JIS Z 2285:2003 金属材料の線膨張係数の測定方法 | ページ 2

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Z 2285 : 2003
1) 熱膨張を,式 (7) で算出する。
2) 平均線膨張係数を,式 (8) で算出する。
3) 線膨張係数を,式 (9) で算出する。又は温度T1近傍において適切な温度間隔と試料長さ変化とを用
いた差分法で算出する。
攀 一 ( m− 攀 m+ 攀 一
懿 ( m− 攀 m)/ (L0×

ref

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                                             [dL(T/)   T]
α= lim [εth /(T2−T1 ])= T=T1 (9)
T2 T1 L0
ここに, 攀 温度T1と温度T2との間の熱膨張(無次元又は%)
温度T1と温度T2との間の試料の長さの変化量 (m)
L0 : 室温における試料の長さ (m)
m : 試料を測定したときの温度T1と温度T2とにおける変位計の指示
値の差 (m)
攀 m : 全膨張式熱機械分析装置の場合には,試料ホルダと同じ材質で作
られ,温度T1で長さL1となる試料を用いてベースライン測定し
たときの,温度T1と温度T2における変位計の指示値の差 (m)。
示差膨張式熱機械分析装置の場合には,試料と同じ寸法で作られ
た標準物質の試料を用いてベースライン測定したときの,温度
T1と温度T2における変位計の指示値の差 (m)。
攀替 全膨張式熱機械分析装置の場合には,温度T1で長さL1の試料ホ
ルダの温度T1と温度T2との間の長さの変化量 (m)。示差膨張式
熱機械分析装置の場合には,温度T1と温度T2との間の標準物質
の長さの変化量 (m)
懿 温度T1と温度T2との間の試料の平均線膨張係数 (K−1)
温度T1と温度T2との間の温度差 (T2−T1) (K)
ref : 温度T1と温度T2との間の標準物質の平均線膨張係数 (K−1)
L0 (ref) : 室温での標準物質の長さ (m)
懿 温度T1における試料の線膨張係数 (K−1)
L : 試料の長さ (m)
L (T) : 温度Tの関数として,次の式のように多項式回帰で表した温度T
における試料の長さ (m)
L=L (T) =a0+a1 T+a2 T2+······+an Tn
(a0,a1,a2,······,an,nは,温度に関係のない定数)
dL (T) /dT : L (T) を温度Tで微分した式

9. 再測定

 複数回測定した測定結果の平均値と標準偏差を計算し,各測定値の平均値からの偏差が各測
定値の標準偏差に対して有意に大きい値がある場合,再測定することが望ましい。測定データに相変態な
どの特異点があった場合は再測定することが望ましい。

――――― [JIS Z 2285 pdf 6] ―――――

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10. 有効数字の取扱い

 算出した値は,JIS Z 8401によって必要とされるけた数に丸める。

11. 報告

 報告書には,必要に応じて次の事項を記載する。
a) 試料名,試料の材質,その他試料についての知見
b) 装置の測定方式
c) 測定装置の製造業者名及び型式
d) 熱膨張の測定方法
e) 線膨張係数を差分法で求めた場合の算出方法
f) 温度と熱膨張及び温度と平均線膨張係数のリスト
g) 温度に対する熱膨張及び温度に対する平均線膨張係数のグラフ
h) 長さ及び線膨張係数を示す多項次回帰式
i) 測定前後での試料形状,寸法及び質量
j) 熱機械分析装置の場合,検出棒から試料へ加わる荷重
k) 測定に用いた雰囲気気体及びその流量
l) 測温熱電対の種類及び線径
m) 温度の校正に用いた純物質及び熱電対温度の補正量
n) 標準物質及び補正に使用したデータ並びに検出棒及び支持管の材質
o) 測定年月日
p) この規格に合致しない事項又は受渡当事者間で協定した事項
q) その他必要とする事項

