JIS X 5150-2:2021 汎用情報配線設備―第2部:オフィス施設 | ページ 5

           18
X 5150-2 : 2021 (ISO/IEC 11801-2 : 2017)

8 基本配線構成

8.1 一般

  箇条8では,箇条9,箇条10及び箇条11に引用している部材及び組立完成品を用いた汎用配線設備の
基本配線構成を示す。これらの基本配線構成は,箇条5の要件に適合させ,更にISO/IEC 14763-2に従っ
て施工し,箇条6のチャネル性能要件に適合させなければならない。

8.2 平衡配線設備

8.2.1 一般
箇条9,箇条10及び箇条11で規定している平衡部材は,インピーダンス及びカテゴリの観点から規定
している。8.2の基本配線構成において,個々の配線チャネルで用いる部材の公称インピーダンスは,同じ
でなければならない。
基本配線構成は,20 ℃での部材の性能に基づく。ケーブル性能に対する温度の影響は,表3に示すよう
に長さの軽減によって対応しなければならない。
カテゴリの違うケーブルと接続器具とが,一つのチャネルの中に混在する場合がある。その場合の配線
性能は,最も低い部材のカテゴリによって決まる。
8.2.2 水平配線設備
8.2.2.1 部材の選択
平衡配線部材の選択は,適合するクラスによって決定する。配線クラスによってサポートされているア
プリケーションは,JIS X 5150-1:2021の附属書Eを参照する。
8.2.2に示す平衡配線基本配線構成は,運用温度が20 ℃を超える場合のチャネル長さの縮小を含む。そ
のような条件(周囲温度の影響及び/又は配線設備でサポートされているアプリケーションの影響)の下
で特定のチャネル長さを維持するために,次のいずれかを適用する。
a) 8.2で規定しているよりも少ない挿入損失のケーブルを指定する。
b) 適切な保護を施し,チャネルの運用温度を下げる。
8.2.2.2の構成を用いて,次の配線性能を提供する。
− カテゴリ6部材は,クラスE平衡配線性能をサポートする。
− カテゴリ6A部材又はカテゴリ8.1部材は,クラスEA平衡配線性能をサポートする。
− カテゴリ7部材は,クラスF平衡配線性能をサポートする。
− カテゴリ7A部材又はカテゴリ8.2部材は,クラスFA平衡配線性能をサポートする。
8.2.2.2 範囲
この細分箇条で規定する水平配線設備範囲と箇条6のチャネル仕様との相互関係を表すモデルを図10
に示す。
図10 a) は,一つのインタコネクト及び一つのTOだけを含むチャネルを示す。図10 b) は,クロスコネ
クトとして追加の接続点を含んでいる。いずれの場合も,水平ケーブルは,FDをTO又はMUTOに接続
する。そのチャネルは,パッチコード又はジャンパ,機器コード及びワークエリアコードを構成するコー

――――― [JIS X 5150-2 pdf 21] ―――――

                                                                                            19
X 5150-2 : 2021 (ISO/IEC 11801-2 : 2017)
ドを含んでいる。
図10 c) は,インタコネクト,CP及びTOを含むチャネルを示す。図10 d) は,クロスコネクトとして
追加の接続点を含んでいる。いずれの場合も,水平ケーブルは,FDをCPに接続する。そのチャネルは,
パッチコード又はジャンパ,機器コード及びワークエリアコードを構成するコードを含んでいる。
a) インタコネクト−TOモデル
b) クロスコネクト−TOモデル
c) インタコネクト−CP−TOモデル
図10−水平配線設備モデル

――――― [JIS X 5150-2 pdf 22] ―――――

           20
X 5150-2 : 2021 (ISO/IEC 11801-2 : 2017)
d) クロスコネクト−CP−TOモデル
図10−水平配線設備モデル(続き)
表2は,箇条9,箇条10及び箇条11の部材を用いてチャネル性能を検証するための数学的モデルで用
いる仮定の長さを示している。それらは,チャネル及びパーマネントリンクを構築する場合の絶対制限で
はないが,基本配線構成の指針として用いることが可能である。
表2−平衡水平配線設備の数学的モデルで用いる仮定長さ
部分 最小 最大
m m
FD−CP 15 85
CP−TO 5 −
FD−TO(CPなし) 15 90
ワークエリアコードa) 2 5
パッチコード 2 −
機器コードb) 2 5
全てのコード − 10
注a) Pがない場合,ワークエリアコードの最小長さは1 mとする。
注b) クロスコネクトがない場合,機器コードの最小長さは1 mとする。
コードに加えて,図10 c) 及び図10 d) に示すチャネルは,CPケーブルを含む。CPケーブルの挿入損
失仕様は,水平ケーブル及びコードの両方の挿入損失と異なってもよい。異なった挿入損失をもつワーク
エリアコード,CPケーブル,パッチコード,ジャンパ及び機器コードに用いるケーブルに対応するために,
チャネル内で用いるケーブルの長さは,表3に規定する式によって決定しなければならない。
表3−水平リンク長さの式
モデル 図番号 式
クラスE及びクラスEA クラスF及びクラスFA
インタコネクト−TO 10 a) lh=104−la×X lh=105−la×X
クロスコネクト−TO 10 b) lh=103−la×X lh=103−la×X
インタコネクト−CP−TO 10 c) lh=103−la×X−lc×Y lh=103−la×X−lc×Y
クロスコネクト−CP−TO 10 d) lh=102−la×X−lc×Y lh=102−la×X−lc×Y
記号説明
lh : 水平ケーブルの最大長さ(m)
la : パッチコード又はジャンパ,機器コード及びワークエリアコードの長さの総和(m)
lc : CPケーブルの長さ(m)
X : 水平ケーブルの挿入損失(dB/m)に対するコードケーブルの挿入損失(dB/m)の比
Y : 水平ケーブルの挿入損失(dB/m)に対するCPケーブルの挿入損失(dB/m)の比

