JIS R 2001:1985 耐火物用語

JIS R 2001:1985 規格概要

この規格 R2001は、耐火物に関して用いられる用語について規定。

JISR2001 規格全文情報

規格番号
JIS R2001 
規格名称
耐火物用語
規格名称英語訳
Glossary of terms used in refractory
制定年月日
1965年2月1日
最新改正日
2015年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

01.040.81, 81.080
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1965-02-01 制定日, 1968-04-01 確認日, 1971-04-01 確認日, 1974-12-01 確認日, 1978-01-01 確認日, 1985-03-01 改正日, 1991-03-01 確認日, 1994-07-01 確認日, 1999-10-20 確認日, 2006-03-25 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS R 2001:1985 PDF [17]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
R 2001-1985

耐火物用語

Glossary of Terms Used in Refractory

1. 適用範囲 この規格は,耐火物に関して用いられる主な用語について規定する。
引用規格 : 16ページに示す。
2. 分類 耐火物用語は,次の6分類とする。
(1) 一般
(2) 原料及び鉱物
(3) 製造
(4) 耐火物の種類
(5) 窯炉及び耐火物の形状
(6) 特性及び試験方法
3. 用語,読み方及び意味 用語,読み方及び意味は,次のとおりとする。
(1) 一般
番号 用語 意味 対応英語(参考)
102 仮焼 calcination
生原料を物理的又は化学的に変化させるために予
(かしょう) 備的に行う熱処理。
103 可塑性 plasticity
形を作りうる性質,特に粘土に著しい性質で,この
(かそせい) 可塑性によってき裂を生じさせることなく成形し,
新しい形状を保たせることができる。
104 角欠け edge defect,
れんがの角及びりょうの一部が破壊,はく離等によ
(かどかけ) って損失した状態。 corner defect
105 塑性変形 plastic deformation
外力に対して破壊することなく変形し,外力を取り
(そせいへんけい) 去ってもそのままの形を保つような変形。
106 き裂 crack
表面き裂と断わらない限り,製品の表面から内部に
広がつた裂け目。
107 きず flaw
焼成によって,れんがに生じた甚だしい汚染,はん
点及び溶融孔等。
108 クリンカー clinker
マグネシア,ドロマイト等が強固に焼け固まったも
の。
109 鉱化剤 mineralizer
焼成によってある種の化合物の生成及びその結晶
化を促進助成させるために,少量添加する物質(原
料中に存在することもある。)。
112 シェリング, shelling,
加熱面の背後のき裂によって耐火物の加熱表面部
ピーリング, 分がはく離消失すること。 peeling,
フレーキング flaking
113 焼結(焼固) 焼成によって粒子間に結合を起こさせる現象。sinter (vitrification)

