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c) 暴露を終了した円筒は,分析するまで更に硫酸塩が生成されないように保護し,保管する。
d) 暴露を終了した円筒の分析は,暴露終了後60日以内に行う。
4.4 硫酸塩の分析
4.4.1 原理 二酸化鉛円筒から取り外された布は,炭酸ナトリウムの溶液で溶解され,硫酸塩はバリウム
イオンで沈澱され,沈澱した硫酸バリウムの質量を測定する質量法で行う。
4.4.2 試薬 試薬は,次のとおりとする。
a) 炭酸ナトリウム JIS K 8625に規定の炭酸ナトリウム
b) 塩化バリウム100g/l溶液 JIS K 8155に規定の塩化バリウム100gを水に溶解し1 000mlにする。
4.4.3 分析 分析は,次のとおり行う。
a) 円筒から二酸化鉛を塗布した布を取り外し,500mlのビーカーに入れ,100mlの水(2)を加える。
b) これにJIS K 8625に規定の炭酸ナトリウム5gを加え,溶けるまでかき混ぜる。
c) 水を加えつつほぼ100mlに保ちながら30分間煮沸し,室温まで冷却してからJIS P 3801の5種Cの
ろ紙を用いてろ過し,洗浄する。
d) このろ液に徐々に塩酸を加えて酸性にし,加温して炭酸ガスを追い出す。
e) 次いで,加温しながら塩化バリウム溶液 (100g/l) を加えて硫酸バリウムを沈澱させる。
f) 沈澱物を定量ろ紙を用いてろ過し,これをろ紙とともに磁性るつぼに入れ,初めは,ふたをずらした
状態で加熱し,ろ紙の炭化を確かめてからふたをし,強く加熱する。
g) 次に,るつぼを常温に冷却してから内容物の質量を量り,これを灰分を含む硫酸バリウムの量W1と
する。
h) 暴露した二酸化鉛円筒と同時に作製した暴露しない円筒についても同様に操作し,空試験値W2を求
める。
4.4.4 表示 次の式によって計算し,S [mgSO2/ (m2・d) bO2] で表す。
S=.0274 W1−W2 1 t100
ここに,S : 大気中の二酸化硫黄の付着度 [mgSO2/ (m2・d) bO2]
W1 : 暴露した円筒から求めた灰分を含む硫酸バリウムの質量 (mg)
W2 : 暴露しない円筒から求めた灰分を含む硫酸バリウムの質量 (mg)
t : 二酸化鉛円筒の暴露日数 (d)
SO2の式量
0.274 :
BaSO4の式量
2
10 000cm
100 :
100cm2
5. アルカリろ紙法による二酸化硫黄 (SO2) の付着度の測定
5.1 原理 二酸化硫黄 (SO2) 及びその他酸性硫黄化合物は,炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム溶液で飽
和された多孔質のろ紙プレートの表面でアルカリと反応して硫酸塩を形成し捕集される。二酸化硫黄の付
着度は,平方メートル・日当たりのミリグラム [mg/(m2・d) ] で表される。
5.2 測定装置
5.2.1 アルカリろ紙プレートの作製 アルカリろ紙プレートは,次のとおり作製する。
a) 150×100×3mmのろ紙(クロマトグラフ用ペーパーろ紙又は類似の性質の材料を使用することができ
――――― [JIS Z 2382 pdf 6] ―――――
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る。)を,70g/lの炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム溶液に2分間浸せきする。
b) 溶液からろ紙を取り出し,しずくを切り,105±2℃で1時間又は90±2℃で8時間乾燥する。
c) 乾燥後,アルカリろ紙プレートは,プラスチック容器(ポリエチレン,ポリプロピレン)内に暴露す
るまで密封保管する。
d) 同時に作製した5個のアルカリろ紙プレートを,ブランク試験用とする。
5.2.2 暴露架台 暴露架台は,次のとおりとする。
a) アルカリろ紙プレートを暴露する架台は,直射日光及び雨の当たるのを防ぎ,垂直に暴露する保持具
をもったもの(図3参照)。
b) 保持具の位置は,ろ紙プレートを暴露場所の風の主方向に平行に保持でき,さらに,ろ紙プレートの
下端が地上から1.82m離れていること。
c) 架台は,大気のろ紙プレートへの自由な接近を妨げない構造であること。
図3 アルカリろ紙プレートの暴露架台例
