JIS X 25020:2021 システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)―品質測定の枠組み | ページ 2

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X 25020 : 2021 (ISO/IEC 25020 : 2019)
る。
ISO及びIECは,次に示すサイトにおいて,標準化に利用するための用語データベースを保守している。
− ISO Online browsing platform : https://www.iso.org/obp
− IEC Electropedia : http://www.electropedia.org/
3.1
属性(attribute)
人手又は自動的な手段によって,定量的又は定性的に識別可能な固有の特徴又は特性
注釈1 JIS Q 9000では属性を次の二種類に区別している。
− あるものに固有に存在する恒久的な特性
− 製品,プロセス又はシステムに割り当てられた特性(例えば,製品の価格,製品の所有者)。
割り当てられた特性は,その製品,プロセス又はシステムに固有の品質特性ではない。
(出典 : JIS X 25000:2017の4.1の注記1を削除し,注記2を注釈1とした。)
3.2
基本測定量(base measure)
属性(3.1)及び属性を定量化するための方法に関して定義した測定量(3.6)
注釈1 基本測定量は,他の測定量と機能的に独立した測定量をいう。
注釈2 “International Vocabulary of Metrology−Basic and General Concepts and Associated Terms, 2012”の
“base quantity”の定義に基づいている。
(出典 : ISO/IEC/IEEE 15939:2017の3.3)
3.3
導出測定量(derived measure)
基本測定量(3.2)の複数の値の関数として定義した測定量(3.6)
注釈1 “International Vocabulary of Metrology−Basic and General Concepts and Associated Terms, 2012”の
“derived quantity”の定義の一部を変更している。
(出典 : ISO/IEC/IEEE 15939:2017の3.8)
3.4
指標(indicator)
定義された情報ニーズ(3.5)に関するモデルから導出し,明記した属性(3.1)の見積り又は評価を示
す測定量(3.6)
(出典 : ISO/IEC/IEEE 15939:2017の3.10)
3.5
情報ニーズ(information need)
目的,目標,リスク及び問題点を管理するために必要となる見解
(出典 : ISO/IEC/IEEE 15939:2017の3.12)
3.6
測定量(名詞)(measure, noun)
測定(3.8)の結果として値が割り当てられる変数
注釈1 “測定量”という用語は,基本測定量(3.2),導出測定量(3.3)及び指標(3.4)をまとめて参

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X 25020 : 2021 (ISO/IEC 25020 : 2019)
照するために使用する。
(出典 : ISO/IEC/IEEE 15939:2017の3.15)
3.7
測定する(動詞)(measure, verb)
測定(3.8)を行う行為
(出典 : JIS X 25000:2017の4.19)
3.8
測定(measurement)
測定量(3.6)の値を決定するという目的をもった操作の集合
注釈1 測定には,ソースプログラムの言語(Ada,C,Javaなど)のような定性的分類を割り当てるこ
とを含めることが可能である。
(出典 : JIS X 25000:2017の4.20の説明文の“定量的分類”を“定性的分類”へ訂正し変更した。)
3.9
測定の関数,測定関数(measurement function)
複数の基本測定量(3.2)を結合するために遂行するアルゴリズム又は計算
(出典 : ISO/IEC/IEEE 15939:2017の3.20)
3.10
測定方法(measurement method)
明記した尺度に関して,属性(3.1)を定量化するために使う一連の操作の論理的な順序を一般的に記
述したもの
注釈1 測定方法の種類は,属性を定量化するために使う操作の性質に依存する。これには,次の二つ
の種類がある。
− 主観的 : 人間の判断を含んだ定量化
− 客観的 : 数値的な規則に基づいた定量化
注釈2 “International Vocabulary of Metrology−Basic and General Concepts and Associated Terms, 2012”の
“method of measurement”の定義に基づいている。
(出典 : ISO/IEC/IEEE 15939:2017の3.21)
3.11
定量化のための特徴(property to quantify)
品質測定量要素(3.14)に関連付けられ,かつ,測定方法(3.10)によって定量化可能な対象実体の特

