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(b) 測定をする圧力をPeとする。バルブC1,C2,C7,C8,C10を閉め,C4を開け,吸着質を部分容
積Vp内に圧力がPeになるように圧力計を見ながら取り込んだ後,C4を閉める。そのときの圧力Pe,
取り込んだ吸着質の容積Vp,室温Tを用い,気体の状態方程式から標準状態に換算した吸着質の取
込み量を算出する。吸着質の取込み量の調節は,ガスビュレットの容積を変動させることによって
行う。
(c) 8を開け,吸着質を試料容器内に導入し,液体窒素温度の試料に吸着させる。
(d) 8を開けることによる気体の占める体積の増加及び吸着による圧力の減少が起こるので,圧力計を
見ながら測定希望圧力Peになるようにガスビュレットの水銀面を徐々に上昇させる。圧力の変動が
認められなくなったとき平衡に達したものとする。ガスビュレット内の水銀の上昇による気体体積
の減少量をVHgとする。
(e) 8を閉めた後,(b),(c),(d)の操作を繰り返し行う。
(f) 吸着質の飽和蒸気圧P0の測定は,次の操作によって行う。バルブC8を閉じ,C7を開け,吸着質を
その飽和蒸気圧近くになるまで系内に取り込む。ガスビュレットの水銀面を上昇させ,吸着質を圧
縮していったとき,圧力が一定になればその圧力が飽和蒸気圧P0である。
(g) 試料の採取量の精ひょうを行う。
(h) 吸着量の計算は,見掛け死容積Vaに導入した吸着質の全量から,そのとき気体として系内に残存し
ている吸着質の量を減じることによって求める。
最初に見掛け死容積Vaに導入した吸着質の標準状態に換算した全量VT (m3) は,次の式によって
求める。
P1VpT0
VT
TP0
ここに, P1 : 最初にVpに取り込んだ吸着質の圧力 (Pa)
P0 : 吸着温度における吸着質の飽和蒸気圧 (Pa)
T0 : 273.2 (K)
T : 室温 (K)
平衡後,気体として系内に残存している吸着質の標準状態に換算した量V'T (m3) は,次の式によ
って求める。
T PeVaT0
V
TP0
ここに, Pe : 試料容器に吸着質を導入した後の平衡圧 (Pa)
したがって,平衡圧Peにおける吸着量Veは,次の式によって求める。
Ve=VT−V'T
備考 (3.4)において測定中における試料容器冷却装置(デュワー瓶)内の液体窒素の液面は,試
料温度が液体窒素温度になるように少なくとも試料粉体から3cm上で維持し,また,液体
表面の上下の変動による死容積の変化が無視できるように液面の変動幅は,2.5mm以内に
抑えることが望ましい。
(3.5) 多点法 多点法は,(3.3),(3.4)において,平衡相対圧 (P/P0) が0.050.35の範囲内で,吸着量を3
5点測定する。
(3.6) 一点法 一点法は,平衡相対圧 (P/P0) が0.30付近における吸着量を一点測定する。
――――― [JIS R 1626 pdf 6] ―――――
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6.2 流動法 流動法は,キャリアガスであるヘリウムと吸着質気体からなる混合ガスの雰囲気下,液体
窒素温度における吸着質の吸着量を,混合ガス中の吸着質の濃度変化から測定する。濃度の測定にはガス
濃度検出器を用いる。混合ガス中の吸着質気体の濃度を適宜変えて,それぞれの濃度における吸着質の吸
着量を測定することによって吸着等温線を求めることができる。
(1) 試料の採取量 試料の採取量は,試料の表面積が表3に示す範囲になるように採取することが望まし
い。
表3 吸着質の種類及び測定に必要な試料表面積の範囲
吸着質 採取試料の表面積 (m2)
窒素 (N2) 1 100
アルゴン (Ar) 0.2 5
クリプトン (Kr) 0.02 0.5
試料は,吸着している水分や不純物を前処理によって除去した後,試料容器ごと0.1mg又は試料量
の有効数字4けたまで質量を測定する。
(2) 前処理 6.1(2)に準じて行う。
(3) 測定操作 測定操作は,次による。
(3.1) 検量 ガスシリンジ,又は既知容積の検量管を用いて既知量の吸着質気体を導入し,導入気体量と
ガス濃度検出器で記録された濃度変化のピーク面積との間の関係を検定しておく。
(3.2) 混合ガスの流量 混合ガスの流量は,0.250.33cm3/sとする。
(3.3) 測定手順 測定手順は,次による。
(3.3.1) 装置に混合ガスを設定流量で流し,装置内が一定温度に達した後,試料を充てんした試料容器を測
定部へ装着する。
(3.3.2) ガス濃度検出器の指示が安定したことを確かめた後,試料容器を試料容器冷却装置に入れた液体窒
素中に浸す。
(3.3.3) 物理吸着が起こって混合ガス中の吸着質濃度が一時減少するが,吸着平衡に達すると再び初期のガ
ス濃度に戻る。吸着量に対応するガス濃度検出器の信号が付図3に示すようにピーク波形として記
録される。
(3.3.4) 吸着信号が基線まで復帰した後,試料容器を試料容器冷却装置から取り外すと,物理吸着していた
吸着質が脱着し,その濃度は増大するので逆方向のピークが記録される。
