JIS Z 7151:2000 固定発生源排出物質―ガスの流れるダクト中での粒子状物質の濃度及び質量流量測定―手分析的重量法 | ページ 4

                                                                                             15
Z 7151 : 2000 (ISO 9096 : 1992)
表4 円形ダクトの試料採取点の最小数
直径当たりの 測定断面当たりの
測定断面積の範囲ダクト直径の範囲 試料採取点の最小数 :
試料採取点の最小数 :
試料採取線の最小
m2 m 数(直径) 中数点 中数点
それ以内 それ以外 それ以内 それ以外
<0.09 <0.35 − 1 1) − 1 1) −
0.090.38 0.350.70 2 3 2 5 4
0.380.79 0.701.00 2 5 4 9 8
0.793.14 1.002.00 2 7 6 13 12
>3.14 >2.00 2 9 8 17 16
1) 1点の試料採取点によって測定する場合,14.に記述したように測定誤差は大きくなる。
表5 矩形ダクトの試料採取点の最少数
測定断面積の範囲 個々の測定断面に
試料採取点の最小数
m2 おける採取点の数1)
<0.09 − 1 2)
0.090.38 2 4
0.381.50 3 9
>1.50 4 16
1) 短い側が長い側の2倍以上の場合(B.3を参照)には,採
取点数をふやすよう分割数を増すこと。
2) 一つの試料採取点での測定は,14.に記述したように大き
な誤差をもたらすことになる。
9.4 測定孔の大きさと位置
測定孔は,9.3に従って決定された試料採取点に届く位置に設ける。その大きさは試料採取装置の大きさ,
出し入れスペースによって決まる。(水平ダクトにおける測定孔の位置については9.2を参照)。
もし,排ガス吸引器能力が十分でない場合及び有害ガスのため吸引したガスをダクトに戻す必要がある
場合,第2の測定孔が試料採取断面の下流に必要である。
9.5 作業場
安全の予防措置 : 常設又は仮設作業場は,十分な広さの面積をもち,高さ0.5mと1mの手すり,はしご
の先端部に取り外し可能な鎖,0.25mの垂直なベースボードなどを設ける。
作業場は,試料採取装置の出し入れを邪魔するような構造物から離して,測定孔に合わせて設定する。
作業場面積は通常5m2以上で,ダクトの直径に依存するが,少なくとも幅12mをもたせる。
使用する装置に必要な圧縮空気,水,電気などの供給のしやすさも考慮する。装置の上げ下ろしのため
のホイスト及び照明も必要である。
もし,作業場が天空にさらされる場合には,作業者及び装置のために適切な防護具を準備する。電気ソ
ケット,プラグ,器具は,悪天候を考慮して防水形にする。
9.6 装置の選定
装置の選定は,粒子の種類及び現場の状況に依存する。以下の事柄を考慮する。
a) およその粒子濃度。
b) およその粒子径。
c) ガスの温度。酸及び水の露点を知るために必要。
d) ガス中のおよその水分の変化。もし,水分が試料採取の間に±5% (V/V) 以上変化する場合には,ガス
流量測定器を含み試料採取装置内で水分が凝縮しないよう吸引ガスの濃度を十分高くする。

