JIS X 7114:2009 地理情報―品質評価手順 | ページ 2

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6.2 工程の構成要素

6.2.1  工程フロー
品質評価工程は,品質評価結果を作成するために行う一連の手続からなる。図1に,データ品質の評価
及び報告の工程フローを示す。
適用範囲によって特
製品仕様又は使用者要件
定されたデータ集合
段階1
適用可能なデータ品質要素,データ品質副
要素及びデータ品質適用範囲の特定
段階2
データ品質評価尺度の特定
適合品質水準
段階3
データ品質評価手法の選択及び適用
段階4
データ品質評価結果の判断
段階5
適合性の判断
データ品質評価結果の報告 データ品質評価結果の報告
(定量的) (合否)
図1−データ品質の評価及び報告
6.2.2 工程フローの段階
表1に工程フローの段階を示す。
表1−工程フローの段階
工程の段階 行為 記述
1 適用可能なデータ品質要 試験を受けなければならないデータ品質要素,データ品質副要素及び
素,データ品質副要素及びデータ品質適用範囲を,JIS X 7113の要件に従って特定する。これを,
データ品質適用範囲の特定製品仕様又は使用者要件に応じて異なる試験の回数だけ繰り返す。
2 データ品質評価尺度の特定データ品質評価尺度及びデータ品質評価値型,並びにデータ品質評価
値単位(適用可能な場合)を,実施する試験ごとに特定する。
附属書Dに,JIS X 7113に規定するデータ品質要素及びデータ品質
副要素に対するデータ品質評価尺度の例を示す。
附属書Dに例を示すことによって,使用者が品質評価尺度を選択す
るのを助ける。

――――― [JIS X 7114 pdf 6] ―――――

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表1−工程フローの段階(続き)
工程の段階 行為 記述
3 データ品質評価手法の選択 特定されたデータ品質評価尺度ごとにデータ品質評価手法を選択
及び適用 して適用する。
注記 品質評価結果の空間的記述(例えば,品質評価結果の
空間的な補間,図形的な描画などによってできる。)は,
品質評価結果には対応しないが,関連する異なるデー
タ集合に対応するため有効な場合がある。
4 データ品質評価結果の判断 品質評価手法を適用した結果,定量的なデータ品質評価結果,デ
ータ品質評価値又はデータ品質評価値の集合,データ品質評価値
単位及び日付がその出力として得られる。
5 適合性の判断 製品仕様又は使用者要件が適合品質水準を特定している場合に
は,必ずデータ品質評価結果を適合品質水準と比較して適合性を
判断する。適合データ品質評価結果(合否)は,定量的なデータ
品質評価結果と適合品質水準との比較で行う。

7 データ品質評価手法

7.1 データ品質評価手法の分類

  データ品質評価手順は,一つ以上のデータ品質評価手法の適用によって達成できる。データ品質評価手
法を,直接評価法と間接評価法との二つに大別する。直接評価法では,内部及び/又は外部の参照情報と
データとの比較によってデータ品質を判断する。間接評価法では,系譜のようなデータに関する情報を用
いてデータ品質を推断又は推定する。直接評価法を,更に評価の実施に必要な情報の出所によって細分類
する。図2に,品質評価手法の分類構造を示す。
品質評価手法
直接評価法 間接評価法
内部 外部
図2−品質評価手法の分類(参考)

7.2 直接評価法

7.2.1  直接評価法の種類
直接評価法を,内部直接評価法と外部直接評価法とに細分化する。内部直接評価法は,試験されるデー
タ集合の内部データだけを用いて実施する。
例1 境界線が閉じていることの位相一貫性についての論理一貫性試験に必要な情報は,すべて位相
構造化されたデータ集合内部に存在する。
外部直接評価法は,試験されるデータ集合の外部の参照データを必要とする。

――――― [JIS X 7114 pdf 7] ―――――

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例2 データ集合中の道路名称に対する完全性試験に必要な情報は,道路名称に関する他の情報源を
必要とする。
例3 位置正確度試験は,参照用データ集合又は新規の測量を必要とする。
7.2.2 直接評価法の実施手段
外部評価法及び内部評価法のいずれの場合にも,自動検査・非自動検査の選択,及び全数検査・標本抽
出の選択,の二つの考慮すべき事柄がある。
自動的方法によって容易に検査することができるデータ品質要素及びデータ品質副要素には,次のもの
がある。
a) 論理一貫性 : 書式一貫性
例 データフィールドの正値入力の検査。
b) 論理一貫性 : 位相一貫性
例 多角形の閉合検査。
c) 論理一貫性 : 定義域一貫性
例 制限値違反,規定された定義域違反。
d) 完全性 : 漏れ
例 他のファイル中の道路(街路)名との比較検査。
e) 完全性 : 過剰
例 他のファイル中の道路(街路)名との比較検査。
f) 時間正確度 : 時間一貫性
例 全レコードの日付の適正な範囲の検査。
7.2.3 全数検査
全数検査では,データ品質適用範囲によって特定される母集団中の全アイテムの試験を要求する。表2
に使用しなければならない全数検査の手順を示す。
表2−全数検査の手順
手順の段階 記述
アイテムの定義 アイテムとは,検査を行う最小単位をいう。地物,地物属性又は地物間関
係がアイテムになり得る。
データ品質適用範囲のアイテムの データ品質適用範囲の全アイテムを検査する。
検査
注記 全数検査は,小さな母集団に対する試験又は自動手段で完了できる試験に最も適している。
7.2.4 標本抽出
標本抽出は,母集団においてデータ品質評価結果を得るのに十分なアイテムを試験する。表3に使用す
る標本抽出手順を示す。

