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12. ファイル構造
12.1 構造の分類 ファイルは,0個以上の識別可能なデータ単位を格納する。これらのデータ単位は,論
理的に関係する。この規格群で定義するファイルストアモデルは,アクセス及び識別のためにデータ単位
間の関係を表す木構造を備えている。この構造をファイルアクセス構造という。ファイルアクセス構造の
各節点は,0個又は1個のデータ単位と関係をもつ。ファイルサービス利用者の立場から見た情報の構造
は,ファイルアクセス構造とは異なるので,ファイルサービス利用者は,自分の立場から見た情報の構造
の意味からファイルアクセス構造への写像を行わなければならない。
備考 一般に,これらの関係は,順次型,階層型,ネットワーク型又はリレーショナル型である。階
層モデル以外のモデルは,この規格では規定しない。しかし,例えば,ネットワーク又はリレ
ーショナルデータベースモデルが将来,この規格に追加されることがある。また,他の規格で
規定するモデルを参照することになるかもしれない。
ファイルコンテンツに対する操作が行われる単位は,ファイルアクセスデータ単位 (FADU) とし,これ
は,それ自体構造化されており,抽象構文で定義されたデータ単位を含む。特定の読み出し動作で転送さ
れるファイルアクセス構造情報及び利用者データの部分集合は,動作に規定するアクセスコンテキストに
よって決まる。
ファイル構造は,次の四つの側面をもち,その各々はファイルに関する別の情報を提供する。
(a) ファイルアクセス構造 ファイルアクセスデータ単位からファイルの構成を記述する。
(b) プレゼンテーション構造 ファイルアクセス構造において定義したデータ単位の抽象構造を記述する。
(c) 転送構造 通信のためにファイルアクセスデータ単位の順序性を記述する。
(d) 識別構造 ファイルアクセス構造における節点の名前の付け方及び転送すべきファイルアクセスデー
タ単位の識別を記述する。
12.2 ファイルアクセス構造 ファイルアクセス構造は,主にファイルを静的にとらえた見方とする。図8
に木構造表現ファイルのファイルアクセス構造を示す。ファイルアクセス構造は,どの部分がFTAMを使
って独立にアクセスできるかを決める。
ファイルアクセスでは階層構造を使っても,応用がファイルアクセスデータ単位の内容の参照によって
無階層論理構造を表現することを可能とする。
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図8 ファイルアクセス構造の例
12.3 プレゼンテーション構造 プレゼンテーション構造は,データ要素,データ単位及びファイルコン
テンツの関係について記述する。ファイルの情報内容の転送のための規則を,プレゼンテーション構造か
らプレゼンテーションサービスを使って得る。この記述は,ファイルの情報内容をデータ単位及びデータ
要素に分解する規則の働き方を示す。この仕様は,JIS X 5722及びファイルに適用できるドキュメント型
に示す。すなわち,その記述は,実ファイルレコード構造をFTAMファイル構造にどのように写像し,プ
レゼンテーションデータ値をどのようにP-DATAプリミティブ (PSDU) に写像するかを示す。
次に,抽象構文記法1(以下,ASN. 1という。)を使って定義したファイルの構造の概略を示す。
(a) ファイルコンテンツ及び構造情報を一連のデータ要素から作る。
(b) SN. 1モジュールのISO 8571-FADUで定義されるデータ要素と,F-DATAサービスプリミティブによ
ってFTAMサービス提供者間で交換されるデータ値とは1対1に対応する。
(c) これらデータ要素において,ファイルコンテンツデータ要素は,通常,あるASN. 1型として定義する。
(d) レコード型構造をもつ実ファイルを非構造ファイルとして転送する場合,基本的な型の代表は,ファ
イル内の異なるレコード型をもつASN. 1のCHOICEとする。ファイルが一つのレコード型だけしか
もたない場合,CHOICEは使わない。個々のレコードへのアクセスをFTAMが提供する場合,基本的
な型の一つの値だけが個々のデータ単位にあると規定する。
備考 ドキュメント型FTAM-1,すなわち非構造テキストファイルにとって,ファイルコンテンツ
データ要素の型は図形文字列であり,各々の図形文字列はテキスト行に対応する。
(e) プレゼンテーションプロトコルは,プレゼンテーションデータ値を集めて転送に適したグループにす
る。このグループ化の度合いは,送信側の実装による。これは,転送負荷を最適化するという局所的
な事項とする。受信側はあらかじめ,各々のP-DATAプリミティブに幾つの基本型の値が入っている
かを知ることはできない。
(f) チェックポイントは,P-DATAプリミティブ間でだけ挿入できる。したがって,(e)で記述したグルー
