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T 2304 : 2017 (IEC 62304 : 2006,Amd.1 : 2015)
C.4.7 IEC 60601-1-4の要求事項との関係
IEC 60601-1-4は,廃止となっている。
C.5 JIS C 1010-1との関係
JIS C 1010-1 [2]の適用範囲は,測定,制御及び研究室用電気機器である。研究室用機器は,医療環境に
おいて又は体外診断(IVD: In Vitro Diagnostic)機器として,一部が使用されているにとどまる。
法規制又は引用規格があるため,IVD機器は,医療機器に分類するが,JIS T 0601-1 [6]の適用範囲外で
ある。これは,IVD機器が厳密には直接患者に接触する医療機器ではないという理由のほか,そのような
製品が,各種の研究室での多種多様な用途のために製造されているという理由もある。IVD機器又はIVD
機器用附属品としての使用は,まれである。
研究室用機器をIVD機器として使用する場合,医療基準に従って測定結果を評価する。リスクマネジメ
ントについては,JIS T 14971の適用が要求される。ソフトウェアに起因する医療データ(測定結果)の不
要な変更を引き起こす故障など,危険状態の原因になる可能性のあるソフトウェアがそのような製品に含
まれている場合は,この規格を考慮する。
JIS C 1010-1:2014の箇条17にはリスクマネジメントの一般要求事項があるが,これはJIS T 14971の詳
細なリスクマネジメント要求事項を簡素化したものである。この規格のリスクマネジメント要求基準は,
JIS T 14971のリスクマネジメント要求事項に基づいているため,JIS C 1010-1の箇条17を適用しただけ
では,この規格のリスクマネジメント要求基準に適合しない。このことを念頭において,この規格では,
IVD医療機器にソフトウェア関連のリスクがある場合には,JIS C 1010-1の箇条17だけではなくJIS T
14971に従ってリスクマネジメントプロセスを実施することを期待している。JIS C 1010-1の箇条17への
注記で詳述するように,JIS C 1010-1の箇条17への適合性も達成される。
注記 リスクアセスメント手順の一つは,JIS C 1010-1の附属書Jに概説している。他のリスクアセ
スメント手順は,JIS T 14971,SEMI S10-1296,JIS C 0508規格群,ISO 14121-1及びANSI
B11.TR3にある。類似のステップを踏む他の確立した手順も用いることができる。
図C.3のフローチャートは,JIS C 1010-1の箇条17及びこの規格の適用について示している。
――――― [JIS T 2304 pdf 61] ―――――
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T 2304 : 2017 (IEC 62304 : 2006,Amd.1 : 2015)
意図する目的及び 考えられるハザード 医療データ取扱い
用途を定義 の原因の特定 に関連するハザード
既知のハザード及び
合理的に予知可能な
ハザードの特定
ハザードは
はい
関連する安全規格の 関連する安全
適用を受けるか 規格に従って検証
いいえ
JIS T 14971を はい 機器は医療 いいえ
リスクマネジメント 関連データを提供
に使用 するものか
安全規格に基づき
ソフトウェア いいえ
リスクコントロール
は医療データに影響
のための適切な
があるか
方法を選択
はい
医療目的で使用する
はい
手順の使用 前に誤データが検出
がデータ検証に要求 されるようにする
されているか ために必要となる
追加の要求事項
いいえ
この規格
を使用
図C.3−JIS C 1010-1及びこの規格の適用
C.6 JIS X 0160との関係
この規格は,JIS X 0160 [7]の様式及びコンセプトに基づいているが,JIS X 0160は医療機器に限定した
