JIS X 25012:2013 ソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)―データ品質モデル | ページ 2

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X 25012 : 2013 (ISO/IEC 25012 : 2008)
とができる。
この規格は,システムのライフサイクルプロセス,例えば,JIS X 0170で規定されたプロセス,の実施
を支援することを意図している。
この規格は,全てのデータ型(例えば,文字列,テキスト,日付,数字,イメージ,音),割り当てられ
たデータ値及びデータ間の関係(例えば,同じ実体又は異なる実体の中でのデータ間の一貫性)を考慮し
ている。さらなる処理又は蓄積する目的をもたない,組込み機器又はリアルタイムセンサが生成するデー
タは適用対象外である。
この規格はデータの物理的構成(すなわち,データベース管理システム)については触れない。さらに,
概念的,論理的及び物理的なスキーマ設計の活動はこの規格の適用範囲外である。このようなデータに関
連する全てのプロセス及び成果物はこの規格を適用することで恩恵を受ける。
データ設計に対するデータの適合性は,この規格の適用範囲内である。
メタデータの定義は,ISO/IEC 11179-1で規定しており,たとえ,データ品質を評価するためにメタデー
タを参照していても,この規格の適用範囲外である。
工業的データ品質規格及び領域特定データ品質規格に対するこの規格の関係並びにこれらの規格に対す
るこの規格の優先権は,特定の利用状況における利用者が決める。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO/IEC 25012:2008,Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation
(SQuaRE)−Data quality model(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。

2 適合性

  この規格を適合性に関して使用する場合,この規格の利用者は,次のいずれかをしなければならない。
− 5.2の各データ品質特性に取り組んでいる証拠を提供する。
− あるデータ品質特性に取り組んでいない場合には,その理由を示す。
− 自らのデータ品質属性体系を記述し,5.2の中の特性へのマッピングを提供する。

3 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS X 25000 ソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)−SQuaREの指針
注記 対応国際規格 : ISO/IEC 25000,Software engineering−Software product Quality Requirements and
Evaluation (SQuaRE)−Guide to SQuaRE(IDT)

4 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS X 25000によるほか,次による。
4.1
コンピュータシステム(computer system)
一つ以上の構成要素を含むシステム。
注記1 構成要素には,一つ以上のコンピュータ(ハードウェア),並びに関連するソフトウェア及び

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X 25012 : 2013 (ISO/IEC 25012 : 2008)
データを含む。
注記2 ISO/IEC 24765を変更した。
4.2
データ(data)
情報の表現であって,伝達,解釈又は処理に適するように形式化され,再度情報として解釈できるもの。
注記1 データに対する処理は,人間が行ってもよいし,自動的手段で行ってもよい。
(JIS X 0001:1994)
注記2 JIS X 25000では,測定の結果に関係するデータについて定義しているので,ここでの定義と
は異なっている。
4.3
データ品質(data quality)
指定された状況で使用するとき,明示されたニーズ及び暗黙のニーズをデータの特性が満足する度合い。
4.4
データ品質特性(data quality characteristic)
データ品質に影響するデータ品質属性の種類。
4.5
データ品質測定量(data quality measure)
データ品質特性の測定の結果として,値が割り当てられる変数。
注記 JIS X 0141:2009を変更した。
4.6
データ品質モデル(data quality model)
データ品質要求事項を仕様化し,データ品質を評価するための枠組みを提供する特性の定義された集合。
4.7
データ型(data type)
抽象的な取り得る値の集合,特性,及び(属性に対する)操作の集合を分類したもの。
注記 JIS X 0017を変更した。
4.8
実体(entity)
同じ特性を共有し同じ関係を共有するという理由で,同じ型として認識された実際のもの又は抽象的な
ものの集合で表現されたもの。
注記 JIS X 0017を変更した。
4.9
実体インスタンス(entity instance)
実体によって表現される実際のもの又は抽象的なものの集合の一つ(IEEE 1320.2:1998参照)。
4.10
情報(information)
事実,事象,事物,過程,着想などの対象物に関して知り得たことであって,概念を含み,一定の文脈
中で特定の意味をもつもの(JIS X 0001:1994参照)。
注記 情報は,情報を伝達するために,表現様式を必ずもっているが,第一に関係があるのは,この
表現の解釈(意味)である。

――――― [JIS X 25012 pdf 7] ―――――

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X 25012 : 2013 (ISO/IEC 25012 : 2008)
4.11
情報システム(information system)
人的資源,技術的資源,財務資源などの関連する組織上の資源とともに,情報を提供し配布する一つ以
上のコンピュータシステム及び通信システム。
注記 JIS X 0001:1994を変更した。
4.12
インテグリティ(integrity)
資産の正確性及び完全さを保護する特徴(JIS Q 13335-1:2006参照)。
4.13
メタデータ(metadata)
他のデータを記述するデータ(ISO/IEC 11179-1:2004参照)。
4.14
品質測定量要素(quality measure element)
ソフトウェア測定量又はデータ品質測定量を構成するために使用する測定量。基本測定量又は導出測定
量のいずれか一方である。

