JIS R 1627:1996 マイクロ波用ファインセラミックスの誘電特性の試験方法

JIS R 1627:1996 規格概要

この規格 R1627は、マイクロ波フィルタ及び発振器に用いる低損失誘電体共振器ファインセラミックス材料の,マイクロ波帯における誘電特性の試験方法について規定。

JISR1627 規格全文情報

規格番号
JIS R1627 
規格名称
マイクロ波用ファインセラミックスの誘電特性の試験方法
規格名称英語訳
Testing method for dielectric properties of fine ceramics at microwave frequency
制定年月日
1996年7月1日
最新改正日
2016年10月20日
JIS 閲覧
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対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

81.060.20
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
ファインセラミックス 2018
改訂:履歴
1996-07-01 制定日, 2001-12-20 確認日, 2007-02-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS R 1627:1996 PDF [12]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
R 1627-1996

マイクロ波用ファインセラミックスの誘電特性の試験方法

Testing method for dielectric properties of fine ceramics at microwave frequency

1. 適用範囲 この規格は,主にマイクロ波フィルタ及び発振器に用いる低損失誘電体共振器用ファイン
セラミックス材料の,マイクロ波帯における誘電特性の試験方法について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 0601 表面粗さ−定義及び表示
JIS B 7502 マイクロメータ
JIS R 1600 ファインセラミックス関連用語
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS R 1600によるほか,次のとおりとする。
(1) 複素比誘電率 攀 ベクトル表示による交流電界の強さE (V/m) と交流
Complex relative permittivity)
電束密度D (C/m) の複素比を,真空の誘電率 攀 8.854×10−12F/m) で除した値。
D
r 0 (1)
E
複素比誘電率の実数成分を 比誘電率という。),虚数成分を 攀爰 次の式で表さ
れる。
攀 j (2)
(2) 誘電正接tan Loss factor)誘電体損失角 湫 。複素比誘電率の実数成分・虚数成分を使うと,
tan 次の式で表される。
tan (3)
(3) 誘電率の温度係数 TC 攀 Temperature coefficien of permittivity)
誘電率の温度による変化率を,対応する温度の変化分で除した値。
T ref
TC 10 6(ppm/K) (4)
ref (TTref )
ここに, 攀 温度Tにおける誘電率 (F/m)
攀攀替 基準温度Trefにおける誘電率 (F/m)
共振周波数の温度に
(4) 共振周波数の温度係数 TCF (Temperature coeficient of reasonance frequency)
よる変化率を,対応する温度の変化分で除した値。

――――― [JIS R 1627 pdf 1] ―――――

2
R 1627-1996
fT fref
TCF 10 6(ppm/K) (5)
Tref )
fref (T
ここに, fT : 温度Tにおける共振周波数 (kHz)
fref : 基準温度Trefにおける共振周波数, (kHz)
備考 TCFは,誘電体材料に固有の値であり,誘電率の温度係数TC 梏 似的に次の式で表される。
1
TCF TC (6)
2
ここに, 懿 誘電体の線膨張係数
導体の表面から内部へ流れ込む電磁場の散逸を表す等価抵抗。導体
(5) 表面抵抗Rs (Surface resistance)
板の導電率を Rsは次の式で表される。
Rs ( 圀 (7)
ここに, 導体板の透磁率 (H/m)
(6) 比導電率 Relative conductivity) EC 28に規定する国際標準軟銅の20℃における導電率 =5.8000
×107S/m) に対する導体板の導電率 湫 。
r (8)
0
3. 試験項目 試験項目は,比誘電率 誘電正接tan 共振周波数の温度係数TCF及びtan 湮 依
存性とする。
なお,この試験が適用できる測定周波数, びtan 囲は,次のとおりである。
また,特に指定がない限り,TCF及びtan 湮 依存性の測定温度範囲は,−40+85℃とする。
測定周波数 : 220GHz
: 5500
tan : 10−510−2
4. 測定原理 この方法では,誘電体円柱試料の両端面を2枚の平行導体板で短絡して,TE011*モードの
誘電体共振器を構成する。誘電体共振器の共振周波数 (f0) と無負荷Q (Qu) は,試料の tan 寸法及
び導体板の比導電率によって決定される。したがって,共振周波数 (f0) と無負荷Q (Qu) を測定して,
とtan 図1参照)。
また,TE011モードの−40+85℃におけるf0とQuを測定し,TCF及びtan 湮 依存性を求める。
注* 導波路の軸に垂直な平面上に電界があるモードを横電界姿態 (Transverse Electric Mode) といい,
TEモードと略称する。これについているサフィックスは,左から順に円筒座標の軸回り方向,
径方向,軸方向の電界強度の節又は腹の数を示している。