ものではなく,ソフトウェアライフサイクルプロセス一般の要求事項を定義している。
この規格は,特に次の点でJIS X 0160と異なる。
− システム要求事項,システムアーキテクチャ,妥当性確認などのシステム面を除外している。
− 医療機器を対象とする別文書にアクティビティが記載されているとして,それと重複しているとみな
されるプロセスを省略している。
− リスクマネジメントプロセス及びソフトウェアリリースプロセスを追加している。
− 文書化及び検証の補助プロセスを,開発及び保守のプロセスに組み入れている。
− プロセス実装と各プロセスの計画アクティビティとを統合し,開発及び保守のプロセスの単独アクテ
ィビティになっている。
− 安全性要求の観点から要求事項を分類している。
− JIS X 0160と違って,主プロセス,補助プロセス,グループプロセスを明確に分類していない。
――――― [JIS T 2304 pdf 62] ―――――
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T 2304 : 2017 (IEC 62304 : 2006,Amd.1 : 2015)
これらの変更点は,当該規格を次のような方法で医療機器分野の要求に合わせようとする意図に基づい
ている。
− 安全面及び医療機器リスクマネジメント規格JIS T 14971に重点を置く。
− 規制環境における有用かつ適切なプロセスを選択する。
− ソフトウェア開発が,(JIS X 0160のプロセス及び要求事項の一部を扱う)品質システムに組み込まれ
ることを考慮する。
− 曖昧さを抑えて,使いやすくする。
この規格は,JIS X 0160と矛盾するものではない。JIS X 0160は,この規格の要求事項を盛り込んだ,
うまく構造化されたソフトウェア開発ライフサイクルモデルを設定するのに有用である。
表C.5は,ISO/IEC JTC1/SC7が作成したもので,この規格とJIS X 0160との関係を示している。
表C.5−JIS X 0160との関係
この規格のプロセス JIS X 0160のプロセス
アクティビティ タスク プロセス アクティビティ・タスク
5 ソフトウェア開発プロセス
5.1 ソフトウェア開 5.1.1 ソフトウェア開発計 7.1.1 ソフトウェア実装プ 7.1.1.3.1 ソフトウェア実装
発計画 画 ロセス 戦略
7.1.1.3.1.1
7.1.1.3.1.3
7.1.1.3.1.4
6.3.1.3.2 プロジェクト計画
6.3.1.3.2.1
5.1.2 ソフトウェア開発計 6.3.2 プロジェクトアセス 6.3.2.3.2 プロジェクトの制
画の継続更新 メント及び制御プロセス 御
6.3.2.3.2.1
5.1.3 ソフトウェア開発計 6.4.3 システム方式設計プ 6.4.3.3.1 システム方式の確立
画におけるシステム設計及 ロセス 6.4.3.3.1.1
びシステム開発の引用 6.4.5 システム結合プロセ 6.4.5.3.1 結合
ス 6.4.5.3.1.1
7.2.5 ソフトウェア妥当性 7.2.5.3.1 プロセスの実施
確認プロセス 7.2.5.3.1.4
5.1.4 ソフトウェア開発規 7.1.1 ソフトウェア実装プ 7.1.1.3.1 ソフトウェア実装
格,方法及びツールの計画 ロセス 戦略
7.1.1.3.1.3
5.1.5 ソフトウェア結合及 7.1.6 ソフトウェア結合プ 7.1.6.3.1 ソフトウェア結合
び結合試験計画 ロセス 7.1.6.3.1.1
5.1.6 ソフトウェア検証計 7.2.4 ソフトウェア検証プ 7.2.4.3.1 プロセスの実施
画 ロセス 7.2.4.3.1.4
7.2.4.3.1.5
7.1.5 ソフトウェア構築プ 7.1.5.3.1 ソフトウェア構築
ロセス 7.1.5.3.1.5
7.1.6 ソフトウェア結合プ 7.1.6.3.1 ソフトウェア結合
ロセス 7.1.6.3.1.5