――――― [JIS X 5150-2 pdf 23] ―――――

                                                                                            21
X 5150-2 : 2021 (ISO/IEC 11801-2 : 2017)
表3−水平リンク長さの式(続き)
20 ℃を超える運用温度では,lhの値は次のとおり減じる。
a) スクリーン付平衡ケーブルでは,20 ℃60 ℃で1 ℃当たり0.2 %減じる。
b) 非スクリーン平衡ケーブルでは,20 ℃40 ℃で1 ℃当たり0.4 %減じる。
c) 非スクリーン平衡ケーブルでは,40 ℃60 ℃で1 ℃当たり0.6 %減じる。
これらはデフォルト値であり,ケーブルの実際の特性が不明な場合に用いることが望ましい。
計画した運用温度が60 ℃を超える場合は,製造業者又は提供者の情報を参照しなければならない。
表3の計算においては,次のように仮定している。
a) これらのコード内の可とうケーブルは,水平ケーブルで用いられているものよりも高い挿入損失をも
つ(箇条9参照)。
b) チャネル内の全てのコードは,共通の挿入損失仕様をもつ。
次の一般制限事項を適用する。
− チャネルの物理長さは,100 mを超えてはならない。
− 水平ケーブルの物理長さは,90 mを超えてはならない。パッチコード,機器コード及びワークエリア
コードの合計長さが10 mを超える場合,表3に従って水平ケーブルの許容物理長さを減らさなけれ
ばならない。
− 分岐点(CP)は,フロア配線盤から少なくとも15 m以上離れた位置に置かなければならない。
− 複数利用者TO組立品を用いる場合には,ワークエリアコードの長さは,20 mを超えないことが望ま
しい。
− パッチコード又はジャンパの長さは,5 mを超えないことが望ましい。
水平ケーブルの最大長さは,チャネル内で用いるコードの全長に依存する。施工された配線設備の運用
中は,チャネルを構成しているコード,ジャンパ及び必要に応じてCPケーブルが,フロア(階),建物又
は装置のための設計規則に確実に適合することを確認するために管理システムを実装することが望ましい。
8.2.3 構内及びビル幹線配線システム
JIS X 5150-1:2021の8.2による。

8.3 光ファイバ配線設備

8.3.1 一般
光ファイバ部材は,箇条9,箇条10及び箇条11の規定による。光ファイバは,物理構造(コア及びク
ラッドの直径)及びケーブル内のそれらの伝送性能カテゴリについて規定している。
8.3の基本配線構成において,個々の配線チャネルで用いられている光ファイバは,同一の物理構成仕様
をもち,ケーブル化した光ファイバは,同じカテゴリでなければならない。
複数の物理構造又はケーブル化した光ファイバカテゴリを一つの配線サブシステム内で用いる場合,そ
の配線設備には,それぞれの配線設備の種類を明確に識別するための表示をつけなければならない。
8.3.2 部材の選択
光ファイバ部材の選択は,必要なチャネル長さ並びに既存のアプリケーション及び今後サポートが予測
されるアプリケーションによって決定する。指針は,JIS X 5150-1:2021の附属書Eを参照する。

――――― [JIS X 5150-2 pdf 24] ―――――

           22
X 5150-2 : 2021 (ISO/IEC 11801-2 : 2017)
8.3.3 範囲
水平配線設備に光ファイバ配線設備が適用可能なモデルを図10に示す。チャネル長さは,用いるケーブ
ル化した光ファイバカテゴリのチャネル長さ制限によって決まる(JIS X 5150-1:2021の附属書E参照)。
光配線設備を終端するために用いる接続システムは,かん合した接続器具及びスプライス(恒久又は再使
用可能)を含んでもよく,クロスコネクトは,再使用可能なスプライスを含んでもよい。
ケーブル化した光ファイバをTOに接続するために,一般に(幹線配線サブシステムの光ファイバ設計
と水平配線サブシステムの光ファイバの設計とが,異ならない限り)FDにおいて伝送装置を必要としな
い。伝送装置を必要としないため,図11に示すように,幹線チャネルと水平チャネルとの結合を許容す
る。a) c)の三つの図は,パッチチャネル,スプライスチャネル及びダイレクトチャネル(FDを必要とし
ない。)を示す。パッチチャネル及びスプライスチャネル設計は,構内幹線チャネルとビル幹線チャネルと
の統合にも適用可能であり,構内幹線チャネル,ビル幹線チャネル及び水平チャネルを統合したものとし
てもよい。
恒久的なスプライスチャネル及びダイレクトチャネルの使用は,チャネル減衰量を減少させ,アプリケ
ーションの分配を集中化するために使われる。しかし,分配の集中化は,一方で汎用配線設備全体の柔軟
性を減少させる可能性がある。
チャネル内で用いるかん合接続及びスプライスの増加量に応じて,一般的に,減衰量が増加し,その結
果,チャネルの全長は,減少する。
アプリケーションの最大チャネル挿入損失(又は適用可能な場合は,光パワー量)に余裕があれば,接
続点を追加してもよい(JIS X 5150-1:2021の附属書E参照)。
a) “パッチ”統合チャネル
図11−統合 幹線及び水平チャネル

――――― [JIS X 5150-2 pdf 25] ―――――

次のページ PDF 26

JIS X 5150-2:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 11801-2:2017(IDT)

JIS X 5150-2:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 5150-2:2021の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称