5.3 アルカリろ紙プレートの暴露 アルカリろ紙プレートの暴露は,次のとおり行う。
a) 暴露架台に垂直に取り付ける。
b) 暴露期間は1か月とし,通常,各月の1日に暴露を開始し翌月の1日に回収する。
c) 暴露を終了したアルカリろ紙プレートは,表面を傷つけないように取り外し,プラスチック容器に密
閉保管する。その際,容器には暴露場所名,暴露開始及び取り外しの日付を記録しておくこと。
d) 暴露するアルカリろ紙プレートの数は,暴露試験場所で同時に3個が望ましい。
e) 暴露を終了したアルカリろ紙プレートの分析は,60日以内に行う。
――――― [JIS Z 2382 pdf 7] ―――――
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5.4 硫酸塩の分析 硫酸塩の分析は,通常,次の容量分析方法によって行うが,精度が十分であれば,
質量分析方法又は分光分析方法などによってもよい。
5.4.1 原理 硫酸塩の量は,トリン試薬の存在下で,過塩素酸バリウムの水/エタノール溶液による,水
/エタノール試料溶液の滴定によって決定される。滴定の終点は,pH間隔23への黄桃色移行で示され
る。
5.4.2 試薬 分析には分析級の試薬及び蒸留水又は同純度の水を使用する。
a) 過酸化水素水 150g/l溶液
b) エタノール 95% (v/v)
c) 過塩素酸 1+5に希釈
d) 硫酸標準照合溶液 c (H2SO4) =0.005mol/l
e) 容量分析用過塩素酸バリウム標準溶液 c [Ba (ClO4) 2] =0.005mol/l
2.0gの過塩素酸バリウム三水塩 [Ba (ClO4) 23H2O] を200mlの水に溶解し,過塩素酸[c) ]を加えてpH
を23に調整する。この溶液をエタノール[b) ]で1 000mlに希釈する。正確な濃度は5.4.4の方法で,
10mlの硫酸標準照合溶液[d) ]を滴定することによって決定する。
f) トリン指示薬 2g/l溶液0.2gのトリン指示薬を100mlの水に溶解する。
5.4.3 試料溶液の調製 試料溶液は,次のとおり調製する。
a) 暴露したアルカリろ紙プレートを800mlのビーカーに入れ,湿らせた後,ガラス棒を用いてそれを断
片に分割し,懸濁液の量を水で400mlに調製する。
b) 1mlの過酸化水素溶液[5.4.2a) ]を加え,懸濁液をよくかき混ぜる。
c) 混合物を短時間煮沸して,一晩静置する。
d) 目の粗い定量ろ紙を用いて懸濁液を真空ろ過し,ろ紙上の残さ(渣)を水で2回洗浄する。
e) ろ液の容量を容量フラスコで500mlに調製する(試料溶液)。
5.4.4 分析 分析は,次のとおり行う。
a) 10mlの試料溶液をピペットでフラスコに採る。もし試料溶液の硫酸塩濃度が高いときは,低容量をピ
ペットで採り,その容量を水で10mlにする。また,試料溶液の硫酸塩濃度が低いときは,5mlの硫酸
標準照合溶液[5.42d) ]を加える。
b) 過塩素酸[5.4.2c) ]を添加して,pHを23に調整する。
c) 40mlのエタノール[5.4.2b) ]と3滴のトリン指示薬[5.4.2f) ]を加える。
d) この溶液を過塩素酸バリウム標準溶液[5.4.2e) ]を用いて,黄桃色に変わるまで滴定する。
e) 同時に作製した未暴露プレートについて,5.4.3並びに5.4.4の操作を行い,ブランクの二酸化硫黄を
分析する。
[mg/ (m2・d) ] で表
5.4.5 表示 分析結果は,実施した分析方法について,次の式によって計算し, R SO2
す。
RSO2 = m
At
: 二酸化硫黄 (SO2) の付着度 [mg/(m2・d) ]
ここに, R SO2
m : 暴露したアルカリろ紙プレートの二酸化硫黄の質量 (mg)
A : アルカリろ紙プレートの暴露部分の面積 (m2)
t : 暴露期間 (d)
容量分析用過塩素酸バリウム標準溶液による硫酸塩の滴定の場合は,その結果は次の式によって計算す
――――― [JIS Z 2382 pdf 8] ―――――
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る。
V1−V0 c1 64.06VT
R SO2 =
VA At
ここに, R SO2 : 二酸化硫黄付着度 [mg/ (m2・d) ]