――――― [JIS R 2001 pdf 1] ―――――

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R 2001-1985
番号 用語 意味 対応英語(参考)
114 素地 green,
成形品の乾燥前又は成形,乾燥を終わり焼成する前
(しらじ) の中間製品。 green body
115 浸食 corrosion,
耐火物が熱間でガス,スラグ溶融物等と接触したと
erosion
きに,これらと反応して低融点の物質を作ったり,
組織を弱めたり,又は溶融物の摩擦その他の外力に
よって劣化消耗していくこと。
116 失透 devitrification
ガラス物質がその中に結晶を晶出し,不透明になる
(しっとう) こと。
117 スラグ slag
金属の融解精錬時に原料中の不要成分が酸化カル
シウム等のフラックス成分と結合して生成される
もの。
119 セラミックボンド ceramic bond
焼成によって窯業品の粗粒子成分間に生成し,それ
を結合しているガラス質又は結晶物質。焼成品に機
械的強度を与える。
120 組織 texture
耐火物製品中の種々の形や大きさの気孔や粒子の
間の関係。
121 反り 曲がり,ねじれ又はゆがみ。 warpage
(そり)
122 耐火物 1 500℃以上の定形耐火物及び最高使用温度が refractory,
refractory product,
800℃以上の不定形耐火物,耐火モルタル並びに耐
火断熱れんが。 refractory material
123 耐火れんが refractory brick
窯炉その他高温で使用する構造物の構築に適する
種々の形を持った耐火物。
124 ダスチング dusting
物理化学的な変態転移によって自然に粉化するこ
と。
126 転移 inversion,
一般に温度の変化によって物質の結晶形が変化す
ること。 conversion,
transition
127 鉄はん点 iron spot
れんがの中に鉄又はその化合物粒からできた黒色
のはん点。
128 熱衝撃 thermal shock
スポーリングの原因となりやすい温度の急激な変
(ねつしょうげき) 化。
129 バッチ batch
製造工程において一括して扱われる一群の単位。例
えば,適当な割合で混合される各原料の量又はその
ように混合された混合物。
130 バースティング bursting
容積の永久膨脹による崩壊であって,特にクロム・
マグネシア質耐火物が酸化鉄を吸収した場合生じ
る現象。
131 風化 weathering
大気にさらされることによって,酸化されたり,特
(ふうか) 定の不純物が溶解したり,その一部が消失したりす
る変質現象。
132 ボンド 混合物の個々の粒子を相互に結び付けているもの。 bond
133 モノリシック 目地なしの大形の一体物。 monolithic
134 溶固,磁器化 vitrification
熱処理によって製品中にガラス相が相当量生成し
(ようこ,じきか) て,見掛気孔率がほとんどなくなるように変化する
こと。
135 ラミネーション lamination
組織の方向性欠陥であって,耐火物の成形時に生成
することがある。
136 消化 slaking
カルシア,マグネシア及びドロマイトの仮焼物等が
(しょうか) 水分を吸収反応して水酸化物となる現象。

――――― [JIS R 2001 pdf 2] ―――――

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R 2001-1985
番号 用語 意味 対応英語(参考)
138 凝結 setting
形を保持しうるような状態。セメント類に水を加
(ぎょうけつ) え,固まる過程で次第に流動性を失い一定の形を保
持する状態をいう。
139 結合剤 binder
耐火物の主原料を結合して一体とさせるために使
用する材料で,粘土,けい酸ソーダ,石灰乳その他
種々の材料が使用される。
140 セグリゲーション segregation
混合された材料の粒度,粒形の均質度が低下する現
象。
141 密閉気孔率 水又はガスが容易に浸入しえない気孔。 closed pore
142 養生 ageing
材料の温度や乾燥の保護又は積極的に加熱して硬
(ようじょう) 化を促進させたり,冷却して発熱を制限したりする
こと。
(2) 原料及び鉱物
番号 用語 意味 対応英語(参考)
201 アルミナ 酸化アルミニウム (Al2O3) alumina
202 ウォラストナイト wollastonite
天然又は人工のメタけい酸カルシウム (CaSiO3)
203 カイヤナイト kyanite
アンダルサイト,シリマナイトと同じAl2O3・SiO2
の化学組成を持った同質多形鉱物の中の一つ。ま
た,この鉱物を主成分とする岩石にも,この用語が
使用される。
204 カオリン kaolin
比較的大きなカオリナイトの結晶からできている
一次又は二次の粘土。可塑性は大きく,白く焼き上
がる。
205 カオリナイト kaolinite
カオリナイト族の代表的な粘土鉱物で,カオリンの
主要構成鉱物である。
206 かんらん石 olivine
一般式R2SiO4(RにMg, Fe又はCa)で表される鉱
物の族名。天然には鉄かんらん石を固溶するフォル
ステライトとして産する。
207 海水マグネシアクリンカー 海水から製造したマグネシアクリンカー。 sea-water magnesia
clinker,
sea-water magnesite
clinker
208 玉髄 潜晶質繊維状の石英 chalcedony
(ぎょくずい)
209 ギブサイト gibbsite
アルミナの3水和物 (Al2O3・3H2O) の一つ。また,
これを主成分とする鉱石にもこの用語が使用され
る。
210 クロム鉄鉱 chromite
端成分は,鉄・クロムのスピネル。 (FeO・Cr2O3)。
一般に産出するものは (Fe, Mg) ・O・ (Fe, Al, Cr) 2・
O3の固溶体の形。
211 クリストバライト 結晶性シリカの同質多形鉱物の一つ。 cristobalite
212 クロムスピネル chrome spinel
三二酸化物 (R2O3) が酸化クロム (Cr2O3) である
スピネル。クロムを主成分の一つとして含有するス
ピネル。
213 けい藻土 diatomaceous earth
珪藻(けいそう)の遺体が水底に堆積した多孔質の
シリカを主成分とするもの。