注釈1 ソフトウェア作成物は,対象実体の一つの例である。
(出典 : JIS X 25023:2018の4.7)
3.12
利用時品質(quality in use)
特定の利用状況において,有効性,効率性,満足性及びリスク回避性で特定の目標を達成するという特
定の利用者のニーズを満たすために,特定の利用者が製品又はシステムを利用可能な度合い
注釈1 製品の利用時品質は,実装されたシステムの利用者が使用するとき,又はフィールドテスト若
しくはプロトタイプテスト期間中に,対象製品の効果によって測定し(3.7),かつ,評価するこ

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X 25020 : 2021 (ISO/IEC 25020 : 2019)
とが可能である。
注釈2 利用時品質を明記する場合,利用時品質は,明記した利用状況において,有効性,効率性,満
足性及びリスク回避性で明記した目標を達成するという利用者のニーズを,明記した利用者が
満たすことに関係する。
注釈3 この規格の対応国際規格ISO/IEC 25020:2019では,ISO/IEC 25000:2014の4.24の用語及び定
義を用いているが,関連するISO/IEC 25022:2016(JIS X 25022:2019)を発行時,この用語を“利
用時の品質”から“利用時品質”に変更した。ここでは,ISO/IEC 25022:2016(JIS X 25022:2019)
の4.15の用語及び定義並びに注記を引用した。
(出典 : JIS X 25022:2019の4.15に注釈3を追加した。)
3.13
品質測定量,QM(quality measure, QM)
品質測定量要素(3.14)の複数の値の測定の関数(3.9)として定義した導出測定量(3.3)
(出典 : JIS X 25021:2014の4.13に略語“QM”を追加した。)
3.14
品質測定量要素,QME(quality measure element, QME)
数学関数による変換を含むことがある,特徴及び特徴を定量化するための測定方法(3.10)に関して定
義した測定量(3.6)
注釈1 ある実体のシステム又はソフトウェアの品質特性又は品質副特性は,ソフトウェアの品質測定
量(3.13)の計算後に導出する。
[出典 : JIS X 25000:2017の4.26の用語を“品質測定量の要素”から“品質測定量要素”(JIS X
25021:2014の4.14)に変更し,略語“QME”を追加した。]
3.15
外部特徴に対応する品質測定量,外部特徴QM(quality measure on external property, QM on external
property)
明記された条件下で使用されるソフトウェアを含むシステムに対して,明示的ニーズ及び暗黙のニーズ
を満たすために,システム又はソフトウェア製品がどのくらい動作可能であるかを示す度合いの測定量
(3.6)
注釈1 テスト及び運用操作中にシステム又はソフトウェア製品を実行することによって,振る舞いの
属性(3.1)を測定し(3.7),検証及び/又は妥当性確認を行うことが可能である。
例 テスト中に発見される故障数のテストケース当たりの故障密度は,コンピュータシステムに存在す
る障害の数に関連する,外部特徴に対応する品質測定量(外部特徴QM)である。テストは全ての
障害を発見可能なわけではないので,二つの測定量は,必ずしも同じではない。障害は,異なる環
境においては,明らかに異なる故障を引き起こす可能性がある。
(出典 : JIS X 25000:2017の4.11の用語を“システム又はソフトウェア品質の外部測定量”から“外部
特徴に対応する品質測定量”に変更し,別名として“外部特徴QM”を追加した。注釈1に“測定”とい
う単語を追加し,例で,“故障の回数”を“故障数のテストケース当たりの故障密度”に変更した。)
3.16
内部特徴に対応する品質測定量,内部特徴QM(quality measure on internal property, QM on internal
property)
明記された条件下で使用されるソフトウェア製品に対して,ソフトウェア製品の静的属性(3.1)の集
合が明示的ニーズ及び暗黙のニーズを満たす度合いの測定量(3.6)

