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Q 9100 : 2016
3 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Q 9000:2015によるほか,次 による。
3.1
模倣品(counterfeit part)
正規製造業者又は承認された製造業者の純正指定品として,故意に偽られた無許可の複製品,偽物,代
用品又は改造部品(例えば,材料,部品,コンポーネント)。
注記 模倣品には,例えば,マーキング若しくはラベルの貼付,グレード,シリアルナンバー,日付
コード,文書類又はパフォーマンス特性の偽の識別が含まれ得る。ただし,これらに限定しな
い。
3.2
クリティカルアイテム(critical items)
安全性,性能,形状,取付け,機能,製造性,耐用年数などを含めた製品及びサービスの提供及び使用
に重大な影響を与えるアイテムであり,適切なマネジメントを確実にするため,特定の処置が必要なアイ
テム(例えば,機能,部品,ソフトウェア,特性,プロセス)。クリティカルアイテムの例には,安全ク
リティカルアイテム,破壊クリティカルアイテム,ミッションクリティカルアイテム,キー特性などが含
まれる。
3.3
キー特性(key characteristic)
そのばらつきが,製品の取付け,形状,機能,性能,耐用年数又は製造性に重大な影響を与え,ばらつ
きを管理するために特定の処置が必要な属性又は特性。
3.4
製品安全(product safety)
製品が人々への危害又は財産への損害に至る許容できないリスクをもたらすことなく,設計した又は意
図した目的を満たすことができる状態。
3.5
特別要求事項(special requirements)
顧客によって識別された,又は組織によって明確化された要求事項であり,満たされないという高いリ
スクを伴うため,運用リスクマネジメントプロセスの対象としなければならない要求事項。特別要求事項
の明確化に用いられる要素は,製品又はプロセスの複雑さ,過去の経験,及び製品又はプロセスの成熟度
を含む。特別要求事項の例には,顧客によって課せられた産業界の能力の限界にある性能要求事項,又は
組織が自らの技術若しくはプロセス能力の限界にあると判定した要求事項が含まれる。
注記 特別要求事項(3.5)及びクリティカルアイテム(3.2)は,キー特性(3.3)を含め,互いに関
係している。特別要求事項は,製品に関する要求事項が明確化され,レビューされるとき識別
される(8.2.2及び8.2.3参照)。特別要求事項からクリティカルアイテムの識別が必要となるこ
とがある。設計からのアウトプット(8.3.5参照)には,適切にマネジメントされていることを
確実にするために,特定の処置が要求されるクリティカルアイテムの識別を含めることができ
る。クリティカルアイテムの中には,ばらつきを管理する必要があるため,更にキー特性とし
て識別されるものもある。
――――― [JIS Q 9100 pdf 11] ―――――
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4 組織の状況
4.1 組織及びその状況の理解
組織は,組織の目的及び戦略的な方向性に関連し,かつ,その品質マネジメントシステムの意図した結
果を達成する組織の能力に影響を与える,外部及び内部の課題を明確にしなければならない。
組織は,これらの外部及び内部の課題に関する情報を監視し,レビューしなければならない。
注記1 課題には,検討の対象となる,好ましい要因又は状態,及び好ましくない要因又は状態が含
まれ得る。
注記2 外部の状況の理解は,国際,国内,地方又は地域を問わず,法令,技術,競争,市場,文化,
社会及び経済の環境から生じる課題を検討することによって容易になり得る。
注記3 内部の状況の理解は,組織の価値観,文化,知識及びパフォーマンスに関する課題を検討す
ることによって容易になり得る。
4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解
次の事項は,顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満たした製品及びサービスを一貫して
提供する組織の能力に影響又は潜在的影響を与えるため,組織は,これらを明確にしなければならない。
a) 品質マネジメントシステムに密接に関連する利害関係者
b) 品質マネジメントシステムに密接に関連するそれらの利害関係者の要求事項
組織は,これらの利害関係者及びその関連する要求事項に関する情報を監視し,レビューしなければな
らない。
4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定
組織は,品質マネジメントシステムの適用範囲を定めるために,その境界及び適用可能性を決定しなけ
ればならない。
この適用範囲を決定するとき,組織は,次の事項を考慮しなければならない。
a) 4.1に規定する外部及び内部の課題
b) 4.2に規定する,密接に関連する利害関係者の要求事項
c) 組織の製品及びサービス
決定した品質マネジメントシステムの適用範囲内でこの規格の要求事項が適用可能ならば,組織は,こ
れらを全て適用しなければならない。