7.1.7 ソフトウェア適格性 7.1.7.3.1 ソフトウェア適格
確認テストプロセス 性確認テスト
7.1.7.3.1.3
5.1.7 ソフトウェアリスク 6.3.4 リスク管理プロセス
マネジメント計画
――――― [JIS T 2304 pdf 63] ―――――
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T 2304 : 2017 (IEC 62304 : 2006,Amd.1 : 2015)
表C.5−JIS X 0160との関係(続き)
この規格のプロセス JIS X 0160のプロセス
アクティビティ タスク プロセス アクティビティ・タスク
5.1 ソフトウェア開 5.1.8 文書化計画 7.2.1 ソフトウェア文書化 7.2.1.3.1 プロセスの実施
発計画 管理プロセス 7.2.1.3.1.1
5.1.9 ソフトウェア構成管 7.2.2 ソフトウェア構成管 7.2.2.3.1 プロセスの実施
理計画 理プロセス 7.2.2.3.1.1
7.2.8 ソフトウェア問題解 7.2.8.3.1 プロセス開始の準備
決プロセス 7.2.8.3.1.1
5.1.10 管理が必要な支援ア6.2.2 インフラストラクチ 6.2.2.3.2 インフラストラク
イテム ャ管理プロセス チャの確立
6.2.2.3.2.1
6.2.2.3.3 インフラストラク
チャの保守
6.2.2.3.3.1
5.1.11 検証前のソフトウェ7.2.2 ソフトウェア構成管 7.2.2.3.2 構成識別
ア構成アイテムのコントロ 理プロセス 7.2.2.3.2.1
ール
5.2 ソフトウェア要 5.2.1 システム要求事項か 6.4.3 システム方式設計プ 6.4.3.3.1 システム方式の確
求事項分析 らのソフトウェア要求事項 ロセス 立
の定義及び文書化 6.4.3.3.1.1
5.2.2 ソフトウェア要求事 7.1.2 ソフトウェア要求事 7.1.2.3.1 ソフトウェア要求
項の内容 項分析プロセス 事項分析
5.2.3 リスクコントロール 7.1.2.3.1.1
手段のソフトウェア要求事
項への包含
5.2.4 医療機器のリスク分 なし なし
析の再評価
5.2.5 要求事項の更新 7.1.2 ソフトウェア要求事 7.1.2.3.1 ソフトウェア要求
項分析プロセス 事項分析
7.1.2.3.1.1のa) 及びb)
5.2.6 ソフトウェア要求事 7.2.4 ソフトウェア検証プ 7.2.4.3.2 検証
項の検証 ロセス 7.2.4.3.2.1
5.3 ソフトウェアア 5.3.1 ソフトウェア要求事 7.1.3 ソフトウェア方式設 7.1.3.3.1 ソフトウェア方式
ーキテクチャの設計 項のアーキテクチャへの変 計プロセス 設計
換 7.1.3.3.1.1
5.3.2 ソフトウェアアイテ 7.1.3.3.1 ソフトウェア方式
ムのインタフェース用アー 設計
キテクチャの開発 7.1.3.3.1.2
5.3.3 SOUPアイテムの機能 なし なし
及び性能要求事項の指定
5.3.4 SOUPアイテムが要求 なし なし
するシステムハードウェア
及びシステムソフトウェア
の指定
5.3.5 リスクコントロール なし なし
に必要な分離の特定
5.3.6 ソフトウェアアーキ 7.1.3 ソフトウェア方式設 7.1.3.3.1 ソフトウェア方式
テクチャの検証 計プロセス 設計
7.1.3.3.1.6
――――― [JIS T 2304 pdf 64] ―――――
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T 2304 : 2017 (IEC 62304 : 2006,Amd.1 : 2015)
表C.5−JIS X 0160との関係(続き)
この規格のプロセス JIS X 0160のプロセス
アクティビティ タスク プロセス アクティビティ・タスク
5.4 ソフトウェア詳 5.4.1 ソフトウェアのソフ 7.1.4 ソフトウェア詳細設 7.1.4.3.1 ソフトウェア詳細
