JIS R 3505:1994 規格概要
この規格 R3505は、体積計に受け入れられた液体(受用)又は体積から排出した液体(出用)の体積を測定するガラス製の体積計のうち,ビュレット,メスピペット,全量ピペット,全量フラスコ,首太全量フラスコ,メスシリンダー及び乳脂計について規定。
JISR3505 規格全文情報
- 規格番号
- JIS R3505
- 規格名称
- ガラス製体積計
- 規格名称英語訳
- Volumetric glassware
- 制定年月日
- 1960年3月1日
- 最新改正日
- 2015年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 1042:1983(MOD), ISO 1769:1975(MOD), ISO 2446:1976(MOD), ISO 384:1978(MOD), ISO 385-1:1984(MOD), ISO 385-2:1984(MOD), ISO 385-3:1984(MOD), ISO 4787:1984(MOD), ISO 4788:1980(MOD), ISO 488:1983(MOD), ISO 648:1977(MOD), ISO 835-1:1981(MOD), ISO 835-2:1981(MOD), ISO 835-3:1981(MOD), ISO 835-4:1981(MOD)
- 国際規格分類
ICS
- 17.060
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1960-03-01 制定日, 1963-03-01 確認日, 1966-04-01 確認日, 1969-04-01 確認日, 1972-05-01 確認日, 1976-01-01 確認日, 1976-03-01 改正日, 1979-03-01 確認日, 1983-02-01 改正日, 1988-03-01 確認日, 1994-04-01 改正日, 1999-10-20 確認日, 2006-03-25 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
- ページ
- JIS R 3505:1994 PDF [19]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
R 3505-1994
ガラス製体積計
Volumetric glassware
1. 適用範囲 この規格は,体積計に受け入れられた液体(受用)又は体積から排出した液体(出用)の
体積を測定するガラス製の体積計のうち,ビュレット,メスピペット,全量ピペット,全量フラスコ,首
太全量フラスコ,メスシリンダー及び乳脂計(以下,体積計という。)について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,付表9に示す。
2. 等級 等級は,乳脂計を除き体積の許容誤差によって区分し,クラスA及びクラスBの2等級とする。
3. 計量単位 体積計の体積の計量単位及びその記号は,リットル(l又はL),デシリットル(dl又はdL)
又はミリリットル(ml又はmL)とする。
4. 呼び容量 呼び容量は,次のとおりとする。
(1) ビュレット(単位ml) 1, 2, 5, 10, 25, 50, 100
(2) メスピペット(単位ml) 0.1, 0.2, 0.3, 0.5, 1, 2, 3, 5, 10, 20, 25, 50
(3) 全量ピペット(単位ml) 0.1, 0.2, 0.3, 0.4, 0.5, 1, 1.5, 2, 2.5, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 15, 17.5, 17.6, 20, 25,
30, 40, 50, 100, 200
(4) 全量フラスコ(単位ml) 5, 10, 20, 25, 50, 100, 200, 250, 300, 500, 1 000, 2 000, 2 500, 3 000, 5 000, 10 000
(5) 首太全量フラスコ(単位ml) 50, 100, 200, 250, 500
(6) メスシリンダー(単位ml) 5, 10, 20, 25, 50, 100, 200, 250, 300, 500, 1 000, 2 000
(7) 乳脂計(単位ml) 0.625, 0.750, 0.875, 1.000, 1.125, 1.6, 5.0
5. 体積の許容誤差 (ml) 体積の許容誤差は,等級及び呼び容量に応じて付表18のとおりとする。
6. 目盛 目盛は,次のとおりとする。
(1) 目盛は,20℃の水を測定したときの体積を表すものとして付されていること。
(2) 目盛は,図1に示すように水際の最深部と目盛線の上縁とを水平に視定して測定するものとして付さ
れていること。
なお,青線入りの体積計の場合は,青線が水際によって屈折され,最も狭く見える部分を水際の最
深部とする[図1(b)参照]。
――――― [JIS R 3505 pdf 1] ―――――
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R 3505-1994
