JIS Z 4001:1999 原子力用語 | ページ 2

4
Z 4001 : 1999
IX. 核融合
1. プラズマの基礎
1) 基本概念 ············································································································ 90001
2) 波 ····················································································································· 90101
2. 核融合プラズマ
1) 基本概念 91001
2) 平衡磁気配位 91101
3) 安定性 91201
4) 輸送 91301
5) 閉込め性能 91401
6) 周辺プラズマ ········································································································· 91501
7) 加熱 91601
8) 電流駆動 91701
9) 粒子供給 91801
10) プラズマ診断 ········································································································· 91901
3. 磁気核融合装置
1) 磁気核融合装置 92001
2) 磁気核融合炉工学 ··································································································· 92101
4. 慣性核融合 93001
3. 番号,用語及び定義 定義のなかでISO 921,IEC 393,又はIEC 394と略記したものは,1. 適用範
囲 備考2.に記載した国際規格をそれぞれさす。番号は,JIS番号のほか,対応する国際規格の番号を併
記した。国際規格番号のうち3又は4で始まる番号は,それぞれIEC 60050-393,IEC 60050-394に掲載さ
れていることを表し,例えば,30407とあるのはIEC 60050-393中の用語番号が393-04-07であることを意
味する。その他はISO 921に当該番号を与えられ,掲載されていることを意味する。
なお,参考のために対応英語を示した。
備考1. 用語の一部に角括弧[ ]を付けたものは,角括弧の中の用字を含めた用語と,角括弧の中
の用字を省略した用語のどちらを使っても差し支えないことを示す。
2. 定義欄のゴシック体の用語は,この規格において定義した用語(定義の中の同義語を含む。)
であることを示す。
I. 一般
1. 原子力一般
JIS ISO IEC 用語 定義 対応英語
10001 821 30437 原子力 nuclear energy,
核反応又は核遷移に伴って放出されるエネルギ
atomic energy
ー。狭義には,核分裂又は核融合によって放出さ
れるエネルギーをいう。核エネルギーともいう。

――――― [JIS Z 4001 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
Z 4001 : 1999
JIS ISO IEC 用語 定義 対応英語
10002 30201 放射線 radiation
エネルギーが波動又は粒子の形で放出され,空間
又は媒質を通して伝ぱ(播)するもの。X線, ,
, 又は高速の電子,中性子,陽子など。こ
の規格の範囲では,音波,ラジオ波,可視光線,
赤外線,及び紫外線は含めない。“22006 電離放射
線”参照。
10003 30213 [原子]核放射線 , , ,中性子など原子核から放出される
nuclear radiation
電離放射線。
10004 823 30262 核分裂 [nuclear] fission
重い原子核が同じ程度の質量をもつ二つ(又はま
れに三つ以上)の原子核に分かれる現象。通常,
中性子, の放出を伴う。
10005 825 核融合 原子核が核融合反応を起こすこと。 [nuclear] fusion
10006 826 30265 核融合反応 nuclear fusion reaction
二つの軽い原子核が反応して,元の原子核のどち
らよりも重い原子核を必ず一つと余分のエネルギ
ーとを生じる現象。
10007 1237 熱核反応 thermonuclear reaction
核反応の一種であって,関与する粒子が反応を起
こすのに必要な運動エネルギーを熱運動から得る
場合をいう。
備考 通常,この用語は核融合反応に適用され
る。
10008 976 30227 放射性物質 放射性核種を含む物質。 radioactive material
備考 法的規制などでは,ある定められた値以
上の放射能や比放射能(又は放射能濃
度)をもつものを指す。
10009 830 核物質 nuclear material
原料物質及び特殊核分裂性物質の総称。まれには
鉱石及び鉱石廃棄物もいう。
備考 我が国では,鉱石及び鉱石廃棄物は含め
ない。
10010 1148 原料物質 source material
物理的化学的形態に関係なく,特定の濃度以上の
ウラン若しくはトリウムを含む物質で,特殊核物
質として指定されたものを除く。
備考 法規上の用語。我が国の法律では、核原
料物質と呼び,核燃料物質を含めない。
10011 484 核分裂可能物質 一種以上の核分裂可能核種を含む物質。 fissionable material
10012 470 30127 核分裂性物質 fissile material
一種以上の核分裂性核種(又は,まれに核分裂可
能核種,例えば,プルトニウム238)を含む物質で
あって,条件がそろえば臨界に到達するもの。
10013 454 30125 [燃料]親物質 fertile material
中性子捕獲によって直接又は間接に核分裂性核種
に変換され得る核種,又はそのような核種を含む
物質。
10014 824 30701 [核]燃料 nuclear fuel
核分裂性物質であって,原子炉内において自立核
分裂連鎖反応を達成することができるもの。原子
燃料ともいう。
備考 我が国の法律では,原子炉で燃料として
使用する天然ウラン,劣化ウラン及びト
リウムを含む物質,若しくは濃縮ウラ
ン,プルトニウム及びウラン233を含む
物質を,核燃料物質と呼ぶ。