組織の品質マネジメントシステムの適用範囲は,文書化した情報として利用可能な状態にし,維持しな
ければならない。適用範囲では,対象となる製品及びサービスの種類を明確に記載し,組織が自らの品質
マネジメントシステムの適用範囲への適用が不可能であることを決定したこの規格の要求事項全てについ
て,その正当性を示さなければならない。
適用不可能なことを決定した要求事項が,組織の製品及びサービスの適合並びに顧客満足の向上を確実
にする組織の能力又は責任に影響を及ぼさない場合に限り,この規格への適合を表明してよい。
4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス
4.4.1 組織は,この規格の要求事項に従って,必要なプロセス及びそれらの相互作用を含む,品質マネジ
メントシステムを確立し,実施し,維持し,かつ,継続的に改善しなければならない。
組織の品質マネジメントシステムは,顧客及び適用される法令・規制上の品質マネジメントシステム要
求事項も取り扱わなければならない。
組織は,品質マネジメントシステムに必要なプロセス及びそれらの組織全体にわたる適用を決定しなけ
ればならない。また,次の事項を実施しなければならない。
――――― [JIS Q 9100 pdf 12] ―――――
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a) これらのプロセスに必要なインプット,及びこれらのプロセスから期待されるアウトプットを明確に
する。
b) これらのプロセスの順序及び相互作用を明確にする。
c) これらのプロセスの効果的な運用及び管理を確実にするために必要な判断基準及び方法(監視,測定
及び関連するパフォーマンス指標を含む。)を決定し,適用する。
d) これらのプロセスに必要な資源を明確にし,及びそれが利用できることを確実にする。
e) これらのプロセスに関する責任及び権限を割り当てる。
f) 6.1の要求事項に従って決定したとおりにリスク及び機会に取り組む。
g) これらのプロセスを評価し,これらのプロセスの意図した結果の達成を確実にするために必要な変更
を実施する。
h) これらのプロセス及び品質マネジメントシステムを改善する。
4.4.2 組織は,必要な程度まで,次の事項を行わなければならない。
a) プロセスの運用を支援するための文書化した情報を維持する。
b) プロセスが計画どおりに実施されたと確信するための文書化した情報を保持する。
組織は,次の事項を含む,文書化した情報を作成し,維持しなければならない。
− 密接に関連する利害関係者の全般的記述[4.2 a)参照]
− 境界及び適用可能性を含む,品質マネジメントシステムの適用範囲(4.3参照)
− 品質マネジメントシステムに必要なプロセス及びそれらの組織全体への適用の記述
− これらのプロセスの順序及び相互関係
− これらのプロセスに関する責任及び権限の割当て
注記 品質マネジメントシステムに関わる上記の記述は,文書化した情報の一つの情報源にまとめる
ことができ,また,品質マニュアルと呼ばれる。
5 リーダーシップ
5.1 リーダーシップ及びコミットメント
5.1.1 一般
トップマネジメントは,次に示す事項によって,品質マネジメントシステムに関するリーダーシップ及
びコミットメントを実証しなければならない。
a) 品質マネジメントシステムの有効性に説明責任(accountability)を負う。
b) 品質マネジメントシステムに関する品質方針及び品質目標を確立し,それらが組織の状況及び戦略的
な方向性と両立することを確実にする。
c) 組織の事業プロセスへの品質マネジメントシステム要求事項の統合を確実にする。
d) プロセスアプローチ及びリスクに基づく考え方の利用を促進する。
e) 品質マネジメントシステムに必要な資源が利用可能であることを確実にする。
f) 有効な品質マネジメント及び品質マネジメントシステム要求事項への適合の重要性を伝達する。
g) 品質マネジメントシステムがその意図した結果を達成することを確実にする。
h) 品質マネジメントシステムの有効性に寄与するよう人々を積極的に参加させ,指揮し,支援する。
i) 改善を促進する。
j) その他の関連する管理層がその責任の領域においてリーダーシップを実証するよう,管理層の役割を
支援する。
――――― [JIS Q 9100 pdf 13] ―――――
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注記 この規格で“事業”という場合,それは,組織が公的か私的か,営利か非営利かを問わず,組
織の存在の目的の中核となる活動という広義の意味で解釈され得る。
5.1.2 顧客重視
トップマネジメントは,次の事項を確実にすることによって,顧客重視に関するリーダーシップ及びコ
ミットメントを実証しなければならない。
a) 顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を明確にし,理解し,一貫してそれを満たしている。
b) 製品及びサービスの適合並びに顧客満足を向上させる能力に影響を与え得る,リスク及び機会を決定
し,取り組んでいる。
c) 顧客満足向上の重視が維持されている。
d) 製品及びサービスの適合並びに納期どおりの引渡しに関するパフォーマンスが測定されている,ま
