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X 4161-1993 (ISO/IEC 9541-1 : 1991)
2. 引用規格
次の規格に含まれる規定内容は,この規格の文中での引用によってこの規格の規定となる。
各規格には,この規格の出版の際に有効であった版を表示してある。どの規格も改訂を受けるので,この
規格に従った合意を形成するに際しては,それぞれの規格の最新版を調べて適用する。現在有効な国際規
格の登録管理は,ISO及びIECの構成員が行っている。
ISO 646 : 1983 Information processing−ISO 7-bit coded character set for information interchange
ISO 3166 : 1988 Codes for the representation of names of countries
備考 JIS X 0304(国名コード)-1988が,この国際規格の1981年版に対応している。
ISO 6523 : 1984 Data interchange−Structures for the identification of organizations
ISO 8824 : 1990 Information technology−Open Systems Interconnection−Specification of Abstract Syntax
Notation One (ASN.1)
備考 JIS X 5603[開放型システム間相互接続の抽象構文記法1 (ASN.1) 仕様]-1990が,この国際
規格の1987年版に対応している。
ISO/IEC 9070 : 1991 Information technology−SGML support facilities−Registration procedures for public
text owner identifiers
ISO/IEC 9541-2 : 1991 Information technology−Font information interchange−Part 2 : Interchange Format
備考 JIS X 4162(フォント情報交換第2部交換様式)-1993が,この国際規格と一致している。
ISO/IEC 10036 : 1991 Information technology−Procedure for registration of glyph and glyph collection
identifiers
3. 用語の定義
この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。
3.1 並び線 (alignment line) 一つのフォントのほとんどのグリフ像がその上に並んでいるように見え
る仮想的な線。
3.2 現位置 (current position)次のグリフ表現を可視化する位置を示す表示面上の点。
3.3 デザイン寸法 (design size)その大きさでの使用を考えて設計した,フォントの絶対的な寸法。
3.4 送り (escapement) グリフ表現を可視化した結果生じる,表示面上の現位置の移動。
3.5 送り点 (escapement point) グリフ表現を可視化した結果,表示面上で現位置が移る先を示す,グリ
フ座標系内の点であるグリフ配置量。
3.6 フォント (font)基本デザインが同一であるグリフ像の集合。例えば,クーリエ ボールド オブ
リク (Courier Bold Oblique) 。
3.7 フォントファミリ (font family) クーリエ,クーリエ ボールド,クーリエ ボールド オブリク
(Courier,Courier Bold,Courier Bold Oblique) のように,共通するデザインのフォントの集合。
3.8 フォント配置量 (font metrics) 当該フォント資源に含まれるすべてのグリフ表現に共通する,フォ
ント資源中の寸法と位置決め情報の集合。
3.9 フォント参照 (font reference)電子文書表現で用いるフォント資源について,そのフォントを識別
したり,記述したりする情報。この情報に対する手続きや操作もフォント参照に含めてよい。
3.10 フォント資源 (font resource)グリフ表現の集合に,フォント配置量情報とその集合全体に関係す
る記述情報とを加えたもの。
3.11 フォント寸法 (font size)ほとんどの場合,フォント配置量,グリフ形状及びグリフ配置量を相対
的に指定する基準寸法(スカラ量)。
個々のデザインの違いを除去した認知可能な抽象的図記号。
3.12 グリフ (glyph)
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識別対象となるグリフの集合。
3.13 グリフ集合 (glyph collection)
3.14 グリフ座標系 (glyph coordinate system) グリフ形状,グリフ配置量及びフォント配置量を定義する
のに用いる2次元デカルト座標系。
