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X 8101-1 : 2010 (ISO/IEC 19795-1 : 2006)
− 動き。幾つかのシステムは,被験者に静止状態を要求する,その一方,幾つかの動きとともに機能す
るものもある。
− 姿勢と位置決め。例えば,
− カメラの正面,横顔,角度。
− 頭の傾き。顔及びこう(虹)彩のシステムに影響する。
− ずれ及び回転。指紋及び手のシステムに影響する。
− カメラまでの距離。
− 高すぎる,低すぎる,極端に左,極端に右。
− 事前の活動。例えば,
− 息を切らす。声のシステムに影響する。
− 多汗。指紋のシステムに影響する。
− 水泳。指の縮みが指紋のシステムに影響する。
− ストレス,緊張度,雰囲気,又はイライラ。
C.2.5 利用者の外観
考えられる利用者の外観上の要因は,次のとおりである。
− 包帯,又はばん創こう。手,顔,若しくは指紋の一部を変える又は覆い隠す。
− 衣服
− 帽子,イヤリング,スカーフ。顔ベースのシステムに影響する場合がある。
− そで。手ベースのシステムを妨げる場合がある。
− かかとの高さ。利用者の見かけの高さが変わる。
− ズボン,スカート,靴。歩行認識に影響を及ぼす。
− コンタクトレンズ。模様付きコンタクトレンズはこう(虹)彩認証に影響を及ぼす。
− 化粧品。一時的に顔の外観が変わる。
− 眼鏡,サングラス。部分的に顔,又はこう(虹)彩を覆い隠す。
− 付けづめ。手,又は指ベースのシステムで置き位置を変えてしまう。
− 髪形及び色。一時的に顔の外観を変える。
− 指輪
− いれずみ(刺青)
C.2.6 環境の影響
考えられる環境上の要因は,次のとおりである。
− 背景
− 色,混雑,含まれる顔又は影。顔検出システムの性能に影響する。
− ノイズ,他人の声。声ベースのシステムによる記録された音声を変える場合があり,また,利用者
が指示を聞く能力に影響する場合がある。
− 照明レベル,方向,反射光。カメラベースのシステムに影響する。
− 天気
− 温度,湿度。例えば,指紋の乾燥又は湿気,静脈及び温度画像の鮮明度に影響する。
− 雨及び雪。ぬ(濡)れた髪が顔の外観に影響する場合がある。
C.2.7 センサ及びハードウェア
考えられるセンサ及びハードウェア上の要因は,次のとおりである。
――――― [JIS X 8101-1 pdf 56] ―――――
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X 8101-1 : 2010 (ISO/IEC 19795-1 : 2006)
− 残留指紋で汚した汚れ
− カメラのレンズ
− 入力面
− フォーカス
− センサの品質。マイクの品質(音声システム)及びカメラの品質(画像システム)
− センサの変化
− センサの間。同じセンサでも個体差があることがある。異なるバージョン又は異なる型では,違い
は,より大きくなる。
− センサの磨耗。
− センサの交換
− 伝送路。伝送路は,信号にノイズを加える場合がある。伝送路が入力試行ごとに異なる場合もある。
例えば,電話で使われる経路及びネットワークは通話ごとに異なり,品質は負荷に依存する。
C.2.8 利用者インタフェース
考えられる利用者インタフェース上の要因は,次のとおりである。
− フィードバック。性能は,利用者が受け取るフィードバックに依存する場合がある。例えば,提示し
た指紋(画像)を利用者が見られる場合には,より高品質のバイオメトリックサンプルとなるように,
その提示を変えることができる。
− 指示。
− 管理。監督者の違い又は変化によって,生体情報登録,利用者のトレーニング,利用者の入力試行に
違いが生じる。
C.3 報告書の例
C.3.1 指の位置
観測に関する事項 : スキャナのガイドが,アルゴリズムの許容範囲内に指の位置を合わせるようにした。
制御 : なし
記録 : 該当なし
C.3.2 照明
観測に関する事項 : 日光の変化による照明の変化が,例えば,生体情報登録と照合との問題を引き起こ
した。
制御 : 自然の日光を除いた一定の照明レベルの部屋で行われる試行
記録 : 該当なし
観測に関する事項 : こう(虹)彩上での反射を引き起こす拡散照明。
制御 : 外部光源からセンサを保護するように修正された装置。
記録 : 該当なし
C.3.3 眼鏡
観測に関する事項 : 顔システムXで,眼鏡をかけた人々の生体情報登録がほとんど不可能であると分か
った。
制御 : その装置を使用するため,眼鏡をかけた人々に眼鏡を外すことをお願いした。
記録 : 眼鏡をかけた人々の人数。生体情報登録失敗率にその数を入れることができるようにするため。
――――― [JIS X 8101-1 pdf 57] ―――――
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X 8101-1 : 2010 (ISO/IEC 19795-1 : 2006)
C.3.4 入力面の汚れ
観測に関する事項 : 入力面上の累積した油は,指紋システムの性能の劣化を引き起こした。
制御 : 定期的にシステムの掃除をする(掃除の計画を提示する。)。
記録 : システムが掃除された時間
C.3.5 天気
観測に関する事項 : 汗ばんだ指が生体情報登録又は照合の問題を引き起こした。
制御 : なし。気象条件は標準的なものだと思われる。
記録 : 試行中の気温,湿度。
――――― [JIS X 8101-1 pdf 58] ―――――
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X 8101-1 : 2010 (ISO/IEC 19795-1 : 2006)
附属書D
(参考)
予備選択(プリセレクション)
D.1 予備選択アルゴリズム性能