――――― [JIS R 2001 pdf 3] ―――――

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R 2001-1985
番号 用語 意味 対応英語(参考)
214 コージライト cordierite
天然又は人工のマグネシウムのアルミノシリケー
ト,コージライトにはマンガン又は鉄を含有するも
のもある。また,これを主成分とする岩石にもこの
用語が使用される。
215 コランダム 懿 アルミナ。1 000℃以上で安定なアルミナの形でcorundum
ある。
216 黒鉛 graphite,
炭素の同質多形鉱物。(鉱物名は石墨[せきぼく],
原料名は黒鉛)。 plumbago
217 蛇紋岩 serpentine
含水けい酸マグネシウムの一つ (3MgO・2SiO2・
(じゃもんがん) 2H2O) で鉱物的グループの名称。また,これを主
成分とする岩石にもこの用語が使用される。
218 シリカ 二酸化けい素 (SiO2) silica
219 シリマナイト sillimanite
アンダルサイト,カイヤナイトと同じAl2O3・SiO2
の化学組成を持った同質多形鉱物の中の一つ。ま
た,この鉱物を主成分とする岩石にもこの用語が使
用される。
220 ジルコン zircon
ジルコニウムオルトけい酸塩 (ZrSiO4)。また,これ
を主成分とする岩石にもこの用語が使用される。
221 ジルコニア 二酸化ジルコニウム (ZrO2) zirconia
222 シャモット chamotte,
粘土を焼いたもので,非可塑性原料として用いるも
のの総称。 grog
223 スピネル spinel
一般式R"O・R2"'O3(R"及びR"'は,各々二価及び三
価の金属)を持つ等軸晶系の鉱物。また狭義ではア
ルミン酸マグネシウム (MgO・Al2O3) をいう。
224 石こう 硫酸カルシウムの2水和物 (CaSO4・2H2O) gypsum
225 石英 結晶性シリカの同質多形鉱物の一つ。 quartz
226 炭化けい素 silicon carbide
SiCの化学組成を持つ人造鉱物。工業製品は不純な
ことがある。
227 ダイアスポア diaspore
アルミナの1水和物の一つ。また,これを主成分と
する鉱石にもこの用語が使用される。
228 耐火粘土 fire clay
主としてカオリン質鉱物と遊離石英と,他の微量の
成分を含む高温に耐える粘土。
229 チタニア 二酸化チタニウム (TiO2) titania
230 鉄かんらん石 fayalite
かんらん石族の一つ。化学成分はオルトけい酸鉄
(Fe2SiO4)。
231 天然黒鉛 plumbago,
天然に産する黒鉛で,りん状及び土壌黒鉛とがあ
る。 (graphite)
232 トリジマイト 結晶性シリカの同質多形鉱物の一つ。 tridymite
233 ドロマイト dolomite
カルシウム,マグネシウムの複炭酸塩鉱物。また,
これを主成分とする岩石にもこの用語が使用され
る。
234 粘土 clay
粘土鉱物を主体とする岩石,土壌で微粉末にすると
可塑性を持つもの。
235 ハロイサイト カオリナイト族の粘土鉱物の一つ。 halloysite
236 パーライト 天然ガラスの一種で,加熱すると著しく膨張する。 pearlite
237 パイロフィライト pyrophyllite
含水けい酸アルミニウムの一つ (Al2O3・4SiO2・
H2O)。また,これを主成分とする岩石にもこの用
語が使用される。
238 ひる石 vermiculite
加熱すると非可逆的に膨張する雲母(うんも)鉱物
の一つ。

