この規格ページの目次
日本工業規格(日本産業規格) JIS
Z 3400 : 2013
金属材料の融接に関する品質要求事項
Quality requirements for fusion welding of metallic materials
序文
この規格は,2005年に第2版として発行されたISO 3834-1,ISO 3834-2,ISO 3834-3,ISO 3834-4及び
2005年に第1版として発行されたISO 3834-5を基とし,技術的内容及び構成を変更して作成した日本工
業規格である。また,2007年に第1版として発行されたISO/TR 3834-6を附属書F(参考)としている。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施した箇所は,対応国際規格を変更している箇所である。変更
の一覧表にその説明をつけて,附属書JAに示す。
1 適用範囲
この規格は,金属材料の融接に関する品質要求の3水準,すなわち包括的品質要求事項(附属書B),標
準的品質要求事項(附属書C),及び基本的品質要求事項(附属書D)に規定し,これらの水準のいずれか
を選択しなければならないかを規定している。
また,各品質要求事項に適合していることを明らかにするために遵守する必要のある規格類を附属書E
に規定している。
注記1 この規格は,全体的な品質マネジメントシステム(以下,QMSという。)に対する要求事項
を規定していない。しかしながら,箇条6はQMSの要素を明確にしており,それらはこの
規格を補完するものである。
注記2 製造事業者は,附属書B,附属書C及び附属書Dを,それぞれ単独で使用してもよいし,JIS
Q 9001と組み合わせて使用してもよい。
注記3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 3834-1:2005,Quality requirements for fusion welding of metallic materials−Part 1: Criteria for
the selection of the appropriate level of quality requirements
ISO 3834-2:2005,Quality requirements for fusion welding of metallic materials−Part 2:
Comprehensive quality requirements
ISO 3834-3:2005,Quality requirements for fusion welding of metallic materials−Part 3: Standard
quality requirements
ISO 3834-4:2005,Quality requirements for fusion welding of metallic materials−Part 4: Elementary
quality requirements
ISO 3834-5:2005,Quality requirements for fusion welding of metallic materials−Part 5: Documents
with which it is necessary to conform to claim conformity to the quality requirements of ISO
3834-2, ISO 3834-3 or ISO 3834-4(全体評価 : MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
――――― [JIS Z 3400 pdf 6] ―――――
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Z 3400 : 2013
ことを示す。
2 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Q 9000:2000 品質マネジメントシステム−基本及び用語
注記 対応国際規格 : ISO 9000:2000,Quality management systems−Fundamentals and vocabulary(IDT)
JIS Q 9001 品質マネジメントシステム−要求事項
注記 対応国際規格 : ISO 9001,Quality management systems−Requirements(IDT)
3 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Q 9000:2000によるほか,次による。
3.1
設計仕様(design specification)
顧客若しくは代行機関,又は法規によって規定された製品に対する要求事項。
注記 製品に対する要求事項及び場合によっては関連工程に対する要求事項は,例えば,技術仕様書,
製品規格,施工基準,契約同意事項及び法令・規制要求事項の中に含めることができる。
3.2
適格性が確認された要員(qualified person)
力量及び知識が,教育,訓練及び/又は関連する実際的な経験によって獲得されている要員。
注記 力量及び知識のレベルを証明するために,適格性確認試験を要求してもよい。
3.3
溶接物(construction)
製品,構造物又はその他の溶接された物。
3.4
製造事業者(manufacturer),ファブリケータ(fabricator)
溶接による製造に責任のある個人又は組織。
3.5
下請負契約者(sub-contractor)
契約に基づいて製造事業者へ製品,サービス及び/又は業務を供給する者。
3.6
溶接オペレータ(welding operator)
自動又は全自動溶接を行う要員。
4 適用上の注意事項
この規格は金属材料の融接方法に適した品質要求事項を規定する。この規格の中に含む要求事項を他の
溶接方法に対して採用してもよい。これらの要求事項は,融接によって影響を受ける製品の品質面にだけ
関係し,特定の製品グループに限定しない。
この規格は,規定された品質の製品を生産する製造事業者の能力を証明する方法を規定する。
――――― [JIS Z 3400 pdf 7] ―――――
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この規格は,次に示す意図をもって作成された。
a) 製造される溶接物の種類を限定しない。
b) 工場及び/又は現地での溶接に対する品質要求を明示する。
c) 規定要求事項に適合する溶接物を製造する製造事業者の実現能力を記述するための指針を提供する。
d) 製造事業者の溶接実現能力を評価するための基本事項を提供する。
