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JIS C 2520:1999 規格概要
この規格 C2520は、ニッケル及びクロム,又は鉄,クロム及びアルミニウムを主成分とし,発熱体に用いる電熱用合金の線及び帯について規定。
JISC2520 規格全文情報
- 規格番号
- JIS C2520
- 規格名称
- 電熱用合金線及び帯
- 規格名称英語訳
- Wires and rolled wires for electrical heating
- 制定年月日
- 1953年8月21日
- 最新改正日
- 2019年10月21日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- IEC 60182-4:1971(NEQ)
- 国際規格分類
ICS
- 29.060.10
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 非鉄 2021
- 改訂:履歴
- 1953-08-21 制定日, 1956-08-21 確認日, 1958-12-16 改正日, 1961-10-01 確認日, 1964-12-01 確認日, 1965-10-01 改正日, 1968-12-01 確認日, 1972-05-01 改正日, 1975-08-01 改正日, 1978-10-01 確認日, 1986-07-01 改正日, 1992-05-01 確認日, 1999-12-20 改正日, 2005-02-20 確認日, 2009-10-01 確認日, 2014-10-20 確認日, 2019-10-21 確認
- ページ
- JIS C 2520:1999 PDF [19]
C 2520 : 1999
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS C 2520 : 1986は改正され,この規格に置き換えられる。
JIS C 2520には,次に示す附属書がある。
附属書1(参考) 線及び帯の温度による電気抵抗の比
附属書2(参考) 線及び帯の温度による電気抵抗の比試験方法
(pdf 一覧ページ番号 )
――――― [JIS C 2520 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
C 2520 : 1999
電熱用合金線及び帯
Wires and rolled wires for electrical heating
序文 この規格は,1971年に第1版として発行されたIEC 60182-4, Basic dimensions of winding wires−Part
4 : Diameters of conductors for round resistance wiresを元に,対応する部分(6.寸法及びその許容差のうち,
線の直径)については,対応する国際規格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規
格であるが,対応国際規格には規定されていない規定項目(3.5.及び7.12.)を日本工業規格(日本産業規格)として追
加している。この規格(付表2)のうち,点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項で
ある。
なお,現在IEC 60182-4は1990年に廃止され,IEC 60317-0-1, Specifications for particular types of winding
wires−Part 0 : General requirements−Section 1 : Enamelled round copper wireに移行されている。移行後の国
際規格の適用範囲はこの規格の適用範囲と異なるため,当該規格とは対応関係がない。
1. 適用範囲 この規格は,ニッケル及びクロム,又は鉄,クロム及びアルミニウムを主成分とし,発熱
体に用いる電熱用合金の線及び帯(以下,線及び帯という。)について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
IEC 60182-4 : 1971, Basic dimensions of winding wires Part 4 : Diameters of conductors for round
resistance wires
2. 引用規格 付表1に示す規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成
する。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
a) 帯 線素材を圧延又は圧延後引抜き加工を施し巻き取ったもの。
b) 体積抵抗率 単位断面積,単位長さの電気抵抗 ( 圀 堰止 抗率と呼ぶことがある。
c) 有効断面積 帯の場合における厚さと幅から求めた断面積に,一定の係数を乗じたもの (mm2)。
d) 導体抵抗 均一な断面積をもつ電気導体の長さ方向における所定長さ当たりの電気抵抗 ( 圀 常,
1m当たり又は1km当たりの電気抵抗 ( 圀一 は( 圀一
e) 寿命値 電熱材から直径0.50mmの線の試験片を調製し,所定の条件で加熱及び放冷を繰り返し,断