5 データ品質

5.1 概要

  定義されたデータ品質モデルを使用してデータ品質を記述する。
この規格で規定するデータ品質モデルは,品質属性を固有の視点及びシステム依存の視点という二つの
視点を考慮した15の品質特性に分類する。
5.1.1 固有のデータ品質
固有のデータ品質は,データを明示された条件で使用するとき,明示されたニーズ及び暗黙のニーズを
満足させるために,データの品質特性が本来備えている潜在力の度合いを参照する。
固有の視点から,データ品質は,データそのものを参照する。特に次のものを参照する。
− データ領域の値及び起こり得る制限(例えば,与えられた適用上の特性に対して要求された品質に影
響を与えるビジネス上のルール)
− データ値の関係(例えば,一貫性)
− メタデータ
5.1.2 システム依存のデータ品質
システム依存のデータ品質は,データを明示された条件で使用するとき,コンピュータシステム内でデ
ータ品質が到達し,維持される度合いを参照する。
この視点から,データ品質は,データが使用される,技術上の領域に依存する。データ品質は,コンピ
ュータシステムの構成要素の能力によって達成される。構成要素とは,ハードウェア装置(例えば,デー
タを使用可能にするため又は必要な精度を確保するための装置),コンピュータシステムソフトウェア(例
えば,回復性を達成するためのバックアップソフトウェア),及びその他のソフトウェア(例えば,移植性
を達成するための移行ツール)である。

5.2 データ品質モデル

  この規格で規定するデータ品質モデルは,固有の視点及びシステム依存の視点に従って,15の品質特性
の概要を記述する。

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X 25012 : 2013 (ISO/IEC 25012 : 2008)
表1−データ品質モデル特性
特性 データ品質
固有 システム依存
正確性(Accuracy) ○
完全性(Completeness) ○
一貫性(Consistency) ○
信ぴょう(憑)性(Credibility) ○
最新性(Currentness) ○
アクセシビリティ(Accessibility) ○ ○
標準適合性(Compliance) ○ ○
機密性(Confidentiality) ○ ○
効率性(Efficiency) ○ ○
精度(Precision) ○ ○
追跡可能性(Traceability) ○ ○
理解性(Understandability) ○ ○
可用性(Availability) ○
移植性(Portability) ○
回復性(Recoverability) ○
表1の“○”印は,固有の視点及び/又はシステム依存の視点から要求されるか,又は評価されるデー
タ品質に対する特性と結果としてのその測定可能性との関連を示している。
幾つかの特性は,両方の視点から関係がある。
データ品質特性は,様々な利害関係者に応じて変化する様々な重要性及び優先度をもっている。

5.3 データ品質特性

5.3.1  固有の視点
固有の視点に関連する特性を次に示す。
5.3.1.1 正確性
特定の利用状況において,意図した概念又は事象の属性の真の値を正しく表現する属性をデータがもつ
度合い。次の二つの主要な局面をもつ。
− 構文上の正確性
構文上の正確性は,領域内で定義された構文的に正しいと考えられる値の集合へのデータ値の近さ
として定義される。
例1 構文上の正確性の低い度合いは,“メアリ(mary)”という単語が“メアリ(marj)”として保
存されているときのことである。
− 意味的な正確性
意味的な正確性は,領域内で定義された意味的に正しいと考えられる値の集合へのデータ値の近さ
として定義される。
例2 意味的な正確性の度合いが低いのは,“太郎”という名前が“次郎”として保存されていると
きなどである。両者とも名前参照領域に属しているので,構文上は正確である。しかし,“次
郎”は,別の人についた異なる名前である。
固有のデータ品質測定量の例
− データ品質測定量の名称 構文上の正確性の記録欄

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X 25012 : 2013 (ISO/IEC 25012 : 2008)
− 測定関数 A/B
− 品質測定量要素 A=詳細記入の欄が構文上正確なレコードの数
B=レコードの数
5.3.1.2 完全性
実体に関連する対象データが,特定の利用状況において,全ての期待された属性及び関係する実体イン
スタンスに対する値をもつ度合い。
例 従業員データベースにとって,幾つかの従業員レコードが緊急事態発生時に従業員に連絡できる
電話番号に関するデータを含んでいない場合,完全性は低くなる。
固有のデータ品質測定量の例
− データ品質測定量の名称 ファイルの中のデータの完全性
− 測定関数 A/B
− 品質測定量要素 A=データファイル中で,特別な状況に対して要求されたデータの数
B=使用目的の明示された特別な状況でのデータの数
5.3.1.3 一貫性
特定の利用状況において,矛盾がないという属性及び他のデータと首尾一貫しているという属性をデー
タがもつ度合い。それは,一つの実体に関するデータ相互間,又は同等の実体に対する類似のデータをま
たがったデータ同士間の,いずれか一方又は両方となる場合がある。
注記 一貫性が低くなる例として,同義語の使用が挙げられる。データを定義するために使用される
用語辞書は,こうしたケースを避けるために有用になることがある。
例 従業員の生年月日は,“採用日”より遅くなることはあり得ない。
固有のデータ品質測定量の例
− データ品質測定量の名称 データファイルの一貫性
− 測定関数 A/B
− 品質測定量要素 A=ファイル中の一貫性のあるデータの数
B=ファイル中に記録されたデータの数
5.3.1.4 信ぴょう(憑)性
特定の利用状況において,利用者によって真(実)で信頼できるとみなされる属性をデータがもつ度合
い。
注記 信ぴょう(憑)性は,真正性(authenticity)(素性,帰属,約束の正しさ)の概念を含む。
例 独立し,かつ,信頼できる組織が保証したデータは,信用できると考えることが望ましい。
固有のデータ品質測定量の例
− データ品質測定量の名称 信用取引リスクを評価するために銀行で使用するデータの信ぴょう(憑)

− 測定関数 A/B
− 品質測定量要素 A=信用取引リスク情報データを取得した後,内部監査によって保証され
るデータの数
B=信用取引リスク情報データを取得するために使用されるデータの数
5.3.1.5 最新性
特定の利用状況において,データが最新の値である属性をもつ度合い。
例 駅の発車案内板は,たとえ,列車の発着予定時刻又は発着ホームが変わったとしても,乗客が列

――――― [JIS X 25012 pdf 10] ―――――

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JIS X 25012:2013の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 25012:2008(IDT)

JIS X 25012:2013の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 25012:2013の関連規格と引用規格一覧