3.15 グリフ像 (glyph image) 表示面上にグリフ表現を表示することによって得られる,グリフの可視化
結果。
3.16 グリフ配置量 (glyph metrics)グリフ形状の寸法と位置決めを規定する,グリフ表現の中の一群の
情報。
3.17 グリフ表現 (glyph representation) フォント資源の中の個々のグリフに関するグリフ形状とグリフ
配置量。
3.18 グリフ形状 (glyph shape) グリフを表現する形を規定する,グリフ表現の中の一群の情報。
3.19 カーン (kern)位置決め点又は送り点からはみ出たグリフ形状のはみ出し部分。
3.20 位置決め点 (position point)通常はグリフ形状を可視化する前に表示面の現位置に対応させる,グ
リフ座標系の点であるグリフ配置量。
3.21 姿勢 (posture) グリフの形状又はグリフの集合の形状が傾斜して見える定性的な程度。傾斜によっ
てデザインが変化したり字体が変化したりする。
表現処理が管理する表示媒体(紙,図形表示装置など)の仮想表現。
3.22 表示面 (presentation surface)
その上ですべてのグリフ形状を可視化する。
3.23 プロポーション (proportionate width)一つのグリフ又はグリフ集合についての,送りのフォント高
に対する比。
3.24 ステム (stem) グリフ形状の主要ストローク。
3.25 ウェイト (weight) 一つのグリフ又はグリフ集合についての,ステム幅のフォント高に対する比。
3.26 表記方向 (writing mode) 組版システムなどの表記系でテキストを組んでいく方向。通常はその際
のグリフの公称送り方向を示す。例えば,右向き,左向き,下向きなど。
4. 表記法
この規格では,データ型を規定するに当たって,フォント交換様式に用いる実際の抽象デー
タ構文とは独立した形で,拡張したBNF(Backus-Naur Form, バッカス・ナウア記法)を用いて形式的な
定義を与える。
拡張したBNFの構成要素は,次のとおりとする。
甲乙丙 構文要素
::= 規則の定義
| 要素の選択(又は)
, 要素の区切り
[・・・] 省略可能な要素
(・・・) 要素のグループ
(・・・)* グループ内の要素の0n回の繰り返し
(・・・)+ グループ内の要素の1n回の繰り返し
“...” リテラル(...そのもの)
−−... 注釈
例
(a) 甲::=乙,丙 : 構文要素の甲を,構文要素の乙の次に構文要素の丙を並べた構文要素列(順序付きリ
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スト)として定義する。
(b) 甲::=乙|丙 : 構文要素の甲を,構文要素の乙又は構文要素の丙として定義する。
(c) 甲::=(乙|丙),[丁] : 構文要素の甲を,構文要素の乙又は構文要素の丙の次に,構文要素の丁を並
べた構文要素列として定義する。構文要素の丁は省略することができる。
(d) 甲::=(乙|丙)* : 構文要素の甲を,構文要素の乙又は構文要素の丙が0個以上並ぶ構文要素列とし
て定義する。
(e) 甲::=(乙,丙,“foo”)+ : 構文要素の甲を,構文要素の乙,構文要素の丙及び直要素の“foo”その
ものを並べた構文要素列を,1個以上並べた構文要素列として定義する。
8.に示す形式的なデータ型の定義は,この規格に適合するすべての情報交換様式で表現しなければなら
ない情報の集合を規定する。拡張性,下位方向互換性及び上位方向互換性に関する一般的な体系的原則が
保てる限り,8.で規定するデータ又は構造そのものの構成で交換様式を実現しなくてもよい。この規格に
適合する交換様式は,その抽象構文で利用できる最も効率的な符号化方式を採用してよい。
特に,この規格で規定する属性及び属性リストの名前は,その名前と値との対応がつく限り,交換様式
の中でデータとして直接符号化しなくてよい。
属性及び属性リストの名前の完全形は,8.で定義する属性ごとに,その属性構造化名のBNFによる定義
を与えて規定する。符号化に依存しないインタフェースに提供するために,交換様式の中で符号化した名
前をその完全形に拡張することは,そこでの解析処理の責務とする。
5. データ型
5.1 一般
フォント資源の中でこれ以上の細分化できない情報の基本単位を,要素データ型という。要
素データ型を基本の組立て要素として集めたものを,複合データ型という。
5.は,この規格で用いる要素データ型及び複合データ型を規定する。これらデータ型に対する形式的な
構文及び符号化方法は,JIS X 4162で規定する。
5.2 属性及び属性リスト
フォント資源情報を表現するために用いる基本的なデータ型を,属性という。
属性は,概念的には“名前”・“型”・“値”の組合せとして定義される。ここで“名前”は,その属性を一
意に識別する。これを属性名という。“型”は,属性値のデータ型を示す。これを属性データ型という。“値”
の意味と解釈は,属性名及びその属性を用いる文脈によって決まる。これを属性値という。
8.では,フォント資源の属性を規定するとともに,そのデータ型を詳細に規定する。その結果,ISO属