――――― [JIS Z 4001 pdf 7] ―――――

6
Z 4001 : 1999
JIS ISO IEC 用語 定義 対応英語
10015 509 [核]燃料サイクル [nuclear] fuel cycle
原子炉で燃料として使われる物質に対する採鉱,
製錬,転換,濃縮,加工,使用,輸送,貯蔵,再
処理,再加工及び廃棄処分などの一連の産業活動。
10016 バックエンド(核燃料 back-end (of nuclear
使用済燃料の輸送と貯蔵,再処理と廃棄物管理,
サイクルの) fuel cycle)
及び再処理廃棄物と使用済燃料の最終処分に関す
る産業活動。
10017 フロントエンド(核燃 front-end (of nuclear
資源探査から成形加工までの核燃料の準備,及び
料サイクルの) fuel cycle)
原子力発電プラントへの燃料集合体の搬入に関す
る産業活動。
10018 853 ワンススルー[核]燃 once-through fuel
核燃料を原子炉で一度だけ使用し,再処理を行わ
料サイクル ない核燃料サイクル。 cycle
10019 903 プルトニウムリサイ plutonium recycling
使用済燃料から回収したプルトニウムを再び核燃
クル 料として使用すること。
10020 515 燃料インベントリー fuel inventory
原子炉,原子炉群又は核燃料サイクル全体に投入
されている核燃料の総量。
10021 637 同位体分離 isotope separation
元素中に存在する1種以上の同位体を,他の同位
体から分離すること。
10022 412 30547 [同位体]濃縮 enrichment
同位体分離の方法によって,元素中に存在する特
413 定の同位体の存在度を高めること。
備考 ISO 921では,方法に関係なく,元素中
に存在する特定の同位体の存在度を高
めることをいう。例えば,ウラン233で
濃縮したウラン,のように使用する。
10023 774 天然ウラン 天然の同位体組成をもつウラン。 natural uranium
10024 411 濃縮ウラン ウラン235の同位体存在度が天然存在度を超える
enriched uranium
ウラン。
備考 ISO 921では,ウラン233を添加した天
然ウランもenriched uraniumと呼ぶ。
10025 303 劣化ウラン ウラン235の存在度が天然のものより低いウラン。 depleted uranium
10026 410 30702 濃縮物質 enriched material
物質を構成する元素の同位体のうち,特定の1種
類又は2種類以上の同位体について,それらの存
在度が天然における値よりも高いもの。
10027 302 減損物質 減損した物質。 depleted material
10028 409 濃縮燃料 enriched fuel
1種以上の核分裂性同位体を濃縮したウラン,又は
化学的に異なる核分裂性核種を添加したウランを
含む核燃料。
10029 1251 委託濃縮 料金を徴収して濃縮ウランの製造を行うこと。toll enrichment
10030 412 富化 enrichment
核分裂性核種の存在度を,同位体濃縮以外の方法
413 で高めること。
備考1. 例えば,天然ウランにプルトニウム
239やウラン233を添加する場合をい
う。
2. 法規や協定文では,同位体ウラン238
に対するウラン233及びウラン235の
同位体存在度の和を,天然ウラン中の
ウラン235の同位体存在度より大き
くしたウランも濃縮ウランと呼んで
いる。