た,計画した結果が達成できない,又は達成できる見込みがない場合には,適切な処置がとられてい
る。
5.2 方針
5.2.1 品質方針の確立
トップマネジメントは,次の事項を満たす品質方針を確立し,実施し,維持しなければならない。
a) 組織の目的及び状況に対して適切であり,組織の戦略的な方向性を支援する。
b) 品質目標の設定のための枠組みを与える。
c) 適用される要求事項を満たすことへのコミットメントを含む。
d) 品質マネジメントシステムの継続的改善へのコミットメントを含む。
5.2.2 品質方針の伝達
品質方針は,次に示す事項を満たさなければならない。
a) 文書化した情報として利用可能な状態にされ,維持される。
b) 組織内に伝達され,理解され,適用される。
c) 必要に応じて,密接に関連する利害関係者が入手可能である。
5.3 組織の役割,責任及び権限
トップマネジメントは,関連する役割に対して,責任及び権限が割り当てられ,組織内に伝達され,理
解されることを確実にしなければならない。
トップマネジメントは,次の事項に対して,責任及び権限を割り当てなければならない。
a) 品質マネジメントシステムが,この規格の要求事項に適合することを確実にする。
b) プロセスが,意図したアウトプットを生み出すことを確実にする。
c) 品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び改善(10.1参照)の機会を特にトップマネジメント
に報告する。
d) 組織全体にわたって,顧客重視を促進することを確実にする。
e) 品質マネジメントシステムへの変更を計画し,実施する場合には,品質マネジメントシステムを“完
全に整っている状態”(integrity)に維持することを確実にする。
トップマネジメントは,組織の管理層の中から特定の管理責任者を任命しなければならない。管理責任
者は,上記の要求事項に関する監督(oversight)を行う責任及び権限をもたなければならない。
管理責任者は,品質マネジメントの問題を解決するために,組織上の自由をもち,かつ,トップマネジ
メントへ制約なく接触できなければならない。
注記1 管理責任者の責任には,品質マネジメントシステムに関する事項について,外部と連絡をと
――――― [JIS Q 9100 pdf 14] ―――――
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ることも含まれ得る。
注記2 管理責任者は,上記の責任及び権限をもつ限り,一人である必要はない。
6 計画
6.1 リスク及び機会への取組み
6.1.1 品質マネジメントシステムの計画を策定するとき,組織は,4.1に規定する課題及び4.2に規定す
る要求事項を考慮し,次の事項のために取り組む必要があるリスク及び機会を決定しなければならない。
a) 品質マネジメントシステムが,その意図した結果を達成できるという確信を与える。
b) 望ましい影響を増大する。
c) 望ましくない影響を防止又は低減する。
d) 改善を達成する。
6.1.2 組織は,次の事項を計画しなければならない。
a) 上記によって決定したリスク及び機会への取組み
b) 次の事項を行う方法
1) その取組みの品質マネジメントシステムプロセスへの統合及び実施(4.4参照)
2) その取組みの有効性の評価
リスク及び機会への取組みは,製品及びサービスの適合への潜在的な影響と見合ったものでなければな
らない。
注記1 リスクへの取組みの選択肢には,リスクを回避すること,ある機会を追求するためにそのリ
スクを取ること,リスク源を除去すること,起こりやすさ若しくは結果を変えること,リス
クを共有すること,又は情報に基づいた意思決定によってリスクを保有することが含まれ得
る。
注記2 機会は,新たな慣行の採用,新製品の発売,新市場の開拓,新たな顧客への取組み,パート
ナーシップの構築,新たな技術の使用,及び組織のニーズ又は顧客のニーズに取り組むため
のその他の望ましくかつ実行可能な可能性につながり得る。
6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定
6.2.1 組織は,品質マネジメントシステムに必要な,関連する機能,階層及びプロセスにおいて,品質目
標を確立しなければならない。
品質目標は,次の事項を満たさなければならない。
a) 品質方針と整合している。
b) 測定可能である。
c) 適用される要求事項を考慮に入れる。
d) 製品及びサービスの適合,並びに顧客満足の向上に関連している。
e) 監視する。
f) 伝達する。
g) 必要に応じて,更新する。
組織は,品質目標に関する文書化した情報を維持しなければならない。
6.2.2 組織は,品質目標をどのように達成するかについて計画するとき,次の事項を決定しなければなら
ない。
a) 実施事項
――――― [JIS Q 9100 pdf 15] ―――――
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JIS Q 9100:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学. > 03.120 : 品質 > 03.120.10 : 品質管理及び品質保証
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