性については,属性名そのものが対応する属性値の意味及びデータ型も規定することになる。しかし,非
ISO属性のデータ型は,5.で規定する要素データ型及び複合データ型を用いて明示的に定義しなければな
らない。例えば,フォント資源の中で用いるフォントファミリ名を識別するための属性は,属性名
FONTFAMILYをもつ。この属性名は,その属性値のデータ型が“名前”であると規定する。その属性値
の例に“クーリエ”がある。
属性は,関連項目ごとにまとめて,属性リストとしてもよい。属性リストは,あるオブジェクトの0個
以上の属性の集合となる。その属性は,すべて同一種別の属性名をもつ。同じ型の属性リスト中の項目を
指定するために,属性名の種別を特別に設定することがある。例えば,属性名“WEIGHT”及び“POSTURE”
は,記述フォント資源属性を指定するために特別に設定した,フォント資源属性名という種別に属する。
属性の値は,それ自身属性リストとなることがある(つまり,そのデータ型が“属性リスト”)。したが
って属性リストが,実質的に他の属性リストの中に入れ子になることがある。一般的には,この入れ子は
幾らでも繰り返してよく,幾らでも複雑な階層的データ構造を構築してもよい。しかし,実際には特定の
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属性を定義する文脈が入れ子の重なりを制限することになる。
属性リストを用いることで,それが順序付きであれ順序なしであれ,ISOフォント資源データ及び非ISO
フォント資源データに対して定義を与え一般的な拡張を施すことが可能となる。この規格で規定しないフ
ォント資源属性を,非ISO属性という。
5.3 値及び値リスト
それぞれの属性は,それに関連する値をもつ。値は,終端値,すなわち,整数の
ような単純なデータ型であっても,単純なデータ型の値のリスト(これを値リストという。)であっても,
それ自身属性リストであってもよい。
値リストは,属性リストとは違って,属性の内容を規定できる場合に用いる。特に,その属性値を並べ
る正確な順序を規定できるときには,順序付き値リストを用いる。
この規格に適合するフォント資源の中で使う属性値のデータ型は,次のいずれかでなければならない。
5.3.1 属性 (property) “名前”・“型”・“値”の組合せからなるデータ構造。
5.3.2 0個以上の関連する属性のリスト。高位の属性の値となることがある。
属性リスト (property-list)
ある特定の順序に並ぶ順序付きと指定してもよい。
5.3.3 値リスト (value-list)属性の“型”・“値”の対が0個以上並んだリスト。通常は,すべて同一の
データ型となる。ある特定の順序に並ぶ順序付きと指定してもよい。
5.3.4 固有データ (proprietary-data) この規格が規定するデータ型によっては表現できない2進数情報
を含むデータ構造。これらの情報は,通常,本質的に独占的なものであり,法的契約によって保護されて
いる。これらの情報は,交換してもよいが,必ずしもフォント資源のすべての利用者に理解できるもので
なくてもよい。固有データは,次の内容を含む。
−省略可能なメッセージ(通常,データ所有権の表示がある。)
−省略可能な暗号化キー
−nバイトの任意の2進データ。暗号化キーに従って暗号化してあることもある。
5.3.5 照合列 (match-string) 図形文字(制御文字を含めてもよい。)の順序付きの列。この図形文字及
び制御文字は,ISO 8824が規定する文字集合の文字とし,照合列は,照合に使うことを意図した文字列と
する。
5.3.6 メッセージ (message)図形文字(制御文字を含めてもよい。)の順序付きの列。この図形文字及
び制御文字は,ISO 8824が規定する文字集合の文字とし,メッセージは,利用者への情報表示を意図した,
人間に判読可能な文字列とする。
5.3.7 オクテット列 (octet-string)順序付きのオクテットの列。
5.3.8 オクテット (octet) 8ビットからなるバイト。
5.3.9 整数 (integer)−231から231−1までの範囲の符号付き整数。
5.3.10 非負整数 (cardinal)0から231−1までの範囲の符号なし整数。
5.3.11 コード (code)0から28−1までの範囲の非負整数。
5.3.12 有理数 (rational)二つの整数の比(分子/分母)として表した符合付き有理数。分母は,1から
231−1までの範囲とする。
グリフ座標系の単位に対して相対的に表した有理数。
5.3.13 相対有理数 (rel-rational)
5.3.14 角度 (angle) 度で表した,−360より大きく+360より小さい範囲の有理数。グリフ座標系の原
点を中心として,x軸の正方向から反時計回りに測る。
5.3.15 構造化名 (structured-name) 構造をもって構成した名前。5.4参照。
5.3.16 論理値 (boolean) “TRUE”又は“FALSE”。
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X 4161-1993 (ISO/IEC 9541-1 : 1991)