プ化の総計は,ファイル転送の間に挿入するチェックポイントの位置によって決まる。
(g) 構造化ファイルは,一連のデータ要素(JIS X 5722参照)の値として転送する。各々のデータ要素は,
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F-DATAの一つのデータ値に対応する。そして,これらの幾つかを一個のP-DATAプリミティブ(JIS
X 5724参照)に写像する。一連のデータ要素は,ASN. 1を使って記述するが,部分木,子及び
DUに対する拡張規則に現れるSEQUENCE及びSEQUENCEOFの符号化は,これらの構造定義が2
次入力点を形成し,ファイルプロトコルからはこれらを参照しないため,転送ストリーム中には生成
しない。
データ要素,ファイルサビス,プレゼンテーションデータ値及びプレゼンテーションサービスのプリミ
ティブとそれらの符号化との関係を図9に示し,非構造テキストファイルの転送の例を示す。
図9 非構造テキストファイルの転送
13. 制約集合 12.で規定したはん(汎)用階層構造は,多様な実際のファイル構造を表現することができ
る。しかし,単一の応用は,特定の構造集合だけを必要とし,実システムはファイルを変更する方法につ
いての制約を伴う限られた範囲のファイル型だけを支援する。これらの制限を表現するため,制約集合の
概念を定める。制約集合は,許容される構造の範囲を指定し,基本ファイルアクセス動作が,構造の基本
的性格を変更せずに,どのように構造を変えることができるかを定義する。幾つかの共通ファイル型を反
映する制約集合をこの規格群は含むが,他の制約集合も,今後定義し,登録できる。
各制約集合は,この規格群,他の規格で定められたオブジェクト識別子の値によって識別されるか,又
はJIS X 5603で定義された他の機構によって識別される。
この規格群は,はん(汎)用階層構造の部分集合であり,広く使用している幾つかの構造モデルとして
の制約集合を定義する。例えば,節点名の付け方が異なれば,異なった索引付きの構造のクラスとなる。
定義する制約集合は,次のとおりとする。
(a) 非構造 名前のない単一のデータ単位をもつ。
(b) 順フラット 名前のない一連のデータ単位をもつ。この制約集合は,例えばFortran順入出力のモデル
に使用できる。
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(c) 順序フラット 名前付きの一連のデータ単位をもつ。同じ名前のデータ単位の処理を定義する。
(d) 一意名付き順序フラット 一連の一意名をもつデータ単位を有する。
(e) 順序階層 複数の索引をモデル化し,はん(汎)用階層性を有する。挿入は,これらの索引の位置に
基づいて行う。
(f) はん(汎)用階層 はん(汎)用階層性があり,構造を変更する場合,新しい節点位置付けを完全に
制御できる。
(g) 一意名付きはん(汎)用階層 一意命名条件をはん(汎)用階層制約集合に追加する。
14. ドキュメント型 ファイルコンテンツは,多くの型をとることができる。ファイルモデル,制約集合
及びデータ単位の抽象構文は,個別に指定することができる。しかし,この手順は複雑なので,意味,抽
象構文,転送構文及び構造動的特性を規定する単一の方法が望ましい。これは,ドキュメント型の定義に
よって行う。
ドキュメント型定義は,一つ以上のパラメタ群によって定める。これらのパラメタは,ある時点で密接
に関連する一群のドキュメント型を同時に効果的に定義できる。例えば,具体的文字集合又は最大行長を
パラメタで指定することによって,一つの定義でテキストドキュメントの型を複数個規定してもよい。
幾つかの応用においては,構造化ファイルからデータを読み出す場合,構造化ファイルの制約された見
方でもよい。
ドキュメント型定義は,幾つかの情報を捨てることによって,導き出される他のドキュメント型につい
ての記述を含めることができる。これを元のドキュメント型の単純化という。同様に,この定義は,幾つ
かのパラメタの値の制約をより少なくしてよい。これを元のドキュメント型の緩和という。
ドキュメント型は,ドキュメント型のはん(汎)用的利益又は特定の応用グループにとってのドキュメ
ント型の重要性のいずれかのために国際又は国内の登録機関に登録する(登録手続きの定義については,
ISO 9834-2参照)。登録項目は,オブジェクト識別子の値で名前を付ける。
一般に,ドキュメント型は,関連したステートメントの集まりから構成するが,その幾つかは,ドキュ
メント型の目的に特有とする。これは,次のものを含む。
(a) ドキュメント型の識別及び対象記述。
(b) ドキュメント型が目的とする範囲。仮想ファイルストア定義で参照し,ファイルの通信に使用するド
キュメント型は,この規格群の対象とする。
