JIS S 0021-3:2020 包装―アクセシブルデザイン―情報及び表示 | ページ 2

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S 0021-3 : 2020 (ISO 19809 : 2017)
− 隣接する領域とは異なるテクスチュアを用いる。
− 隣接する領域とは異なる大きさ又は種類のフォント,記号及び絵文字を用いる。
例 セリフ書体の本文中に,サンセリフ書体の単語又は文章を用いる。
− 必要に応じて注意書き又は例を提示する。
4.1.5 情報量及び表示量の制限
包装に用いられる情報及び表示は,量が多すぎて読取り又は理解に支障が生じることがないようにする
ことが望ましい。重要な情報を優先しなければならない。不必要な情報,冗長な情報及び繰り返す必要の
ない情報は削除しなければならない。
配慮事項として次の点を挙げることができるが,これ以外についても配慮することができる。
− 関連情報又は類似情報は論理的にグループ化し,同じ領域内又は同じ形式で提示し,離れた場所に分
散させたり,異なる形式で提示したりしない。
4.1.6 情報の表示場所
包装に用いられた情報を使用者が見逃したり見落としたりすることがないように,情報及び表示の適切
な表示場所を検討しなければならない。
配慮事項として次の点を挙げることができるが,これら以外についても配慮することができる。
− 包装に用いられる情報及び表示は,見やすく読みやすいものであることが望ましい。
− 包装を開閉する際に幾つかの重要な情報及び表示が失われたり破壊されたりしてはならない(4.3.1参
照)。
− 触覚表示及び点字は,使用者が容易に見つけて触ることができる場所に配置することが望ましい。
4.1.7 表示及び記号の追加
表示及び記号を追加することによって,健常者のために印刷された文若しくは図の視認性,又は特定の
国若しくは市場において包装に表示することが法律で義務づけられている情報の視認性が低下してはなら
ない。
注記1 例えば,点字の付与又は表示の追加によって印刷された文又は図が破壊される場合がこれに
該当する。
注記2 製造業者は,可能な場合,点字又は表示を追加する場合は,表示を印刷された文又は図から
離れた場所に配置することが望ましい。
4.2 人間の機能及び特性の面から必要な設計上の配慮事項
4.2.1 輝度対比
視認性を向上させるため,文字・記号・絵文字と背景とのコントラストをできる限り高く設定しなけれ
ばならない。ただし,度を超したまぶしさは判読性の問題を引き起こす可能性がある。
配慮事項として次の点を挙げることができるが,これら以外についても配慮することができる。
− 高い輝度対比が必要な場所では,白地に黒色の文字又は記号を使用する。
例 70 %以上の輝度対比を推奨する(附属書C参照)。
− 光沢のある背景は,反射光による輝度対比の低下を引き起こすので避ける。
− 記号及び文字が背景よりも明るい場合は逆対比を用いる。
− 明色の背景と淡色又は明色の文字及び記号との組合せ,暗色の背景と暗色又は濃色の文字及び記号と
の組合せは避ける。
− 色付きの背景に色付きの文字及び記号を使用するときには,適切な輝度対比に配慮する。暗色の背景
に青色の文字又は記号を使用するときには,高齢者のために,若年者の場合よりも輝度対比を高く設

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定する。
注記 色付きの光の輝度対比と年齢との関係を推定する方法は,ISO 24502 [9]に規定されている。
4.2.2 色及び色の組合せ
色及び色の組合せは,色を使用しない場合よりも包装に表示する情報及び表示の視認性及び包括性が高
まるように用いることが望ましい。色又は色の組合せは,使用者の色覚機能(例えば,色弱などの視覚障
害)又は低光量条件を配慮して適切に選択しなければならない。
配慮が必要な主な事項を次に示す。
− 識別及び表示のために基本色を用いる。
注記1 基本色とは,“赤”,“だいだい(橙)色”,“黄色”,“緑”,“青”,“紫”,“桃色”,“茶色”,
“白”,“灰色”及び“黒”である。
− 一貫性のある方法で色を用いる。
− 色覚多様性の使用者のために,赤と緑との組合せを避ける。
− 高齢者のために,暗色の背景と青色との表示の組合せを避ける。
− 高齢者のために,白色の背景と黄色との表示の組合せを避ける。
− 情報が色だけに頼る場合には,文字,記号及びテクスチュアなどの色以外の関連情報を提供する(4.1.2
参照)。
− 安全に関する情報及び表示の場合は,JIS Z 9101に従う。
− 暗い環境では色の見え方が変化することに配慮する。
注記2 赤色(特に,鮮やかな赤色)は,暗い場所では見にくい。
− 色の組合せを識別できるように,異なる基本色グループに属する色を用いる。
注記3 基本色に基づいてどの年代の人にも識別可能な色の組合せを作る方法については,ISO/TR
22411 [8]及びISO 24505 [11]を参照。
4.2.3 文字及び判読性
包装に用いる文字,単語及び文章は,使用者が使用状況において判読可能でなければならない。
判読可能な書体の種類及び大きさは,年齢の違いによって又は障害の種類によって異なるため,これら
を適切に選択しなければならない。特に,表示を見るときの輝度レベル又は距離,包装面の文字と背景と
の輝度対比(4.2.1参照),文字並びに背景の色(4.2.2参照),文字の位置,1行の文字数及び文字・単語・
行の間隔を配慮しなければならない。
配慮が必要な主な事項を次に示す。
− 視距離が短い場合には,高齢者には比較的大きな書体サイズを用いる。
− 照度が低い場所又は照度条件が悪い場所には,比較的大きな書体サイズを用いる。
− 適切な文字間隔及び行間隔を保つ。
− ロービジョンの使用者のために,逆対比文字(暗い背景に白い文字)を提供する。
− ロービジョンの使用者のために,かなり大きな書体サイズ(約10倍)を提供する。
− 年齢,輝度レベル及び視距離を組み合わせた条件に対して判読可能な最小書体サイズを見つけ,それ
を判読可能な書体サイズの単位として用いる。
アルファベットを用いる場合は,
− 判読性を向上させるため,セリフ書体ではなくサンセリフ書体を用いる。
− 小文字のアセンダーは,ミーンラインよりも約20 %上に突き出す。
− ディセンダーをもつ小文字は,ベースラインよりも約20 %下に突き出す。