――――― [JIS Z 7151 pdf 16] ―――――

16
Z 7151 : 2000 (ISO 9096 : 1992)
e) ガスの化学成分。装置の材質の選定に必要。
f) ガスの最高温度。装置の耐熱性において必要。
g) ダクトの内部の大きさ。ダクト内部に挿入する装置の大きさに関係する。その装置の大きさは試料採
取断面積の10%を超えてはならない。
h) ガス速度の変化範囲。
i) ダクト内の静圧。
j) 測定者に対する危険。
装置内,特にノズルと粒子分離器の間に,水分,硫酸分,その他の蒸気が凝縮しないよう吸引ガス温度
の露点以上に,少なくとも15℃以上に保つ。
9.7 選定した試料採取位置の適正確認
試料採取位置が適正かどうかを確認する。すなわち,試料採取断面におけるガス流の状態が規定の条件
を,10.4に既述した試料採取断面における速度と温度の調査を行い,合致しているかを確認する。
備考3. 通常,この調査は,試料採取のために必要なあらゆる準備及び前処理を行った後,試料採取
前に行う。
10. 試料採取前の準備
10.1 装置の準備
測定者は作業場を清浄な状態にしてから装置を運ぶ。ガス吸引器,圧力と温度測定器,ゴム,プラスチ
ックチューブなどが良好な状態かどうかを確認する。試料採取装置及びピトー管の内外がきれいになって
いるかも確認する。
ろ紙支持体などを含めろ紙を乾燥機中で110℃で加熱し,デシケータ中で放冷した後,ひょう量する。
空試験用のろ紙は,室内の温度及び水分の変化を補正するために使用する。ろ紙の材質はろ過温度に耐え
るものでなければならない。ろ材が加熱減量を起こすような場合は,ダクトのガス温度以上 (10K) で加熱
する。
ひょう量するものはすべてきれいな作業場で取り扱い,容器に入れて運ぶ。
試料採取前に必要な各装置,例えば流速計,吸引ガス流量測定器,ゲージなどは校正をしておく。
10.2 装置の組立
傾斜マノメータを使用する場合は,水平な床又はしっかりした台の上に確実に固定する。
ピトー管は使用する前にすべての圧力測定孔をきれいにしておく。ピトー管と圧力ゲージとをチューブ
でつないでおき,温度差による読みの誤りを避ける。
漏れの確認は,ガスメータを使用する場合,プローブの入り口をふさぎ,50kPaの減圧を確認し,装置
への空気の漏れを測定する。漏れは体積流量で1%以下。
試料採取装置を測定孔の近くに置き,選定したノズルを取り付ける。作業しやすい場所に,マノメータ
及び圧力ゲージをしっかりと固定し,試料採取装置と連結する。
10.3 測定断面
ダクトの内寸は,表3に記述した測定器具 (27) によって直線で±1%まで測定し,得られた値から測定
断面積を計算する。この場合,ダクト内部の沈着物は除く。
10.4 ガス速度と温度の予備測定
試料採取を行う前に,予備測定を行う。温度とピトー管の動圧(他の測定器を使うならば速度)を選定
したすべての試料採取点に沿って測定する。この場合,有効ダクト径の3%以内若しくは内壁から3cmの

――――― [JIS Z 7151 pdf 17] ―――――

                                                                                             17
Z 7151 : 2000 (ISO 9096 : 1992)
領域は除く。試料採取点の測定値は,ダクト内の流れが安定している場合には,吸引流量の計算に使う。
試料採取点数以上の速度測定点数が,次の二つの理由で必要である。一つは試料採取の適合性を判断す
るため,一つは試料採取後の全ガス流量と粒子質量流量を精度よく算出するためである。
備考4. 閉鎖回路中の流量測定に関したISO 3966に準じればよい精度が得られる。しかし,ISO 3966
の必要条件は,しばしばダクトの状況によって困難となる。
測定の間,プラントが一定の決められた状況下で操作されているかを確認する。試料採取位置が適当か,
ダクト内の状況が等速吸引操作に適しているか否かを調べる。それらの条件は,次による。
a) ダクト軸に対するガス流れの角度 : ≦15°
b) 局所的に逆流があってはならない。
c) 最低流速 動圧 : ≧5Pa
d) 速度分布 最大 : 最小比≦3 : 1
e) 温度分布 平均温度 (K) : ≦±5%以下
a) e)の条件を満たさない場合は,この規格では,粒子濃度と質量流量の測定値が認められないので,
他の試料採取位置を捜す。
11. 試料採取手順
11.1 ガス速度と温度測定
試料採取に先立ち,10.4で規定するように速度と温度測定器を用いて予備測定を行う。これらの測定が
早い段階で行われたならば,その後に,ガス速度及び温度の変化が起きていないかどうかを確認する必要
があり,実際の試料採取前にそれらの測定を繰り返す。
11.2 試料採取点の数と位置
9.3によって選定した試料採取点で試料を採取する。ダクトの内寸から試料採取点の位置を附属書Bに
従って選定する。ガス速度測定器と試料採取管のいずれも,ダクト壁及び測定孔の固定部の厚さを考慮し,
耐熱性マーカで測定孔の内壁から各試料採取点までの距離を示す印を付ける。
流れの状態が極めて安定(流速の変動 : <5%)している場合,等速吸引は,試料採取前に行った試料採
取点での温度と速度から等速吸引量を算出し,この結果を基に使用するノズル径を選定する。
試料採取終了後,直ちに流れの安定性を確認する。
流れの状態が安定していない (変動 : <10%) 場合,等速吸引は,局所的なガス速度の相対的変動が同じ
であると仮定し,参照用試料採取点でのガス速度を測定しながら,各点でのガス試料を採取する。
ダスト内の流れ状態の変動が大きい (>10%) 場合,試料採取の間,試料採取点におけるガス速度を測定
して等速吸引かどうかを確認する。変動が生じているならば,その変動に応じて吸引流量を調節する。こ
の場合,ピトー管をプローブ管に取り付けて試料採取する。プローブの入口ノズルとピトー管の先端はガ
ス速度の測定及び試料採取に影響を及ぼさない程度に離して固定。ピトー管は附属書Dに準じて校正する。
11.3 試料採取時間
各試料採取点での採取時間は,流量の調節誤差などを考慮して3分間以上とし,全試料採取時間は以下
のように決定する。
a) ひょう量のために適した量の試料を捕集する(10.を参照)。
b) 試料採取装置の捕集率及び操作を妨害するような過度の量の試料の捕集は避ける。
c) 移動採取か各点採取かを選定する。
d) 採取点数。

