JIS Z 2285:2003 金属材料の線膨張係数の測定方法

JIS Z 2285:2003 規格概要

この規格 Z2285は、熱機械分析装置及び光走査式測定装置を用いた室温から1500℃の温度域における金属材料の線膨張係数の連続昇温測定方法及び高温保持測定方法について規定。

JISZ2285 規格全文情報

規格番号
JIS Z2285 
規格名称
金属材料の線膨張係数の測定方法
規格名称英語訳
Measuring method of coefficient of linear thermal expansion of metallic materials
制定年月日
2003年3月20日
最新改正日
2017年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
2003-03-20 制定日, 2008-02-20 確認日, 2012-10-22 確認日, 2017-10-20 確認
ページ
JIS Z 2285:2003 PDF [16]
                                                                                   Z 2285 : 2003

まえがき

  この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人大阪科学技術センター(OSTEC)/
財団法人日本規格協会(JSA)から工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,日
本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触することがあることに注意を喚起する。 経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,
このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登
録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
この規格は,安全問題のすべてを包含しているわけではない。適切な安全性と健康管理の確保,及び適
用限界の適否の決定は,この規格の利用者の責任である。
JIS Z 2285には,次に示す附属書がある。
附属書(参考) 装置の構成例,融点による温度の校正方法及び標準物質の熱膨張並びに線膨張係数の
推奨値

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS Z 2285 pdf 1] ―――――

Z 2285 : 2003

pdf 目 次

ページ

  •  1. 適用範囲・・・・[1]
  •  2. 引用規格・・・・[1]
  •  3. 定義・・・・[1]
  •  4. 測定装置・・・・[1]
  •  5. 試料及び標準物質・・・・[2]
  •  5.1 試料・・・・[2]
  •  5.2 標準物質・・・・[2]
  •  6. 装置の校正・・・・[2]
  •  6.1 長さ変化量の校正・・・・[2]
  •  6.2 温度の校正・・・・[2]
  •  7. 操作・・・・[2]
  •  8. 熱膨張,平均線膨張係数及び線膨張係数の求め方・・・・[3]
  •  9. 再測定・・・・[4]
  •  10. 有効数字の取扱い・・・・[5]
  •  11. 報告・・・・[5]
附属書(参考)装置の構成例,融点による温度の校正方法及び標準物質の熱膨張並びに線膨張係数の
推奨値 6

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS Z 2285 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                              JIS
Z 2285 : 2003

金属材料の線膨張係数の測定方法

Measuring method of coefficient of linear thermal expansion of metallic materials

1. 適用範囲

 この規格は,熱機械分析装置及び光走査式測定装置を用いた室温から1 500 ℃の温度域に
おける金属材料の線膨張係数の連続昇温測定方法及び高温保持測定方法について規定する。

2. 引用規格

 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによってこの規格の規定の一部を構成する。
これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0621 幾何偏差の定義及び表示
JIS B 7502 マイクロメータ
JIS C 1602 熱電対
JIS Z 8401 数値の丸め方
JIS Z 8704 温度測定方法−電気的方法

3. 定義

 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
a) 熱膨張 試料の温度 (T) をT1からT2 (T1 からL2まで変化したとき,長さの変化量 ( L2−L1) の室温 (T0) における試料の長さ (L0) に対す
る比を温度T1と温度T2との間の熱膨張 ( 攀 ‰ T0の場合もこの定義範囲とする。熱膨張は
式(1)で算出する。
攀 一 (1)
b) 平均線膨張係数 a) で熱膨張th 差( T2−T1) で除した値を,温度T1と温度T2との間の平
均線膨張係数 ( 愀 ‰ T0の場合もこの定義範囲とする。平均線膨張係数は式 (2) で算出す
る。
懿 攀 (2)
c) 線膨張係数 b) の平均線膨張係数 替 温度T2を温度T1に限りなく近づけた値を温度T1にお
ける線膨張係数 ( 愀 ‰ 膨張係数は式 (3) で算出する。
(dL/ dT)
α= lim [εth /(T2−T1 ])= lim (εth / ΔT)= T=T1 (3)
T2 T1 ΔT 0 L0

4. 測定装置

 測定装置は,長さ又はその変化量測定系,炉体,温度制御系,温度測定系及び雰囲気制御
系で構成し,次の性能を満たしていなければならない。熱機械分析装置及び光走査式測定装置の構成につ
いては,附属書に例を示す。
a) 長さの変化量の検出感度 試料の0.1 化を検出できるものとする。

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2
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b) 昇温速度及び降温速度 試料を5 K/min以上の一定の速度で加熱昇温させる能力をもつものとする。
また,試料の温度を一定の速度で降温させることができることが望ましい。
c) 恒温保持 所定の温度において,試料を一定の温度に保持することができることが望ましい。
d) 温度の測定 試料温度の測定は,JIS C 1602に規定する熱電対を使用し,JIS Z 8704に規定する温度
の電気的測定方法によることが望ましい。
e) 測定雰囲気 試料が著しく酸化しないよう,試料周辺に不活性気体を一定流量で流すことができるも
のとする。