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− 筆記体で書かれた文章の使用を避ける。
− 大文字だけで書かれた文章の使用を避ける。
− イタリック体だけで書かれた文章の使用を避ける。
注記1 判読可能な最小書体サイズに関する情報は,ISO/TR 22411 [8]に記載されている。
注記2 チェックリストの例を,附属書Cに示す。
注記3 アセンダー,ミーンライン,ディセンダー,ベースラインは,附属書Cを参照。
4.2.4 図記号及び絵文字
情報のもつ意味を単純,明快かつ目立つように表示し,特に文字を読むことが難しい人たちが使用しや
すいように,図記号及び絵文字を用いた情報及び表示を行うことが望ましい。複数の言語で情報を提供す
るときには,たとえ部分的であっても,図記号及び絵文字を用いることが望ましい。
配慮が必要な主な事項を次に示す。
− 使い慣れた,かつ,明確である単純な記号及び絵文字を用いる。
− 多数の記号及び絵文字を用いるときには,それらの意味を記した表を提供する。
− それだけを見せられたときに,意味を理解できる記号及び絵文字を用いる。
− 可能な場合,図記号及び絵文字の内容を説明する文章を近くに配置することが望ましい。
− 図記号及び絵文字は,想定される視距離から判読できるようにする。
4.2.5 言語
包装に用いる情報及び表示に用いる言語は,明確でなければならない。別に特段の定めがない限り,包
装を使用する国の公用語を使用しなければならない。可能な場合,公用語以外の言語も用いることが望ま
しい。専門用語及び外国語の使用を制限することが望ましい。
4.2.6 表の使用
一連の情報を包括するため,表を効果的に使用することが望ましい。情報は包装設計の範囲内で一貫し
た様式で提示することが望ましい。
4.2.7 まぶしさの防止
使用者が包装に用いられた情報及び表示を無理なく読むことができるように,鏡面のような包装面から
の非常に強いまぶしさが生じないようにすることが望ましい。まぶしさに対してより敏感な高齢者及びロ
ービジョンの使用者に特に配慮することが望ましい。
例 反射率の高い鏡面の代わりに艶消し面を用いる。
4.2.8 触覚表示
情報の有効な伝達方法として,触覚表示を用いることが望ましい。触覚表示は,視覚障害者のために視
覚情報を伝達する代替手段として用いてもよい(4.1.2参照)。特に,包装の形状及び重さが似ているが,
内容物が異なる場合には,触覚表示を効果的に使用することができる。
複雑な触覚表示は避けなければならない。また,表示の大きさは接触によって判読するのに十分でなけ
ればならない。表示に共通の意味をもたせることによって,触覚表示を効果的に使用することができる。
例1 開封位置を特定するための触覚性の切欠き。
例2 有毒物質の包装であることを認識するための触覚性の三角マーク(ISO 11683 [4]参照)。
例3 コンディショナーのボトルと区別するためにシャンプーのボトルの側面に施される触覚表示。
(JIS S 0021 [3]参照)。
配慮が必要な主な事項を次に示す。
− 凸点及び凸線の適切な高さ,幅又は大きさは,触覚によって確実に判読できるように設計する(凸点