――――― [JIS Z 7151 pdf 18] ―――――

18
Z 7151 : 2000 (ISO 9096 : 1992)
e) プラント操業の連続性,操業周期の期間。
以上のことを考慮して,できるだけ長く試料採取時間を決める。
11.4 試料採取
11.4.1 概要
プローブ管をダクト内に挿入して,吸引を開始するまで,ノズルへの粒子侵入はあってはならず,次の
点に注意する。
a) 試料採取装置へガスが流れないように閉鎖弁は閉じておく。
b) プローブ管はノズル軸がガスの流れ方向に正しく合うように固定するが,ノズルの方向は流れ方向に
向ける。
c) プローブ管は,捕集した粒子の損失を最小に,また,ダクト及び測定孔内の沈殿物に接触しないよう,
常に注意して取り扱う。
入口ノズルは確実にプローブ管に取り付け,制御弁はしっかり閉じて,プローブ管をダクト内に挿
入し,最初の試料採取点にガス速度測定器(速度検出部)を固定する。
ダクト内に挿入した装置が排ガス温度に達するまで放置する。装置の加熱器のスイッチを入れ,機
能が正しく操作しているかを確認する。もし,必要ならば,別途,関連部分はあらかじめ加熱してお
き,操作の迅速化を図る。
ガス吸引器のスイッチを入れ,入口ノズルが流れ方向に直面するまでプローブ管の向き(約10°以
内まで)を回転させて,しっかりと固定する。タイマーのスタートと同時に制御弁を開く。ノズル口
径,速度など(13.3を参照)を基に計算した必要な等速吸引流量の指示値になるよう制御弁を調節す
る。等速吸引を維持するため,必要な試料採取時間の間制御弁を調節する。ノズルから吸引するガス
速度は試料採取点のガス速度の±10%以内である。
吸引ガス量はフローメータの差圧と試料採取時間とから求めるが,十分な精度で吸引量を測定する
ため,メータ値を時々読みとる。
代替法による測定は11.4.2又は11.4.3に準じ,11.4.4のように進めて行う。
11.4.2 移動採取 (3.3)
最初の試料を採取した後,捕集した試料は回収せずに,11.4.1の事項に注意し,第2番目の試料採取点
にノズルの再設定を行うためにプローブ管は素早く移動させる。その後,第2番目の試料採取点における
所要の等速吸引流量になるよう素早く制御弁を調節する。最初の試料採取線のすべての試料採取点におい
て,11.4.1に述べたような連続測定及び手順を繰り返す。制御弁を閉じ,タイマを止め,ノズルをガスの
流れ方向に回転させプローブ管を測定孔から取り出し,次の試料採取線に再設定し,すべての試料採取点
で試料採取が終了するまでこれらの測定操作を繰り返す。
等断面積の各試料採取点における試料採取時間は等しくする。
11.4.3 各点採取 (3.8)
粒子分離器がダクト内の採取管に取り付けられている場合には,最初の試料を採取した後,制御弁を閉
じて,タイマを止める。採取管をダクトから抜きだして(11.4.2を参照)粒子捕集器を取り外し,必要な
らば,採取管内の沈殿物を回収する。新しい分離器を再び設定した後,次の試料採取点で11.4.1で述べた
手順で試料採取を行う。
粒子分離器がダクト外にある場合,採取管内の沈殿物を失わないようにしてプローブ管を抜き出す。
すべての粒子分離器が各試料採取点で試料採取を終了するまで測定を繰り返す。
11.4.4 ガス流速と温度の読みの繰り返し

