals and vocabulary
[2] JIS Q 9001 品質マネジメントシステム−要求事項
注記 対応国際規格 : ISO 9001,Quality management systems−Requirements
[3] JIS Q 14001 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
注記 対応国際規格 : ISO 14001,Environmental management systems−Requirements with guidance for
use
[4] JIS Q 19011 マネジメントシステム監査のための指針
注記 対応国際規格 : ISO 19011,Guidelines for auditing management systems
[5] ISO 20400,Sustainable procurement−Guidance
[6] JIS Z 26000 社会的責任に関する手引
注記 対応国際規格 : ISO 26000,Guidance on social responsibility
[7] JIS Q 31000 リスクマネジメント−原則及び指針
注記 対応国際規格 : ISO 31000,Risk management−Guidelines
[8] ISO 37500,Guidance on outsourcing
[9] ISO 39001,Road traffic safety (RTS) anagement systems−Requirements with guidance for use
[10] JIS Q 0073 リスクマネジメント−用語
注記 対応国際規格 : ISO Guide 73:2009,Risk management−Vocabulary
[11] JIS Q 31010 リスクマネジメント−リスクアセスメント技法
注記 対応国際規格 : IEC/ISO 31010,Risk management−Risk assessment techniques
[12] 労働安全衛生マネジメントシステムに関するILOガイドライン 第2版 国際労働事務局,ジュネー
ブ,http://www.ilo.org/safework/info/standards-and-instruments/WCMS107727/lang--en/index.htm
[13] ILO国際労働基準(労働安全衛生に関する基準を含む)国際労働事務局,ジュネーブ,
http://www.ilo.org/normlexにて入手可能(“instruments”,“Conventions and Recommendations by subject
and status”を順にクリックする)
[14] 労働安全衛生マネジメントシステム−要求事項 第2版,OHSASプロジェクトグループ,ロンドン,
2007年7月,ISBN 978 0 580 50802 8
[15] 労働安全衛生マネジメントシステム−OHSAS 18001:2007実施のための指針 第2版,OHSASプロジ
ェクトグループ,ロンドン,2008年11月,ISBN 978 0 580 61674 7

JIS Q 45001:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 45001:2018(IDT)

JIS Q 45001:2018の国際規格 ICS 分類一覧