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X 4163-1994 (ISO/IEC 9541-3 : 1994)
2.4.4 並び位置 並び位置とは,y方向でグリフの先端が並ぶ位置を表すy値とする。並び位置は,
LEFT-TO-RIGHT又はRIGHT-TO-LEFTのWRMODENAME属性の値をもつフォント資源に関して,並び域
を定義するのに必ず対で用いる。BASE-ALIGNのALIGNNAME属性の値をもつフォント資源は,x軸上に
ベースラインをもつ。並び位置は,フォントレベルのBLUEVALUES属性及びOTHERBLUES属性で指定
し,又は基準位置及びオーバシュート位置からなる対で指定する(2.4.5及び2.4.6参照)。
東アジアの表意グリフなどのTOP-TO-BOTTOMのWRMODENAME属性の値をもつフォント資源,又
はCENTRE-ALIGNのALIGNNAME属性の値をもつフォント資源は,一般的に中心だけに並び位置をもち
(フォント中にその並び位置の指定は必要ない。),グリフ形状の先端に他の並び位置をもたない。
2.4.5 基準位置 基準位置は,主に平らな形のグリフ先端がそろう,並び位置とする。平らな形状が何で
あるかは,書体デザイナの美的判断による。グリフ先端がほとんど平らであれば,基準位置にそろえるの
がよい。基準位置の概念は,CENTRE-ALIGNのALIGNNAME属性の値をもつフォント,又は
TOP-TO-BOTTOMのWRMODENAME属性の値を持つフォントには一般に適用しない。
2.4.6 オーバシュート位置 オーバシュート位置は,基準位置に関連し,それを少し越えた並び位置で,
そこに平らでないグリフ先端をそろえることができる(図1参照)。オーバシュートは,錯視を考慮し,さ
まざまな形態のグリフが垂直方向で精密にそろっているように見せることを目的とする。オーバシュート
位置は,ALIGNNAME属性の値がCENTRE-ALIGNのフォント,又はWRMODENAME属性の値が
TOP-TO-BOTTOMのフォントには一般に適用しない。
備考 どのグリフがオーバシュートを必要としているか,グリフ先端が理想の輪郭線表現においてど
のくらい基準位置を越しているかは,書体デザイナ又は開発者が決定する。輪郭線調整及び塗
りつぶし処理(ラスタ化処理)は,この規格の範囲ではないが(図7参照),結果として生じる
ビットマップ表現が,必要なグリフサイズ及び表示装置の特徴にあわせてそろって見えるよう
に,これらの飛び出し部分を,制御してもよい。
2.4.7 オーバシュート抑制 オーバシュート抑制とは,小さいサイズにラスタ化する変倍処理がオーバー
シュートをさせない機構を言う。この機構によって,基準位置を越えた1画素分のオーバシュートを防ぐ
ことができる。
2.4.8 並び域 並び域は,二つの並び位置の間の範囲とする。基準位置の始めからグリフの最上部の最大
オーバシュート位置の間(上部域),最大オーバシュート位置からグリフの底部の基準位置の間(底部域)
の範囲などとする。このような域は,複数あってよい。一つの底部域と二つの上部域の例を,図1に示す。
並び域の概念は,ALIGNNAME属性の値がCENTRE-ALIGNであるフォント,又はWRMODENAME属性
の値がTOP-TO-BOTTOMのフォントには適用しない。
図1 上部域及び底部域における基準位置及びオーバシュート位置が構成する三つの並び域
――――― [JIS X 4163 pdf 6] ―――――
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X 4163-1994 (ISO/IEC 9541-3 : 1994)
2.4.9 ヒント ヒント情報には,フォントレベル及びグリフレベルの二つの種別がある。フォントレベル
ヒントは属性として宣言し,フォント中のすべてのグリフに適用するパラメタをもつ。フォントレベルヒ
ントは,フォント資源中の全グリフの垂直方向の並び及びステム幅を制御する並び域を定義する(2.6.2.8.1