5.4 構造化名
この規格群では,主要な命名手段に構造化名を用い,その交換様式をJIS X 4162附属書
Bで規定する。構造化名は,分散型計算機系の中のオブジェクトを,時間と空間にまたがってあいまいさ
なく一意に識別する。
5.4.15.4.2では,JIS X 4162附属書Bを適用して,この規格群で使う構造化名を規定する。この規格群
では,構造化名を,ISO/IEC 9070で規定する正規形を使って表記する。
5.4.1 ISO/IEC 9541名及びISO/IEC 10036名
ISO/IEC 9541名は,正規形で表した命名権実体が“ISO/IEC
9541-1”である構造化名とする。すべてのISO/IEC 9541名は,この規格による定義のために予約済みとす
る。その例が,8.で規定するフォント資源の属性である。文脈が十分に名前を限定しているため,交換す
べき属性名を唯一に特定できる場合には,ISO/IEC 9541名から構造化名の一部を省略してもよい。
備考 この命名権実体は,ASN.1形式では [{1 0 9541 1}] と表記する。
ISO/IEC 10036名は,正規形で表した命名権実体が“ISO/IEC 10036/RA”である構造化名とする。すべて
のISO/IEC 10036名は.ISO/IEC 10036によって特に認可された登録機関が定義するので,予約済みとす
る。その例が,6.で規定するグリフ名とそれに関する登録機関である。文脈が十分に名前を限定している
ため,交換すべきグリフ名又はグリフ集合名を唯一に特定できる場合には,ISO/IEC 10036名から構造化名
の一部を省略してもよい。
備考 この命名権実体は,ASN1形式では [{1 1 10036}] と表記する。
この規格に適合するフォント資源中のISO/IEC 9541名及びISO/IEC 10036名のテキスト表現の内容は,
符号化文字集合ISO 646 IRVを用いて符号化しなければならない。
備考1. ISO/IEC 9541名及びISO/IEC 10036名に用いることのできる文字は,JIS X 4162附属書Bで規
定する。
2. ISO/IEC 9541名及びISO/IEC 10036名は,次の特徴をもつ構造化名の集合を提供するために
予約済みとする。つまり構造化名を,その利用希望者が分散環境で命名を行っても,どこで
も認識でき,利用できるものとする。フォント関連項目及び名前の種別は,ISO登録手続き
に従って,この規格の対応する箇条で規定する。
3. ISO/IEC 9541名又はISO/IEC 10036名として登録済みとなっている名前以外の構造化属性名,
構造化グリフ集合名及び構造化グリフ名は,この規定の体系の中で利用してもよい。ただし,
この規格群は,その意味を規定しない。
5.4.2 ICD0010名
ICD0010名は,命名権実体の表示が“ICD0010”である登録済み組織の作る構造化名
とする。その組織符号は,番号だけで構成しなければならない。すべてのICD0010名は,ISO 6523に基づ
き,そのSIO(1)としてICD(2)値0010をもつ書体業界組織の命名権実体によって特に認可された登録機関が
定義するので,予約済みとする。
注(1) IO Structure for Identification of Organizations
(2) CD International Code Designator
備考 この命名権実体は,ASN.1形式で [{1 3 10}] と表記する。
フォント情報交換の目的でフォント資源情報の登録機関を作る際には,命名権実体の表示“ICD0010”
を用いて組織を登録することを推奨する。例えば,組織XYZがフォント資源名
“ICD0010/1234//FontNames::Garamond−Bold−Italic−Condensed”を作るには,命名権実体ICD0010が,
組織XYZ対しての命名権実体の表示“1234”を,発行しなければならない。
5.5 形式的表記
次のBNF表記によって,この規格のデータ型の,形式的定義を与える。
属性 ::=属性名,[属性型,]属性値
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JIS X 4161:1993の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/IEC 9541-1:1991(IDT)
JIS X 4161:1993の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.240 : 情報技術(IT)の応用 > 35.240.30 : 情報,ドキュメンテーション及び出版業務におけるITの応用
JIS X 4161:1993の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISX0304:2011
- 国名コード
- JISX0304:2021
- 国名コード
- JISX4162:1993
- フォント情報交換 第2部 交換様式
- JISX5603:1990
- 開放型システム間相互接続の抽象構文記法1(ASN.1)仕様