線するまでの通電回数(回)。
4. 種類及び記号 種類及び記号は,表1のとおりとする。
――――― [JIS C 2520 pdf 2] ―――――
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C 2520 : 1999
表1 種類及び記号
種類 記号 参考
特性及び用途
電熱用ニッケルクロム線 1種 NCHW1 電熱用ニッケルクロム線及び帯1種
耐酸化性良好で高温強度も大きいが,硫化性ガス,高温多湿の
還元性雰囲気中での使用は避けることが望ましい。加工性は,
2種 NCHW2 高温加熱後もぜい化することがなく冷間加工性も良好である。
最高使用温度は約1 100℃(発熱体表面)で高温用発熱体に広
3種 NCHW3 く適する。
電熱用ニッケルクロム線及び帯2種
帯 1種 NCHRW1
電熱用ニッケルクロムの線及び帯1種に比べて耐酸化性並びに
高温強度がやや劣る。最高使用温度は約1 000℃(発熱体表面)
で高温用発熱体に適する。
2種 NCHRW2
電熱用ニッケルクロム線及び帯3種
電熱用ニッケルクロムの線及び帯2種に比べて耐酸化性はやや
3種 NCHRW3 劣るが耐硫化性は優れている。最高使用温度は約800℃(発熱
体表面)程度の発熱体に適する。
電熱用鉄クロム 線 電熱用鉄クロム線及び帯1種
1種 FCHW1 特に高温度の使用を目的としたもので,耐酸化性は良好である
が,電熱用ニッケルクロムの線及び帯に比べて,高温強度が小
さいので注意が必要である。冷間加工困難なものでは温間 (100
300℃) 加工を必要とする場合がある。
2種 FCHW2
しかし,高温度使用後の加工は避けることが望ましい。最高使
用温度は約1 250℃(発熱体表面)で高温用発熱体に適する。
帯
電熱用鉄クロム線及び帯2種
1種 FCHRW1 電熱用ニッケルクロムの線及び帯1種より冷間加工がやや容易
であるが,電熱用ニッケルクロムの線及び帯に比べ高温強度が
小さいこと並びに高温度使用後の加工に適さないことは電熱
2種 FCHRW2 用鉄クロムの線及び帯1種と同様に注意すること。最高使用温
度は約1 100℃(発熱体表面)で高温用発熱体に適する。
5. 品質
5.1 外観 線及び帯は,その表面が滑らかで,使用上有害なきず,ねじれ,割れ,付着物,その他の欠
陥があってはならない。ただし,表面仕上げの色調については,受渡当事者間の協定による。
5.2 化学成分 線及び帯の化学成分は,表2による。
――――― [JIS C 2520 pdf 3] ―――――
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C 2520 : 1999
表2 化学成分
種類 化学成分 % (m/m)
Ni(1) Cr Al C Si Mn Fe(2)
電熱用ニッケルクロム線1種 77 19 − 0.15 0.75 2.5 1.0
電熱用ニッケルクロム帯1種 以上 21 以下 1.6 以下 以下
電熱用ニッケルクロム線2種 57 15 − 0.15 0.75 1.5 残部
電熱用ニッケルクロム帯2種 以上 18 以下 1.6 以下
電熱用ニッケルクロム線3種 34 18 − 0.15 1.0 1.0 残部
電熱用ニッケルクロム帯3種 37 21 以下 3.0 以下
電熱用鉄クロム線1種 − 23 46 0.10 1.5 1.0 残部
電熱用鉄クロム帯1種 26 以下 以下 以下
電熱用鉄クロム線2種 − 17 24 0.10 1.5 1.0 残部
電熱用鉄クロム帯2種 21 以下 以下 以下
注(1) ニッケルには少量のコバルトを含んでもよい。
(2) その他の元素を含んでもよい。
5.3 体積抵抗率,寿命値及び伸び
5.3.1 体積抵抗率 線及び帯は,8.2.2によって試験を行い,表3の規定に適合しなければならない。た
だし,直径0.355mm未満の線及び厚さ0.5mm未満の帯については適用しない。
5.3.2 寿命値 線及び帯は,8.2.3によって試験を行い,表3の規定に適合しなければならない。
5.3.3 伸び 線及び帯は,8.2.4によって試験を行い,表3の規定に適合しなければならない。ただし,
電熱用ニッケルクロム線の1種,2種及び3種は直径0.20mm以上,電熱用鉄クロム線の1種及び2種に
ついては直径0.50mm以上に適用し,帯については厚さ0.20mm以上に適用する。
表3 体積抵抗率,寿命値及び伸び
種類 体積抵抗率 寿命値 伸び
地 %
基準値 許容差 試験方法 回
電熱用ニッケルクロム線1種 1.08 ±0.05 I法1 200℃ 300以上 20以上
電熱用ニッケルクロム帯1種
電熱用ニッケルクロム線2種 1.12 ±0.05 I法1 200℃ 200以上 20以上
電熱用ニッケルクロム帯2種
電熱用ニッケルクロム線3種 1.01 ±0.05 I法1 200℃ 100以上 20以上
電熱用ニッケルクロム帯3種
電熱用鉄クロム線1種 1.42 ±0.06 U法1 300℃ 100以上 10以上
電熱用鉄クロム帯1種
電熱用鉄クロム線2種 1.23 ±0.06 U法1 300℃ 70以上 10以上
電熱用鉄クロム帯2種
5.4 導体抵抗及び導体抵抗許容差
5.4.1 導体抵抗 線及び帯は,8.2.5によって試験を行い,線の規定寸法に対する導体抵抗は付表2,帯の