2.6.2.8.5参照)。グリフレベルヒントは,グリフ手続き演算子を用いて,グリフ手続き中で宣言し,グリ
フレベルヒントの定義があるグリフ手続きについてだけ有効とする。
グリフ手続きの中で,水平及び垂直のステムのラスタ化を制御するために,グリフレベルの宣言的ヒン
トを付加してよい。ステムは,直線又は曲線のいずれかである。ヒント演算子は,グリフ手続きインタプ
リタに対してヒント域(2.4.10参照)を示す。ヒント域は,最初のオペランドが示す座標から,2番目のオ
ペランドが示す相対的位置にまで広がる。hstemヒントは,水平のステムの垂直方向の画素数を制御する
のに使う。vstemヒントは,垂直のステムの水平方向の画素数を制御するのに使う。ヒント演算子のオペ
ランドは,ステムの区間の端点であって,しかもそのステムの極点の正確な座標を表さなければならない。
グリフ手続きインタプリタは,種々の寸法と解像度に変倍する際に,デザインの特徴及び均整を保つた
めに,グリフ輪郭線を調整できる。hstem及びvstemヒントを漢字グリフに適用した例を,図2に示す。
図2の詳細は,パス区間端点及びhstemヒント域の関連境界を示す。
図2 hstem及びvstem例
図3は,大文字Dグリフの適切なヒント域を,hstem及びvstemオペランド値の関連とともに示す。
図3 グリフレベルヒント域に関連するステム,ヒント域及びヒント演算子オペランド
――――― [JIS X 4163 pdf 7] ―――――
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同じ方向のヒント域が,図4のようにグリフ中で座標が重複する場合(例えば,二つのvstemヒント演
算子が二つのヒント域を定義する場合),グリフ描画手続きにおいて,適切な場所で最初に宣言されたヒン
ト域を新しい集合に置き換えることによって,グリフの均整及び特徴は最もよく保てる。ヒント代替の処
理は,2.8.2に定義する。
図4 重複ヒント域
ラテンアルファベットのフォントなどの複数の並び位置にそろえる必要のあるフォントは,漢字のよう
な中心並びの字形の体系とは異なり,並び域においてステムヒント定義をもつ。これは,ある種のグリフ
では通常起こりうる。たとえば三つの水平のステムに三つのhstemヒントを宣言した,大文字Eを図5に
示す。ラテンアルファベットのフォントでは,最上部ステムのhstemヒントは,大文字高まで広げ,最下
部ステムのhstemヒントはベースラインまで広げる。
図5 ヒント域及び並び位置
しかし,サンセリフの大文字Iの場合は,hstemヒントのための水平のステムは存在しない。このグリフ
に大文字高及びベースライン並びを適用するためには,大文字Iは,これらの位置で仮想ステム(定義参
照)と呼ぶ存在しない水平のステムを定義するhstemヒントをもたなければならない。これらのhstemヒ
ントをグリフに含まない場合の結果は不定である。
備考 実装ベースのグリフ手続きインタプリタ間の互換性を得るために,これらの仮想ステムの幅に
許す値は限定する(附属書Bを参照)。
グリフがフォントレベル並び位置にそろうならば,そのhstemヒントは,その最上部を上部域に,その
最下部を底部域にもつ必要はない。大文字Iの例では,ベースラインから大文字高へ伸びるただ一つの
hstemヒントを用いるということはありえない。一つのhstemが大文字高に,もう一つのhstemがベースラ
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X 4163-1994 (ISO/IEC 9541-3 : 1994)
インになければならない。
備考 ヒント属性には推奨値を示す属性がある。これらの値は必ずではないが,推奨値に従わない場
合,現在のグリフ手続きインタプリタは予期しない結果又は望ましくない結果を起こす可能性
がある。
2.4.10 ヒント域 ヒント域は,グリフレベルのヒント演算子に関する一対のオペランドが定義した位置の
間の範囲(それらの位置自体を含む)とする。ヒント域の外側の境界は,ステムのようなグリフ形状の極
点であるパス区間端点の正確な位置を指定する。