(3.3.5) この吸着質濃度下における吸着質気体の吸着量Vは,脱離ピークの面積と検量結果との対応から次
の式によって求める。
A PatVst
V V0
A0 RT
ここで, A : 吸着ガスの脱離信号の積算値
A0 : 検量信号の積算値
V0 : 検量ガスの容積 (m3)
Pat : 大気圧 (Pa)
R : 気体定数 (8.314 Pa m3/K mol)
T : 検量ガス採取時の室温温度 (K)
Vst : 標準状態(温度0℃,圧力101.3kPa)における気体1molの容
積2.241×10−2 (m3)
備考 吸着測定中の試料容器冷却装置の液体窒素の液面は,試料温度が液体窒素温度になるように少
なくとも試料粉体より3cm上で維持することが望ましい。
――――― [JIS R 1626 pdf 7] ―――――
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(3.4) 多点法 多点法では,混合ガス濃度を容量535%(P/P0=0.050.35に相当)の範囲で変化させ,
上記と同じ測定操作を繰り返し,種々の濃度における吸着量を35点測定する。
(3.5) 一点法 一点法では,混合ガス濃度30容量%(P/P0=0.3に相当)付近における吸着量を一点測定
する。
7. 測定結果の整理 測定値は次のBET多点法,又はBET一点法のいずれかの方法で整理し報告する。
(1) ET多点法 BET式が成立する平衡相対圧範囲 (0.05と平衡相対圧 (P/P0) 値を用いて,式(2)のBETプロット図を作成する。単分子層吸着量Vmは,BET
プロットの直線部分のこう配と直線の外挿によって求めた切片の値を式(3)に代入して算出する。
(2) ET一点法 平衡相対圧 (P/P0) が0.3付近で測定した吸着量 (V) と平衡相対圧 (P/P0) を用い,式(5)
から単分子層吸着量 (Vm) を算出する。
8. 計算 試料の比表面積Swは,次の式によって計算する。
NVm
SW
VstW
ここに, 分子断面積 (m2)
N : アボガドロ数 6.022×1023
Vst : 吸着質分子1molの標準状態(温度0℃,圧力101.3kPa)に
おける気体の体積2.241×10−2 (m3)
W : 採取試料量 (g)
9. 記録 記録は,次の事項を記載する。付表1,付表2に多点法と一点法の例を示す。
(1) 試料名
(2) 試料の前処理方法(処理温度,圧力及び時間)
(3) 試料の採取量
(4) 吸着量の測定方法(定圧法,定容法又は流動法)
(5) 使用した吸着質及びその分子断面積
(6) 測定圧力
多点法の場合 : 測定した平衡相対圧 (P/P0) 又は吸着平衝にある吸着質の気体の圧力 (P) の範囲,
及びBETプロットが直線を示す圧範囲とBETのC値
一点法の場合 : 測定した平衡相対圧 (P/P0) 又は吸着平衡にある吸着質の気体の圧力 (P)
(7) 比表面積の値
――――― [JIS R 1626 pdf 8] ―――――
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付表1 測定結果の記載例(多点法)
項目 内容
(1) 試料名 酸化ジルコニウム
(2) 試料の前処理方法
処理温度 300℃
圧力 0.1Pa以下の減圧下
時間 2h
(3) 試料の採取質量 4.667g
(前処理後測定)
(4) 吸着量の測定方法 定容法
(5) 吸着質及び分子断面積 N2,16.2×10−20m2
(6) 平衡相対圧 (P/P0) の測
定範囲及びBETプロット
の直線範囲とC値
測定範囲 0.0010.443
直線範囲 0.022 40.369
C値 114
(7) 比表面積の値 15.85m2/g
付表2 測定結果の記載例(一点法)
項目 内容
(1) 試料名 酸化ジルコニウム
(2) 試料の前処理方法
処理温度 300℃
圧力 N2ガスフロー,大気圧
時間 30min
(3) 試料の採取質量 4.667g
(4) 吸着量の測定方法 定容法
(5) 吸着質及び分子断面積 N2, 16.2×10−20m2
(6) 測定平衡相対圧 (P/P0) 0.3
(7) 比表面積の値 15.64m2/g
――――― [JIS R 1626 pdf 9] ―――――
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付図1 容量法による気体吸着量測定装置の概略
付図2 流動法による気体吸着量測定装置の概略
――――― [JIS R 1626 pdf 10] ―――――
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JIS R 1626:1996の国際規格 ICS 分類一覧
- 81 : ガラス及びセラミック工業 > 81.060 : セラミックス > 81.060.30 : ニューセラミックス
JIS R 1626:1996の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0114:2012
- ガスクロマトグラフィー通則
- JISR1600:2011
- ファインセラミックス関連用語