――――― [JIS R 1627 pdf 2] ―――――

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R 1627-1996
図1 平行導体板によって両端が短絡された誘電体円柱試料
5. 試験環境 特に指定がない限り,試験環境の温度は25±2℃とし,相対湿度は (50±10) %とする。
6. 装置及びジグ
6.1 装置 装置の構成例を図2に示す。高安定な標準信号発生器(シンセサイズ制御された掃引発振器
が望ましい)から出たRF信号は,電力分配器で2分割され,その方は基準信号としてネットワーク・ア
ナライザへ戻り,他方はテスト信号として試料を装着したジグへ到達する。試料を透過したテスト信号は,
基準信号との振幅比として,縦軸に透過減衰表,横軸に周波数の形でディスプレイ上に表示される。この
測定においては,透過電力の振幅情報だけが必要であり,位相情報は不要である。
TCF及びtan 湮 依存性を測定する場合には,測定温度において±1℃の制御ができる恒温槽を使用
する。
図2 試験装置
6.2 ジグ

――――― [JIS R 1627 pdf 3] ―――――

4
R 1627-1996
6.2.1 愀 用ジグ 愀 用ジグは,2枚の導体板と2本の結合励振ケーブルで構
成する(図3参照)。2枚の導体板は,互いに平行を保ちつつ間隔を調整することが可能でなくてはならな
い。
表1に導体板の寸法と材質を示す。導体板は高い導電率をもつ必要があるため,その表面粗さをJIS B
0601に規定する0.100 刀慎 下にしておく。このため,導体板は適宜研磨しながら使用する。
結合励振ケーブルは,特性インピーダンスが50 地柿 ふっ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)で絶
縁された同軸ケーブルとし,直径が3.58mm,2.20mm,1.20mmのいずれかのものを,試料高さに応じて使
い分ける。結合励振ケーブルの先端には,直径2mm程度のループアンテナを形成し,ループ面を導体板
の面と平行に固定する。2本の結合励振ケーブルは互いに左右に移動して,間隔を調整することができる
構造にする。結合励振ケーブルと導体板を直流的に同電位にするため,ケーブルの外導体が導体板に軽く
接触する構造にする。基準レベル測定ケーブルは全透過レベルを測定するためのもので,その長さは上記
の結合励振ケーブル2本分の長さとする。
図3 愀 用ジグ
表1 導体板の寸法及び材質
項目 規定
直径 試験試料の直径の34倍程度
厚さ 35mm
材質 銀,銅又は厚み5 上の銀めっきを施した導体
6.2.2 TCF及びtan 湮 依存性の試験用ジグ TCF及びtan 湮 依存性の試験用ジグは,6.2.1の装
置の導体板をばねで抑えた構造とする。ジグの一例を図4に示す。

――――― [JIS R 1627 pdf 4] ―――――

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R 1627-1996
図4 TCFとtan 湮 依存性の測定用ジグ
7. 標準試料による導体板の比導電率の測定 測定は,試験試料の測定に先立って,導体板の比導電率 (
を測定する。
なお,数日にわたって測定する場合は,試験試料の測定に先立って毎日必ず標準試料を用いて 爰湮 定
を行う。
(1) 標準試料 標準試料は,直径が等しく,一方の高さが他方の高さの整数倍(通常は3倍)に等しい一
組の誘電体円柱試料を使用する(図5参照)。これらの試料は互いに 愀 地估估
ず,試料の端面は軸に垂直でなくてはならない。このため,通常は2個の標準試料を一つの誘電体円
柱から切り出すなどの工夫をする。
標準試料の具体例を表2に示す。試料の材質には,tan びTCFが小さい誘電体共振器材料や,2個
の試料間の特性差が小さいAl2O3単結晶が用いられる。
図5 導体板の比導電率の測定に用いる標準試料
表2 標準試料の寸法例と共振周波数
材質 己 ード 直径(mm) 高さ(mm) f0 (GHz)
(Zr, Sn) TiO4 38 TE011 10.0 4.7 7.035
TE013 10.0 14.1 7.035
Ba(Zn, Ta) O3 30 TE011 10.0 4.7 7.914
TE013 10.0 14.1 7.914
Ba(Mg, Ta) O3 24 TE011 10.0 4.7 8.844
TE013 10.0 14.1 8.844
Al2O3単結晶 9.4 TE011 10.0 5.0 13.554
(端面⊥C軸) TE013 10.0 15.0 13.554
(2) 測定条件
(a) 導体板の表面にきずがついたり,酸化膜が発生した場合は,測定に先立って導体板表面を化学研磨
剤などで鏡面研磨する。

――――― [JIS R 1627 pdf 5] ―――――

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