――――― [JIS Z 4001 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
Z 4001 : 1999
JIS ISO IEC 用語 定義 対応英語
10031 305 30546 減損 depletion
ある物質中に存在する特定の同位体の存在度が減
ること。また,このような物質を減損物質という。
備考 我が国では,ウラン中のウラン235が天
然存在度よりも少ない場合には劣化と
いうことがある。
10032 235 30550 転換 1. 燃料親物質から核分裂性核種への核変換。conversion
2. 着目する物質の化学形を変えること。
10033 237 30551 転換率 conversion ratio
転換によって生じた核分裂性核種の原子数の,失
われた核分裂性核種の原子数に対する比。
備考 その値はある時点について求める場合
も,ある期間に対して求める場合もあ
る。
10034 122 30552 増殖 転換率が1より大きい転換をいう。 breeding
10035 124 30553 増殖率 breeding ratio
転換率が1より大きいとき,転換率の代わりに使
う用語。
10036 123 30554 増殖利得 増殖率から1を引いた値。 breeding gain
10037 362 倍増時間 1. ある燃料装荷分について,核分裂核種の量が
doubling time
363 増殖によって2倍になるまでに要する時間。
2. ある燃料サイクル全体の燃料インベントリー
について,その中に存在する核分裂性核種の
量が,増殖によって2倍になるまでに要する
時間。
10038 519 30819 [燃料]再処理 fuel reprocessing
原子炉で照射した燃料から核分裂生成物を取り除
き,核分裂性核種及び燃料親物質を回収する工程。
10039 981 30863 放射性廃棄物 radioactive waste
放射性物質の処理や,その取扱いの過程で生じる
放射性物質を含む廃棄物。
10040 1225 熱出力 heat output,
原子炉において単位時間当たりに発生する熱エネ
ルギー。 thermal power
10041 電気出力 electrical output
発電機又は発電所において単位時間当たりに発生
する電力量。
備考 正味電気出力に対してグロス電気出力
ともいう。
10042 正味電気出力 net electrical output
電気出力から所内利用分を差し引いたもので,電
力系統に供給される電力。
10043 熱効率 熱出力に対する電気出力の比。 thermal efficiency
10044 678 負荷率 load factor
ある期間に供給した電力量を,最大需要電力とそ
の期間の積で割った値。
備考 平均負荷を最大負荷で割った値に等し
い。
10045 892 プラント負荷率 plant load factor
ある期間に発電設備が供給した電力量を,最大電
力とその期間の積で割った値。
備考 最大電力に対する平均供給電力の比に
等しい。
10046 59 稼動率 availability factor
ある期間において利用可能な電力量を,最大需要
電力とその期間の積で割った値。
10047 1292 利用率 utilization factor
ある期間に供給した電力量を,その期間において
利用可能な電力量で割った値。
備考 稼動率に対する負荷率の比に等しい。

――――― [JIS Z 4001 pdf 9] ―――――

8
Z 4001 : 1999
JIS ISO IEC 用語 定義 対応英語
10048 151 設備利用率 capacity factor
ある期間に発電所が供給した電力量を,定格電気
出力とその期間の積で割った値。
備考 定格電気出力に対する平均供給電力の
比に等しい。
10049 421 平衡サイクル equilibrium cycle
ある原子力発電所の燃料サイクルにおいて,供給
物質と排出物質の組成が一定していると想定され
るもの。
備考 発電コストなどの計算に用いられる。
10050 49 年間装荷量 annual throughput
原子炉施設において,使用済燃料と交換し装荷さ
れる新燃料の平均年間量。
10051 510 fuel cycle costs
[核]燃料サイクル費 燃料サイクルにかかる費用。通常,燃料の輸送及
び廃棄物処理の費用を含む。
10052 901 プルトニウムクレジ plutonium credit
使用済燃料の中のプルトニウムに対して想定され
ット る価値。
10053 211 コミッショニング 原子力発電所の建設終了後に行われる一連の作commissioning
業。
備考 部品及び全系統の試験と検査,核燃料の
装荷,常温臨界試験,加熱と低出力試験,
出力上昇試験及び試運転に分かれる。
10054 デコミッショニング decommissioning
原子力施設の使用停止後,残留放射能及びその他
の危険から従業員や公衆の健康と安全を確保する
ために実施する措置。その最終目標は,敷地の完
全解放と再使用である。廃止措置ともいう。
10055 1071 操業開始期間 初臨界後,平衡サイクルに達するまでの時間。running-in period
10056 1072 操業終了期間 running-out period
原子力発電所の使用最終期。この期間内に最終装
荷燃料が消費し,最終的な運転停止の準備が行わ
れる。
10057 822 原子力施設 nuclear installation,
原子力安全についての配慮が必要とされるような
827 nuclear facility
規模で,放射性物質又は核分裂性物質の生産,加
工,利用,処理,貯蔵,及び処分を行う施設。
10058 放射線施設 radiation facility
放射性物質,放射線発生装置を取り扱うために放
射線防護上の配慮が必要とされる施設で,使用,
詰替,貯蔵,廃棄などを行う施設などの総称。
10059 997 30858 ホットラボ hot laboratory
強い放射能をもつ放射性物質を安全に取り扱うこ
とができるよう適切な設備をもつ実験室,又はそ
のような実験室をもつ施設。強放射化学実験室
(hotradiochemical laboratory) ともいう。 (IEC 393)
備考 放射性物質を取り扱うため安全対策を
施した実験室をアイソトープ実験室
(radionuclide laboratory) という場合もあ
る。 (ISO 921)
10060 1047 再処理施設 reprocessing plant
使用済燃料から,再利用を目的として燃料親物質
及び核分裂性物質の分離と回収を行う施設。
10061 514 燃料成型加工施設 fuel fabrication plant
核物質を含む原料を,燃料要素又は燃料集合体な
どに加工する施設。
備考 保障措置上は,施設に附属するこれら物
質の貯蔵所及び分析所を含める。

――――― [JIS Z 4001 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS Z 4001:1999の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60050-393:1996(MOD)
  • IEC 60050-394:1995(MOD)
  • ISO 921:1997(MOD)

JIS Z 4001:1999の国際規格 ICS 分類一覧