5. 試料及び標準物質

5.1 試料

 試料は,次による。
a) 形状及び寸法 熱機械分析装置の場合の試料の標準的な形状及び寸法は,長さ1020 mm,断面が一
辺5 mmの角柱又は直径5 mmの円柱とし,両端はJIS B 0621に規定する平行度公差25
ただし,受渡当事者間で合意すればこれ以外の形状及び寸法であってもよい。光走査式測定置の場合
には,熱機械分析装置の場合と同じであってもよいが,必ずしもこの形状及び寸法とする必要はない。
附属書に例を示す。
b) 前処理 試料は,加工による残留ひずみを内包していることが想定される場合,適切な温度で熱処理
し,ひずみを除去することが望ましい。
c) 個数 試料は,複数個準備することが望ましい。

5.2 標準物質

 標準物質は,次による。
a) 形状及び寸法 試料と同一形状,同一寸法とすることが望ましい。
b) 材質 測定温度範囲での熱膨張が既知のものとする。熱機械分析装置の場合に使用する材質は,検出
棒と同材質とすることが望ましい。一般的な検出棒の材質は,石英ガラス及び高純度アルミナで,こ
れらの線膨張係数の奨励値を附属書に示す。

6. 装置の校正

6.1 長さ変化量の校正

 熱機械分析装置の場合には,JIS B 7502に規定する外側マイクロメータ又は装
置に附属のマイクロメータによって,変位計の出力を校正する。標準物質と同一材質及び同一形状の試料
を用い,実際の測定と同じ条件で測定を行いベースラインの変化を測定する。

6.2 温度の校正

 連続昇温測定法では,実際の測定と同じ条件で加熱し,複数の温度校正用物質の融解
に伴う変位を検出し,熱電対指示温度を補正する。個々の温度校正用物質の融点間は,線形補間又は多項
式補間を行う。融点の決定方法については,附属書に示す。恒温保持測定方法では,試料温度は熱電対の
指示温度とし,融点補正は行わない。

7. 操作

 連続昇温測定方法及び恒温保持測定方法における操作は,次による。
a) 連続昇温測定方法における操作 試料を5 K/min以下の一定昇温速度で加熱しながら十分に短い時間
間隔で,長さ又はその変化量及び温度を測定する。
b) 恒温保持測定方法における操作 試料を5 K/min以下の一定昇温速度で加熱し,所定の恒温保持温度
に達した後その温度に保持する。昇温時及び恒温保持時に十分に短い時間間隔で,長さ又はその変化
量及び温度を測定する。恒温保持状態を15分以上継続し,更に指示温度 (T2) の変化が,指示温度と
室温との温度差の±1 %又は±3 Kのうち,どちらか小さい方の値以下となるように,指示温度を保持

――――― [JIS Z 2285 pdf 4] ―――――

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する。この状態において長さ又はその変化量及び平均線膨張係数を測定する。恒温保持温度を低温側
から高温側に高めながら,数段階の温度で測定する。
c) 両測定方法に共通する操作 両測定方法に共通する操作は,次による。
1) 試料表面を清浄にして試料ホルダ又は試料台に設置する。熱機械分析装置の場合は,試料に検出棒
を静かに当て,0.1 N以下の荷重を加える。
2) 熱電対を試料の中央部で,できるだけ表面に近接させて設置する。
3) 試料周辺の雰囲気を不活性気体で置換し,更に一定流量で不活性気体を流す。その後,加熱を開始
する。
4) 最高測定温度における測定をした後の冷却時における測定は,受渡当事者間の協議による。
5) 測定した後,試料表面の状態変化を観察し,顕著な変色,表面粗さの変化などが認められる場合に
は,その原因を究明し再測定を行う。
6) 測定は,1試料について1回行うものとし,複数個の試料で測定を行うことが望ましい。
7) 温度校正用融点測定,ベースライン測定及び試料の測定の間で熱電対位置を変更してはならない。

8. 熱膨張,平均線膨張係数及び線膨張係数の求め方

 熱膨張,平均線膨張係数及び線膨張係数の求め方
は,次による。
a) 試料の長さを直接測定できる装置の場合 試料の長さを直接測定できる装置(例えば,光走査式測定
装置)の場合,測定値を3.で定義した式に直接代入して求める。
1) 熱膨張を,式 (4) によって算出する。
2) 平均線膨張係数を,式 (5) によって算出する。
3) 線膨張係数を,式 (6) によって算出するか又は温度T1近傍において適切な温度間隔と試料長さ変化
を用いた差分法で算出する。
攀 一
懿 攀 (5)
[dL(T/) T]
α= lim [εth /(T2−T1 ])= T=T1 (6)
T2 T1 L0
ここに, 攀 温度T1と温度T2との間の熱膨張(無次元又は%)
温度T1と温度T2との間の試料の長さの変化量 (m)
L0 : 室温における試料の長さ (m)
温度T1と温度T2との間の温度差 (T2−T1) (K)
懿 温度T1と温度T2との間の平均線膨張係数 (K−1)
L : 試料の長さ (m)
L(T) : 温度Tの関数として,次の式のように多項式回帰で表した温度
Tにおける試料の長さ (m)
L≡L (T) =a0+a1 T+a2 T 2+······+an T n
(a0,a1,a2,······,an,nは,温度に関係のない定数)
dL(T)/dT : dL(T)を温度で微分した式。
b) 試料の長さを直接測定できない装置の場合 試料の長さを直接測定できない装置(例えば,熱機械分
析装置)の場合,測定値を次に示す式に代入して求める。

――――― [JIS Z 2285 pdf 5] ―――――

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JIS Z 2284:1998の国際規格 ICS 分類一覧