5
R 2616 : 2001
5.2 熱線法の操作 熱線法の操作は,次によって行う。
(1) 試験片をあらかじめ110±5℃で恒量(11)になるまで乾燥する。
注(11) 測定した質量が,1g以上の差がなければ恒量とする。
(2) 中央部に熱電対の温接点が溶接された熱線を,図3のように熱線が長手方向と平行になるように試験
片の間に挟み込み,熱線と試験片の間が密着するようにする。
(3) 試験片を炉内に設置し,炉内温度を所定の温度に昇温し,熱線の中央部に溶接した熱電対の熱起電力
の5分間における変動が±0.1℃以内であることを確認する。
(4) 熱起電力消去電圧発生器によって,熱線に溶接した熱電対が発生している熱起電力を消去し,熱線に
一定電流(12)を流す。次に,電流を流し始めてからの熱線上昇温度分だけの熱起電力を記録計によって
記録(13)する。
注(12) 電流値は,0.5級以上の精度をもつ電流計で0.01Aまで読み取る。電流は,0.5分から5分までの
間に310℃上昇するように調節する。
(13) 記録計は,200250mm幅のもので,R熱電対を用いた場合のフルスケールは250 囿 K熱電
対を用いた場合は1 000 鉗逸 とする。
(5) 得られた熱線の温度上昇曲線から,0.5分の間隔で熱電対の出力を最小1 みとり,基準熱起
電力表によって温度 (℃) に換算し,その値を四捨五入により最小0.1℃に丸める。
5.3 測定結果の評価
(1) 熱線への供給電流が,測定中に2%以上変化した場合はその結果を採用せず,同じ電流値で測定をや
り直す。
(2) 経過時間に対する熱線温度の上昇は,対数関係になる。したがって,横軸に時間の常用対数,縦軸に
5.2(5)で得られた温度をプロットすると,直線関係が得られる。もしも十分な直線関係が得られない場
合は,測定試料が本測定法の必要条件を満たしていない,又は測定に誤りがあったということであり,
再測定を行う。
(3) 経過時間と上昇温度の対数プロットで,測定初期及び測定終期の直線関係が得られない時間帯は熱伝
導率の計算に含めない。
6. 計算
6.1 熱流法の試験片の熱伝導率 W/m・K) 及び平均温度 ℃) は,次の式によって計算し,四捨五入に
より小数点以下2けたに丸める。
l・ t1
0 100
t2 t1 2 1
1 2
2
ここに, 試験片の平均温度 ℃) における熱伝導率 (W/m・K)
補償用ヒーターのワット数 (W)
槿 試験片の厚さ (cm)
懿 試験片の断面積 (cm2)
t1 : 補償用ヒーターを使用しない場合の熱量測定用水の入水口
と出水口の温度差 (℃)
t2 : 補償用ヒーターを使用した場合の熱量測定用水の入水口と
出水口の温度差 (℃)
試験片と受熱棒の接面温度 (℃)
――――― [JIS R 2616 pdf 6] ―――――
6
R 2616 : 2001
試験片と加熱棒の接面温度 (℃)
6.2 熱線法の試験片の熱伝導率 W/m・K) は,次の式によって算出し,四捨五入により小数点以下2け
たに丸める。
t2
2
ln
I R t1
泰 ・ W / m・K
4
又は次式による。
t2
2
log
I R t1
.2303 ・ W / m・K
4 2 1
ここに, 熱伝導率 (W/m・K)
I : 熱線に流した電流値 (A)
R : 熱線(14)の電気抵抗( 圀一
懿 試験片の断面積 (cm2)
t1, t2 : 熱線に通電後の時間(15) (min)
t1, t2における熱線の温度 (℃)
注(14) 熱線の電気抵抗値は(1)又は(2)による。
(1) 測定に使用する熱線1m当たりの各温度における電気抵抗値をあらかじめ測定する。測定
はJIS C 2526による。
使用する抵抗の値は通常1/2( における抵抗値とする。この場合は劣化した熱線
は使用しないようにする。
(2) 熱伝導率の測定に当たって,その都度図2の電圧測定端子を用いて熱線の電気抵抗値を測
定する場合は,熱線に取り付けた電圧測定端子間 (A−B) を0.1mmの単位まで正確にはか
り,これに微少電流を流したときに発生する電圧から,熱線の電気抵抗値を測定する。熱
伝導率の算出に当たっては,得られた測定値を1m当たりの電気抵抗値Rに換算して使用
する。
(15) 一般にはt1, t2を2分,10分とするが,熱線の上昇温度と測定時間の対数の間に直線関係が確認
されれば,各々0.5分と5分としてもよい。
7. 報告
7.1 熱流法により測定された断熱れんがの熱伝導率は,2回の測定値の平均値を四捨五入により小数点以
下2けたに丸めて試験温度とともに報告する。報告には以下の項目を含めるものとする。
a) 測定日時
b) 測定試料(製造者,品種等試料を特定できる事項)
c) 炉内雰囲気
d) 平均温度とこれに対応する熱伝導率の計算値
e) 測定が熱流法で行われた旨の記述
7.2 熱線法により測定された断熱れんがの熱伝導率の報告には,以下の項目を含めるものとする。
f) 測定日時
g) 測定試料(製造者,品種等試料を特定できる事項)
h) 熱線及び熱電対の種類
――――― [JIS R 2616 pdf 7] ―――――
7
R 2616 : 2001
i) 炉内雰囲気
j) 測定温度及び3回の熱伝導率の測定値とその平均値を四捨五入により小数点以下2けたに丸めた値