――――― [JIS X 7114 pdf 8] ―――――

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表3−標本抽出手順
手順の段階 記述
標本抽出手法の定義 標本抽出手法の例を附属書Eに示す。標本抽出手法には,単純ランダム標
本抽出,層別サンプリング(例 地物タイプ,地物間関係又は区域ごとに
抽出する。),多段標本抽出及び非ランダム標本抽出を含む。
アイテムの定義 アイテムとは,検査を行う最小単位をいう。地物,地物属性又は地物間関
係がアイテムになる。
データ品質適用範囲(母集団)の ロットは,品質適用範囲から抜取及び検査される標本のアイテムの集まり
ロットへの分割 とする。各ロットは,可能な限り同じ条件及び同じ時間の下で作成したア
イテムから構成することが望ましい。
ロットのサンプリング単位への サンプリング単位は,検査を行うロットの区域とする。
分割
標本抽出率又はサンプルサイズの 標本抽出率は,平均してどのくらいの個数のアイテムが各ロットから検査
定義 のために抽出されたかの情報を与える。
サンプリング単位の選択 アイテムの標本抽出率又はサンプルサイズを満たすために必要な数のサン
プリング単位を選択する。
サンプリング単位における サンプリング単位の全アイテムについて検査する。
アイテムの検査
標本抽出手法は,報告しなければならない(箇条8参照)。
JIS Z 9015の規格群及びISO 3951-1を,製品仕様への適合性評価のための標本抽出に適用できる。これ
らの規格は,元々非空間用途のために作成されている。附属書Eは,データの地理的特性を考慮し,JIS Z
9015の規格群及びISO 3951-1をどのように適用するかの例を示すとともに,どのように標本を定義し,
標本抽出手法を考案するかに関する指針を示す。
標本抽出を使う場合,特に,サンプルサイズが小さい場合又は単純ランダム標本抽出以外の方法を使う
場合,データ品質評価結果の信頼性を分析する必要がある。

7.3 間接評価法

  間接評価法は,外部知識に基づいてデータ集合を品質評価する。外部知識としては,データ集合又はデ
ータ集合作成時に使用するデータに関するデータ品質概観要素又はその他の品質評価報告書があるが,こ
れらに限定しない。
注記1 この手法は,直接評価法が使用できない場合に使用することが望ましい。
注記2 用法情報は,データ集合の用途を記録する。これは特定の目的のために作成された又は使用
されたデータ集合を探す場合に有効となる。
注記3 系譜情報は,データ集合の作成及び履歴についての情報を記録する。例えば,データ集合の
原材料についての情報又は適用された作成工程の情報を含む。系譜情報は,ある使用に対し
てデータ集合が適しているかを判断するのに有効となる。一定条件下で取得した画像からス
テレオ相関によって作成された数値地形モデルファイルに関する系譜メタデータが一例であ
る。経験によって,評価者は,この種の画像の水平方向位置のRMSEは10 mであることが
分かる。また,数値化した縮尺1:25 000の地形図の系譜メタデータからは,都市計画者の基
図としての要件に適合することが分かる。
注記4 目的情報は,データ集合を作成した目的を記述する。目的情報は特定の要件を支援する場合,
又は多用な使用のためのはん用的な目的のデータ集合である場合がある。これはデータ集合
の価値を確認する場合に有効となる。

――――― [JIS X 7114 pdf 9] ―――――

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7.4 データ品質評価の例

  使用される典型的な手法,及びそれらをいかに適用するかを附属書F,附属書G及び附属書Hに示す。

8 品質評価情報の報告

8.1 メタデータとしての報告

  定量的品質評価結果は,関連するモデル及びデータ辞書を含むJIS X 7115に適合したメタデータとして
報告しなければならない。
注記 定量的品質評価結果を,JIS X 7115に適合したメタデータとして報告するに当たっては,この
規格で使用している“データ品質要素”,“データ品質副要素”,“データ品質適用範囲”などの
用語がJIS X 7113での規定に従うものであって,JIS X 7115での規定と1対1に対応するもの
ではないことへの注意が必要である。

8.2 品質評価報告書による報告

  次の二つの場合には,品質評価報告書を作成しなければならない。
a) データ品質評価結果をメタデータとして,合否だけを報告する場合。
b) 総合データ品質評価を作成した場合(8.3参照)。
b)の場合には,総合評価の方法及び総合結果の意味解釈の方法に関して説明するために,報告書の作成
が必要となる。品質評価報告書の作成は,上の二つの場合に限られるものでなく,どのような場合にも作
成してよい。例えば,メタデータよりも更に詳細な報告を提供する場合などである。ただし,品質評価報
告書は,メタデータとしての報告の代わりにはならない。
品質評価報告書は,関連するモデル及びデータ辞書を含む附属書Iに適合して作成しなければならない。

8.3 総合データ品質評価の報告

  幾つかの品質評価結果を一つの品質評価結果に総合してデータ集合の品質を報告する場合,その総合デ
ータ品質評価は,メタデータとして報告し,データ品質評価報告書に含めなければならない。データ品質
評価結果は,“総合”型として報告しなければならない。附属書Jは,総合データ品質評価の作成につい
て記載し,附属書Hは,作成例を示す。

――――― [JIS X 7114 pdf 10] ―――――

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JIS X 7114:2009の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 19114:2003(MOD)
  • ISO 19114:2003/Technical Corrigendum 1:2005(MOD)

JIS X 7114:2009の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 7114:2009の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称