この規格は,規定された品質要求事項を満足する溶接物を製造するための製造事業者の実現能力の証明
が,次の一つ又はそれ以上において規定されている場合に適している。
− 仕様書
− 製品規格
− 法令・規制要求事項
この規格に含まれる要求事項は,全てを採用してもよいし,関係する溶接物へ適用できない場合は,製
造事業者が選択して削除してもよい。
この規格に含まれる要求事項は,次の例に示す溶接管理に対して,柔軟な枠組みとなっている。
例1 JIS Q 9001に従ったQMSを備えることを製造事業者に要求する仕様書において,特定の要求
事項を規定する場合。
例2 JIS Q 9001以外のQMSを備えることを製造事業者に要求する仕様書において,特定の要求事
項を規定する場合。
例3 融接に対するQMSを展開する製造事業者に対して,特定の指針を規定する場合。
例4 融接施工の管理を要求する仕様書,法規又は製品規格に対する詳細な要求事項を規定する場合。
5 品質要求事項の適切な水準の選択
品質要求事項の水準を規定する附属書B,附属書C及び附属書Dから適切な水準を選択する場合,製品
規格,仕様書,法規又は契約に従うことが望ましい。この規格は,様々な状況及び対象が種々異なって適
用されるので個々の状況に応じて,採用する品質要求事項の水準に関する確定的な規則を,この箇条にお
いては与えることができない。
この規格は様々な状況において適用することができる。製造事業者は,製品に関連する次の基準を基本
として,品質要求事項の異なった水準を規定する附属書B,附属書C及び附属書Dの中から一つを選択す
ることが望ましい。
− 安全性が重視される製品の重要度
− 製造の複雑さ
− 製造される製品の範囲
− 使用される異種材料の範囲
− 金属学的な問題の生じやすさの程度
− 製品機能に影響する製造不完全部(例えば,目違い,溶接変形又は溶接不完全部)の程度
特定の品質水準に対する適合性を証明する製造事業者は,追加の証明がなくても全ての下位水準の適合
性が達成されていると考えてもよい。例えば,包括的品質要求事項(すなわち,附属書B)に適合してい
る製造事業者は,標準的品質要求事項(すなわち,附属書C)及び基本的品質要求事項(すなわち,附属
書D)に対しても適合していると考えてもよい。
注記 附属書Aは,附属書B,附属書C及び附属書Dから,適切な水準の選択を支援するための基
準を一覧表としたものである。
――――― [JIS Z 3400 pdf 8] ―――――
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6 この規格を補完するために,QMSにおいて考慮が必要な要素
この規格は,QMSに寄与する多くの内容を含み,この規格の品質要求事項を補完するため,製造事業者
が考慮することが望ましいJIS Q 9001のQMSを次に示す。
a) 文書管理及び記録の管理
b) 経営者の責任
c) 資源の提供
d) オペレーション要員の力量,認識及び教育・訓練
e) 製品実現の計画
f) 製品に関連する要求事項の明確化
g) 製品に関連する要求事項のレビュー
h) 購買
i) プロセスの妥当性確認
j) 顧客の所有物
k) 内部監査
l) 製品の監視及び計測
――――― [JIS Z 3400 pdf 9] ―――――
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附属書A
(参考)
附属書B,附属書C及び附属書Dの選択基準
No. 要素 附属書B 附属書C 附属書D
包括的品質要求事項 標準的品質要求事項 基本的品質要求事項
1 要求事項のレビュー レビューが要求される。
記録が要求される。 記録が要求される場合 記録は要求されない。
がある。
2 テクニカルレビュー レビューが要求される。
記録が要求される。 記録が要求される場合 記録は要求されない。
がある。
3 下請負 特別な下請負製品,サービス及び/又は業務に対しては製造事業者と同様
に扱うが,品質に対する最終責任は製造事業者にある。
4 溶接技能者及び溶接オペレータ 適格性確認が要求される。
5 溶接管理技術者 要求される。 特定の要求事項なし。
6 検査要員及び試験要員 適格性確認が要求される。
7 製造及び試験設備 工程の実施,試験,輸送,及び揚重のための適切で利用可能な設備並びに
それらの安全設備及び保護具を含めて用意することが要求される。
8 設備の保守 適合性のある製品を供給,維持,及び実現するために要求される。
文書化した計画及び記文書化した計画及び記 特定の要求事項なし。
録が要求される。 録が推奨される。
9 設備の仕様 リストが要求される。 特定の要求事項なし。
10 生産計画 要求される。 特定の要求事項なし。
文書化した計画及び記文書化した計画及び記
録が要求される。 録が推奨される。
11 溶接施工要領書 要求される。 特定の要求事項なし。
12 溶接施工法の承認 要求される。 特定の要求事項なし。
13 溶接材料のバッチ試験 要求される場合は実施特定の要求事項なし。
する。
14 溶接材料の保管及び取扱い 供給者の推奨に従った手順書が要求される。 供給者の推奨に従う。
15 母材の保管 環境による影響からの保護が要求される。 特定の要求事項なし。
保管中,材料の識別を保持しなければならない。
16 溶接後熱処理(PWHT) 特定の要求事項なし。
製品規格又は仕様書による要求事項が満たされ
ることの確認を実施する。
手順,記録及び製品に手順及び記録が要求さ
対する記録のトレーサれる。
ビリテイが要求され
る。
17 溶接前,中,後の検査及び試験 要求される。 要求される場合は実施
する。
18 不適合及び是正処置 管理措置を講じる。
管理措置を講じること,並びに修理及び/又は手
直しのための手順書が要求される。
19 要求される。
計測,検査及び試験設備の校正, 要求される場合は実施 特定の要求事項なし。
及び妥当性確認 する。
20 工程中の識別 要求される場合は実施する。 特定の要求事項なし。
21 トレーサビリテイ 要求される場合は実施する。 特定の要求事項なし。
22 品質記録 要求される。 要求される場合は実施
する。
――――― [JIS Z 3400 pdf 10] ―――――
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JIS Z 3353:2013の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.160 : 溶接,ろう付け及びはんだ付け > 25.160.20 : 溶接材料
JIS Z 3400:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISQ9001:2015
- 品質マネジメントシステム―要求事項