(c) ドキュメント型に適用するパラメタ。
(d) ドキュメントの解釈に適用する意味の制約。
(e) 適用する制約集合及びファイルモデルの点から見たドキュメントのファイルアクセス構造。
(f) 構造を規定している情報及び構造内のデータ単位の抽象構文。
(g) 情報を一連のプレゼンテーションデータ値に形成する方法及びそれらを転送する手順。
(h) 定義した抽象構文で通信を行うときの転送構文。
(i) 特定のASEで定義した操作がドキュメント型を取り扱う方法の詳細。例えば,二つのドキュメント型
の連結の結果,ファイルアクセス構造をより単純なドキュメント型として見ることによる単純化の方
法などを含む。
ドキュメント型の概念は,ドキュメントを次第に小さくなるクラスに段階的に細分するため,再帰的に
適用することができる。例えば,データ単位において許容される抽象構文の範囲で大幅な自由を残してド
キュメント型を定義することができる。この定義したドキュメント型を,同じ一般特性を共有するが,使
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用する抽象構文に対する別の制約を加える一連のドキュメント型で参照することができる。
第3章 ファイルサービス及びファイルプロトコルの概要
15. ファイルサービス ファイルサービス及びファイルサービスの支援プロトコルは,起動側が必要とす
るアクティビティを実行する作業環境を一連の段階で作成することに関係する。起動側及び応答側は,次
の会話を行う。
(a) 起動側及び応答側(ファイルストア)が,応用エンティティ名称によるそれぞれの識別を含む相互の
情報を設定する。
(b) 必要なファイルを識別する。
(c) ファイルを記述する属性及びこのアクティビティにおいて行う大量データ転送を設定する。
(d) ファイル管理を行う。
(e) アクセスするFADUのファイルアクセス構造における位置付けを行う。
(f) 一つ以上の完全なFADUを挿入,置換,拡張又は削除する。
これらの段階は,ファイルコンテキストの各種の部分を構成する。サービス利用者が保持する共通な状
態の一部が有効である期間を動作有効期間という。共用状態が次第に多く確立されて行くに従って,対応
する動作有効期間の入れ子構成を作って行く。しかし,一般に,アソシエーションの両端では,動作有効
期間確立は時間的にずれる。
プロトコル交換が,応用コンテキストの確立,解放などの特定の目的をもつ期間を,フェーズという。
各フェーズについて,有効なメッセージの集合を,状態遷移によって定義する。FTAM動作有効期間にあ
る各エンティティは,各々一つのフェーズにある。フェーズを他のフェーズの中に入れ子にすることはで
きない。アクティビティは,一連のフェーズを通過しながら進行する。
フェーズについてファイルサービスの代表的な使用例について,15.115.9に順番に示す。
動作有効期間の入れ子構成を,図10に示す。
図10 ファイルサービス動作有効期間及び関連するプリミティブ
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JIS X 5721:1991の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 8571-1:1988(MOD)
JIS X 5721:1991の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.100 : 開放型システム間相互接続(OSI) > 35.100.70 : アプリケーション層
JIS X 5721:1991の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISX5003:1987
- 開放型システム間相互接続の基本参照モデル
- JISX5201:1997
- 開放型システム間相互接続―セションサービス定義
- JISX5601:1995
- 開放型システム間相互接続 ― プレゼンテーションサービス定義
- JISX5603:1990
- 開放型システム間相互接続の抽象構文記法1(ASN.1)仕様
- JISX5604:1990
- 開放型システム間相互接続の抽象構文記法1(ASN.1)の基本符号化規則仕様
- JISX5701:1991
- 開放型システム間相互接続―アソシエーション制御サービス要素のサービス定義
- JISX5722:1991
- 開放型システム間相互接続―ファイルの転送,アクセス及び管理(FTAM)―第2部 仮想ファイルストア定義
- JISX5723:1991
- 開放型システム間相互接続―ファイルの転送,アクセス及び管理(FTAM)―第3部 ファイルサービス定義
- JISX5724:1991
- 開放型システム間相互接続―ファイルの転送,アクセス及び管理(FTAM)―第4部 ファイルプロトコル仕様