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X 25020 : 2021 (ISO/IEC 25020 : 2019)
注釈1 静的属性は,ソフトウェアアーキテクチャ,構造及びその構成部品,データ構造及びその形式,
画面上のグラフィック表示の構造及び外観,並びに利用者又はサービスの受け手向けのメニュ
ーに関係する属性を含む。
注釈2 静的属性は,レビュー,インスペクション,シミュレーション及び/又は自動化ツールによっ
て検証することが可能である。
注釈3 通常,内部特徴に対応する品質測定量は,要求事項の中に明記することが可能であるか,又は
要求事項から導出することが可能な,静的特徴及び属性についての品質要求事項に関連してい
る。
例 ウォークスルーで発見した,複雑さの測定量,並びに障害の数,障害の重大性及び故障の頻度は,
製品そのものに作り込まれた内部特徴に対応する典型的な品質測定量である。
(出典 : JIS X 25000:2017の4.16の用語を“ソフトウェア品質の内部測定量”から“内部特徴に対応す
る品質測定量”に変更し,別名として“内部特徴QM”を追加した。注釈1に静的属性の情報を追加し,
注釈3を追加した。)
3.17
システム及びソフトウェア製品の品質,製品品質(system and software product quality,product quality)
特定の条件下で使用した場合に,明示的ニーズ及び暗黙のニーズを満たすシステム及び/又はソフトウ
ェアの能力
注釈1 製品品質モデルは,JIS X 25010:2013で定義しているシステム及びソフトウェア製品の品質モ
デルを参照する。

4 略語

  ICT(Information and Communication Technology)  : 情報通信技術
QM-RM(Quality Measurement Reference Model) : 品質測定参照モデル
QM(Quality Measure) : 品質測定量
QME(Quality Measure Element) : 品質測定量要素

5 適合性

  この規格に適合するシステム及びソフトウェア製品の品質,利用時品質,データ品質並びにITサービス
品質の測定プロセスは,箇条6の要求事項を満たさなければならない。

6 品質測定

6.1 品質測定参照モデル

  品質測定参照モデル(QM-RM)は,図2のように,品質モデルとQMEからなるQMの構造との関係を
示している。この関係は,システム及びソフトウェア製品の品質,利用時品質,データ品質及びITサービ
ス品質を測定するための参照モデルを構成している。附属書Eに示す測定情報モデルでは,属性と測定と
の関係を示す。

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X 25020 : 2021 (ISO/IEC 25020 : 2019)
製品の品質,利用時品質,データ品質
又はITサービス品質の品質モデル
品質特性又は品質副特性
評価するために定量化する
品質測定量(QM)
定義される 一つ以上のQMEを使用
するアルゴリズム
測定の関数
使用する
·
基本測定量又は二つ以上
品質測定量要素(QME) QME の基本測定量を組み合わ
せた導出測定量
定義される 定義される
測定方法 測定方法
測定される 測定される
測定対象
定量化のための特徴 定量化のための特徴
もつ もつ
対象実体 対象実体
注記1 対象実体には,システム,ソフトウェア製品,データ又はITサービスがある。
注記2 矢印は,主語から目的語に向かう作用を示す。例えば,“品質測定量”は,“品質特性又は品質副特性”を
評価するために定量化する。
図2−品質測定参照モデル(QM-RM)
システム,ソフトウェア製品,データ又はITサービスの品質は,様々な利害関係者の明示的ニーズ及び
暗黙のニーズを満足している度合いであり,それによって価値を提供する。品質に対する利用者のニーズ
は,特定の利用状況におけるシステム品質に対する要求事項を含む。これらの明示的ニーズ及び暗黙のニ
ーズは,品質を品質特性に分類し,更に品質副特性に細分化した品質モデルによって,SQuaREシリーズ
規格では表現している。品質特徴は,測定方法を用いて測定する。測定方法とは,明記した尺度に対して
特徴を定量化するために使用する一連の操作の論理的な順序である。測定方法を適用した結果をQMEと
呼ぶ。
QMは,QMEの集合に測定関数を適用することによって構築する。測定関数は,QMEを結合するため
に使用するアルゴリズムである。測定関数を適用した結果をQMと呼ぶ。このようにして,QMは品質特
性(及び品質副特性)を定量化として機能する。品質特性(及び品質副特性)の測定には,複数のQMを
使用してもよい。
QMEがQMとしても機能する特別な場合では,適用される測定関数は,関数出力値が入力値に等しい
恒等関数となる。QMEは,基本測定量又は導出測定量のどちらでもよい。測定量の妥当性確認及び検証の
ための総合評価情報を附属書Bに示す。ISO/IEC/IEEE 15939に規定されている手引に基づいて,QMEを
構築する。品質要求事項の仕様に関連して,関心のある品質特性及び品質副特性を選択するための手引に

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JIS X 25020:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 25020:2019(IDT)

JIS X 25020:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 25020:2021の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称