細設計 トウェアユニットへの分解 計プロセス 設計
5.4.2 ソフトウェアユニッ 7.1.4.3.1.1
トごとの詳細設計の開発
5.4.3 インタフェース用詳 7.1.4.3.1 ソフトウェア詳細
細設計の開発 設計
7.1.4.3.1.2
5.4.4 詳細設計の検証 7.1.4 ソフトウェア詳細設 7.1.4.3.1 ソフトウェア詳細
計プロセス 設計
7.1.4.3.1.7
5.5 ソフトウェアユ 5.5.1 各ソフトウェアユニ 7.1.5 ソフトウェア構築プ 7.1.5.3.1 ソフトウェア構築
ニットの実装 ットの実装 ロセス 7.1.5.3.1.1
5.5.2 ソフトウェアユニッ 7.1.4 ソフトウェア詳細設 7.1.4.3.1 ソフトウェア詳細
ト検証プロセスの確立 計プロセス 設計
7.1.4.3.1.5
7.1.5 ソフトウェア構築プ 7.1.5.3.1 ソフトウェア構築
ロセス 7.1.5.3.1.5
5.5.3 ソフトウェアユニッ 7.1.5 ソフトウェア構築プ 7.1.5.3.1 ソフトウェア構築
トの合否判定基準 ロセス 7.1.5.3.1.5
5.5.4 追加のソフトウェア 7.1.5 ソフトウェア構築プ 7.1.5.3.1 ソフトウェア構築
ユニット合否判定基準 ロセス 7.1.5.3.1.2
7.2.4 ソフトウェア検証プ
ロセス
5.5.5 ソフトウェアユニッ 7.1.5 ソフトウェア構築プ 7.1.5.3.1 ソフトウェア構築
トの検証 ロセス 7.1.5.3.1.2
5.6 ソフトウェア結 5.6.1 ソフトウェアユニッ 7.1.6 ソフトウェア結合プ 7.1.6.3.1 ソフトウェア結合
合及び結合試験 トの結合 ロセス 7.1.6.3.1.2
5.6.2 ソフトウェア結合の 7.1.6 ソフトウェア結合プ 7.1.6.3.1 ソフトウェア結合
検証 ロセス 7.1.6.3.1.2
6.4.5 システム結合プロセ 6.4.5.3.1 結合
ス
5.6.3 ソフトウェア結合試 7.1.7 ソフトウェア適格性 7.1.7.3.1 ソフトウェア適格
験 確認テストプロセス 性確認テスト
7.1.7.3.1.1
5.6.4 ソフトウェア結合試 7.1.7 ソフトウェア適格性 7.1.7.3.1 ソフトウェア適格
験の内容 確認テストプロセス 性確認テスト
7.1.7.3.1.3
5.6.5 ソフトウェア結合試 なし なし
験手順の評価
5.6.6 回帰テストの実施 7.1.6 ソフトウェア結合プ 7.1.6.3.1 ソフトウェア結合
ロセス 7.1.6.3.1.2
5.6.7 結合試験記録の内容 7.1.6 ソフトウェア結合プ 7.1.6.3.1 ソフトウェア結合
ロセス 7.1.6.3.1.2
5.6.8 ソフトウェア問題解 7.2.4 ソフトウェア検証プ 7.2.4.3.1 プロセスの実施
決プロセスの使用 ロセス 7.2.4.3.1.6
――――― [JIS T 2304 pdf 65] ―――――
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JIS T 2304:2017の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 62304:2006(IDT)
- IEC 62304:2006/AMENDMENT 1:2015(IDT)
JIS T 2304:2017の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.240 : 情報技術(IT)の応用 > 35.240.80 : ヘルスケア技術へのITの応用
JIS T 2304:2017の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JIST14971:2012
- 医療機器―リスクマネジメントの医療機器への適用
- JIST14971:2020
- 医療機器―リスクマネジメントの医療機器への適用