2.4.11 パス方向 反時計回りのサブパスの定義は,グリフ手続きインタプリタに,その領域を塗りつぶす
ことを示す。時計回りのサブパスの定義は,その領域が,一つの塗りつぶされた領域の中に含まれ,塗り
つぶさずに残されることを示す。
2.4.12 参照点 参照点は,グリフ手続きの先頭で,rpe演算子又はxrpe演算子のオペランドで指定する。
T1フォントの中の各々のグリフ手続きは,参照点を指定しなければならない。後続のパス構成演算子又は
ヒント演算子の中で指示する全座標は,この点に相対的なものとして解釈する。
2.4.13 フレクス機構 フレクス機構は,はい(盃)状セリフなどの浅い曲線に用いることを意図した,三
つの補助サブルーチンの集合から成る。これらの形状を小さいサイズでラスタ化するときは,直線に置き
換えるためにフレクス機構を使ってよい。(2.8を参照)。
2.4.14 ヒント代替 ヒント代替機構は,現在のグリフでヒント域の位置を変更するために,補助サブルー
チンを使う。単一のグリフの中で同じ方向のステムが重複座標をもっているとき,ヒント代替機構を使う
(2.8を参照)。
2.4.15 ベジェ曲線 ベジェ曲線は,3次のパラメタをもつ一対の等式から算出する。
x (t)=axt3+bxt2+cxt+X0
y (t)=ayt3+byt2+cyt+Y0
点 (X0,Y0) は開始点とし,点 (X3,Y3) は終了点とする。これらと関連して,制御点 (X1,Y1) 及び (X2,
Y2) がある。ベジェ曲線は,点 (X0,Y0) から点 (X1,Y1) への線区間と点 (X0,Y0) で接し,点 (X2,Y2) か
ら点 (X3,Y3) への線区間と点 (X3,Y3) で接する。この曲線は,図6に示すとおり,制御点 (X1,Y1) 及び
制御点 (X2,Y2) をもった,点 (X0,Y0) から点 (X3,Y3) へのベジェ曲線となる。
図6 制御点をもつベジェ曲線
――――― [JIS X 4163 pdf 9] ―――――
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この曲線に対応するベジェ制御点は次のとおりとなる。
c
X1=X0+3x
c
Y1=Y0+3y
xb
c+ x
X2=X1+
3
yb
c+ y
Y2=Y1+
3
X3=X0+cx+bx+ax
Y3=Y0+cy+by+ay
2.5 グリフ手続きインタプリタモデル 図7はグリフ像の表示準備処理の一部として,グリフ手続きイ
ンタプリタのモデルを示す。グリフ手続きインタプリタは,グリフ手続きを解釈し,理想グリフ輪郭線及
び状態変数集合を構成する。この処理部分の意味を,2.5が規定する。輪郭線修正アルゴリズム及び塗りつ
ぶしアルゴリズムは,幾何的輪郭線,状態変数及びフォントレベルヒントを入力として,表示に適したグ
リフ像を構成する。この処理部分は,実装依存とし,この規格では規定しない。
図7 T1グリフ手続きインタプリタのモデル
2.6 T1SHAPES 属性T1SHAPESは,T1形状情報に関するすべての属性を指定する形状属性の属性リス
トとする。
この属性リストは,T1GENERAL属性,T1COLOR属性及びT1GLYPH属性から成る。
T1SHAPES属性 : : =T1SHAPHS属性名,T1SHAPES属性値の属性リスト
T1SHAPES属性名 : : =構造化名 --ISO/IEC 9541-3//T1SHAPES
T1SHAPES属性値の属性リスト : : = (T1GENERAL属性リスト,
T1COLOR属性リスト,
T1GLYPH属性リスト)
――――― [JIS X 4163 pdf 10] ―――――
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JIS X 4163:1994の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/IEC 9541-3:1994(IDT)
JIS X 4163:1994の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.040 : 文字セット及び符号化