V0 : ブランクの試料溶液の滴定のために使用した容量分析用過
塩素酸バリウム標準溶液[5.4.2) ]の容量 (ml)
V1 : 暴露した試料溶液の滴定のために使用した容量分析用過塩
素酸バリウム標準溶液[5.4.2e) ]の容量 (ml)
VA : ピペットで採った暴露試料溶液の容量 (ml)
VT : 試料溶液の全容量 (ml)
c1 : リットル当たりのBa (ClO4) 2のモル数で表した容量分析用
過塩素酸バリウム標準溶液[5.4.2e) ]の正確な濃度
A : 試験プレートの暴露部分の面積 (m2)
t : 暴露期間 (d)
6. ウェットキャンドル法による塩化物の測定
6.1 原理 一定面積の織物を湿潤状態で雨を遮断して暴露すると,織物表面に塩化物が捕集される。こ
の塩化物を化学分析によって定量する。分析結果から塩化物の付着度を計算し,平方メートル・日当たり
のミリグラム [mg/ (m2・d) ] で表す。
6.2 測定装置
6.2.1 ウェットキャンドル ウェットキャンドルは,次のとおり作製する。
a) ウェットキャンドルは,瓶の中に挿入した心棒から構成される。
b) 心棒は,不活性材料(ポリエチレンなど)製の直径約25mm,長さ150mm以上のもの。
c) 瓶は,容積500ml以上のポリエチレン製又は他の不活性材料製のもの。
d) ゴム栓は,c)の瓶の首にはめられる大きさのもので,中央部にb)の心棒を挿入する孔及びその孔の周
辺にガーゼのフリーの端が通る二つの孔をもち,三つの孔の縁はすべてじょうご状であるもの(図4
参照)。
e) 心棒を,長さ約120mmを残してゴム栓に差し込む。このとき暴露される心棒の表面積は約100cm2で
ある。
f) この心棒の約120mmの部分に,蒸留水で塩化物をよく洗浄し乾燥した管状の外科用ガーゼ又は帯状
の外科用ガーゼを2層に巻き付け,残りのフリーのガーゼの端をゴム栓の孔に通す。ガーゼは,管状
のものは,約120mmを残して長さ方向に沿って二つに切断し,切断した部分が瓶の底に達する長さ
のものを用いる。また,帯状のガーゼは,約120mmの部分に2層に巻き付けた残りがゴム栓を通し
て瓶の底に達する長さのものを用いる。
g) 瓶に,200mlのオクタン酸を加えたグリセリン溶液 [20% (v/v) ] を入れる。このグリセリン溶液は,
200mlのグリセリン [CHOH (CH2OH) 2] を蒸留水で1 000mlにし,この溶液に20滴のオクタン酸
(C8H16O2) を加える。オクタン酸を加えるのは,アスパーギラスニガーのような菌類の成長を妨げる
ためである。
長期的に極端な温度,すなわち25℃以上とか−25℃以下といった状況では,凍結や過剰な蒸発を防
ぐため,グリセリン濃度を40% (v/v) まで高めるか,グリセリン溶液を20% (v/v) のエチレングリコー
ル溶液に置換する必要がある。
h) グリセリン溶液の入った瓶g)に,d)のゴム栓をして,ウェットキャンドルを組み立てる(図5参照)。
――――― [JIS Z 2382 pdf 9] ―――――
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図4 ウェットキャンドルのゴム栓部分の詳細図
図5 ウェットキャンドル組立図及び暴露架台例
――――― [JIS Z 2382 pdf 10] ―――――
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JIS Z 2382:1998の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 9225:1992(MOD)
JIS Z 2382:1998の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.040 : 気質 > 13.040.20 : 雰囲気
JIS Z 2382:1998の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0101:1998
- 工業用水試験方法
- JISK8101:2006
- エタノール(99.5)(試薬)
- JISK8155:2017
- 塩化バリウム二水和物(試薬)
- JISK8625:2017
- 炭酸ナトリウム(試薬)
- JISP3801:1995
- ろ紙(化学分析用)