JIS Z 4120:2008 診断用X線管装置―焦点特性 | ページ 2

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Z 4120 : 2008 (IEC 60336 : 2005)

4 焦点特性の決定方法

4.1 焦点特性

  焦点特性は,幅及び長さの2方向について示す。この箇条の説明を,附属書Aの図A.1に示す。

4.2 X線管装置の長軸

  一般に長軸は,図A.1に示す軸をいう。X線管装置の長軸が明確でない場合,又は製造業者がほかに定
義する場合は,製造業者は長軸を焦点特性とともに定義しなければならない。

4.3 基準軸

  指定されていない場合,一般に,基準軸はX線管装置の長軸と垂直で,X線管装置の実焦点の中心にあ
り,かつ,長軸と交差する。

4.4 焦点長さに関する評価方向

  焦点長さの評価方向は,X線管装置の基準軸及び長軸から構成される平面上で基準軸に垂直とする。

4.5 焦点幅に関する評価方向

  焦点幅の評価方向は,X線管装置の基準軸及び長軸に垂直とする。

5 焦点測定用カメラ設定

5.1 概要

  この箇条は,箇条9の変調伝達関数(MTF)の決定,更に箇条8の焦点寸法の決定に用いる,焦点スリ
ットX線像を形成するカメラの設計仕様について規定する。
この箇条では, 焦点ピンホールX線像についても規定する。

5.2 試験装置

5.2.1  スリットカメラ
スリットは,高X線吸収の材料を使用し,図1に示す寸法でなければならない。適切な材質の例を,次
に示す。
− タングステン
− タンタル
− 金と10 %白金との合金
− タングステンと10 %レニウムとの合金
− 白金と10 %イリジウムとの合金

――――― [JIS Z 4120 pdf 6] ―――――

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単位 mm
図1−スリットの主要寸法
5.2.2 ピンホールカメラ
ピンホールは,高X線吸収の材料を使用し,図2に示す寸法でなければならない。適切な材質の例を,
次に示す。
− タングステン
− タンタル
− 金と10 %白金との合金
− タングステンと10 %レニウムとの合金
− 白金と10 %イリジウムとの合金

――――― [JIS Z 4120 pdf 7] ―――――

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単位 mm
図2−ピンホールの主要寸法
5.2.3 撮影用フィルム
焦点スリットX線像又は焦点ピンホールX線像は,増感紙を使わずに微粒子の撮影用フィルムを用いて
撮影する(例 歯科用撮影用フィルム)。

5.3 試験配置

5.3.1  基準軸と垂直のスリット又はピンホール位置
スリット及びピンホール中心と基準軸との同心度は,mの距離100 mm当たり±0.2 mm以内の精度でな
ければならない(図3参照)。
単位 mm
図3−基準軸に対するスリット又はピンホールの中心位置(図では×で示す。)
5.3.2 基準軸上のスリット又はピンホール位置
スリット又はピンホールの入射面は,実焦点の広がりによる拡大率の変化が基準軸に沿って,±5 %を
超えない距離に設置しなければならない(図4参照)。

――――― [JIS Z 4120 pdf 8] ―――――

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mの距離100 mm当たり p<5 mm,k<5 mm のとき,
k : スリット又はピンホールに最も遠い実効焦点端部までの距離
p : スリット又はピンホールに最も近い実効焦点端部までの距離
m : 入射面と基準面との距離
n : 入射面から受像器面との距離
E : n / m で示される拡大率
スリット又はピンホールから焦点までの距離は,100 mm以上でなければならない。
単位 mm
図4−参照寸法及び面
5.3.3 スリット又はピンホールの方向
対称軸(図1及び図2に示す。)は,基準軸に対して1°未満の角度で配置する。
焦点スリットX線像を得るために,スリットを,スリット長さを評価する方向の90±1°以内に配置し
なければならない。
5.3.4 撮影用フィルムの位置
撮影用フィルムは,表1によって,適切な倍率で設定されたスリット又はピンホール投影面からの距離
で基準軸に対し90±1°で受像器面上に置く。倍率Eは,±3 %の精度で設定する。

――――― [JIS Z 4120 pdf 9] ―――――

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表1−焦点X線像の拡大率
公称焦点値 拡大率
f a) E = n / m b)
f ≦ 0.4 E≧3
0.4 < f < 1.1 E≧2
1.1 ≦ f E≧1
注a) 8.3参照。
b) 図4参照。

5.4 焦点測定系の許容差

  焦点測定用カメラの設置が焦点測定に与える許容差は,±5 %を超えてはならない。

6 X線像の作成

6.1 概要

  この箇条は,焦点スリットX線像及び焦点ピンホールX線像の作成について規定する。
焦点スリットX線像及び焦点ピンホールX線像が,この規格に適合していることを表明する方法を含む。

6.2 作動条件

6.2.1  焦点スリットX線像及び焦点ピンホールX線像
焦点スリットX線像及び焦点ピンホールX線像は,箇条5に準じた焦点測定用カメラで作成しなければ
ならない。焦点スリットX線像から焦点寸法を決定するための必要事項を箇条8に,MTFを決定するた
めの必要事項を箇条9に規定する。
焦点ピンホールX線像は,焦点全体における放射強度の方向,対称性及び分布を示すことだけに用いる。
6.2.2 X線管装置
X線管は,正常な使用として指定された形式のX線管容器に封入されなければならない。又は試験結果
に影響を与える可能性がある限り,X線管は,取付け及び作動条件がX線管装置と同等な条件下で測定し
なければならない。
X線出力を減じるための付加ろ過は,その付加ろ過が線広がり関数(LSF)に重大な影響を与えないこ
とを確認しない限り用いてはならない。しかし,正常な使用でX線管装置に附属するすべての部品は取り
付けなければならない。
6.2.3 X線条件
撮影又はコンピュータ断層撮影で使用するX線管装置の焦点スリットX線像及び焦点ピンホールX線
像は,表2に示す一定のX線条件で得なければならない。
回転陽極X線管の陽極は,該当する撮影定格で,指定の最大陽極回転速度で回転させなければならない。
表2−X線条件
公称最高管電圧 要求する管電圧 撮影時間 要求するX線管
kV 電力
コンピュータ断 U < 75 公称最高管電圧 要求する光学濃度 IEC 60613で規定
層撮影を除く撮 に必要な時間 した公称陽極入
75 ≦ U ≦ 150 75 kV
影 6.3.3参照 力の50 %
150 < U ≦ 200 公称最高管電圧の
50 %
コンピュータ断層撮影 120 kV

――――― [JIS Z 4120 pdf 10] ―――――

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JIS Z 4120:2008の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60336:2005(IDT)

JIS Z 4120:2008の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 4120:2008の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISZ4004:1989
医用放射線機器図記号
JISZ4005:2012
医用放射線機器―定義した用語