JIS Z 2285:2003 金属材料の線膨張係数の測定方法 | ページ 3

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c) 熱膨張の求め方 試料を設置し,温度変化 えたときの変位計の指示値の差 mは,式 (9) で
表すことができる。
m= 攀替 戀
ここに, 瀰 化, 攀湮 変化による標準物質試料の長さの変化,
ベースラインの変動である。
ベースラインの変動を求めるために,標準物質で作られた測定用試料と同一形状,同一寸法の試料
を,通常測定用試料を設置する位置に設置し,測定用試料と同一測定条件下で,温度変化 歛
変位計の指示値を測定する。この指示値の差 攀 mは,式 (10) で表すことができる。
攀 m= 攀替 攀替 戀 戀
したがって,この値がベースラインの変動を表すことになる。
式 (9) 及び式 (10) から,熱膨張は式 (11) で表される。
攀 一 ( m− 攀 m+ 攀 一
この式は1.1.1の式 (4) と同じ形である。
これを,平均線膨張係数の形で表すと,式 (12) となる。
sp = T)
Lsp (/L0・
=( Lsp, m−
Lref, m (/) L0・
T)+ ref (12)
1.2 光走査式測定装置
a) 装置の構成 光走査式測定装置の構成例を,附属書図3に示す。

――――― [JIS Z 2285 pdf 11] ―――――

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附属書図 3 光走査式測定装置の構成例
b) 光走査式測定装置による測定原理 長さ測定用プロープとしてHe-Neレーザ光を使用する。レーザ光
を試料の長さ測定方向に対して直角に照射し,長さ測定方向に走査させる。レーザ光は受光素子に入
射するが,エッジ検出1によって入射光の明暗が明確に検出され,モード選択2によって入射光が明
→暗→明と変化するときの暗となる時間,すなわち,試料によってレーザ光が遮られる時間を求める
ことができる。この時間を走査速度から長さに換算して試料長さを求める。
2. 融点による温度の校正方法
2.1 示差膨張式熱機械分析装置 示差膨張式熱機械分析装置による融点測定の場合の試料部の配置例を,
附属書図4に示す。

――――― [JIS Z 2285 pdf 12] ―――――

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附属書図 4 示差膨張式熱機械分析装置による融点測定方法
2.2 光走査式測定装置 光走査式測定装置による融点測定の場合の試料部の配置例を,附属書図5に示
す。
附属書図 5 光走査式測定装置による融点測定方法
2.3 融点の決定 校正用物質の測定結果から,融点を決定する方法を示す。附属書図6に示すように,
校正用物質の測定では,試料の溶解に伴い,変位の指示値が急激に変化する。横軸は温度計(熱電対)の
指示温度である。図に示す2本の補助線の交点を融点の温度とする。温度校正用物質とその融点を附属書
表1に示す。

――――― [JIS Z 2285 pdf 13] ―――――

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(m)
附属書図 6 融点測定結果から融点を決定する方法(金の融点の測定例)
附属書表 1 温度校正用物質及び融点
物質名 融点
t90 (℃) T90 (K)
インジウム 156.6 429.7
すず 231.9 505.1
亜鉛 419.5 692.7
アルミニウム 660.3 933.5
銀 961.8 1 234.9
金 1 064.2 1 337.3
備考 ITS-90では,上記の値は凝固点を示しているが,0.1 Kのけた
までの範囲においては,凝固点と融点は一致すると考えてよ
い。
2.4 熱電対による測定温度の校正方法 温度の校正は,附属書図7に従い次のように行う。校正用物質i
の融点の値(附属書表1参照)をTRefi,融点における熱電対の示す出力電圧を,JIS C 1602に規定する規準
熱起電力表に基づき換算した温度値をTTCiとすると,式 (13) が,その温度での補正値となる。
槿 TRefi−TTCi (13)
各校正用物質の測定から求められる 椀 i=1, 2, ・・・, n) を用いると,附属書図7に示すような関係
が得られる。ここで,室温TRef0では測定誤差はないと仮定している。二つの校正温度(TRefj-1及びTRefj)
間の任意の温度Tにおける校正後の温度は,熱電対が示す温度TTcに対して,式 (14) によって求められる。
(TTc−TRef j−1 )
T=TTc+ΔTCj−1+(ΔTCj−ΔTCj−1 ) (14)
(TRef j−TRef j−1 )
なお,測定温度範囲が校正の最高温度を超える場合には,その温度に近い2点の補正値 ( 1, ‰
用いて外挿によって計算する。