――――― [JIS Z 2285 pdf 7] ―――――

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附属書(参考) 装置の構成例,融点による温度の校正方法及び
標準物質の熱膨張並びに線膨張係数の推奨値
この附属書(参考)は,装置の構成例,融点による温度の校正方法及び標準物質の熱膨張並びに線膨張
係数の推奨値について記述するものであり,規定の一部ではない。
1. 装置の構成例
1.1 熱機械分析装置
1.1.1 全膨張式熱機械分析装置
a) 装置の構成 全膨張式熱機械分析装置の構成例を,附属書図1に示す。
附属書図 1 全膨張式熱機械分析装置の構成例
b) 全膨張式熱機械分析装置による測定原理 附属書図1に示す検出棒の最下部に試料を設置し,加熱炉
で所定の昇温速度で加熱する。試料ホルダと検出棒とからなる全系の熱膨張特性及び試料の熱膨張特
性を比較,相殺し,試料の熱膨張量を求める。熱膨張量は,試料に温度変化 ( ‰ えたときの変
位計の指示値の差 ( m) に,同一条件の標準物質の指示値の差 ( 攀 m) 及び試料ホルダの長さ
変化量 ( 攀 ‰ 正を加えて算出する。

――――― [JIS Z 2285 pdf 8] ―――――

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c) 熱膨張の求め方 試料を設置し,温度変化 えたときの変位計の指示値の差 mは,式(1)で表
すことができる。
m= 戀
ここに, 瀰 化量, 湮 変化による試料ホルダの長さの変化量,
はベースラインの変動量である。
試料ホルダの長さ変化量とベースラインの変動量を求めるために,標準物質(試料ホルダと同一材
質で試料と同一寸法が望ましい。)を,通常試料を設置する位置に設置し,試料の測定と同一測定条件
下で,温度変化 歛 位計の指示値を測定する。このときの指示値の差 攀 mは,式(2)で示す
ことができる。
攀 m= 攀替 戀
したがって,
攀 m− 攀替 − 戀
となる。式 (1) 及び式 (3) から,熱膨張は,
攀 一 ( m− 攀 m+ 攀 一
で表される。
これを,平均線膨張係数の形で表すと,
sp= T)
Lsp (/L0・
=( Lsp, m−
Lref, m (/) L0・
T)+ ref (5)
となる。ここで,
ref= T) (6)
Lref (/L(0 ref ・
)
ref は,標準物質の平均線膨張係数,L0 (ref)は,室温での標準物質の長さである。
1.1.2 示差膨張式熱機械分析装置
a) 装置の構成 示差膨張式熱機械分析装置の構成例を,附属書図2に示す。

――――― [JIS Z 2285 pdf 9] ―――――

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附属書図 1 示差膨張式熱機械分析装置の構成例
b) 示差膨張式熱機械分析装置による測定原理,測定試料及び標準物質は試料ホルダに設置され,それぞ
れの上端に検出棒が接触する。試料側の検出棒は差動トランスのコアに,標準物質側の検出棒はコイ
ルに接続され,加熱中の試料と標準物質の寸法変化の差が差動トランスの信号として検出される。温
度T1と温度T2との間の試料の長さ変化量は,温度T1と温度T2との間で得られた信号に温度T1と温度
T2との間における標準物質の長さ変化量を加算して求める。
なお,測定中の試料には,荷重コントロール部で発生した荷重が負荷される。
熱膨張は,式 (7) で算出する。また平均線膨張係数は,式 (8) で算出する。
T2
=
th Lsp, m−
Lsp / L0=[ G(T) T/] L0
Lref, m+L0 ( ref)・ (7)
T1
T2
=[ Lsp, m−
Lref, m+L0 ( ref・)
G(T) dT/] L0 (/L0 T) (8)
T1
ここに, 温度T1,温度T2間の試料の長さの変化 (m)
L0 : 室温での試料の長さ (m)
m : 試料を測定したときの,温度T1,温度T2における変位計の指示
値の差 (m)
攀 m : 標準物質と同一材質,同一寸法の試料でベースライン測定した
ときの温度T1,温度T2における変位計の指示値の差 (m)
G (T) : 温度Tにおける微小範囲の線膨張係数を表す近似式で標準物質
の線膨張係数の温度関数 (K−1)

――――― [JIS Z 2285 pdf 10] ―――――

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JIS Z 2284:1998の国際規格 ICS 分類一覧