k) 測定が熱線法で行われた旨の記述
――――― [JIS R 2616 pdf 8] ―――――
R2
8
6
附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表
16:2001
JIS R 2616 : 2001 耐火断熱れんがの熱伝導率の試験方法 ISO 8894-1 : 1987 Refractory materials−Determination of thermal conductivity Part 1 :
Hot-wire method (cross-array)
和訳 耐火物−熱伝導率の測定方法−熱線法(クロス法)
(1) (II)国際規 (III)国際規格の規定 (V) ISと国際規格との技術的差異の理
(IV) ISと国際規格との技術的差異の項目ごと
JISの規定 格番号 の評価及びその内容 由及び今後の対策
表示箇所 : 本文中
表示内容 : 点線の下線
項目番号 内容 項目 内容 項目ごとの 技術的差異の内容
番号 評価
1. 適用範囲 耐火断熱れ ISO 1 耐火断熱れんがの MOD/追加 JISにおいては,試験方法とし 日本では,熱流法が広く用いられてき
んがの熱伝 8894-1 熱伝導率の試験方 て熱流法を追加している。 た経緯があり,現時点でJISの規定を熱
導率の試験 法を規定 線法のみにすると,混乱が生じる可能性
方法を規定 が大きい。
1試験方法 1試験方法は,熱線 ただし,今後は熱線法への移行を進
は,熱流法と 法のみ め,次回のJIS改正時には,熱線法へ一
熱線法の2 本化することを検討する予定である。
種類
2それぞれ 2熱線法が適用で
の試験方法 きる温度範囲は,
が適用でき 1250℃以下
る温度範囲
は
・熱流法 :
400℃以下
・熱線法 :
1250℃以下
――――― [JIS R 2616 pdf 9] ―――――
(1) (II)国際規 (III)国際規格の規定 (V) ISと国際規格との技術的差異の理
(IV) ISと国際規格との技術的差異の項目ごと
JISの規定 格番号 の評価及びその内容 由及び今後の対策
表示箇所 : 本文中
表示内容 : 点線の下線
項目番号 内容 項目 内容 項目ごとの 技術的差異の内容
番号 評価
2. 引用規格 JIS C 1602 ISO 8894-1 2 ISO 5022 MOD/追加 JISとISOとの整合性に,さほど影響を
JISにおいては,使用する装置,
JIS C 2520 及ぼす内容ではない。
測定手順等をよりわかりやすく
JIS C 2526 するために,具体的な装置,手
順等を引用規格を用いて説明し
ている。
3. 装置 “熱流法に ISO 8894-1 5 “熱線法による試 MOD/追加 JISにおいては,“熱流法によ 日本では,熱流法が広く用いられてき
よる試験装 験装置”について規 た経緯があり,現時点でJISの規定を熱
る試験装置”に関する規定を追
置”と,“熱 定している。 加している。 線法のみにすると,混乱が生じる可能性
線法による が大きい。
試験装置”に ただし,今後は熱線法への移行を進
ついて規定 め,次回のJIS改正時には,熱線法へ一
している。 本化することを検討する予定である。
4. 試験片 “熱流法試 ISO 8894-1 6 “熱線法試験用の MOD/追加 JISにおいては,“熱流法試験 日本では,熱流法が広く用いられてき
験用の試験 試験片”について規 た経緯があり,現時点でJISの規定を熱
用の試験片”に関する規定を追
片”と,“熱 定している。 加している。 線法のみにすると,混乱が生じる可能性
線法試験用 が大きい。
の試験片”に ただし,今後は熱線法への移行を進
ついて規定 め,次回のJIS改正時には,熱線法へ一
している。 本化することを検討する予定である。
5. 操作 “熱流法の ISO 8894-1 7 “熱線法の操作方 MOD/追加 JISにおいては,“熱流法の操 日本では,熱流法が広く用いられてき
操作方法” 法”を規定してい た経緯があり,現時点でJISの規定を熱
作方法”に関する規定を追加し
と,“熱線法 る。 ている。 線法のみにすると,混乱が生じる可能性
の操作方法” が大きい。
R2
を規定して ただし,今後は熱線法への移行を進
いる。 め,次回のJIS改正時には,熱線法へ一
616:
本化することを検討する予定である。
200
9
1
――――― [JIS R 2616 pdf 10] ―――――
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JIS R 2616:2001の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 8894-1:1987(MOD)
JIS R 2616:2001の国際規格 ICS 分類一覧
- 81 : ガラス及びセラミック工業 > 81.080 : 耐火物
JIS R 2616:2001の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC1602:2015
- 熱電対
- JISC2520:1999
- 電熱用合金線及び帯
- JISC2526:1994
- 金属抵抗材料の電気抵抗―温度特性試験方法