D.1.1 識別システムのすべてをテストするには,使用時の予備選択アルゴリズムの評価が必要となる。そ
れらのアルゴリズムの目的は,識別の候補テンプレートの数を定める(減らす)ことである。入力サンプ
ルが与えられて,データベース分割(ビニング)法又はデータベース非分割(ビンレス)法による予備選
択技術は,全体のテンプレートデータベースのサブセットを予備選択するのに適用され,その入力サンプ
ルは,予備選択サブセットの中でお互いのテンプレートだけと比較される。
D.1.2 データベース分割法,すなわちときどき“exclusive classification”と呼ばれるものは,予備選択を
達成するための一つの方法であり,前もってテンプレートデータベースをサブセットに分類しておき,そ
れと同じ方法で分類した入力サンプルを同じ分類のテンプレートとだけ比較する。データベース分割法以
外では,例えば“continuous classification”[35][39]のようなデータベース非分割(ビンレス)予備選択と
して知られている他の技術がある。
D.1.3 テンプレートデータ全体のセットからの予備選択処理は,また一方で,予備選択誤りを導く場合が
ある。同じ利用者の同じ生体特徴によるサンプルが与えられて,予備選択された候補のサブセットの中に
生体情報登録テンプレートがない場合に誤りは発生する[データベース分割法の場合,例えば,同じ利用
者の同じ生体特徴による生体情報登録テンプレートとそれと同じ生体情報のサンプルとが,(該当するテ
ンプレートを参照することのない)異なる予備選択枠に分類された場合に,誤りが起こる。]。
D.1.4 予備選択アルゴリズムの性能は,次の観点で報告されなければならない。
a) 予備選択誤り率。これは,入力サンプルに対応する生体情報登録テンプレートが予備選択された,入
力サンプルと比較されたテンプレートのサブセットでない場合の本人の入力試行の割合である。
b) 絞込み率。これは,検索(すなわち,全体のデータベースサイズによって分けられた予備選択サブセ
ットの平均サイズ)又はすべての本人の入力試行によって平均されるべきデータベースの割合である。
D.1.5 オフラインテストのために集められたコーパスを,(平均)絞込み誤り率と予備選択誤り率とを立
証する2番目のテストで使ってもよい。コーパス内のそれぞれの本人入力試行のテストサンプルに対して,
提案アルゴリズムを使用したすべての生体情報登録テンプレート上で予備選択を行い,予備選択された候
補の数を記録し,予備選択誤り(予備選択候補のセットは入力試行を行う被験者の識別を含まない。)を計
算する。予備選択誤り率を,予備選択誤りの総数を本人入力試行のテストサンプル数で除した値として評
価する。(平均)絞込み誤り率を,本人入力試行のテストサンプル上の予備選択候補数の平均を生体情報登
録テンプレート数で除した値で評価する。
D.1.6 しばしば,予備選択アルゴリズムは調節可能なパラメタをもつことがある。一般的に,予備選択さ
れたサブセットサイズの平均が小さいほど(又は,データベース分割法の場合に起きるデータベースの分
類が多いほど),(平均)絞込み率は低くなるが,予備選択誤りの確率が上がる。それらの競合する設計要
因は予備選択誤り率対(平均)絞込み率の曲線として表現してもよい。
――――― [JIS X 8101-1 pdf 59] ―――――
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X 8101-1 : 2010 (ISO/IEC 19795-1 : 2006)
附属書E
(参考)
データベースサイズの関数としての識別性能
図E.1は,登録者非限定識別の顔認証システムにおいて母集団のサイズNの変化に対して得られるDET
曲線の変化を示す例である。それぞれのDET曲線は,母集団のサイズNによって大きく変化する。識別
誤り率がサンプルに独立すると仮定すると,Nが大きくなるに従って誤拒否識別率(False Negative
Identification-error Rate: FNIR) は,1−(1−FMR) Nという式に従って大きくなる。この値は,FMRが小さい
場合にはN×FMRで更に近似される。すなわち,Nに比例してFNIRが増加する。ここに示されたDET曲
線は,実験から得られた実測値であり,識別誤りがサンプル独立であるというモデルが,ほぼ正確である
ことを示している。この図は,妥当なFMRで大きなサイズの母集団を識別することの難しさを顕著に示
している。
1
誤拒否識別率
0.1
0.01
0.000 1 0.001 0.01 0.1 1
誤受入識別率
図E.1−生体情報登録母集団サイズが1,4,16,62,260,1 111,3 000の場合の
誤受入識別率の関数,誤拒否識別率を表すDET曲線プロットの例。
N=1の縮退した場合として,サイズ1の母集団内での識別は,照合となる。
――――― [JIS X 8101-1 pdf 60] ―――――
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JIS X 8101-1:2010の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/IEC 19795-1:2006(IDT)
JIS X 8101-1:2010の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.040 : 文字セット及び符号化
JIS X 8101-1:2010の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISQ17025:2018
- 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項