――――― [JIS R 2001 pdf 4] ―――――

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R 2001-1985
番号 用語 意味 対応英語(参考)
239 フリントクレー flint clay
比較的硬く,質はち密で,貝がら状の破砕面を持つ
一種の粘土であって,可塑性はほとんどない。
240 フォルステライト forsterite
かんらん石族の一つ。化学成分は,オルトけい酸マ
グネシウム (Mg2SiO4)。
241 ベントナイト bentonite
非常に可塑性に富んだモンモリロナイト質粘土。本
質的には火山灰の変質物。
242 ベーマイト アルミナの1水和物の一つ (Al2O3・H2O)。 boehmite
243 ヘルシナイト hercynite
酸化第一鉄とアルミナのスピネル (FeO・Al2O3)。
244 ペリクレース マグネシア (MgO) の結晶。 periclase
245 ボールクレー 非常に可塑性に富んだカオリナイト質の二次粘土。 ball clay
246 ボーキサイト bauxite
アルミナの水和物(ダイアスポアー,ギプサイト及
びベーマイト)の一つ又はこれらの混合物を主成分
とした水成岩。粘土鉱物や鉄水酸化物をも含有して
いる。
247 マグネサイト magnesite
炭酸マグネシウム鉱物。英米では,その焼成物及び
それから製造した耐火物については正確にはマグ
ネシアというべきであるが,この用語が使用されて
いる。
248 マグネシアクリンカー magnesite clinker
天然のマグネサイト又は海水などから分離した水
酸化マグネシウムを高温で焼成して作り,ベリクレ
ースを主成分としている。
249 ムライト mullite
3Al2O3・2SiO2の基本的な化学式を持ったアルミナ
のけい酸塩。
250 モンチセライト monticellite
かんらん石族の一つ。カルシウムとマグネシウムの
オルトけい酸塩 (CaO・MgO・SiO2)。
251 モンモリロナイト montmorillonite
アルミニウムの含水けい酸塩を主体とする粘土鉱
物の一つ。ベントナイトの主な鉱物である。
252 synthetic dolomite
合成ドロマイトクリンカー 天然ドロマイトで作るクリンカーに比して,耐火物
clinker
に適切かつ安定な品質になるように合成した,マグ
ネシア・カルシア系クリンカー。
253 合成ムライト synthetic mullite
カオリンに高アルミナ質原料を配合し焼成するな
どの方法で合成したムライト質原料。
254 焼結アルミナ 高アルミナ質原料を窯炉で焼結したもの。 sintered alumina
255 電融アルミナ 高アルミナ質原料を電気炉で溶融したもの。 fused alumina
256 電融マグネシア マグネシア原料を電気炉で溶融したもの。 fused magnesia
257 ドロマイトクリンカー 天然ドロマイトを硬焼したもの。 dolomite clinker
(3) 製造
番号 用語 意味 対応英語(参考)
301 鋳込み casting
流動性をもたせた原料を型に流し込んでそのまま
(いこみ) 固まらせて形を作ること。
302 エッジランナーミル edge-runner mill
材料を粉砕,混合又は混練する機械の一つ。1ない
し多数の大きなロール又はランナーが一つの台又
は盤の上に置かれて回転し,その重みによって固体
を押しつぶしたり,粉砕したり又は混練したりす
る。
円盤が固定してロールが回転するものと,盤が回転
してロールがそれに伴って回転するものや,盤の底
に多数の小孔のあいたものもある。

――――― [JIS R 2001 pdf 5] ―――――

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