JIS X 25062:2017 システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)―使用性の試験報告書のための工業共通様式 | ページ 2

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X 25062 : 2017 (ISO/IEC 25062 : 2006)
注記1 対応国際規格 : ISO 9241-11:1998,Ergonomic requirements for office work with visual display
terminals (VDTs)−Part 11: Guidance on usability(IDT)
注記2 現在は,第2版に改正中。

4 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。4.14.9は,JIS Z 8521による。
注記 有効性,効率性,及び満足性は,JIS Z 8521と同じ方式でJIS X 0129-1において定義されてい
る。しかし,JIS X 0129-1では,ソフトウェア製品の観点から定義されているのに対して,JIS
Z 8521では,利用者の観点から定義されている。この規格における効率性は,JIS X 0129-1に
おける生産性と等しい。JIS X 0129-1における効率性は,異なる意味で定義されている。
4.1
使用性,ユーザビリティ(usability)
ある製品が,指定された利用者によって,指定された利用の状況下で,指定された目的を達成するため
に用いられる際の,有効性,効率性,及び利用者の満足性の度合い。
注記 JIS X 0129-1で定義された利用時の品質は,JIS Z 8521の使用性の定義と同じ方式で定義され
ている。利用時の品質は,全ての品質特性によって影響され,理解性,学習性,操作性,魅力
性及び適合性の観点からJIS X 0129-1における使用性の定義より広い。
4.2
有効性(effectiveness)
利用者が,指定された目標を達成する上での正確さ及び完全さ。
4.3
効率性(efficiency)
利用者が,目標を達成する際に正確さ及び完全さに関連して費やした資源。
注記 使用性の文脈における効率性は,ソフトウェア効率性の文脈における意味よりも“生産性”に
関連している。
4.4
満足性(satisfaction)
不快さのないこと及び製品使用に対しての肯定的な態度。
4.5
利用の状況(context of use)
利用者,仕事,装置(ハードウェア,ソフトウェア及び資材),並びに製品が使用される物理的及び社会
的環境。
4.6
利用者(user)
製品とやりとりする人間。
注記 JIS X 25010では,利用者を,利用中にシステムと対話するか又はシステムから利益を得る,個
人又はグループとしている。JIS X 25010の利用者は,異なる視点から次の3種類に分類してい
る。主目標を達成するためにシステムと対話をする一次利用者。支援を提供する二次利用者。
システムと直接対話をしないが出力を受け取る間接利用者。

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X 25062 : 2017 (ISO/IEC 25062 : 2006)
4.7
利用者層(user group)
使用性に影響を与えると思われる,年齢,文化,又は専門知識のような要因によって,他の利用者と区
別される,意図している利用者たちの集団。
4.8
目標(goal)
意図している結果。
注記 利用者の相互作用に関係する特定の目標は,タスク目標として参照されることもある。
4.9
仕事(task)
目標達成のために必要となる活動。
注記1 活動には,身体的なもの又は認知的なものもある。
注記2 職務上の責務が,目標及び仕事を決める場合もある。
4.10
アクセシビリティ(accessibility)
様々な能力をもつ最も幅広い層の人々に対する製品,サービス,環境又は設備のユーザビリティ。
注記1 アクセシビリティの概念では,能力の多少を問わず全ての利用者を対象とし,障害者及び正
式に認められた利用者に限定していない。
注記2 ユーザビリティ指向のアクセシビリティの概念は,全ての利用者の能力の全範囲に十分に注
意を払うと同時に利用の特定の状況を考慮し,できるだけ高い水準の有効性,効率性及び満
足性を達成することを目指している。
4.11
支援技術(assistive technologies)
システムに追加又は内蔵されるハードウェア又はソフトウェアであって,個人のアクセシビリティを向
上させるもの。
例 点字ディスプレイ,スクリーンリーダ,スクリーン拡大ソフトウェア及びアイトラッキング機器
も支援技術である。
4.12
補助(assist)
試験参加者が自分自身でタスクを完遂することができない場合に,試験を継続するために,試験管理者
が提供する直接的な手続きの補助の形式で行われる試験への介入。

5 報告書書式

5.1 タイトルページ

  次の情報を,記載しなければならない。
− この規格の使用性の試験報告書のためのCIFに準拠した報告書であること及び連絡先を明記。
− 試験をした製品及びそのバージョン。
− 試験の主導者名。
− 試験の実施日。
− 報告書作成日。

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− 報告書作成者。
− 質問及び/又は説明についての連絡先。
− 供給者の電話番号。
− 供給者の電子メールアドレス。
− 供給者の住所。
次の情報を,記載することが望ましい。
− 顧客組織名。
− 顧客組織連絡先。

5.2 概要

  ここでは,この報告書の試験内容の技術的な詳細を読むとは限らない調達意思決定者に対して,必要な
情報を提供する。
この“概要”は,独立した概要として利用することを容易にするために,新しいページとして始め,改
ページで終えなければならない。
試験概要には,次を含めなければならない。
− 製品の名前及び説明。
− 試験参加者及びタスクについての,数及び種類を含んだ試験方法の概要。
− 平均などの中心傾向値によって表した,作業成績及び満足性の結果。
次の情報を,記載することが望ましい。
− 試験の理由及び特徴。
− 作業成績の結果を集約した表。
− 数値又は製品間に差がある場合の,統計的な意味。
5.3