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及び凸線に関する推奨寸法はISO 24503 [10]に規定がある。)(附属書B参照)。
− 触覚性の文字及び表示は,触覚による判読に適した大きさに設計する(触覚性の文字及び表示に関す
る推奨寸法はJIS S 0052 [13]に規定がある。)(附属書B参照)。
− 特定の領域を表示,識別及び区別するため,触って分かるテクスチュアを用いる。
− 触覚表示は,使用者が常に触ることができる位置に配置する。
− 他の触覚表示に隣接する場所に別の触覚表示を配置しない。
4.2.9 点字記号
視覚障害者のように非視覚的な情報を必要とする人に文字情報を伝達するための代替手段として,点字
を用いることが望ましい。他に特段の定めがない限り,包装における点字の設計及び使用は,ISO 17351
に規定する要求事項及び推奨事項に従うことが望ましい。
点字が打たれる材料の突き破りも印刷された文章の判読性の低下も予想されない場合には,点字の判読
性を高めるため,点字の高さを0.3 mm以上0.9 mm以下にすることが望ましい。また,ボール紙の突き破
り又は印刷された文章の判読性の低下が予想される場合には,目標高さを0.2 mmとするのが望ましい
(ISO 17351参照)。
例 アルコール飲料が入った缶の“おさけ”という点字記号。
表面から突き出た物又は触感が異なるテクスチュアによって点字の読取りが低下しないように,点字の
周囲に空白スペースを配置することが望ましい。
注記 JIS T 0921 [14]は空白スペースの幅を6 mmとすることを要求している。
4.2.10 聴覚提示
開封又は再封止動作が完了したことを確認するための情報として,音を使用してもよい。高齢者及び聴
覚障害者にも聞こえるように,音圧レベルを十分に高くすることが望ましい。
注記 クリック音又はフィードバック音は,触覚でも確認することができる。
4.3 包装設計における配慮事項
4.3.1 開封・再封止
開封又は再封止を指示する情報及び表示は,読みやすく,明瞭で,容易に見つけられるように表記する。
開封後又は使用中に消えたり読めなくなったりしてはならない。
配慮が必要な主な事項を次に示す。
− 包装に記載された重要な情報は開封又は再封止後も保持する。
例1 プラスチックボトルのキャップに印刷された賞味期限。
− 包装が開封済かどうかについて判別できるようにする。
例2 改ざん防止用シール又は誤使用防止用ストッパー。
− 開封位置を容易に見つけることができるように,それを示す表示を提供する。
例3 開封位置を示す矢印のような表示。
− 再封止確認が音又は目視で分かる表示を用いる。
例4 スクリューキャップのクリック音。
− 開封位置及び表示は,包装の前面に設ける。
− 開封方法が二つ以上ある場合は,全ての方法を使用者に明示する。
4.3.2 使用
製品の識別方法,内容物の使用方法並びに製品の状態を知る方法に関する情報及び表示は,読みやすく,
明瞭で容易に理解できるように表記する。

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配慮が必要な主な事項を次に示す。
− 視覚障害者に対し,類似した形状や重量の包装を識別するために,触覚記号又は見なくても伝わる追
加情報を提供する。
例 シャンプーのボトルには触覚表示を付け,コンディショナーのボトルには付けない。
− 商品棚の近い位置に置かれる包装は,高齢者及び視覚障害者が区別しやすいように,視覚情報(色な
ど),触覚情報又はその他の追加感覚情報を提供する。
− 包装内の残量が分かるようにする。
− 電子レンジのような調理機器を用いて内容物を調理する必要がある場合は,その使用方法に関する情
報を提供する。
− 使用者が追加の又は詳細な情報を入手したいときに使用することができるQRコードのような機械読
取り可能な情報及びそれを誘導する触覚ガイドを提供する。
4.3.3 保管
包装に用いられる保管についての情報及び表示は,読みやすく,明瞭で,容易に理解できるように表記
する。内容物の保管条件に関する指示を提供することが望ましい。
配慮が必要な主な事項を次に示す。
− 内容物を冷蔵保管する必要があるかどうかを表示する。
− 包装が再封止されたものであるかどうかを確認する手段を提供する。
− 漏れの発生を防ぐため,適切な保管方法(立てるのか横にするのか)を表示する。
− 保管を含めた製品の想定耐用期間中は,重要な情報及び表示を読みやすい状態に保つ。
− 保管及び廃棄に関する警告及び指示を明記する(特に,内容物が危険物の可能性がある場合)。また,
ISO 8317に従い,包装は,子どもが容易に開封したり使用したりできない構造にすることが望ましい。
4.3.4 廃棄
内容物使用後の包装の廃棄について明示する。包装の廃棄に関して具体的な指示が必要な場合には,そ
れを明確に表記する。可能な場合,理解を助けるために図,表,触覚表示も用いることが望ましい。
必要な場合,包装廃棄物の分別方法を記載することが望ましい。
4.3.5 その他
使用者が販売元に連絡することができるように,電話番号及び/又はホームページアドレスなどの販売
元の問合せ先に関する情報を提供することが望ましい。
4.4 安全に関連する設計上の配慮事項
包装を使用する(すなわち,開封,再封止,使用,保管及び廃棄)際の安全に関する情報及び表示は,
使用者が使用前にいつでも見つけることができるように,明確に表示する。
高齢者,障害者,子ども及びアレルギー疾患のある人のように,特別な要求事項がある人の安全を確保
するため,特に配慮する。
安全に関連する情報及び表示は,使い終わるまで外れたり読みにくくなったりしてはならない。
安全に関連する情報及び表示として,次の項目が挙げられる。
− 誤用防止。
例1 子どもの手が届かない場所に保管する,又は子どもを近寄らせないという警告。
例2 “食べられません”又は“飲み物ではありません”という警告。
例3 火気の近くで使用してはならないという警告。
− 有害な内容物の識別。

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