規定寸法に対する導体抵抗は付表4の規定に適合しなければならない。ただし,規定寸法にない寸法の導
体抵抗は,受渡当事者間の協定による寸法を用いて8.2.5に示した計算式によって求めた値に適合しなけれ
ばならない。
5.4.2 導体抵抗許容差 線の導体抵抗許容差は付表2,帯の導体抵抗許容差は付表4による。
なお,規定寸法にない寸法の線の導体抵抗許容差は付表5,帯の導体抵抗許容差は付表6による。
――――― [JIS C 2520 pdf 4] ―――――
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C 2520 : 1999
6. 寸法及びその許容差 線及び帯の寸法並びにその許容差は,8.2.6によって試験を行い,それぞれ付表
2及び付表3の規定に適合しなければならない。ただし,規定寸法にない線の直径,帯の厚さ及び帯の幅
については,当分の間受渡当事者間の協定によることができる。この場合,寸法許容差は付表7による。
7. 製造方法 線及び帯は,伸線又は圧延した後,適切な温度と雰囲気で焼なましを施す。
8. 試験
8.1 試験場所の標準状態 8.2.2,8.2.4,8.2.5及び8.2.6の試験は,JIS Z 8703に規定する常温で行う。
8.2 試験方法
8.2.1 化学分析試験 化学成分の化学分析試験は,JIS H 0321及び次のいずれかによる。
JIS G 1211,JIS G 1256,JIS H 1411,JIS H 1412
8.2.2 体積抵抗率試験 体積抵抗率試験は,JIS C 2525による。ただし,標準状態の温度は23℃とする。
8.2.3 寿命試験 寿命試験は,JIS C 2524による。
8.2.4 伸び試験 伸び試験は,JIS Z 2241によって,JIS Z 2201に規定する試験片を用いて行う。この場
合,線は9A号試験片,帯は7号試験片とする。ただし,7号試験片を用いることができない場合は9A号
試験片を用いてもよい。7号試験片の標点距離は,計算によって求めた値が30mm未満のときは30mmと
する。
8.2.5 導体抵抗試験 導体抵抗試験は,JIS C 2525によって行う。ただし,標準状態の温度は23℃とす
る。
なお,規定寸法にない寸法の導体抵抗は,次の式によって算出し,JIS Z 8401によって,有効数字3け
たに丸める。
Rc= 一
ここに, Rc : 導体抵抗 ( 圀一
体積抵抗率で表3の体積抵抗率 ( 地
A : 断面積で,受渡当事者間の協定による寸法から算出するが,
帯の場合は幅10mm未満のものは厚さ×幅×0.96,幅10mm
以上のものは厚さ×幅×0.98で求め,JIS Z 8401によって有
効数字4けたに丸めた値 (mm2)
8.2.6 寸法試験 寸法試験は,次による。
a) 線の場合 線の寸法は,長さ方向に直角な平面の最大及び最小の直径を測定し,その平均値で表す。
最大値及び最小値は,許容差内でなければならない。
直径の測定は,最小1/1 000mmまで測定できる測定器を用いて行う。ただし,直径5.6mm以上のも
のは,JIS B 7502に規定するマイクロメータを用いてもよい。
b) 帯の場合 帯の寸法は,長さ方向に直角な同一平面で厚さ及び幅を測定する。厚さは幅の中央部を測
定する。厚さの測定は,最小1/1 000mmまで測定できる測定器を用いて行う。ただし,厚さ1.18mm
以上のものはJIS B 7502に規定するマイクロメータを用いてもよい。幅の測定は,JIS B 7502に規定
するマイクロメータを用いて行う。
ただし,幅25mmを超える幅の測定は,JIS B 7507に規定するノギスによって測定してもよい。
――――― [JIS C 2520 pdf 5] ―――――
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JIS C 2520:1999の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60182-4:1971(NEQ)
JIS C 2520:1999の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 2520:1999の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7502:2016
- マイクロメータ
- JISB7507:2016
- ノギス
- JISC2524:1997
- 電熱線及び帯の寿命試験方法
- JISC2525:1999
- 金属抵抗材料の導体抵抗及び体積抵抗率試験方法
- JISG1211:1995
- 鉄及び鋼―炭素定量方法
- JISG1256:1997
- 鉄及び鋼―蛍光X線分析方法
- JISH0321:1973
- 非鉄金属材料の検査通則
- JISH1411:1996
- 鉄クロム電熱材分析方法
- JISH1412:1996
- ニッケルクロム電熱材分析方法
- JISZ2201:1950
- 医療用遠心沈デン器
- JISZ2201:1998
- 金属材料引張試験片
- JISZ2241:2011
- 金属材料引張試験方法
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8703:1983
- 試験場所の標準状態