図1 水際の視定方法
(3) ビュレット,メスピペット及びメスシリンダーの目量(最小目盛)(1)は,付表1, 付表2及び付表6
のとおりとする。
注(1) 相隣る目盛線がそれぞれ表す値の差。
(4) 目盛線は,管軸(体積計の中心軸)に対して垂直であること。
(5) 目盛線の太さ及び長さは,乳脂計を除き次のとおりとする。
(a) 目盛線の太さは,0.10.4 mm(呼び容量が5l以上のものにあっては0.10.6mm)で,かつ,目盛
間隔(2)の31以下であること。
注(2) 相隣る目盛線の間の空白部分の長さ。
(b) 最も短い目盛線の長さは,目盛が付された部分の円周の10%以上,20%未満であること。
(c) 中間目盛線の長さは,最も短い目盛線の長さのおよそ1.5倍で,かつ,その両端が最も短い目盛線
の端を超えて対称に延びていること。
(d) 長い目盛線の長さは,青線入りの体積計,腐食による目盛が付された体積計及び自動ビュレット(3)
を除き,目盛が付されている部分の円周の75%以上であること。
注(3) ゼロ目盛線がなく,ゼロ点が自動的に定まるビュレット。
7. 構造及び機能 構造及び機能は,次のとおりとする。
(1) メスピペット及び全量ピペットの排水時間(4)は,呼び容量に応じて付表2及び付表3のとおりとする。
ただし,この規定は被計量液名が表記されている場合には適用しない。
注(4) メスピペット又は全量ピペットを垂直にして水を自由に排出させたとき,呼び容量に相当する
体積が排出されるのに要する時間。ただし,先端までの容積によって呼び容量が定まるメスピ
ペット及び全量ピペットであって,先端に微量の液体を残して流出が止まるものは,その止ま
るときまでの時間とする。
(2) 目盛が付されている部分には,水際の視定に支障となる気泡がないこと。
(3) メスピペット,全量ピペットの上端は,平らで滑らかであること。
(4) 活栓付きビュレット,メスピペット及び全量ピペットの下端並びにモールビュレットの先管の先端は,
――――― [JIS R 3505 pdf 2] ―――――
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R 3505-1994
次のいずれかによって仕上げられていること。
(a) 管軸に直角に切断し,外側を滑らかに研磨してわずかに面を取り,火仕上げすること。
(b) 管軸に直角に切断し,外側を滑らかに研磨してわずかに面を取ること。
(c) 管軸に直角に切断し,火仕上げすること。
(5) 全量フラスコ,首太全量フラスコ及びメスシリンダーは,水平面に置いたときすわりが安定しており,
水平に対して10度傾いた平面に,空の状態で,かつ,栓なしで置いたときに倒れないこと。
(6) 茶褐色の体積計は,その色が水際の視定を妨げるものであってはならない。
(7) 青線入りの体積計の青線は鮮明であり,管軸と平行で,かつ,幅が一様であること。
(8) 活栓付きビュレットの活栓(他のビュレットにも使用できる共通栓を除く。)と本体及びモールビュレ
ットの先管と本体とに合番号が付されていること。
(9) 活栓付きビュレットは,活栓を閉じて,呼び容量に相当する体積の水を満たしたまま5分経過する間
に,体積の許容誤差に相当する体積を超える漏水がないこと。
(10) モールビュレットの先管と本体とをゴム管などで接続する部分は,そのゴム管などが容易に離脱しな
いように加工されていること。
(11) 全量フラスコには,受入体積を測定するものは“受用”,“In”又は“TC”,排出体積を測定するもの
は“出用”,“Ex”又は“TD”の標識が付されていること。
(12) メスピペット及び全量ピペットにカラーコードを付けるときは,表1によること。
備考 表1に規定されていない呼び容量の体積計は,製造業者が定めたカラーコードを付けてもよい。
参考 このカラーコードは,呼び容量3mlを除きISO 1769に適合している。
――――― [JIS R 3505 pdf 3] ―――――
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R 3505-1994
表1 カラーコード
(a) メスピペット (b) 全量ピペット
単位 ml 単位 ml
呼び容量 目量 カラーコード 呼び容量 カラーコード
0.1 0.001 緑2本 0.1 青
0.005 赤 0.15 白
0.01 白 0.2 赤
0.2 0.001 青2本 0.25 緑2本
0.002 白2本 0.3 黄
0.01 黒 0.4 赤2本
0.5 0.005 緑 0.5 黒2本
0.01 黄2本 1 青
1 0.01 黄 2 橙
2 0.02 黒 3 黒
3 0.02 青2本 4 赤2本
5 0.05 赤 5 白
10 0.1 橙 6 橙2本
20 0.1 黄2本 7 緑2本
25 0.1 白 8 青
50 0.2 黒 9 黒
10 赤
15 緑
20 黄
25 青
30 黒
40 白
50 赤
75 緑
100 黄
150 黒2本
200 青
8. 形状及び寸法 形状及び寸法は,付表18のとおりとする。
9. 材料 材料は,ほうけい酸ガラスであって,線膨張係数が55×10-7/℃以下のものとする。