――――― [JIS Z 7151 pdf 19] ―――――

                                                                                             19
Z 7151 : 2000 (ISO 9096 : 1992)
速度の測定と試料採取を同時に行わない場合,すべての試料採取点で試料採取が終了した時点で,直ち
に各点の速度と温度の測定(11.2を参照)を繰り返す。もし,ガス速度の合計が11.2の以前測定した流速
の合計の±5%以上である場合,その測定結果は正しい値といえない。
等速吸引は,計算して決定した吸引流量と実際に吸引した流量,又は試料採取点のガス速度と吸引した
流量から計算したノズル速度とを比較し,実施できた(±10%以内)かを判断する (13.3)。
等速吸引が達成できなかったならば,その測定結果は無効で,原因を調べて測定をやり直す。
ダクト内の全ガス流量と粒子質量流量の正確な計算を行うためには,10.4に述べたように,ダクトの測
定断面においてガス速度の測定を繰り返して行う。
11.5 繰り返し試料
粒子濃度の繰り返し測定が必要な場合には,11.4のすべての手順に従って,同一のプラント条件下で繰
り返す。最初の試料採取の後,直ちに2回目の試料採取を行う場合には,11.4.4に準じたガス速度と温度
の測定値を2回目の試料の測定値として用いる。
12. ひょう量
捕集した試料はひょう(秤)量容器に入れ,容器の外部を注意して清掃し,ひょう量する項目の確認を
する。
装置の内面に付着した粒子の質量も求め,捕集した粒子質量に加える。もし,必要ならば,装置内面に
付着した粒子はアセトン洗浄によって回収,風袋用ビーカに移し,常温常圧で乾燥する。乾燥した残留物
はろ紙上の粒子と同様な条件下でひょう量する。乾燥したものは,デシケータ中で室温まで放冷し,試料
採取前と同じ条件下で恒量にした後,ひょう量する。
捕集した粒子が乾燥によって変化していないかも確認する。
理想的条件(代表的試料採取)下での粒子濃度測定の全体の誤差は約10%である(14.を参照)。これは,
ひょう量の不正確さが2%以下と仮定したもので,このためには十分な量の粒子を捕集しなければならな
い。実際に1mg程度のひょう量誤差があることを考慮すると,約100mgになるような捕集量が必要であ
る。実際の捕集量は,温度,試料採取時間,ガス吸引器の能力によって異なるが,低濃度粒子の場合,採
取時間及び吸引器の能力の増加が必要である。又はひょう量手順の改善によって1mg以下のひょう量誤差
とするなどが必要である。
13. 計算方法
13.1 概要
この箇条の各項では図5と図6の流れに従って計算を記述する。ここにおける括弧内の数字は図中の各
項目の数字に対応し,式中の記号と下付き記号は4.による。
13.2 ダクト内ガス速度
それぞれの試料採取点におけるガス速度は,各位置 (8) のガス密度 (7) と動圧 (1) から算出し,平均ガ
ス速度は,すべての試料採取点の測定結果から求める。平均ガス速度 (8) と試料採取断面積 (2) からダク
ト流量 (9) を求める。
標準状態におけるガス密度 乾きガスに換算して次の式によって求める。
N
n rn,i n,i (1)
i1

――――― [JIS Z 7151 pdf 20] ―――――

次のページ PDF 21

JIS Z 7151:2000の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 9096:1992(IDT)

JIS Z 7151:2000の国際規格 ICS 分類一覧