――――― [JIS Z 2285 pdf 14] ―――――

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附属書図 7 融点測定結果から測定温度を補正する方法
3. 標準物質の熱膨張及び線膨張係数の推奨値
3.1 標準物質 熱機械分析装置に用いる石英ガラス製及びアルミナ製標準物質としては,それぞれ石英
ガラス及びアルミナを用いることが望ましい。
3.2 石英ガラスの熱膨張及び線膨張係数の推奨値 附属書表2に石英ガラスの熱膨張及び線膨張係数の
推奨値を示す。
附属書表 2 石英ガラスの熱膨張及び線膨張係数の推奨値
温度T 熱膨張 一 線膨張係数愀 温度T 熱膨張 一 線膨張係数愀
K K−1 K K−1
80 − 1×10−6 −0.70×10−6 320 13.5 ×10−6 0.53×10−6
90 − 7.5 ×10−6 −0.61×10−6 340 24.5 ×10−6 0.56×10−6
100 −13 ×10−6 −0.53×10−6 360 36 ×10−6 0.58×10−6
110 −18 ×10−6 −0.46×10−6 380 47.5 ×10−6 0.60×10−6
120 −22.5 ×10−6 −0.38×10−6 400 59.5 ×10−6 0.61×10−6
130 −26 ×10−6 −0.31×10−6 420 72 ×10−6 0.62×10−6
140 −28.5 ×10−6 −0.24×10−6 440 85 ×10−6 0.63×10−6
150 −30.5 ×10−6 −0.17×10−6 460 97 ×10−6 0.63×10−6
160 −32 ×10−6 −0.10×10−6 480 110 ×10−6 0.63×10−6
170 −32.5 ×10−6 −0.04×10−6 500 122 ×10−6 0.63×10−6
180 −32.5 ×10−6 0.02×10−6 520 135 ×10−6 0.62×10−6
190 −32 ×10−6 0.08×10−6 560 159 ×10−6 0.61×10−6
200 −31 ×10−6 0.13×10−6 600 183 ×10−6 0.59×10−6
210 −29.5 ×10−6 0.19×10−6 640 206 ×10−6 0.56×10−6
220 −27.5 ×10−6 0.23×10−6 680 228 ×10−6 0.54×10−6
230 −25 ×10−6 0.28×10−6 720 249 ×10−6 0.51×10−6
240 −22 ×10−6 0.32×10−6 760 269 ×10−6 0.49×10−6
250 −18.5 ×10−6 0.36×10−6 800 288 ×10−6 0.47×10−6
260 −14.5 ×10−6 0.39×10−6 840 307 ×10−6 0.44×10−6
273 −9 ×10−6 0.43×10−6 880 324 ×10−6 0.42×10−6
280 −6 ×10−6 0.45×10−6 920 340 ×10−6 0.40×10−6
293 0 0.48×10−6 960 356 ×10−6 0.38×10−6
298 2.5 ×10−6 0.49×10−6 1000 371 ×10−6 0.37×10−6
3.3 アルミナの熱膨張及び線膨張係数の推奨値 附属書表3にアルミナの熱膨張及び線膨張係数の推奨
値を示す。
なお, 懿 アルミナは,三方晶系綱玉型であり単結晶の場合には,線膨張係数に異方性をもつが,多結
晶体又は通常の焼結体においては異方性はないと考えてよい。附属書表3の値も,各結晶方向について平

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