序文

  ここでは,製品の説明及び試験の目的を記載する。
5.3.1 詳細な製品説明
次の情報を記載しなければならない。
− 製品の正式名称及びリリース又はバージョン。
− 評価された製品の部分。
− 製品の想定される利用者数。
次の情報を,記載することが望ましい。
− 製品によって提供される支援技術。
− 想定される製品の物理的及び社会的利用環境の記載。
− 製品によって支援される作業の種類。
5.3.2 試験目的
次の情報を,記載しなければならない。
− 対象となる領域に関する全ての試験目的。
注記 例えば,製品が成功基準に適合しているかどうかを評価するためには,その製品を利用する
際の,仕事の作業成績及び主観的な満足性を試験することが目的として想定される。
− 利用者が直接的及び間接的に関わる,機能及び構成要素。
次の情報を,記載することが望ましい。
− 製品全体を試験しない場合,製品要素に限定した理由。

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5.4 方法

  中立の試験実施者が,試験で用いられた手続きを再現することができるように十分な情報を記載しなけ
ればならない。
5.4.1 試験参加者
次の情報を,記載しなければならない。
− 試験参加者の総数。
注記 有効な統計分析を行うために,十分な数の試験参加者数が必要である。
この目的のためには,1グループ当たり8人以上の試験参加者数が推奨される[9]。
− ユーザグループが2以上の場合,ユーザグループ区分。
− ユーザグループの主要特性及び能力。
− 試験参加者を選んだ基準,例えば,必須特性の有無。
− ユーザ母集団及び試験参加者の標本との違い。
例 試験参加者は,訓練を受けていなかったのに対して,実際のユーザは,訓練コースに参加して
いる場合がある。
− 試験参加者(行)の特性(列)の表。この表には,人口統計学の特性,専門的な経験,コンピュー
タ利用経験,及び支援技術に対するニーズが含まれる。
注記 支援技術が必要な試験参加者は,身体的又は認知的な障害が個々に異なる場合がある。
例 次の表1は,事例を示す。ここにあるユーザ特性は,典型的な項目であるが,必ずしも試験状
況の全ての種類を包含しているわけではない。
表1−試験参加者(行)の特性(列)の表の事例
性別 年齢 教育 職業/職務 職業経験 コンピュータ 製品
利用経験 利用経験
P1
P2
P3
“性別”の項目には,男性又は女性を入力する。
“年齢”の項目には,試験参加者の年代順による年齢,又は正確な年齢が分からない場合は,
年齢範囲(例 2545),年齢層(例 18未満,65歳より上)を入力する。
“教育”の項目には,正式な教育を終了した年数を入力する(高卒では12年間,大卒では
16年間)。ある場合には,教育レベルを,“最終学歴”として表すこともある。
“職業/職務”の項目には,その製品を利用する際のユーザの業務/職務を入力する。もし
分かるならば,職位を記入する。
“職業経験”の項目には,ユーザがその職務を遂行してきた年数を入力する。
“コンピュータ利用経験”の項目には,プラットフォーム又はOS,及び/又は製品領域につ
いてどのくらいの経験があるか,というような製品利用に関連する背景について入力する。
“製品利用経験”の項目には,その製品又は類似の製品を利用した経験の種類及び期間につ
いて入力する。
本質的に同様のグループの試験参加者を募集できるように,利用者の特性及び能力は十分に網羅されて

――――― [JIS X 25062 pdf 9] ―――――

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X 25062 : 2017 (ISO/IEC 25062 : 2006)
いなければならない。
製品の使用性に関連のある利用者の特性及び能力を選ぶことが望ましい。試験参加者が,どれだけ顧客
のユーザ母集団に類似しているのかを,顧客が判断できるようにすることが望ましい。
次の情報を,記載することが望ましい。
− 支援技術が必要な利用者の記載。
試験参加者は,試験を実施している組織,及び供給者の組織から選ばないことが望ましい。
5.4.2 試験における製品利用状況
次の情報を,記載しなければならない。
− 試験を行う利用状況と製品利用を想定している状況との違い。
5.4.2.1 タスク
次の情報を,記載しなければならない。
− 試験用タスク。
− 試験用シナリオ。
− タスクが選ばれた理由。
例 最も頻繁に行われるため,最も面倒なため。
− タスクの出所。
例 同様の製品を使っている顧客の観察から,製品のマーケティング資料から,ユーザ又は設計チ
ームとのディスカッションから。
− 試験参加者に提供されるタスク関連資料。
例 データ入力のための資料。
− タスクの達成基準又は作業成績基準。
5.4.2.2 試験設備
次の情報を,記載することが望ましい。
− 試験が実施された場所の種類及び設定。
例 ユーザビリティラボ,個室,会議室,ホームオフィス,自宅の居間,製造現場。
− 試験結果に影響を与える設備特性又は実験環境。
例 映像及び音声の記録機器,マジックミラー,又はデータ自動収集機。
5.4.2.3 試験のコンピュータ環境
試験を再現及び検証するために,次を含む十分な情報を提供しなければならない。
− コンピュータのシステム構成,コンピュータのモデル,OSのバージョン,必要なライブラリ,又
は設定。
− 使用した場合には,ブラウザ名及びバージョン,さらに,関連するプラグインの名前及びバージョ
ン。
5.4.2.3.1 ディスプレイ機器
次の情報を,記載しなければならない。
− スクリーン上で試験を実施した場合,スクリーンサイズ,解像度,及びカラー設定。
− 紙上で試験を実施した場合,紙のサイズ及び印刷の解像度。
− 視覚インタフェースの要素(例えば,フォント)のサイズが,変更できる場合,試験で利用したサ
イズを明確にする。

――――― [JIS X 25062 pdf 10] ―――――

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JIS X 25062:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 25062:2006(IDT)

JIS X 25062:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 25062:2017の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称