10. 誤差の試験方法 誤差の試験方法は,体積計が表す体積 (I) と,次に定めるとおり標準器で測定して
求めた実体積 (Q) とを比較して行い, (I−Q) を誤差とする。
なお,実体積は,受用の体積計の場合は体積計に受け入れられた量を,出用の体積計の場合は体積計か
ら排出された量を測定するものとする。
(1) 試験の条件
(1.1) 試験場 所試験は,試験中の温度変化が2℃/hを超えない室内で行うこととする。
(1.2) 試験に用いる水 試験には蒸留水又はイオン交換水を用いることとする。ただし,比較法による場
合は,水道水又は井戸水を用いても差し支えない。
(1.3) 体積計の内面 体積計は,試験に先立って内面が清浄であることを確認し,かつ,受用の場合は内
――――― [JIS R 3505 pdf 4] ―――――
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R 3505-1994
面を乾燥させなければならない。
(2) 実体積の測定方法
(2.1) 衡量法 体積計に受け入れられた水又は体積計から排出された水の質量,及び温度を測定して実体
積を求める方法で,用いる機器及び実体積の計算は次による。
(2.1.1) はかり 水の質量を測定するはかりは,次のとおりとする。
(a) 載せ台の大きさ及びひょう量が,体積計に受け入れられた水又は体積計から排出された水の質量を
1回で測定するのに十分であること。
(b) 目量が試験される体積計の許容誤差の101に相当する質量以下(1mg以下のときは1mg)であること。
(c) 基準分銅(5)又はこれに相当する精度の分銅で校正されていること。
注(5) 計量法に基づく基準器検査に合格し,有効期間内にあるもの。
(2.1.2) 温度計 水温の測定に用いる温度計は,±0.1℃又はこれより良い精度で校正されていなければなら
ない。
(2.1.3) 実体積の計算 標準温度20℃における実体積は,次の式によって算出する。
1 pA
V20= (IL−IE) × × 1 ×1 3 t 20 (1)
pW pA pB
ここに, V20 : 標準温度20 ℃における実体積 (ml)
IL : はかりの表す質量(風袋を含む。) (g)
IE : 風袋の質量 (g)
t : 測定に用いた水の温度 (℃)
測定時の周囲空気の密度 (g/cm3)
測定に用いた分銅の密度(分銅を用いないはかりの場合は,
そのはかりの校正に用いた分銅の密度) (g/cm3)
t℃の水の密度 (g/cm3)
柿 体積計のガラス材料の線膨張係数 (℃-1)
式(1)は,試験が常温及び大気圧の試験室で行われるときは,次のように近似的に簡略化してよい。
V20≒ (IL−IE) +Vn (Z−1) (2)
ここに, Vn : 体積計の表す体積 (ml)
1 pA
Z : 式(1)の 1 1 3 t 20 の値。
pW pA pB
参考 Vnが1 000mlにおけるVn (Z−1) を,体積計のガラスの線膨張係数が35×10-7及び50×10-7並び
に試験に用いた水の温度が535℃の場合について求めた値を,参考表1及び参考表2に示す。
なお,参考表1及び参考表2の値の算出に用いた水及び空気の密度を参考表3及び参考表4
に示す。
(2.2) 比較法 体積計に受け入れられた水又は体積計から排出された水の体積を,標準ビュレット又はこ
れと同等の性能をもつ体積標準器によって測定する方法で,標準ビュレット又は体積標準器は次に
よるものとする。
(a) ビュレット及びメスシリンダー以外の体積計の試験に用いるものにあっては,試験される体積計の呼
び容量に相当する体積,ビュレット及びメスシリンダーの試験に用いるものにあっては,試験される
ビュレット又はメスシリンダーの呼び容量に相当する体積及びその51の体積を測定できるものである
こと。
(b) 試験される体積計の許容誤差の51(乳脂計の試験こ用いるものは31)又はそれより良い精度で,衡量
法によって校正されていること。
――――― [JIS R 3505 pdf 5] ―――――
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JIS R 3505:1994の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 1042:1983(MOD)
- ISO 1769:1975(MOD)
- ISO 2446:1976(MOD)
- ISO 384:1978(MOD)
- ISO 385-1:1984(MOD)
- ISO 385-2:1984(MOD)
- ISO 385-3:1984(MOD)
- ISO 4787:1984(MOD)
- ISO 4788:1980(MOD)
- ISO 488:1983(MOD)
- ISO 648:1977(MOD)
- ISO 835-1:1981(MOD)
- ISO 835-2:1981(MOD)
- ISO 835-3:1981(MOD)
- ISO 835-4:1981(MOD)
JIS R 3505:1994の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.060 : 体積,質量,密度,粘度の測定